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2006年5月9日全文
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2006年5月9日全文
164-参-法務委員会-15号 平成18年05月09日
○千葉景子君 松岡議員に引き続きまして、民主党・新緑風会の千葉景子でございま
す。限られた時間でございますので、少し論点を絞って質問をさせていただきたいと
いうふうに思います。
まず、今回改めて整備をされたといいますか、新しく手続が加わりました退去強制
手続について、お尋ねをしたいというふうに思います。
まず、この退去強制手続、二十四条三号の二、ここに新しい退去強制理由といいま
すかね、の規定が設けられました。これは、先ほどこれ既に谷川委員からも指摘がご
ざいましたように、非常に漠然とした、そして幅のある条文になっております。全部
読みませんけれども、云々かんぬん、おそれがあると認めるに足りる相当の理由があ
る者ということですから、これなかなか実際にどういう者がこれに該当するのかとい
うのをなかなか予測しにくい、何でも当てはまるんでないかというふうにも思えてし
まうわけで、少し具体的に、例えばこういうことが予測されるということがございま
すれば、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
改正案の二十四条三号の二の関係でございますが、これはいわゆるテロ対策の資金
法というのがございましてですね、テロ行為、テロリストに対して資金提供する者に
ついてこれを罰則の対象にするという法律ございますが、これを今回の改正入管法で
は引用した形で規定を置いておるわけでございますが、ここに言います公衆等脅迫目
的の犯罪行為というのは、公衆又は国若しくは地方公共団体若しくは外国政府等を脅
迫する目的を持って行われる犯罪行為であって、殺傷行為ですとか誘拐行為など、ま
た二つ目のパターンとしましては、航行中の航空機や船舶の航行に危険を生じさせる
行為ですとか、これらの強取行為、航空機又は船舶の破壊行為など、それから三つ目
のパターンといたしまして、電車等の公用又は公衆の利用に供する運送用の車両、道
路等の公衆の利用に供する施設、燃料関連施設を含む基盤施設、その他の建造物の破
壊行為をいうと、こういうふうになっておるわけであります。
具体的に、じゃ、どんなケースがこういうものに当たり、その予備行為のおそれが
あるのか、又はこれと認定できるのかということでありますが、もうこれは仮定の話
でありますので、なかなか説明がちょっと難しいわけでありますが、まず、公衆等脅
迫目的の犯罪行為の予備行為につきましては、公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を目
的としてなされる準備行為であります。例えば、当該実行の目的で、武器ですとか弾
薬、車両、船舶の調達や資金の収集などをする行為がこれに該当するというふうに考
えられるわけであります。それから、公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を容易にする
行為と申しますのは、他人による公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を援助し容易にさ
せる行為でありまして、例えば、武器、弾薬、車両、船舶の調達や資金の提供等をす
る行為がこれに該当するというふうに考えるわけであります。
この法案におきましては、公衆等脅迫目的の犯罪行為等を行うおそれということで、
このおそれをもって認定ができるということとなりますが、このおそれの認定につき
ましては個々のケースに応じて慎重に当然行うことになるわけでありまして、なかな
か具体的にこういうケースというのを現時点で申し上げるのはちょっとどうかと思う
んです。
まず一般論として想定されるケースで例を挙げてみますと、例えば国際テロ組織の
メンバーが爆弾テロを起こそうとして我が国に入国するという情報があった場合、こ
れに基づきまして認定をするというような場合でございますが、我が国で爆弾を仕掛
けることとなっている者は、これは正に公衆等脅迫目的の犯罪行為を行うおそれがあ
る者ということになるわけであります。これから行おうとしている計画を持っている
という意味で行うおそれがある者と。我が国では爆弾の製造に必要な部品の調達のみ
を行い、出国後に海外で実行しようとしている者もあり得るわけであります。こうい
う者につきましては公衆等脅迫目的の犯罪行為の予備行為を行うおそれがある者と、
こういう認定になろうかと思います。また、我が国で他のテロリストのために資金を
