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2006年3月16日全文

164-参-法務委員会-2号 平成18年03月16日

○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 今日は初めて杉浦大臣といろんな論議をさせていただくことができまして、大変光 栄に思っております。高い見識をお持ちで、そして司法分野で仕事をなさってこられ た杉浦大臣ということでもございますので、是非これからリーダーシップを発揮をい ただきまして、より良き政策の実現に向けて頑張っていただきたいというふうに期待 をさせていただいております。
 また、副大臣、そして政務官、それぞれ大変精力的に様々な御視察などをなさって これからの政策取りまとめに備えていただいているということでもございますので、 これまた是非積極的な御活動、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。
 さて、資料をちょっと配らせていただきました。まず冒頭、大臣にちょっと大きな 問題、三つ柱を立てまして大臣の御見解を伺わせていただきたいというふうに思って おります。
 そのまず最初が司法制度改革についてでございます。
 皆さんのお手元に資料を配らせていただきましたが、ちょっと訂正をお願いをした いというふうに思っております。それはどこかと申しますと、済みません、法務省か ら資料をいただいたもので作ったんですけど、後ほどあれがありましたので、四ペー ジの上から二こま目の行政事件訴訟法の一部を改正する法律、その施行の期日のとこ ろに十七年四月一日、括弧で一部例外ありとなっておりますが、これ、一部例外あり は取っていただき、訂正をいただければというふうに思っております。
 さて、今日、この資料を配らせていただきましたのは、見ていただきますと分かり ますように、この司法制度関連法、平成十三年の臨時国会からまあ本当によくこれだ け議論をし、そして成立を期してきたものだなと、改めてこれを私も見ながら感じた 次第でございます。この間、政治の場で様々な改革の取組が進んでまいりました。そ の中で、私は正直、この司法制度改革が最も成果を上げた改革ではなかったのかなと いうふうに思っております。これまでとかく日の当たらない司法の部分ではございま したけれども、司法にかかわる者、そして政治の場、あるいは国会、あるいは多くの 市民、そして各分野の皆さん参加の下にこの司法制度改革が進められ、そしてこれだ けの言わば果実を生み出してきたということは、日本の社会のこれからの歴史にとっ ても大きなやはりこれは足跡になるのではないかというふうに思っております。これ は正直、与野党、そして政府、垣根を越えまして共同して取り組んだということでも あろうかと思います。
 ただ、正直申し上げまして、大変こういうものというのは進めるときは相当熱に浮 かされると、ちょっと言葉が過ぎますけれども、そういう部分もありまして、だから こそここまでできるということもあるんですけれども、改革という、そういう波に乗っ て行われたという部分もございます。そういう意味では、決してマイナスに評価をす るという意味ではありませんけれども、振り返ってみますと、何か少しもう改革改革 という名の下で足が前に進み過ぎたかな、あるいはこれまでの良き、いい意味での司 法の在り方、そういうものを少し頭からもう忘れ去ってしまって取組というか、成立 をさせてしまった法律もなきにしもあらずなのかな、いろんな反省点、あるいはこれ から残された課題もあるのではないかというふうに思っております。
 ちょうどこれからいよいよ実施段階に移ってまいります。そういう意味では、これ からがまた正念場。どうも一回できてしまいますと、その後というのはいささか熱が 冷めたような形になりまして、一体成立した法律というのは、あれ、そういえば施行 されたのかな、これからかなとか、そんなちょっと多少関心が薄れていく部分などが あったりいたします。そういうことになっては困るわけでもございますので、是非こ れからしっかりと原点をもう一度踏まえつつ、十分施行に向けての努力をこれもまた こぞってやっていかなければいけないというふうに思っております。
