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2007年2月15日全文

166-参-厚生労働委員会-1号 平成19年02月15日

○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 今日は、安倍総理と少子化にかかわる課題につきまして議論をさせていただく機会 をいただきましたこと、心から私もうれしく思っております。実りのある議論をさせ ていただければと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、大変そういう重要な課題を抱えながら、冒頭、柳澤大臣に大臣の御発言にか かわる質問をさせていただかなければいけないということは、私はもう大変残念な気 持ちで一杯でございます。もうこれをあれこれ本来は言いたくないという気持ちもご ざいますけれども、その発言のやっぱり根幹がこれまでの厚生労働行政の在り方、そ れから今後少子化問題等厚生労働問題の進め方、そういうものに、その根幹にかかわっ てまいりますので、どうしても冒頭大臣の御発言についてその問題点、お聞きをして おかなければいけない、そう考えているところでございます。
 そこで、まず柳澤大臣のいわゆる産む機械と発言をされたことについて、大臣の御 認識をお聞かせいただきたいと思っております。
 もう余り繰り返したくはありませんけれども、一月二十七日、松江市内の講演にお いて、出産年齢の女性の数、産む機械の数が決まっちゃっている、それが決まったと なると、あとはその産む役目の人が一人頭で頑張ってもらうしかない、こう発言をさ れた。まあ、これについて多くの皆さんが怒り、そしてとりわけ女性のげきりんに触 れたというのは当然のことだと私は思います。
 ただ、この発言の何がこれだけ多くの皆さんの怒りを買い、そして問題視されてい るのか、大臣としてはそこをどう認識なさっておられるのでしょうか。この間、国会 の冒頭から平身低頭謝罪はなさっておられます。しかし、一体何について謝罪をなさっ たのか、どういう問題があるから謝罪をなさっているのか、その点について御認識を お聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、千葉景子委員御指摘のように、私、去る一月の二十 七日に島根県の松江で講演をいたしました。その一部におきまして、人口推計の説明 をいたした際に、女性と人口の関係につきまして誠に不適切な発言をし、国民の皆様、 特に女性の方々を深く傷付けたことになりました。この点、誠に申し訳ないと存じ、 深くおわびを申し上げているところでございます。

○千葉景子君 それはこの間、もう何度も伺いました。問題はそういうところにある のではない。それは不適切な発言ですよ。それは当然、それについて謝罪をされるの は当然であろうかと思いますけれども、その発言の根幹に一体どんな問題があるのか、 その御認識がないというところが問題なんだと思うんですよ。そこは大臣、どうお考 えになっておられますか。
 不適切な発言であること、それはもう分かります。ただ、その発言が出てくる根幹、 根底にどういう考え方あるいは今の社会に対する認識があるのか、そこをきちっと大 臣の御認識をお聞かせいただかなければ、これから大臣が少子化にかかわっていく、 あるいは厚生労働行政に携わっていく、私たちはそれを判断しようがないじゃないで すか。そこをはっきりさせていただきたい。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来先生も御指摘いただいておる点でございますけ れども、このくだりは全く全体として適切を欠く発言であったと、こういうことでお わびをし、また反省をしているというところでございます。

