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2007年3月23日
民主党は
女性の再婚禁止期間短縮を8年前から提案しているのです。

<民法>
第733条(再婚禁止期間)
 女は、前婚の解消又は取り消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をす ることができない。
2 女が前婚の解消又は取り消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、 前項の規定を適用しない。
第772条(嫡出の推定)
 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取り消しの日 から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

1 民主党は8年前から民法改正案を提出

 今日の家族に係わる制度は現状にはそぐわない面が沢山あります。中でも女性の人 権、子どもの人権は国連の女性会議でも多々指摘を受けている状況にあります。民主 党はこうした事態を受け、当時、民主党ネクストキャビネットの男女共同参画・人権・ 総務大臣であった千葉景子議員が中心となって、検討を進め、具体的な法改正を提案 してきました。
 1999年、民主党を中心に野党3党で、選択的夫婦別姓制度の導入などを盛り込 んだ「民法の一部を改正する法律案」を提出したのに続き、2000年からは千葉景 子議員を筆頭発議者としてこれまで、数回提出されましたが、いずれも与党の抵抗に あい廃案とされてきました。
 この「民法の一部を改正する法律案」は
 (1)選択的夫婦別姓制度の導入
 (2)非嫡出子の相続差別撤廃
 (3)女性の婚姻可能年齢を男性と同じ18歳に引き上げ
 (4)女性の再婚禁止期間を100日に短縮
を主な柱として、多様なライフスタイル、多様な家族の形、これまで制約を受けてき た女性の自由な選択肢を実現するべく、あきらめず法案の提出を行ってきたところで す。
 ところが、こうした趣旨に与党は全く同意せず、審議の俎上にのせられることさえ なかったのがこれまでの状況です。

2 懐の小さい与党 

 こうした経緯を無視するかのように、自民党は先ごろ、民法772条の見直しを検 討するプロジェクトチームをつくり、待婚期間について100日程度に短縮すること を盛り込む特例新法を検討しはじめました。公明党も同様のPTを立ちあげ、今国会 中に与党案としてくだんの法案が提出されるという見方もあります。
 民法改正は前述したように何年も前から民主党が問題提起しています。それ以前に も法務省の審議会で民法772条の規定は時代にそぐわない旨の指摘がされていまし た。与党のみなさんは、これまで見向きもしなかったのにここにきて、まるで自分た ちが初めて取り組むがごとく動いているのは何故でしょうか。
 選挙を意識して動き出したと勘ぐられても仕方はないでしょう。私たちの長きにわ たる取り組みをさらっていくようなやり方は断じて許せません。
 これまで、民法772条の規定に泣かされた多くのこどもや女性の訴えに一顧だに せず、民主党がこれまで散々国会において問題提起してきたことを無視しつづけてき た与党の中にはまだ根強く民法改正に反対する勢力があるようです。与党自身も世論 に迎合するかのように検討を始めたものの、ハードルは高いのかもしれません。
 
3 千葉景子議員の委員会質問に、安倍首相は消極的態度 

 千葉景子議員は2月15日の厚生労働委員会の少子化問題の集中審議で、民法77 2条による戸籍のない子どもの問題を取り上げ、安倍首相に民法改正を迫りました。 明確な答弁を避ける首相になおも重ねて質問した結果、安倍首相の答弁はこうです。
    「ご指摘の民法第772条の規定は、婚姻中に懐胎した子や婚姻解消後に三百日以 内に生まれた子を夫の子と推定する嫡出推定の規定でございますが、この嫡出推定制 度は、法律上の父子関係をどのように設定するかという身分法の根幹となる規定であ ります。その規定及びその運用については、現在各方面でなされている様々な議論の 状況等を視野に入れながら、見直しの要否を含めて慎重に検討を行ってまいりたいと 思います。」
 というように、見直しの要否さえ検討するというお考えでした。
 法務省もこの改正には一貫して消極的意見です。
 離婚調停(裁判)が長期化する傾向にあり、また、DVにより夫と面談ができない 女性もいます。民法772条の規定の泣かされた多くのこどもや女性の訴えに一顧だ にせず、民主党がこれまで散々国会において問題提起してきたことを無視しつづけて きた与党ですが、民法改正にむけて少しづつ動き出したことは間違いないようです。
 いずれにしても夫婦別姓の問題や、非嫡出子の権利の問題なども合わせて議論し、 現実に即した法改正に向け大きな前進のきっかけにしたいと考えます。