 私も何かあるとこの司法制度改革、やっぱりバイブルとまでは言いませんけれども、 司法制度改革審議会から出された意見書、これを一番やっぱり基本に私もさせていた だきながら、いろんなこの制度のこれからの進み具合についてチェックを、目をやっ ぱり向けてまいりたいというふうに思っております。
 そういうこの司法制度改革でございます。大臣にも、これからその実施に向けて大 いにリーダーシップを取っていただければというふうに思っておりますけれども、こ れまでの経過あるいは成果、そして問題点、あるいはこれからの取組に向けての大臣 としての御所見をまずお伺いをしておきたいというふうに思っております。

○国務大臣(杉浦正健君) 千葉先生におかれましては、長年弁護士として、特に人 権派弁護士として大活躍をされ、議員になられてからもこの法曹界のことについては 特段のお力を賜っております。また、民主党の今シャドーキャビネット、英語を使う と怒られるんですが、最近、の法務大臣をなさっておられると承っておるわけでござ います。これからいろいろな意味で、与党、野党、立場は違いますが、御指導、御鞭 撻をいただくことになると思いますので、まずもってよろしくお願い申し上げる次第 でございます。
 司法制度改革につきまして、先生から資料をちょうだいして、この一覧表を見て改 めて、先生もよくぞここまで来たとおっしゃっておられましたが、私も改めてこんな にもやったのかという思いでございます。まあ、私の場合、自由民主党の中でこの問 題をともかく一歩を踏み出した最初の、最初の一歩、何かのポスターに書いてありま すが、最初の一歩のときに、あれは橋本内閣でしたけれども、司法制度改革の党の組 織が立ち上がったときに、保岡先生と一緒に事務局長でこの問題に取り組み始めたわ けでございますが、あのころは、もう正直言って私は法曹界の保守性をよく知ってい ますから、とりわけ最高裁判所のこの後ろ向きさは弁護士時代もう身にしみておりま したので、よもや前へ進む、こんなに進むとは少しも考えておりませんでした。とこ ろが、いろいろいろいろと話してみますと法務省、法務省はいつも中立的なんですが、 最高裁は非常に熱心に進めなきゃいかぬというお気持ちになっておられることを知り まして驚きましたが、ああ、これならできるかもしれないという気持ちで一生懸命取 り組んだ、取り組み始めたことを本当に昨日のように思い出すわけでございます。
 先生おっしゃったとおり、もちろん完全なものではございませんが、しかしこれだ け様々な課題に手を付けてここまで来たと。点数を付けるわけにはまいりませんが、 もちろん百点満点ではありませんですけれども、まあ一応合格点と申しますか、のと ころまでは来たのではないかなというのが全体としての私の印象でございます。もち ろん、このでき上がったものについて、例えば裁判員制度、始まってはおりませんが、 あるいは法科大学院にいたしましても、試行錯誤と申しますか、やってみた結果、やっ ぱり手直しというか、修正あるいは改正ということはあり得ると思いますが、ともか く始めて、やってみてということが大事ではなかろうかというふうに思っております。
 司法試験の合格者数も、今千五百人までなりました。行く行くは三千人ぐらいをめ どに増やそうと、日弁連さんもよもや賛成すると思わなかったんですが、賛成されま して、その三千人体制、あるいはもっと状況によっては、そのときの状況によります が、そこまではやろうということになっているわけですけれども、増えた場合に弁護 士さんの業界どうなるのかという不安といいますか、心配なきにしもあらずなんです が、しかしそれも、弁護士という資格を持った方がもっともっといろんな意味で官庁 の中とかあるいは企業の中、幅広く活躍していただくというきっかけにもなるのかな と思ってみたりしております。
 激動する社会の中で、これはグローバルに大変革が進んでおりますから、これから 司法、法の支配を全うする司法の役割というのは大きくなっていく一方だと思います。 自己責任型社会、事後チェックという社会と言われておるわけですけれども、そうで あればあるほど裁判所、検察庁、弁護士会、司法の果たす役割というのは重くなりこ そすれ、軽くなることはないと思います。この成果を、あくまでも通過点であります が、今後とも、もちろん先生方の御指導をいただきながら前へ進めていく、総理の言 葉をかりれば改革に終わりはないということだと思いますけれども、まあ戦後と申し ますか、昭和の世界でいいますと、終戦直後のあの大改革に匹敵する、あるいはそれ 以上の大きな改革を成し遂げつつあるんじゃないかなというふうに思っております。