○千葉景子君 もうそれではこれから先、質疑を続けられないじゃないですか。そう いうことではないと思いますよ。そんなことを続けていたら、本当に国会の実りある 審議などできるはずありません。
 その大臣の御発言、これはやっぱり女性を産む機械に例えて、一人一人の事情、そ ういうことも顧みることなく、言わば人間を機械に置き換えているわけですよね、し かも産む機械だと。そうするとこれ、逆に考えますと、男性は何ですか。男性は働く 機械とでも表現されるのでしょうか。違いますか。そうなれば、男性は働く機械、女 性は産む機械、正にここに、今見直しをし、そして考えていかなければいけない固定 的な性別役割というような考え方も見え隠れするんじゃないでしょうか。そういう御 認識はおありですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもは、最近になりまして結婚、出産に関する若者の 意識調査をいたしたその結果を参考にさせていただいておりますが、九割以上が将来 結婚をしたいと希望しており、また希望する子供の数は二人以上となっている。全体 としてこのような希望がある一方で、現実には生涯未婚率は二割以上、結婚したカッ プルの子供の数は二人に満たなくなる見通しが示されているわけでございます。この 乖離を埋め、カップルが結婚、出産しやすい環境を整備し、結婚や出産に関する希望 をかなうようにすることが重要だと考えておりまして、私としてはそういう考え方を 基本に物事を考えておるわけでございまして、そうしたことが今回の発言で十分にと いうか、もう全く不適切にしか発言できなかったということを深く反省しているとい うものでございます。
○千葉景子君 私のお尋ねしていることとはちょっと違うお答えだというふうに思い ます。要するに、何でこの発言が問題になっているかという御認識が全く欠けている んですよ。ただ謝罪をなさっている。私は、やっぱり大臣のその基本的な御認識、私 は非常に欠落をしているというふうに考えます。
 さらに、続けさせていただきますと、柳澤大臣、今度は健全発言、これでまた多く の皆さんが非常に驚愕をし、そしてまた、これも怒りを買ったところでもございます。
 これは二月六日の閣議後の記者会見で、若い人たちというのは、結婚したい、それ から子供を二人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけですと発言されてい ます。私も、若い人たちが結婚して子供を二人持ちたいという、そういう統計がある と、調査があるということは承知をしています。しかし、極めて健全な状況にいると、 こういうことを付け加えられている。これも、何がその発言がこれだけ取りざたされ ている、どこに問題があるのかと、大臣はどのように認識なさっておられるんでしょ うか。何か、こんないいことを言って何で自分が追及されなきゃいけないんだと、大 臣何か困惑されているんじゃないかと思うんですけれども、そのやっぱり根幹ですね、 なぜ問題になっているのか、どういう御認識を持たれておられますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほども申し上げましたように、私どもは今いろいろな 角度、視点に立って各般の少子化対策というものを講じておりますし、また、これを 更に充実したものにしようと、このように考えておるわけでございますが、その前提 は、結婚、出産に関する若者の意識は、九割以上が将来結婚をしたいと希望しており、 また希望する子供の数は二人以上となっている、こういうこと、これは今、千葉委員 が自分たちもそういう統計は知っているという同じ統計かと思うわけでございます。
 私は、このようなことを統計として念頭に置いてこれからの少子化対策を考えてい くときに、このような若者全体の意識の状況というものは、ある意味で私どもがこれ から少子化対策を進めていく上で非常に有り難い、そういう状況だと思っているわけ です。もしこれがもっと非常に低位にとどまっているとかいうようなことになります と、これはもう我々の政策というのは非常に困難を窮めてしまうということが容易に 想像されるのではないでしょうか。
 そういう意味合いで、私はこのような、一人一人の意識ではなくて、若者の全体の 意識の状況、こういうものは、我々が少子化対策として、この希望と現実との乖離を 埋めていこうという、そういうことを念頭に政策を考えるときには非常に有り難い、 そういう状況にあると、こういうふうに考えるという意味でございます。

○千葉景子君 今の発言も私は非常に問題だと思いますよ。有り難いというのは何で すか。こういう夫婦と子供二人、言わば結婚して子供二人を持つ、有り難いというこ とは、それが最も理想な形だと、そう大臣は認識されているということではないんで しょうか。違いますか。
 この発言、今のも併せて考えますと、大臣のその健全だというふうにそれを評価し た、そこにはやっぱり、人は結婚をし、そして子供を二人もうける、これが一つの言 わば標準だと、世の中の規範となるべき姿なんだと、こういう考え方があるんじゃな いでしょうか。そういう意味では、やっぱり多様な生き方あるいは一人一人の人生の 選択、そういうものを言わば認めない一つの大臣流の価値観をこういう子供の問題、 そして一人一人の個人の問題に持ち込んできたと、こういうことではないんでしょう か。そういう御認識はありませんか。

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほどの御質問に対するお答えからまず申し上げますと、 これは先ほど言ったような枠組みで私たちが少子化対策を進めていこうというふうに 考える場合に、その困難の度合いというものを考えたときには、こうした状況の方が 非常に、もっと若者の結婚だとか、あるいは子供を持ちたいという、あくまで総体の 話ですよ、総体の統計で出てくる総体の数値というか、希望の程度というか、そうい うものが低いということになると、我々の政策も非常に厳しいものになっていくと、 こういうことに勢いそれはなるわけでございまして、そういうことと比較すると、今 の状況は非常に我々として有り難いと、こういうことになるわけでございます。
 なお、これがあくまでも若者全体というか、そういう話をしているという限りで私 は申しているわけでございまして、ちょっとこれは院が違いますが、平成十八年十月 の二十五日、昨年の十月の二十五日に衆議院厚生労働委員会で質疑が行われまして、 それに対してお答えを私が申しております。そのお答えの中で私が使わせていただい ているこの発言、言葉、これを私は、私がどういうことを考えている人間かという意 味合いでちょっと引用をさせていただきますが、よろしゅうございましょうか。
○委員長(鶴保庸介君) では、大臣、お座りください。

○千葉景子君 私の質問に答えていただければ結構でございますので、その引用はま た必要なときに私の方から求めさせていただきますので、結構です。
 私のどうも御指摘をさせていただいていること、それがなかなか大臣の御認識の中 にはやっぱり欠けている、こういうふうに私は思います。
 本来であれば更に話をお聞きをしなければいけないんですけれども、毎回このよう な繰り返しだとすれば、総理大臣にお聞きをいたしたいと思いますけれども、やっぱ り厚生労働行政を任せるということに当たって、しかも少子化という問題が非常に大 きな課題になっている中で、今申し上げたようなやっぱり基本的な認識、そして何が 問題になっているかということについてどうもはっきりしたお答えがいただけないと。 こういう状況をそのままにしておいて、本当にこれから的確な少子化対策あるいは厚 生労働行政というものを運営していくことができるのでしょうか。その辺、総理とし てはどのようにお考えか。そして、このまま柳澤大臣に厚生労働行政任せていこうと いうふうにお考えなのか。そこを、御認識をお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も、去る一月二十七日の厚生労働大臣の発言は、 女性を始め多くの方々の心を傷付ける極めて不適切な発言であったと、このように考 えております。私からもおわびを申し上げる次第でございます。
 また、大臣も深刻に反省をいたしておりまして、今後、常に国民の立場に立った厚 生労働行政を進めることにより、国民の皆様の信頼を得られるよう全身全霊を傾けて 職務を全うしてもらいたいと、このように考えているところでございます。