<参考資料>
2007年3月16日
法務省民事局

離婚後300日以内に出生した子を後婚の夫の子とする手続き
  1. 離婚後300日以内に出生した子は、原則として嫡出否認の訴えが認められない 限り、前婚の夫の子とされる。
    (注1)
     嫡出否認の訴えとは、嫡出推定を受ける子との親子関係を覆すために、前婚の夫が、 自分の嫡出子であることを否認する訴えをいう。
    (注2)
     原告は原則として前婚の夫に限られ、子又は親権を行う母に対し、子の出生を知った時から1年以内に行う必要がある。
    (注3)
     嫡出否認の裁判が確定した場合、嫡出でない子としての出生届がなされたときは、その子は直ちに母の離婚後の戸籍に入籍し、後婚の夫と母との嫡出子としての出席届がなされたときは、その子は直ちに後婚の夫の戸籍に入籍する。
    (注4)
     民法上、母子関係は、出産という客観的・外形的事実によって当然に生じると考え られているのに対し、父子関係は、これをどのようにして判定するかという問題があ る。
     法律上の父子関係の発生のために、父子関係の証明がいちいち必要となると、父子 関係がなかなか確定しない場合が生じ、扶養されるべき子の利益が守られなかったり、 家庭の平和が害されてしまう恐れがある。そこで、民法第772条は、合理的な範囲 内で、生まれた子の父親を推定する規定を設け、この規定により父子関係が推定され る場合には、特段の証明を必要とすることなく父子関係を発生させて、法律上の父子 関係が客観的・一義的に定まるようにしている。
     民法第772条は、まず、第1項で、妻が婚姻中に妊娠した子は、夫の子であると 推定している。妻が婚姻中に妊娠した子の父親は、法律上の夫である蓋然性が高いか らである。
     さらに、第2項では、婚姻成立から200日後、または、婚姻の解消又は取消しの 日から300日以内に生まれた子は、妻が婚姻中に妊娠した子であると推定している。 この規定は、医学的統計によれば、妊娠後28週から41週まで、つまり妊娠から約 200日以後300日以内に生まれた子が全体の99%に及んでいることを考慮した ものである。
     したがって、第1項と第2項により、婚姻の解消の日から300日以内に生まれた 子は、婚姻解消前の夫の子と推定されることになる。

  2. 子の懐胎時に前婚の夫と妻の間に性的関係が認められないことが外形的・客観的 に明 らかである場合には、例外的に、嫡出否認の訴えによらなくても、前婚の夫と の親子関係 が否定され、後婚の夫との親子関係が認められる場合がある。
    1. 親子関係不存在確認の訴えが認められる場合「子が客観的に前夫の子であり得ないと いう事実」が裁判上認められることが必要である。(注1)

      (注1)
       「子が客観的に前夫の子であり得ないという事実」が認められた例として、(1)夫婦 が2年半以上にわたり事実上の離婚で別居し、夫婦関係の実態がなかった場合、(2)夫 が出征中に妊娠した子である場合等がある。
      (注2)
       原告は、確認の利益を有する者であれば誰でもよく、いつでも行うことができる。 子が原告の場合には、前婚の夫が被告となり、第三者が原告の場合には、前婚の夫及 び子の双方が被告になる。
      (注3)
       親子関係不存在確認の裁判が確定した場合、嫡出でない子としての出生届がなされ たときは、その子は直ちに母の離婚後の戸籍に入籍し、後婚の夫と母との嫡出子とし ての出席届がなされたときは、その子は直ちに後婚の夫の戸籍に入籍する。

    2. 強制認知の訴えが認められる場合 上記 i. の親子関係不存在確認の訴えによらず、後婚の夫に対する強制認知の訴え が認められる場合がある。ただし、親子関係不存在確認の訴えと同様に、「子が客観 的に前夫の子であり得ないという事実」が裁判上認められることが必要である。(注 1)

      (注1)
       親子関係不存在確認の訴えによらず、後婚の夫に対する強制認知の訴えが認められ た例として、夫婦が2年半以上にわたり事実上の離婚で別居し、夫婦関係の実態がな かった場合がある。
      (注2)
       原告は、子又はその法定代理人(例えば、子の親権者である母)等であり、後婚の 夫に対して行うことができる。ただし、後婚の夫が死亡した場合には、3年以内に行 う必要がある。
      (注3)
       強制認知の裁判が確定し、妻が、前婚の夫の子を懐胎し得ないことが客観的に明白 であることが裁判上明確にされた場合であれば、婚姻後に出生した子を後婚の夫との 間の嫡出子として出生届がなされたときは、その子は直ちに後婚の夫の戸籍に入籍す る(婚姻前に出生した子の場合は準正嫡出子として扱う。)。ただし、強制認知の裁 判では、前婚の夫は手続に関与せず子と前婚の夫との親子関係が直接争点とならない ため、個別具体的な事案においては、前婚の夫との親子関係の否定には慎重とならざ るを得ないこともある点に注意を要する。

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