 法制の整備としてはほぼ仕上がっておるわけですけれども、今後新たに取り組むべ き問題も幾つかございます。先生方御承知のとおり、この四月から日本司法支援セン ターが発足して十月から業務開始いたします。この組織については私、自民党の中で その主査を務めまして法案のたたき台を作りましたので、特に思い入れが強い一つで ございますが、そのチームで韓国にも視察してまいりまして、韓国には大韓法律救助 公団という公団がございます。何と申しましょうか、日弁連がやっておりました法律 扶助協会なんというのはちゃちなもんで、もうともかく、何と言ったらいいか、壮大 な組織が立ち上がりまして立派な運営をしております。話が長くなりますけれども、 韓国に負けるなが合い言葉でありまして、ついこの間も、大臣になって、三年たった もんですから、最初の訪問から、韓国へ行って見てまいりましたら、更に進んでおり ました。韓国に負けないような、サイズだけじゃなくて中身でも、司法支援センター を立ち上げてまいりたい。
 様々な事業、扶助協会のやっております事業以外にもたくさんの事業が付加されて おります。犯罪被害者に対する支援でございますとか過疎地対策とか、様々ございま すので、あのねらいのとおり、最終的には、年月を掛けてまいりますが、全国津々浦々 に郵便局のように、郵便局を利用したりして、ともかくこのネットワークを広げまし て、国民の皆さんにある、中にあるニーズ、法的トラブル多くなっております。おれ おれ詐欺だとか振り込め詐欺だとか、法律相談ではこなし切れない、ああいうのは最 後までやってあげないと不安なんですが、そういう皆さんのニーズに的確にこたえら れるような頼りがいのあると申しますか、そういう組織にしていく必要があると思っ ております。
 役員も内定いたしまして、全国、取りあえず都道府県単位で支部を立ち上げて準備 をいたしてまいりますが、私は関係者の方に合うたびに、これはお役所仕事でないと、 絶対にあってはならないと。これ特殊な法人でございますが、大体今までの公団、公 社、特殊法人というのは、民間の悪いところと役所の悪いところを寄せ集めたような ものだと、こう世間が言うぐらい官僚化しやすいものでございます。あくまでも国民 の方に目を向けて親切に丁寧に御相談に乗ることから始める、そういう組織でなきゃ ならないという、口を酸っぱくして言っておるわけですが、そういう本当に国民の目 から見て、まあ駆け込み寺といいますか、頼りがいのある親切ないいところだという ふうに言われるような組織に立ち上がっていきますように、先生方におかれましても ひとつ十分に目配りをしていただいて、全国各地で至らない点は御叱正を賜りたい、 また様々な形で御支援をいただきたいと思っております。
 裁判員制度もまだPRの段階でございまして、まあ、あれについては私もいろいろ 意見があって、私はドイツの参審制度がいいと思ったんですけれどもああいうふうに なってしまって、まあ参審制度は参審なんですけれども、ちょっとこの裁判員の数が 多過ぎて裁判所が大変だろうと思うんですが、まあしかし決まった以上スタートして やってみて、関係者努力して、修正するとすれば何年かやってみた上で修正すればい いと思いますけれども、万全の実施準備をしてまいりたい、PRから始まってですね、 そう思っております。
 残っております主なものを言いますと、法令の外国語訳整備の推進、まだ始まった ばかりでございます。それから、裁判外紛争解決手段、横文字使うとまた怒られます が、ADRと称するものですが、これも隣接業種にもっともっと広げていかなきゃな らない作業が残っております。