○千葉景子君 私は、これは多分最終的には国民のお一人お一人が大臣の発言、そし て総理の判断、こういうものについて的確な判断を下すものというふうに思っており ますけれども、今、やはり大臣の御発言から考えるに、これまでの固定的な、男は外、 女は産むもの、そして男は働くもの、あるいは一つのモデルケースとして、結婚をし てそして二人の子供を持つ、これが一つの日本の社会の大変大切な価値なんだと、こ ういう考え方でこれからの少子化問題あるいは厚生労働行政行われるとすれば、私は 道を誤るのではないか、こう考えざるを得ません。
 そこを指摘をさせていただいて、こういう考え方に基づいて本当に総理がこれから も柳澤大臣を厚生労働大臣としてこのまま継続をさせていかれるのか、十分にお考え いただきたいということを私は申し上げておきたいというふうに思っております。
 さて、そういうやっぱり考え方に基づいて少子化対策行われてきたのではないかと 勘ぐらざるを得ないんですけれども、これまで一貫して少子化対策行われてまいりま した。しかし、それが効果を上げてこなかったその理由というのは、どういうふうに 考えられておられるのでしょうか。
 一九九〇年の一・五七ショックと言われました。それを契機として、一九九四年の エンゼルプランに始まって、そして子育て支援計画立てて、対策に一貫して取り組ん でこられたというふうに受け止めています。しかし、その少子化対策に取り組み始め てから十五年ということになりますけれども、その間、出生率はずっと下がり続けて います。平成十七年には合計特殊出生率が一・二六ということにまでなりました。人 口も減少傾向を迎えております。
 これは、政府として一体こういう事態をどういうふうに受け止めているのでしょう か。出生率を上げるというふうに目標にして対策を打ってきたとすれば、それは失敗 だったと言わざるを得ません。一体どういうことを少子化対策として理念を持ち、目 標に掲げ、そしてその結果どういうふうになってきたのか。その辺については、総理 としてはどのように認識をなさっておられますでしょうか。これまでの対策が成功し たのか、あるいは失敗だったのか、あるいは問題があったのか、その辺はどのように 認識なさっておられますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは恐らく委員も同じ考え方であろうと、このよ うに思いますが、出生率を上げて子供を増やすことを言わば目標としたことは政府と してはないわけでありまして、恐らく委員もそうすべきではないと、このようにお考 えなんだろうと思いますよ。結婚や出産は個人の価値観の問題であって、これに国家 が介入をするべきではないという考え方であります。
 しかし、その一方ですね、結婚したいけれどもできない、あるいは子供を持ちたい けれどもちゅうちょしているという状況があれば、そういう状況があって、それらの 障害を取り除き、安心して結婚し、子供を産み育てやすい環境を整備をしていくこと は我々の正に責任であります。このような考え方に基づいて、これまでも少子化に対 し総合的な取組を講じる必要があるとの考えの下に、その時々に必要とされる施策を 網羅的に盛り込んで少子化対策を行ってきたところでございます。
 しかしながら、長時間労働等の働き方の見直しが進まない、長い期間、未曾有の厳 しい経済状況が続いてきた、また地域における子育て支援がまだ十分に展開をされて いないなどが急速な少子化の進行に歯止めを掛けられない社会的背景になっているの ではないかと考えています。また、育児休業制度など、政府の施策の効果が現場では 十分に、実際に十分に浸透していない面があることもその要因ではないかと思われま す。
 このような状況を変えるために、制度、政策、意識改革など、あらゆる観点からの 効果的な対策の再構築、実行を図るために、「子どもと家族を応援する日本」という 重点戦略を策定して強力に取組を推進していく考えであります。