収集しようとしている者は公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行を容易にする行為を行う
おそれがある者と、こういう認定になろうかというふうに思います。
○千葉景子君 今説明をいただきましたけれども、本当に、何というんでしょうね、
非常にあいまいというか、幅広と。例えば、武器の調達をしたとか資金の調達をした
ということであれば、それはそれ、一つの兆候があるわけですけれども、今聞くと、
それの更にまたおそれがあるということですから、まあ何かよく分かんないけれども、
どうも計画を練っているらしいとか、何かそれで直ちにこの要件に該当しかねないと
いうことになるんではないかというふうに私は危惧いたします。
そういう意味では、やっぱりここは、本来そういう実行の予備行為があったとか、
おそれがあると認めるに足りる、相当というかおそれが明らかだとか、そういう絞り
を掛けて、これ退去強制事由ですからね、やっぱり身分にかかわるわけですから、本
来そういう明確化をもっとすべき条項ではないかというふうに思います。非常にこれ
だと幅広く行為を、あるいは場合によると行為そのものよりもまあ言わば内心ですね、
そういうところまでをもやっぱり縛るということにもなりかねないのではないかとい
うふうに思います。
どうですか。この辺はもう少し明らかにそういうおそれがある、こういうような要
件に本来すべきものではないかなというふうに思いますけれども、その点はどうお考
えですか。
○政府参考人(三浦正晴君) 委員御指摘のようなお考えもあろうかと思いますが、
我々といたしましてはテロの未然防止ということが最も重要でございます。そうしま
すと、正にその予備行為まで至っていくということになりますと、これはまあ形態に
もよりますが、例えば爆弾の予備行為をすれば、これは正にそのもの自体が犯罪にな
るわけでございますので、当然それはもう刑事手続の範疇に入ってくるだろうという
ように思います。それを前段階でやはり何とか国の安全を守る措置を講ずる。そのた
めには入国はしてもらわない、もし日本国内にいることが分かれば国外に出ていって
いただくということをやはりやらざるを得ないというふうに考えております。
それで、今御指摘のように、行うおそれのある者と認めるに足りる相当の理由のあ
る者というのが抽象的な規定ぶりであるという御指摘でございますが、実はこのよう
な用例というのは入管法も含めて他の法令にもたくさんございまして、ある程度もう
確立した書き方になっておるわけでございます。
おそれがあるという言葉の解釈としては、望ましくない事実が生ずる可能性がある
と、こういう意味に解されるわけであります。また、相当の理由があるという文言は、
社会通念上、客観的に見て合理的なふさわしい理由があると、こういうことでありま
して、したがいまして、おそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者という要
件は十分明確であるというわけでありまして、恣意的な運用のおそれはないというふ
うに考えております。また、そういう観点から、先ほど申し上げましたように、国民
の生命と安全を守るためのテロの未然防止という本改正案の主な目的にも適合するも
のであろうと考えておる次第であります。
○千葉景子君 ここは議論になってしまうところだと思いますけれども、恣意的な運
用がなされないようにするためにも、逆にここが、おそれがあると認めるに足りる明
白な、明らかな理由というようなことにしておけば、より認定をするときにも基準が、
まあ少しではありますけれどもきちっとしたものになるというふうに思いますが、そ
う申し上げておきたいというふうに思います。
さらに、この問題点は、そういう理由がある者というだけではなくて、これを法務
大臣がそういう者であるということを認定をするという仕組みになっております。さ
て、この認定、法務大臣がされるということになるわけですけれども、これ、実際に
認定に当たっては、具体的にはどうやって認定するんですか。例えば、認定するには
いろんな調査をしたりしなければいけないというふうに思われますけれども、そうい
うことはどういう形で行われるのでしょうか。この認定の手続ですね、認定のやり方、
これについて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答えいたします。
本改正法案の規定によりますと、法務大臣が外国人テロリストの認定を行う場合に
は、第二十四条の二第一項の規定によりまして、必ず外務大臣、警察庁長官、公安調
査庁長官及び海上保安庁長官の意見を聴くことが義務付けられているわけであります。