 法教育の推進もございます。こういう教材を作りまして、「はじめての法教育」、 中学校三年生対象にしているようですが、まだ全部やっておりません、試験的に幾つ かのところでやっておる教材でございます。これを先生方に読んでいただいて、例え ば町内会の規約を作ろうとか、法とは何かということをここから先生に考えていただ いて、まあ何単位といいましょうか何時間か教えていただくということで、一応こう いうものは作ってある程度配付しておるようですが、これを更に進めて、まあできれ ば中学のうちに全校で進めるぐらいにしたいと思います。で、教育指導要領の書きっ ぷりがまだはっきりしませんので、もう少し今度の改訂に当たっては法教育をもっと 進められるような書きぶりに改めるように今協議をしてもらっておるところですが、 進めてまいる等、課題が残っております。
 しっかりとやってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○千葉景子君 ありがとうございました。本当に率直な大臣としての御所見を伺えた ような気がいたします。
 おっしゃるとおりに、もちろん本当に百点というわけではありませんし、いろんな 部分でまた歩きながら見直していくという作業が必要になってくるんだろうというふ うに思っております。是非この委員会にもまた節目節目でこの司法制度改革の進捗あ るいは施行の状況あるいは問題点、検証するような、そういう審議の場などを是非今 後も設けていくことができたらというふうに思いますので、その点はまた委員長の下 で御協議をいただければ有り難いというふうに思っております。
 最高裁の方も、やはりその一翼を担う担い手でございますので、御決意といいましょ うか、御所見を簡潔にお願いをいたしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) ただいま法務大臣からコメントがございま したが、現在の最高裁の認識について申し上げたいというように思います。
 このたびの司法制度改革は、ただいま委員から御指摘がございました司法制度改革 審議会意見書にも記載されておりますとおり、我が国の社会が事前規制型社会から事 後チェック・救済型社会への移行を目指す中で、事後チェック及び救済の中心的役割 を担う司法の役割が一層重要となり、司法の充実強化を図る必要があるという認識に 立つものと理解しているところでございます。
 そのために司法のあらゆる分野に及ぶ広範な改革が行われておりまして、例えば民 事裁判の分野では、平成十七年四月に知財高裁がスタートしました。本年の四月には 労働審判制度が施行されるという予定でございます。また、刑事裁判の分野におきま しては、三年後に裁判員制度という国民の司法参加を目的とする重大な制度が施行さ れるということが見込まれるなど、いずれの分野におきましても改革のための様々な 新しい制度の運用が開始されてきております。これらを、そのどの一つを取りまして も、裁判所が全力で取り組まなければならない重要な課題ばかりでございます。
 裁判所としましては、このような司法制度改革の趣旨を実現するために、事件処理 体制の一層の充実強化を図ってきておりまして、既に導入されましたいずれの制度に つきましても改革の趣旨に沿った適正な運用をするように努めてきたところでござい ます。また、今後導入される裁判員制度等の新たな制度につきましても、現在その円 滑な実施に向けて総力を挙げて準備に取り組んでいるところでございます。
 最高裁としましては、今後とも、法務省、日弁連その他の関係機関との連携をしっ かりと図りながら、司法制度改革の趣旨を実現するように全力を尽くしてまいりたい というように思っております。

○千葉景子君 ありがとうございました。
 是非、まあこれは全員のそれぞれの関係するもの、そして言わば国民、市民の中で も全体で推し進めていくという問題ですので、どうぞ積極的にお取り組みいただきま すようよろしくお願いをしたいと思います。
 最高裁、ありがとうございました。結構でございます。
 それでは次に、大臣に、もう二番目の柱でございますが、これも国際的にも懸案事 項にもなっております、日本の社会でも大きな取組課題であります人権侵害救済制度、 この確立、これが長らく議論になっております。政府の方からも人権擁護法案という 形で提起をいただいた経緯もございます。しかし、なかなかこれが国際基準に本当に 沿うものであるのか、真の意味で人権侵害救済制度として位置付けられるのかと、こ ういういろんな議論もありまして今滞っているというのが実情でございますが、この 人権侵害救済制度あるいは法制度の確立に向けまして、総理も今国会の冒頭、民主党 の前原代表の質問に対する御答弁でまず前向きなお考えを示されておられたと認識し ておりますが、大臣としてはいかがでございましょうか。この国会も含めて、お取り 組みの姿勢、お聞かせをいただきたいと思います。