○千葉景子君 今、基本的な考え方、それからいろいろあれもこれも御答弁をいただ きました。ただ、本当に基本的なその哲学、そういうものがあったのかどうか、そし てそれに基づいて施策が適切に講じられてきたのかどうか、私は大変疑問に思ってお ります。
 昨年政府がまとめた新しい少子化対策というものがございますが、その中には「出 生率の低下傾向の反転に向け、」と、こういう言葉も使われております。これを見る と、いささか、やっぱり出生率を何とか上げなきゃいけない、子供を産んでもらわな きゃいけない、こういう思いが強くにじんでいるのではないかというふうに思ってお ります。それから、これまでの対策の大きな柱が、生まれてきた子供、そしてその子 育ての支援ということに中心が置かれてきたということも言えるのではないかと思い ます。
 ただ、私は、この少子化という問題はそういうところに本当の原因そして問題があ るのかどうか考えてみますと、むしろこの少子化という現象の根幹にある、子供を産 もうとする人あるいは若い皆さんが安心して働いたりあるいは生活を楽しんだり、そ してその中で子供を産み育てることも一つの大変幸せな選択だな、こう思えるような 社会をつくること、そこが欠けたら、幾ら子育て支援あるいは生まれた子供に支援を してもなかなかこの出生率が上がるということはないし、そして少子化に歯止めを掛 けるなどということはできないのではないかというふうに思いますけれども、その点 について総理は御認識お持ちでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、例えば出生率を目標にするということはな いと、このように申し上げたわけでありますが、しかし私ども、政策を推進していく 上において、我々の政策が効果を上げていくかどうか、上げているかどうかというこ とは常に我々顧みなければならないわけでありまして、その一つの大きな大切な目安 として出生率がどうなっているかということは当然私はあるんだろうと、このように 思います。
 そして、今委員が御指摘になった言わば私どものこの考え方、基本的な考え方でご ざいますが、子供は国の宝であり、安心して結婚して子供を産み育てることができる 日本にしなければならないと考えております。また、子供をはぐくむ家族のすばらし さや価値を再認識することも私は必要であると、こう考えています。
 また、今回の戦略では、すべての子供、すべての家族を大切にを基本的な考えに置 きまして、働き方の改革を含めた幅広い分野での対策の効果的な再構築、実行を図る こと、そして、すべての子供、すべての家族を世代を超えて国民みんなで支援する国 民総参加の子育てに優しい社会づくりを目指すことにしております。
 最近の出生数や婚姻数に見られる明るい兆しを確かな流れにできるよう、五十年先、 百年先の国家の大計を考えて、内閣の総力を挙げて取り組んでいく考えであります。

○千葉景子君 私は、やはり今、若い人たちが非常に将来に希望を持つことができな い、そういう状況に置かれている。生活にゆとりがない、あるいは経済的にも安定感 がない、そういうところに抜本的なやっぱり対策をしていかないと、今おっしゃった ような、なかなか実を上げることは難しいと思っております。
 例えば、今景気が回復傾向にあると言われておりますけれども、結婚や出産年齢に 当たる若年者の雇用というのは依然として厳しい状況でございます。世代内での格差 も拡大している。政府の統計ですけれども、雇用者の三分の一が非正規雇用ですね。 若者の場合は、およそ二分の一が非正規の雇用形態を余儀なくされている。これが更 に増加傾向にございます。また、そのことが反面、正社員の長時間労働の原因の一つ にもなっているわけです。で、多様な労働形態を選べるようになったというようなこ とが経済財政諮問会議などで言われているようですけれども、別に好んで非正規雇用、 そこで働いているわけではない、むしろそれを余儀なくされているというのが実態な んです。そういうところを十分にやはり認識をしていただかなければいけない。
 労働ビッグバンなどということが言われております。そしてまた、ワーク・ライフ・ バランスということが非常に大切だということが言われております。そういう状況を 踏まえませんと、少子化対策あるいは少子化という傾向に対して適切な施策というの は打ち出すことができないというふうに私は思います。
 このような状況を改善して、若者の雇用と収入を安定させていく、そしてまた、ワー ク・ライフ・バランスという、仕事も生活もやはりバランス良く過ごすことができる、 こういう状況をつくること、これこそが少子化対策の一番のまず根本に置かれなけれ ばいけないのではないかと思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま、委員の御指摘によりますと、日本の経済 は全く見通しも暗い状況であるという御指摘でございますが、私はそのようには認識 をしておりません。
 有効求人倍率も、一時は〇・五だったわけでありますが、現在は日本全体では一・〇 八まで上がってきたわけであります。また、正規雇用についても、前年比で三四半期 連続の増加を続けています。また、やはり今年の春、就職を迎える方々について言え ば、新規学卒の就職内定率は、高卒が四年連続、大卒は三年連続で改善をしています し、十八年は、高卒の初任給が二年連続、大卒の初任給が三年ぶりの増加をしている わけでありまして、足下においては明るい兆しが見えてきている。こうした兆しを本 格的なものにするためにも、我々しっかりとした成長を目指していかなければならな いと、こう考えています。
 その上で、やはり現在正規の職に、正規雇用でない方々、またあるいはフリーター の方々、パートの方々に対してしっかりと光を当てていくことも当然大切ではないか と、このように考えているわけでありまして、安心して子供を産み育てられる環境を 整備するためには、長時間労働を抑制して、仕事と生活の調和が取れた社会を実現を することが大切であると、このように政府としても考えています。
 このため、法定割増し賃金率、言わば残業代ですね、について中小企業にも配慮を しながら引上げを行う労働基準法の改正法案を今国会に提出をいたします。さらに、 フリーターなど若年者を中心とした低所得の非正規雇用の増加に対応するために、フ リーター二十五万人の常用雇用化プランの推進を行ってまいります。また、正規労働 者との均衡待遇の実現や正規雇用への転換を促進するパートタイム労働法の改正、そ して、最低賃金制度がセーフティーネットとして十分に機能するように、四十年ぶり の改革に取り組むなど、働く人たちのための一連の労働法制、六本の法律をこの国会 に提出をすることを予定をしておりますが、その一連の労働法制の整備等に取り組ん でまいる考えであります。