これらの機関、省庁はテロの未然防止に関する所掌事務を有するわけでありまして、
テロリスト及びテロ行為に関し高度の専門性と独自の調査権限を有しているわけでご
ざいますから、外国人テロリストの認定をするために必要な知見、情報を法務大臣に
提供していただくことができるものと考えております。
なお、法務省はテロリスト及びテロ行為に関する高度の専門性や独自の調査権限を
有していない、この場合の法務省は入管でございますが、入管としてはそういう調査
権限を有しているものではございませんので、原則として関係省庁から必要な知見で
すとか情報を提供していただきまして、そこで議論を尽くした上で認定作業を行うと
いうことになるわけでございます。
認定に係る具体的な手続につきましては、今後この法案が成立したといたしますと、
それに基づきまして関係省庁とも協議して決定をしていくことになるわけであります
けれども、これらの省庁から十分に意見を聴きまして、その根拠として提供される証
拠や資料を十分踏まえまして、慎重に相当の判断をするような仕組みを構築していく
こととしておるところでございます。
○千葉景子君 今、各関係省庁から意見を聴いて認定をするということですけれども、
独自のその情報を得て独自に調査をするというようなことはなさらないということの
ようでございます。そういう調査権限はないということですけれども、それで本当に
大臣としてきちっとした認定、適正な認定というのが本当にできるんでしょうか。私
は、これ、新しくやっぱり法務大臣としてその認定をするという、そういう、まあこ
れがどういう行為に当たるかはちょっと後ほどお聞きをいたしますけれども、そうい
う決定を法務大臣がなされるということを導入するわけですね。それについて全く、
法務大臣の下で調査をするとか、そういう権限も持たずしてこういう認定をされると
いうのは非常に不思議な感じもしますし、それから的確な本当に認定ができるのかと
いうことを大変私は疑問に思いますけれども、大臣、どうですか、これ、大臣がされ
ることになるわけですけれども、こういう、自分の下で調査もできないと、こういう
形で的確な認定ができるというふうに思われますか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(杉浦正健君) 関係省庁の意見を聴いて処分することになるわけであり
ますが、法律制定後関係省庁とよく協議をいたしまして、適正な措置がとれるような
手続を相談してまいりたいと、そう思っております。
○千葉景子君 これ法律で、その退去強制事由の要件なんですよね。しかも、それを
法務大臣として認定をするという作業をしなきゃいけないと。これからそれをどうやっ
てやるかというのを相談しようというのはこれ極めて非常に、大臣として大丈夫なの
かなというふうに思います。むしろ大臣が、いやいや自分の下で調査をするような権
限があれば的確な判断もできるのではないかというのであれば分かるんですけれども、
いやこれから相談しますというのでは、私は本当にこれから先心配をいたします。
そこで更にお聞きをするんですけれども、じゃこの認定というのは一体どういう行
為に当たるんでしょうか。要するに行政処分というふうに考えればいいんですか、そ
れともそうじゃない全く単なる事実的な行為ということになるんですか、そこは、法
的な性格について明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) 御質問の趣旨は法務大臣の認定が行政処分に当たるか
どうかと、こういう御趣旨だろうというふうに思います。
判例によりますと、行政庁の処分とは、行政庁の法令に基づく行為のすべてを意味
するものではなく、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為に
よって直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められ
ているものをいうものであると、こういうふうに最高裁の判例は言っておるわけであ
ります。
今回の改正案に入っております法務大臣のテロリストの認定につきましては、退去
強制手続、具体的に認定された者につきまして退去強制手続が取られて初めて退去強
制が行われるという効果が生ずるわけでありまして、認定自体が外国人の権利ないし
法律上の地位に直接影響を及ぼすというふうには認められませんので、認定それ自体
は行政処分ではないというふうに考えております。
○千葉景子君 これが直接その身分にかかわるものではないから行政処分ではない、
処分性がないということですけれども、しかし退去強制を受け得るそういう立場だと
いう認定を受けるわけですよね。そういう意味では、やっぱりその権利義務に大きく