○国務大臣(杉浦正健君) 人権侵害の迅速な救済を図るということはもう非常に重 要だと思います。犯罪も人権侵害行為なんですね。要するに、世間に広く周りを見渡 せば一杯人権侵害はあるわけなんです。それを細かに抑止していけば、結局犯罪防止 にもつながっていくのだと私は思っております。
 そういう意味で、人権擁護法案が今のような状況なのは誠に悲しい状況で、一刻も 早く提出させていただいて、修正はもちろん、議会が法律を通されるわけですから、 先生方の御意向を伺って、修正すべきところはどんどん修正して結構でございますの で、早期に提出させていただいて成立を期したいと願ってはおります。
 ただ、御案内のとおり、今自民党の中でまずこの議論が大変盛んで収れんしていな いという実情でございますので、是非とも議論を進めていただいて、修正を視野に入 れた適正な結論をお出しいただければ有り難いと、こう思っております。政府という よりも、そこに突き当たって、壁に突き当たっておるという状況であることは御案内 のとおりでございますが、何とか進めていただきたいと、こう思っておる次第でござ います。

○千葉景子君 大臣、本当に率直な御答弁をいただきまして、滞っているのは自民党 さんのところだというお話でございました。それは承知をある程度はしておりますけ れども、政府としての責任ということもございますので、どうぞ積極的にこれも大臣 のリーダーシップを取っていただきたいというふうに思っているところでございます。 もちろん国会で議論をしまして、より良いものを作るということは当然であろうとい うふうに思っております。
 それでは次に、三点目でございますけれども、今、人の動きというのは国を越えて 非常にグローバルな活動になっております。生活も、国内にとどまらず、いろんな各 国で生活をするというような実情もございます。人間関係もしかりでございます。そ ういう中で、ちょっと国籍に関して幾つか起こっている問題がございますので紹介を させていただき、これについて大臣にもより一層関心と、そして解決の道を切り開い ていただければというふうに思っているところです。
 一つは、重国籍の問題でございます。
 これは経緯がございまして、一九八〇年に女子差別撤廃条約が批准をされました。 それに伴って日本の国籍の制度が、父系優先主義ですね、父の方です、から父母の両 方の主義に改正になりました。そういうことも関係をいたしますけれども、その際に、 国際結婚などによって重国籍が増えるのではないかと、そういうことで国籍選択制度 というのを同時に採用いたしました。そういうことで、今、日本の国籍とそれからど こか諸外国の国籍を二重に持つということはかなわないと、こういう今実情でござい ます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、大変人の関係あるいは移動、こういうものも グローバル化しているもんですから、例えば、日本に元々生活の場はあるけれども仕 事の関係などで諸外国で大変活躍をしている、しかし活躍をするためにはそこで資格 を得たりもしたいと、そのためにはそこの国籍がないとうまくいかない、しかし日本 のやっぱり自分の元々のアイデンティティーを残しておきたいと、こういうようなケー スもございます。
 あるいは、こういうことは御自分の意思ということもかかわりますけれども、子供 ですね、国際結婚をする、そういう中で生まれたお子さんとかですね。最初に両方の、 外国で、例えば日本の女性と外国の男性との間で生まれた、日本の国籍もあるし、そ れから外国の国籍も得ていると。ただ、これは一定の年齢になりますとどっちかにし なさいと言われまして大変その選択に悩むと、こういうケースもございまして、何と かここをできないものだろうか。まあ悪さをするというつもりは全然ないわけでして、 何とか解決の道はないだろうかという、こういう悲痛な声も大分多く出てきておりま す。