○千葉景子君 ちょっと今の御答弁に関して、二点お尋ねをしたいというふうに思い ます。
 一つは、経済が好調であると、良い兆しも見えているということですが、やっぱり 今の経済の非常に好調な原因、そして背景には、非正規の労働、非常に安い賃金や不 安定な雇用、こういうものの上に成り立ったそういうやっぱり経済なんだということ はしっかりと認識をしておいていただきたいというふうに思っております。
 一人一人の働いている者、そして生活をしている者にとっては、経済、全くやはり 還元をされていない、そしてその実感なぞ持っている人はほとんどありません。そう いう意味では、もうちょっとそこは深刻に考えていただかなければいけないというふ うに思います。
 そして、今、仕事と家庭の調和、そして働く者がもっと安心して働けるようなそう いう施策を講じていくという幾つかの御披瀝がございました。それ自体は私もやっぱ り大賛成でございます。
 だとすれば、これまでそういう施策、少子化対策と言いながらそういう施策がやっ ぱり足りなかった、あるいはそういうところに目が向けられてこなかった、そして単 に子育ての支援というのみ、あるいは出生率を何とか高めようという、そういうとこ ろに力点が置かれてきた、こういうところを改めてやはり反省をする、これまでの施 策の在り方、そして日本の社会の在り方、こういうものに対して非常に政策としては 問題があったということをやっぱりここで改めて認識をしていただかなければいけま せん。
 そこはどうですか。これまでも少子化対策やってきた、しかし、今これからこうい うことをやっていきたいとおっしゃいました。これまでなぜそういうことに政策が至 らなかったのか、そこは正直に反省をしていただかなければいけない点だと思います が、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど委員は、全く現在のこの経済の状況の中で働 く人たちに恩典がない、ほとんどないと、そういう表現を使われましたが、そんなこ とはないのは正に数字が示しているわけでありまして、雇用の状況は明らかに改善を しておりますし、新卒の方々も内定率は上がっているんですし、また新卒の給与も上 がっている、正にそういう意味で明るい兆しが見えているということは数字が私は証 明していると、このように思いますよ。そのことは指摘をさせていただきたいと、こ のように思います。
 そして、その上でただいまの御質問でありますが、その時々の状況の中で我々は考 え得るそのときのベストの言わば少子化対策を行ってきたわけであります。そのとき の社会の状況等の中での政策としてベストの政策を行ってきたわけでございますが、 しかしながら、言わば出生数、出生率ということについて言えばなかなか効果を上げ てこなかったのも事実であり、それはどこにやはり問題があったかということを分析 をしながら、それはさきの質問にお答えをしたとおりでありますが、働き方等々にも もう少し着目をしなければならない、そしてやはり国民みんなで支援をしていくとい う仕組みをもっともっと充実をしていかなければならない、そういう点を考慮して、 今度新たな戦略を打ち出したところであります。

○千葉景子君 私は、全く今の総理の認識とは私は異なった認識を持っています。格 差は拡大していますよ。そういうやっぱり認識が欠けているんじゃないでしょうか。
 それから、そのときそのときに適切な施策を打ってきた、しかしやっぱりそれで駄 目だから、今働き方、そういうところにも光を当てようとおっしゃったじゃないです か。ということは、これまでの施策あるいは少子化対策ということの中での言わば理 念、そういうものにやっぱり欠けたところがあったんじゃないか。やっぱりそれを改 めて検証し、別にいいんですよ。問題点があったら、やっぱり問題点があったんです、 足りないところがありました、だから改めてまた新しく「子どもと家族を応援する日 本」重点戦略会議、そういうものもつくってこれから対策をしていこうということな んですから、従来の検証なくして、あるいは反省なくしてまた同じことの繰り返しに なるんじゃないでしょうか。別に、反省すること、それから問題点があったというこ とをきちっと認められること、何ら恥ずることはないんです。どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私先ほど申し上げましたのは、ですから 私先ほど申し上げましたのは、その時々の社会状況の中で、限られたこの財源の中で、 そのときの中でできることはやってきた。しかし、結果として成果が出てきていない という状況もあるという中においての分析はしなければならない、そして政策として 欠けていたこともある、それは私が申し上げているとおりでありまして、それは例え ば長時間労働等の働き方の見直しが進んでいないということも申し上げました。だか らこそ、先ほど申し上げましたように、労働法制に関して今回法律六本を提出をして いるところであります。今までの政策を検証しながら、当然、欠けていたものはこれ だと、新たにこういう政策をやっていく、それがなければ進歩はないわけであります から、それはもう言うまでもないことではないかと、このように思います。