かかわるわけでして、それが行政処分ではない、しかもその認定に当たっては特段に
調査をする権限も持たないという、本当に何か極めておかしなこれ仕組みだなという
ふうに思うんですね。
行政処分ではないということになりますと、例えば法務大臣が認定をしたというこ
とについて何か、いやそれは違うと不服を申し立てるとか、あるいはそもそもその認
定されたぞということをきちっと告知されるとか、そういうことも全くないというふ
うに考えたらいいんですか。そこはどうでしょう。
○政府参考人(三浦正晴君) まず、後半の告知、本人に認定した場合に告知をする
かどうかという点についてでございますけれども、今回の改正法案におけるテロリス
トの認定につきましては、被認定者個人ですね、その者、認定された外国人個人につ
いて退去を強制するための制度でございます。その認定によりまして、本人を介して
第三者に何か法律上の効果を及ぼすというような性質のものではないわけであります
ので、本人を特定して告示をするですとか、本人への通知が必要不可欠であるとは言
えないと考えております。
また、この認定につきましては関係省庁間の協議の結果で行われるわけであります
けれども、先ほど申し上げましたとおりでありますが、その内容につきましては、秘
密保持の観点から、外部に開示しないことが望ましい場合が多いというふうに思われ
ます。常に公表や通知を要するものとした場合には、被認定者たる外国人テロリスト
ですとか、その者の関係するテロ組織を利するということにもなりかねないわけであ
りますので、ひいては我が国国民の利益にも国際社会の利益にも合致しないという事
態を生じせしめる可能性があるわけであります。このような事情から、認定について
は法務大臣による告示その他の方法による公表や通知を義務付けるという規定は置い
ていないわけであります。
ただ、公表をおよそ全くしないかと、こういうふうにお尋ねになられますと、これ
はやっぱり個別の判断というものがあり得るんだろうというふうに考えております。
公表の可否に関する判断基準につきましては、個別の事案に応じて様々な利害得失が
考えられるわけでありまして、現時点ですべてを申し上げることはなかなか難しいわ
けでありますけれども、これ、一般論として申し上げますと、認定の結果を公表する
こととしないことのどちらが公益に資するかという観点から検討をすべきであろうと
いうふうに思っております。
例えば、諸外国が既にテロリストであるというふうに認定して公表している外国人
テロリストにつきまして、我が国としても、これが今回の改正法の規定の趣旨に従っ
て同様の認定をした場合に、これは公表することによりまして、むしろ我が国として
もテロ対策を真剣に行っているということで国際的な連携を示すという意味が出てく
るケースもあるんだろうというふうに思います。他方、ICPO、インターポールか
ら非公表を前提に手配されているような外国人テロリストもあるわけでありまして、
こういう者につきまして、我が国がこの者をテロリストとして認定したような場合を
考えますと、これを公表することによりまして当該本人にインターポールの手配情報
を提供するような結果になってしまうわけであります。これを利用されてどこかに雲
隠れされるというケースもあり得るわけですので、公表は相当でないようなケースだ
ろうというふうに思います。
このように、個々に検討をしていくべきものだろうというふうに考えております。
○千葉景子君 私は、この問題は、個々に公益的な立場から取捨選択していくという
ことではなくして、やっぱりその人の身分にかかわるということであるとすれば、やっ
ぱり適正手続というものをきちっと考えなければいけないだろうというふうに思うん
ですね。
もうそれは、認定をしたと、通知をしたらひょっとしたら逃げてしまうかもしれな
いと、通知をされたら、じゃこの際、もう言われたんだからテロ行為でも起こすかと、
こういうことになってしまうかとか、いろんなことを恐れているのかもしれませんけ
れども、逆に言えば、一人一人の人間の身分にかかわるときにやっぱりきちっとした
適正な手続を経ると。認定すること自体はそれはあり得ると思うんです。ただ、それ
に対してやっぱり告知をする、聴聞の機会を与える、こういうことがやっぱり本来の
人権保障であり民主主義の原点だというふうに思うんです。
今のお話ですと、今日ちょっと私の作らせていただいた資料をお配りしていますけ
れども、この法務大臣によるテロ関係者の認定手続、ここの段階では認定の通知とい
うのが特段されるわけでもない。それから、これに対して、そういうことになれば何
か物を申すというような機会はないということになるわけですね。そうすると、自分