 それからもう一つは、これは元々問題になったことがございます。日本の男性と例 えばアジアの中でですね、の女性との間に子供ができたと。結婚をしているというこ とであればいいのですけれども、婚姻関係にない、そして認知も生まれてから認知を していると。ですから、父親というのは確定はしているんですけれども、国籍を持て ないと。こういう今制度になっております。
 そういう中で、やっぱり子供には責任はありません。そして、父親が日本人である ということは分かっているわけですから、確定をしているということですので、こう いうときに国籍を持つことができない、日本の国籍を持つことができないというのは 大変子供には気の毒というか、大変悲しいことなのではないかというふうに思ってお ります。こういう問題も一部裁判などにもなっているようですけれども、やはり何と か子供のためにも道を開けないかと。こういう問題があり、国籍にかかわる問題が幾 つか出ております、課題がですね。
 今すぐ回答とかあるいは結論と私はここでは申し上げませんが、是非目を向けてい ただきまして、何か解決の道を一緒に御検討いただきますように心からお願いをさせ ていただきたいと思いますが、是非お取組だけはしていただけないでしょうか。大臣、 いかがですか。

○国務大臣(杉浦正健君) 先生の御意向、承りました。外国人問題PTで副大臣が 取り組んでいただいておりますし、副大臣の方からお答えをさせていただきたいと思 います。

○副大臣(河野太郎君) 二重国籍の問題、まあ重国籍の問題でございますが、実は プロジェクトチームを立ち上げましたときの大きな問題の一つでございました。委員 幾つか御指摘をいただきましたが、成人の日本人が他国で活躍するために他国の国籍 をという場合は、これはやはりどちらか選択をしていただかなければならないだろう というのがプロジェクトチームの検討の方向でございます。
 ただ問題は、国際結婚ですとかそういう場合に、父母のどちらかの国籍の選択を迫 るというのは余りにも酷ではないかという要請は、例えばフランスの方と結婚された 方から本当に悲痛な陳情を寄せられているのも事実でございまして、これを何とかで きないだろうかという検討をしているわけでございますが、例えば徴兵制度のある国 ですとその徴兵をどう回避するのか、あるいは外交保護権がバッティングする、これ をどうするのか、それからその身分関係が別々になってしまうと重婚の問題も出てく るだろうとかですね、実は考えてみるとこれなかなか一筋縄ではいかないなと。
 それからもう一つは、二重国籍の方が外国のパスポートで日本に入ってこられて日 本でパスポートを取って出国すると不法残留に数字上は載ってしまいます。これは別 に実害があるわけではありませんが、少なくとも統計的にはその数字が消えない。そ れから、外国の政府のトップに日本の国籍を持ったままなってしまうようなことも、 まああのフジモリさんのように現実にそうしたことが起きたわけでございますので、 これはなかなか解決は難しいのかなと。
 ただ、国籍は二つあっても例えばパスポートは一つだけとかですね、何かそういう 解決策があるんではないかということはそのPTでもいろいろ議論をさせていただき ました。ただ、そういう場合には日本国内の法整備だけではできずに、何か国かで国 同士の二重国籍はこういうルールでやろうという取決めができれば、じゃパスポート はこっちにしようとか、二重国籍だよという登録をちゃんとしてくださいとか、そう いうことができれば解決に向けて前進できるのではないか。現状では、正直言って二 重国籍かどうかの把握もできないということでございます。
 そういうことで、これは一生懸命今検討をしているところでございますが、国内だ けではなかなか難しいというのが現実だろうと思います。
 それから、日本人の男性と外国人の女性の問題でございますが、確かに出生後の認 知で国籍の問題どうなんだということがありますが、これ、その出生後数日で認知し て明らかに親子だねというケースがあるかと思えば、二十年ぐらいたってお父さんが 来て、いや実はおまえはおれの子だと言って認知するとそれで日本国籍になってしま うというのも変な話でございます。まあそれは極端な例と言われれば極端な例なのか もしれませんが、そういうことも理論上は起こり得るということだと思いますので、 そういう問題があるということを、これも少し検討課題にはさせていただいて、当面 はしかし現状でやらなければいけない。