○千葉景子君 そういうことは、これまでの施策にも問題があったということですよ ね、おっしゃっていることは。いいです。問題があった、それをきちっと検証して、 そして新しくきちっとした理念の下で少子化対策を考えていこうと、対策をしていこ うということでいいじゃないですか。素直にそういうふうにお答えをいただければ私 はいいと思います。正に検証なくして、反省なくしてまた新しい適切な対策というの はあり得ないわけですから、そういうことをきちっとお認めになっていただいたらい いのではないかというふうに思っております。
 その中で、私は、これから考えて、頭に置いていただかなければいけないというの が、やっぱり少子化施策における子供の視点ということだというふうに思っておりま す。実は、民主党、二〇〇六年五月に育ち育む応援プラン、こういうものを策定をし ております。御承知のところであろうというふうに思います。その中で、チルドレン ファーストという形で、子供中心の政策、子供の視点に立った政策、これがやっぱり 少子化、分かりませんよ、結果的にどういう出生率になるかは別として、やっぱりだ れもが安心して子供を産み育てられる、あるいは生き生きと生きられる社会なんだと、 こういうための政策を提言をさせていただいております。
 やはり少子化対策として経済的な支援、働き方の見直し、これはもちろん重要なん ですけれども、やはり子供の視点から、本当に子供が伸びやかに育ち、そしてはぐく まれる、こういうことを十分に環境を整備すること、これが私は大事な点だというふ うに思っておりますけれども、その点について総理の御見解を伺いたいと思っており ます。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最近の調査や研究では、結婚や第一子の出産には経 済的基盤や継続就業の見通しなどが大きな影響を与えており、第二子以降の出産には 夫婦間の家事、育児の分担や育児不安の解消、第三子以降の出産には教育費の負担の 軽減が重要であると指摘をされています。
 少子化対策では、こうした国民の結婚や出産に関する希望が実現するには何が必要 であるかに焦点を当てて、すべての子供を、すべての家族を大切にするという基本的 な考え方の下に、子育てに優しい社会の実現を目指して取り組むことが必要であると 考えております。
 このような考え方の下に、「子どもと家族を応援する日本」という重点戦略を策定 することとして、先日そのための検討会議が発足をしたところであります。政府を挙 げて議論を進めてまいる考えであります。

○千葉景子君 もう一度徹底をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、 とかく少子化というのが議論されるとき、よく年金、税金等のことが取りざたをされ ます。子供が少なくなると国がもたなくなるとか、年金や税金減ってしまう、これは 大変だと、こういう議論がされがちなんですね。
 ただ、私は、子供は国のために生まれてくるわけでもないし、経済のために、年金 のために、税金のために生まれてくるわけではないわけです。やっぱり生まれてよかっ たね、一人の人間としてやっぱりそれぞれの生き方をしていくことができる、そうみ んなから受け止められて生まれてくる、これが幸せなことだというふうに思うんです。
 そういう社会、社会の受け止め方、そういうことがなければ、やっぱり親として、 あるいは子供を産もうという人も安心して子供を産み育てることができないと、こう 思います。そういう意味で、やっぱり子供が育ち、そしてはぐくまれる、こういう子 供中心の視点というのを改めて少子化対策あるいは少子化、子供の問題としてきちっ ととらえ直していく必要があるんじゃないかと思うんです。
 私はちょっと引っ掛かるものがありまして、総理の施政方針演説の中で子供は国の 宝だという言葉がありました。何となく、この国の宝だというところに、子供は国の ために生まれてくる、こういう何か発想が裏にあるのではないかということを大変懸 念をいたします。(発言する者あり)笑っている場合じゃありませんよ。それだった らむしろ、子供たちは私たちの社会の宝だ、あるいは子供たちは未来の世代への贈物 だ、こういうことの発想に立つべきなんではないでしょうか。
 国の宝という言葉、私は大変ちょっと懸念を持つところですが、この少子化施策の 中で、子供を中心に、そして子供が本当に伸びやかに生きられる社会、その視点を忘 れることがないようにしてほしい、その点について総理の御見解を伺いたいと思いま す。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員は、国という言葉に特別のアレルギーがあるの ではないかと、そんなような印象を受けました。
 つまり、国として、やはりもちろん社会としてもそうなんですが、子育てを支援を していかなければならない、やっぱりこれは、もちろんお父さん、お母さんにとって も本当に宝だと思います。そして、子供たちをはぐくみ育てていく、これはお父さん お母さんだけではなくて、もちろん御家族だけではなくて、地域や社会や、みんなで 応援をしていく、そういう意味で私はこの言葉を使ったわけでありまして、私はこれ は間違っているとは全く考えておりません。