が知らない形で認定をされていると。いやいや、これについては異議がある、不服を
申し立てたい、何でこんなことになっているんだというようなことはどこでどうやっ
て申し立てればいいんですか。一切そういう不服の申立て、異議の申立てのようなこ
とは、じゃできないというふうに考えられるんですか。
先ほど、行政処分ではないというわけですから、行政不服審査とかいうことにもか
からないわけですよね。そうすると、どうやって、自分の身分を明らかにしたい、あ
るいはその疑念を晴らしたいというその手だてというのは全然なくなってしまうんじゃ
ないでしょうか。そこはどうですか。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
その前に、先ほどの御質問の前半部分について私ちょっとお答えを失念したような
気もしております。
いわゆる認定されたことに対する不服の申立ての趣旨の御質問があったかというふ
うに記憶しておりますが、これは、先ほども申し上げましたように、処分性がないと
いうことからいたしますと、行政不服審査法上の不服申立てですとか認定に対する取
消し訴訟の提起はできないというふうに私どもは理解しております。
なお、行政不服審査法には、そもそも外国人の出入国又は帰化に関する処分は不服
審査法の適用除外であるという規定がございます。
それから、今の御質問でございますが、最終的には、当該認定された本人が日本に
来たケースでこれが発見されますと退去強制手続が取られるわけでございます。これ
は正に行政処分そのものでございます。その手続の中で、本人は当然自己の主張がで
きるわけであります。
まず、警備官、委員がお作りになった資料にも流れが、図が載っておりますが、警
備官の方で摘発をして、その後、審査官の方で違反の調査をし、最終的には法務大臣
に対して異議の申出までできるという現行の退去強制手続の不服申立ての制度がその
ままテロリストと認定された人に対しても当てはまる。つまり、その手続については、
テロリストと認定された者について特別のものを新たに設けるわけではございません
で、現行の一般の、オーバーステイの方々ですとか不法就労の方々で退去強制手続の
対象になった人が取られる手続と同じことになるわけであります。
その中で、言わば三審制のような形になるわけでありますが、当然に、本人が自分
に対する認定は不当であるという主張はそこで十分可能であります。それに対して入
管当局としては、いや、そうではない、認定は正しいんだということを証拠によって
立証していくという、こういう流れになるんだろうと思っております。
○千葉景子君 今の御説明でいきますと、認定がされた、しかしそれは直接には通知
はされない、そうすると、ある日突然かもしれませんけれども、退去強制手続の流れ
の上に乗せられると。突然、あなたは退去強制事由があるからといって収容をされる
というようなことが起こるわけですよね。その退去強制手続の中で問題があれば、あ
るいは不服があれば申し立てられるということのようでございます。
じゃ、現在の退去強制手続の中で本当にきちっとした理由が示され、それから、ど
ういう根拠に基づいてその認定がされたんだというようなことについて十分に本当に
弁明できるような機会が持てるだろうかと。
それでは具体的に聞きますけれども、例えば認定理由、こういうことであなたはテ
ロ関係者だと認定されたというようなことは、いつ、どの段階できちっと告知をされ
るんですか。それは書面で行われますか、口頭で示されるのですか。それはいつです
か。
もしこの図で御利用いただけるのであれば御活用いただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
委員のお作りになりました、非常に分かりやすい一枚目の図の方を利用させていた
だいて御説明したいと思いますが、入管法の規定によりますと、退去強制事由に該当
する外国人につきましては、まず入国警備官が、これは違反であると、退去強制事由
に当たると考えた場合には、警備官による違反調査、摘発が行われまして、身柄を収
容する際には収容令書、これは主任審査官という立場の者がおりますが、これが発す
る収容令書によって警備官が身柄を収容すると、こういうシステムになっておるわけ
でございます。
この収容令書には容疑事実の要旨を記載しなければならないことになっています。
これは入管法の四十条に規定がございます。また、警備官が収容令書により容疑者を
収容しますときには、収容令書を容疑者に示さなければならないという規定が入管法
の四十二条一項にございます。これは、その収容が有効な収容令書に基づく適法なも
のであるということを示すと同時に、容疑者に速やかに収容の理由を知らしめて、弁
