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外国人女性と日本人男性の間の子どもに立ちはだかる理不尽な国籍法の壁
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外国人女性と日本人男性の間の子どもに 立ちはだかる理不尽な国籍法の壁
国籍法第3条は理不尽
現在の法律(国籍法第3条1項)では、外国人女性と日本人男性の間に生まれた子
どもが日本国籍を得るには、父母が婚姻し、認知された嫡出子であることを国籍取得
の条件にしています。しかし、母親が日本人で、父親が外国人である場合はほとんど
無条件で国籍を得ることができます。そもそも国籍法は父系優先血統主義を改め、父
母両系血統主義に改正されたはずでした。何故、外国人女性の場合と日本人 女性の
場合に扱いの差が必要なのか、国が示す理由に合理性がないことは、後に示す判決文
でも明らかです。
<国籍法>
(準正による国籍の取得)
第三条 父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満の
もの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本
国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡
の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取
得することができる。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得
する。
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国籍確認訴訟・・・違憲の判決が
去る3月29日、フィリッピン女性と日本人男性との間に生まれた子供が日本国籍
を取得できないのは憲法に違反するとして国を相手に訴訟を起こしていた案件で、東
京地裁は「違憲」の判決を下しました。訴訟をおこしたのは日本在住のフィリッピン
国籍の子ども9人。母親が出生前に認知されなければ日本国籍を認められないことを
知らなかったため、同じ兄弟で国籍が違う例もあります。
<憲 法>
第十四条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】
1 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門
地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、
現にこれを有し、又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。
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<判決要旨>
[主文]請求認容(各原告が日本国籍を有することを確認する。)
[理由の要旨](抜粋)
二 国籍法3条1項が存在するため、準正による嫡出子は、届出のみで日本国
籍を取得することができるが、日本国民である父と外国人の母との間に出生し
た非嫡出子のうち、父から生後認知を受けているが、父母が法律上の婚姻をし
ていない非準正子は、日本国籍を取得することができないという極めて大きな
差が生じる。
そして、同じ非嫡出子であっても、母が日本国民である非準正子及び日本
国民である父から胎児認知を受けた非準正子は、出生により当然に日本国籍を
取得することを考えると、父が日本国民である非準正子に限り、届出をしても
日本国籍を取得することができないことは、相対的に見て、極めて大きな不利
益であるということができる。また、日本国籍を取得することができないとい
うことは、基本的人権の保障を受ける上での国籍取得の重要性や、法の下の平
等の重要性にかんがみれば、容易には許されるべきことではないというべきで
ある。
五 1 被告は、偽装認知の防止という観点からも、国籍法3条1項は合理性
を有する旨主張するが、準正要件を不要とした場合に、虚偽認知の危険性が飛
躍的に高まることを示す的確な証拠は見当たらない。また、そもそも、虚偽の
認知による国籍取得を防止すべきであるからといって、真実の認知についてま
で国籍の取得から排除するのは、本末転倒である。
2 また、最近の諸外国の国籍取得制度の傾向を見ても、これに依拠して、国籍の
取得のために非嫡出子に対して準正要件を要求することが、合理的であると説明す
ることはできない。
六 以上によると、国籍法3条1項が準正を国籍取得の要件とした部分は、父
が日本国民である非嫡出子に限って、大きな区別と不利益をもたらすこととな
り、このような区別は、合理的な根拠に基づくものであるとはいえず、憲法1
4条1項に反する不合理な差別であるというべきである。
なお、国籍法3条1項が違憲となる範囲については、準正要件は同項の要
件の中で本来的に可分なものであり、また、同項は父母両系血統主義に立って
国籍を取得し得る範囲を拡充する点が中核となっており、これを制限する準正
要件が中核的なものになっているわけではないと解されるので、同項のうち、
準正要件を定める部分のみを違憲無効と解すべきである。
七 国籍法3条1項のうち準正要件を定める部分が違憲無効であることを前提
にすれば、本件において、各原告は、有効な届出を行ったものといえるから、
日本国籍を有する。
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同じ立場の子どものために
前記の原告団を支えるNPO団体や弁護士さんは、判決が出される前、法務大臣宛
ての国籍法の改正を求めて要望書を作成しました。その中で彼らはこう訴えています。
「私たちはこの裁判の原告となった9人の子どもたちの日本国籍取得だけを希
望しているのではありません。日本人を父として生まれ、認知制度により法律上の親
子関係も確認されながら、なお日本人として認められず、在留資格すら与えられない
子どもたちに、日本国籍を認め、日本での生活基盤を保障するよう、国籍法の改正を
求めるものです」、だから「この機会に、国籍法を抜本的に改正し、日本国
籍を取得できる要件を整理するとともに、日本人の親との間に法律上の親子関係を持
つ子供について公平に日本国籍は取得できるよう、制度整備をして頂きたく、今回署
名を添えて要望する次第です」と結んでいます。
結局、係争中との理由で大臣には会えませんでしたが、千葉景子議員も担当局との
話し合いの場を設けるなど、活動をサポートしています。
千葉景子議員も国会で追及
千葉景子議員は、この判決に先立つ3月16日の法務委員会で重国籍の問題を取り
上げ、その中で外国人の母親と日本人の父親の子どもが、父親が確定されているにも
かかわらず、婚姻関係もなく、認知も生まれてからでは、日本国籍が取得できないと
いう現実問題に触れ、改善に向けた大臣の取り組みを求めたところです。
千葉景子議員が質問の中で発言した通り「子どもには責任はありません」。国籍法
3条は今回の判決が示した憲法違反と同時に、子どもの権利条約2条の理念にも背く
ものです。
さて、答弁には外国人問題PTで取り組んでいる河野太郎副大臣が立ち、「検討課
題にしていく」ということですが、ひとや仕組みの国際化が進む中、今頃「検討課題」
とするのは遅きに失する感もあり、人権先進国への道のりが遠いことを痛感させられ
ます。
<子どもの権利条約>
第2条
1 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保
護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的
若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生または他の地位にかかわらず、いかなる
差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、および確保する。
2 締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明
した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保する
ためのすべての適当な措置をとる。
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千葉景子議員はこれからも国会で追及するとともに、関係する市民団体などと連
携し、改善を求めてまいります。
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