○千葉景子君 今、私が何か国という言葉にアレルギーを持っている、それは勝手な 偏見じゃないでしょうか。私はそういうことを言っているんじゃないんです。いわゆ る、先ほど言ったように、少子化というときに、とかく国の力とか、あるいは年金あ るいは国の財政が破綻をしていく、そういうことが言われがちだから、子供はそうい うことのために生まれてくるんじゃないよと。だから、国の宝と言うとそういう非常 に懸念を持ちますと、その言葉にですね、そう指摘をさせていただいたんです。別に 私、国に何のアレルギーなぞ持っているなどと思っておりませんけど、今の総理のそ の私に対する発言は撤回していただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、委員が、私がまるで子供を国のために産ま せようと、そのような、私から言わせれば偏見ですよ、私の発言に対して。ですから、 それに対しての反論として申し上げたわけであって、それであれば私も、委員がそう いうふうに考えておられたということに対して、それは取り消していただきたい。そ れを全部一々取り消すということになったら議論ができないじゃないですか。

○千葉景子君 いや、私は、そうじゃないですよ。国の宝だという言葉から、私がそ ういう先ほど御指摘をしたじゃないですか、子供は別に国の経済のために、あるいは 税金のために生まれてくるんじゃないんだから、その国の宝という言葉を使うとそう いうちょっと心配がありますよと、こういう指摘をしたんです。その点については総 理もお分かりですよね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、今のような御説明を最初からしていただ ければ良かったわけでありますが、最初はそういう御説明ではなかったと思いますよ。

○千葉景子君 いや、私は同じことを申し上げております。私に対する総理の御発言 は、私は大変、私にとっては撤回をしていただかなければ私の立場なくなりますので、 改めてそれは求めておきたいというふうに思っております。
 そこで、今、子供を大事にする、そういうことは総理もお分かりのようでございま す。ただ、だとすれば、幾つか私は本当にそういうことが行き渡っているのかな、本 当にどんな子供でも社会に温かく受け止められ、そして差別なく生きられるようになっ ているんだろうか、そういうことで何点か問題になるものがあると思います。例えば、 婚外子の子供、婚外子の子供というのは変ですね、婚外子、あるいは戸籍が持てない お子さんが存在をしているというような問題、あるいは障害を持ったお子さん、ある いは外国から日本に来ている子供たち、様々な子供たちがいます。じゃ、みんなが本 当に温かい目で、そして差別なく日本の社会で受け止められているでしょうか。
 一つ、婚外子差別。民法の九百条の第四項がかかわるんですけれども、これは一貫 して国際社会からも、子供に対する差別だということで子どもの権利条約にも違反す る、こういう指摘がなされ、その解消が求められてきました。こういう点一つ取って も、何かささいかもしれない、しかし、こういうところを一つ一つやっぱり解消して いくことが本当に子供を大事にしていくということにつながるのではないでしょうか。
 この婚外子差別について、きちっと解消する、そして法律を改正する、そういう御 決断はおありではないでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民法においては、嫡出でない子の法定相続分は嫡出 である子の法定相続分の二分の一とされているところであります。嫡出でない子の法 定相続分の在り方については、婚姻制度や家族の在り方と関連してこれまでも様々な 議論がされてきたと承知をいたしております。本規定では、法律上の配偶者との間に 出生した嫡出子の立場を尊重するとともに、他方、被相続人の子である非嫡出子の立 場にも配慮したものであります。
 本規定の改正は、婚姻や家族という社会の基本についての国民の意識動向を十分に 勘案した上で与野党間で議論を深めていただきたいと、そういう事柄であろうと、こ のように認識をしております。

○千葉景子君 子供にとっては、どういうふうに生まれたかということ、本当に無関 係なわけですよね。
 総理としてはどういうふうに考えるべきだというふうに思われているんでしょうか。 与野党の議論等々の今お話はございましたけれども、総理は、やっぱりこういうこと があってはならない、そう考えておられるんですか、それとも、いやいや、やっぱり 婚外子、とんでもない、そんなものは差別をされてもやむないんだと。どちらですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま申し上げましたように、民法の改正の問題 でございまして、これは国民の意識動向というものを十分にやはりこれは勘案をして いく必要があると、こう思います。その上で、やはり政党間で議論を更に深めていく 必要があるのではないかと思います。

○千葉景子君 私聞いているのはそういうことじゃないんです。総理の御認識をお聞 きをしております。
 婚外子について、例えばその相続分が二分の一だということは、総理は差別とは思 いませんか、子供に対する。どっちですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私が申し上げましたように、制度としての意味と しては、これは法律上の配偶者との間に出生した嫡出子の立場を尊重するとともに、 他方、被相続人の子である非嫡出子の立場に配慮をしたものであるということでござ います。
 いずれにせよ、この民法の改正にかかわる、これは社会のまた婚姻制度や家族の在 り方と関連をしている問題であり、国民の意識動向等を十分に勘案をしていく必要が あると、そういう問題であると私は考えています。