解、防御を容易ならしめる趣旨に基づくものでございます。したがいまして、収容令
書の容疑事実の要旨は、その趣旨を踏まえ、容疑事実をできる限り具体的に特定して
記載すべきものでありまして、実務上もそのように運用がされているところでありま
す。
この点につきましては、今回の改正法に基づいて認定されるテロリストが退去強制
の手続に乗った場合にも同様でございます。当該テロリストが行うおそれがあると認
める行為をできる限り具体的に特定して記載することになるわけでございます。
他方で、法務大臣が認める行為というのは、過去に実際に行われたものではござい
ません。刑事事件の裁判と違いまして、言わばこれから行われるおそれがあるという
ことで認定をするわけでございますので、将来において容疑者が行うおそれがある行
為ということになります。
したがいまして、事案によっては、将来例えば爆弾テロを行うおそれがあるといっ
ても、具体的に何月何日にどこでどんな方法で行うかということを具体的に特定でき
ないようなケースもあり得るんだろうと思います。例えば、容疑者が爆弾テロをやる
というかなり疑いがあるというのでこれを認定をする必要があるということであって
も、どうも実際にどこをねらっているのか分からないというようなケースが想定され
るんだと思います。そのようなケースにつきましても、容疑者に速やかに収容の理由
を知らしめまして、弁解や防御を容易ならしめるという趣旨を踏まえまして、容疑事
実については事案に応じましてできる限り具体的に特定して記載すべきものであると
考えます。実際の運用もそのようにしていく所存でございます。
御指摘の認定の理由でありますけれども、理由というのは容疑事実そのものではな
いわけでありますので、入管法上これを収容令書の容疑事実として記載すべきものと
はされてないわけでありますけれども、認定されたテロリストにつきましても、収容
令書に認定の理由を記載することは義務付けられてはおりませんけれども、通常、先
ほど申し上げましたように、容疑事実をできる限り特定して記載するということにい
たしますので、それに基づいた容疑者の弁解、防御は可能であるというふうに考えて
おります。
なお、その容疑者の弁解、防御のための必要かつ相当な範囲で認定の根拠を容疑事
実の要旨に記載することが望ましい場合もあり得るわけですので、事案によっては運
用上このような配慮もしたいと考えておるところでございます。
それから、実際にその退去強制手続の中で、当然一方的に入管側の認定を容疑者に
押し付けるわけではございませんで、今申し上げましたように、本人の主張があれば
当然これは聞くわけでありますし、それに対して入管としてはこういう理由であなた
に容疑事実があると認めたんですよという説明をすることに実務上なっております。
この委員のお作りいただいた表でいきますと、入国審査官による違反調査ですとか、
それに対する異議申入れの、異議審の特別審理官による口頭審理と、こういう手続に
おきまして具体的に入国審査官や特別審理官が容疑者を調べる、インタビューする場
合にどんな方法で手続を取るかということが、私どもの内部の大臣訓令でございます
が、違反審判規定というものを作っておりまして、これで決めておる部分がございま
すので、若干御紹介したいと思います。
これが当然テロリストと認定された……
○千葉景子君 時間ないから、また。
○政府参考人(三浦正晴君) よろしいですか。
○千葉景子君 もう時間なので、もう今日この程度にしかできませんけれども、この
流れ見ると、本当に、新しい認定という行為を入れる、それによって、これ何しろテ
ロリストのおそれがあるというふうに、そういうものだというふうにされるわけです
からね。それにもかかわらず、それに対するきちっとしたやっぱり適正手続という部
分が非常に私は欠けているというふうに思うんです。
退去強制手続の流れの中でと言いますけれども、この退去強制手続そのものも現状
ではなかなか具体的な理由あるいは証拠の開示、こういうものが十分にやっぱりされ
ていないというのが現状なんですよ。
それは、この退去強制手続の性格がそうなんだと、法的な性格がそうだといえばそ
うなんですけれども、やっぱり具体的にそれだけの非常に不安定な身分を強制される
ということですから、それに対する実質的な告知、聴聞、そして適正な手続と、こう
いうところをもう一度私は考えていく必要があるのではないかというふうに思います。
それについては、ちょっと時間になりましたので、また、この続き等々含めまして
今後の議論にまた続けたいというふうに思いますので、御準備のほどをまたお願いを
して、終わらせていただきたいと思います。
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