○千葉景子君 答弁に全然なってないというふうに私は思います。
 先ほど、子供を中心に子供の視点で少子化あるいは子供施策というのを講じていく というのが大事だと、それは総理も分かっていただいたというふうに思いましたが、 どうも今の御答弁から見ると、結局は本質は分かってないんじゃないかと思わざるを 得ません。
 子供には本当に罪はないんです。罪というか、どういう結婚の形態からあるいはど ういう親の形態から生まれようとも子供は同じじゃないですか。それが社会の中でやっ ぱり温かく対等に受け止められる、これが大事なんじゃないんですか。総理はどう思 われますか。こういうやっぱり制度がある、子供にとっては差別ではないんですか、 これ。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう先ほど来申し上げているとおりでござい ます。先ほど来申し上げているとおりでございまして、これは家族の制度、婚姻制度 にかかわる問題であり、国民の中にも様々な意見があることから、国民のこの意識動 向を十分に勘案をした上で議論を深めていく必要があると、こう考えております。

○千葉景子君 もうこれ以上あれですけれども、要するに総理にはこういうことに対 して認識というか、がないというふうにしか私は受け止められません。
 いろんな意見がある、これは当然だと思います。で、その中で総理はどう御認識さ れているのかということなんですから。やっぱりそういうところにどういう考え方を 持っているのかということによって、先ほど言った子供を中心に、そして差別なく子 供が受け止められるような社会をつくっていく、そのリーダーなんですよ。総理がそ こに何の認識も持たないようだったら、子供施策、子供中心の、チルドレンファース ト、そういう社会、できるはずがないじゃないですか。きちっとしたそこは認識を、 改めて別な機会にもお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 もう一つ、最近問題になっております戸籍を作ることができないお子さん方がいる という問題があります。これも民法にかかわりますが、七百七十二条に、女性の待婚 期間が三百日ということになっている、これにかかわっております。今、いろいろな 家族形態があったり、あるいは結婚の形態があったりする、そういう中で、この三百 日以内に子供さんが生まれて、そのために届けを受け付けてもらえない、そして、結 果、戸籍のない、そういう状態に置かれてしまっているお子さんがいる。これ、今大 変問題になっております。
 この待婚期間が三百日というのは、もう明治のころに作られた法律ですから、状況 が変わっている、こういうことも踏まえて、やっぱりこういう戸籍のない子供ができ てしまう、こういうことを解消する、こういうことをやっぱり英断を持って総理がお やりになる必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の民法第七百七十二条の規定は、婚姻中に懐 胎した子や婚姻解消後に三百日以内に生まれた子を夫の子と推定する嫡出推定の規定 でございますが、この嫡出推定制度は、法律上の父子関係をどのように設定するかと いう身分法の根幹となる規定であります。その規定及びその運用については、現在各 方面でなされている様々な議論の状況等を視野に入れながら、見直しの要否を含めて 慎重に検討を行ってまいりたいと思います。

○千葉景子君 慎重にという問題なんでしょうか。やっぱりそういうものを解消して いこうとするそういう積極的な姿勢を持つのか、それとも今のように、慎重にという のはやらない方向へということを意味しているのではないかというふうに思いますが、 是非やっぱり総理として少子化あるいは子供というものに大きな力点を置いてリーダー シップを発揮されていこうとするのであれば、こういう点についてもきちっとした決 断を、そしてリーダーシップを発揮いただきたいものだというふうに思っております。
 残念ながら時間になりますので、最後に、私どもは、従来から子供あるいは少子化 含めて政策の一元化ということを考えるときに、やっぱり子供に関する様々な施策を まとめて対応できる子ども家庭省、こういうものの設置というのがやっぱり不可欠だ、 こういう提起をさせていただいております。
 いろいろと省庁の再編という問題もあります。防衛省もできました。やっぱり時代 に合わせてということでございます。いずれ情報関連を一元化した省庁というような 構想もあるようでございます。そういうことを考えますときに、少子化そして子供、 こういうことがこれからの社会で大変重要なことであるのだとすれば、高市大臣、今 日申し訳ございません、ちょっと御質問ができなくなってしまいましたが、やっぱり 子ども家庭省というようなものをきちっと設置をして、そして一元的に予算から、あ るいは施策から講じていくということが必要じゃないかと思います。
 何かこういうことが構想されているやな報道がありましたけれども、総理の施政方 針演説では全くこういうことには触れられておりませんでした。この点いかがでしょ うか。その御決意をお聞かせをいただいて、終わりにしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この少子化対策については、省庁の在り方の問題と いうよりも内閣の総力を挙げて取り組む課題であると、このように考えております。
 少子化対策を担当する特命担当大臣、高市大臣でありますが、を設置をいたしまし て、官房長官の下に「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を設置をする など、その重要性を踏まえた組織横断的な取組を進めてまいります。言わば内閣全体 で取り組んでいく課題であると、このように考えております。
 これらの少子化対策は、働き方の見直しなどの労働行政、地域の子育て支援、保育、 障害保健福祉などの福祉行政、幼小中高にわたる教育行政といった多岐にわたる施策 であり、そしてまた緊急を要する課題でございますので、我々としては内閣を挙げて 取り組んでまいりたいと思います。

○千葉景子君 終わります。



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