 しかし、これだけ国際化が進む中で、二重国籍の問題、見て見ぬふりはできません ので、しっかり前向きに取り組んでいきたいというふうに思っております。いろいろ 御指導、よろしくお願いしたいと思います。

○千葉景子君 ありがとうございます。
 これまでなかなか踏み込むことができませんでおりました議論をいろんな形で進め ていただいているということを私は高く評価をさせていただきたいというふうに思い ますし、是非これは、私も結論といいますか、こうすればうまくいくというのを私自 身もまだまだ持ち合わせるまでには至っておりません。一緒に考えさせていただけた ら大変有り難いというふうに思っておりますし、認知に伴う国籍の取得の問題も、ま あ極端なことはあるかもしれませんが、子供の側、子供の立場ということを考えてま た御検討は続けていただければ大変有り難いというふうに思っております。
 それでは、ちょっと大きな、大臣に宿題というわけではありませんけれども、今後 取り組んでいただきたいという問題三本、お願いとそれから御見解をお聞かせをいた だきました。
 次に、別な課題に入りたいと思いますが、実は、ここのところ大変問題になってお りますのがあの情報流出の問題でございます。これにつきましては、この間、ちょう どこの委員会が今回が初めてということになりますけれども、様々な部分で経緯は私 も聞かせていただいております。経緯を説明をいただくとまた時間が大変掛かります ので、もう報道などがされておりますのでそこは詳しく、結構でございます。いずれ にしても、ウィニーという交換ソフト、これが一つの大きなきっかけになりまして刑 務所内の様々な情報が外部に流出をしてしまったということでございます。
 まずお聞かせをいただきたいんですけれども、そもそも出てしまったということ自 体は、刑務所情報なんですけれども、こういう情報がどういう管理をされていたのだ ろうかと。
 経緯を見ますと、職員が被収容者の個人情報も含まれたものを自分の自宅のパソコ ンに集積をしていたというか、ため込んでいたと、こういうことが一つの背景になっ たわけですけれども、こういうことがこの一件だけで本当だったのかと。これ、たま たまそこでウィニーを使っていて、そこにウイルスが取り付いて情報が流出したとい うことですけれども、実態として、こういう自宅に持ち帰る、で、個人的な情報も省 内、省外で自由に職員同士がやり取りをしていたというようなこういう実情、どんな ふうになっていたのか、まずそこをお聞かせをいただきたいというふうに思っており ます。これがたまたまの一件なのか、それとも省内でこういうことはごく普通に行わ れていたということなのか、そこのところはいかがでしょうか。

○政府参考人(小貫芳信君) まず、公的な情報の持ち出しの状況から説明さしてい ただきますが、この事案の発生後、矯正局におきまして、再発防止の一環としまして、 職員による公的な情報の外部持ち出しの有無等を調査を実施いたしました。その結果 でございますが、個人情報を含んでいないものも含めまして、公的なものが約百七十 名の職員によって自宅に持ち帰られていたということが判明いたしました。なお、こ の持ち出しが判明した情報につきましては、直ちに施設に返納させまして廃棄したと ころでございます。
 なお、前段の御質問の中でどんな管理をしていたのかと、こういう御質問があった と伺っておりますので、まず矯正局の関係でございますが、矯正施設における情報と いうのは大きく分けると二つのものがございます。一つは、収容者のデータ管理シス テムというデータベースで管理しております被収容者情報と、それ以外に、共用パソ コン等で使っております各種文書等の一般業務データというものがございます。いず れもインターネットに接続しない法務省の専用回線網を利用した閉鎖型のものでござ いますから、外部からはアクセスできないというものになっております。なおかつ、 前段で申し上げました被収容者のデータ管理システムにつきましては、ICカード及 びパスワードを導入いたしまして、管理者及び使用者を明確に限定して管理しており ます。
 これに対して、問題になったのが今回はこの後者でございまして、一般業務データ は施設内の職員であれば閲覧や複写ができる状態にございます。今回流出したのは、 正にこの一般業務データが外部記録媒体に複写されまして、これがいろいろ報道され ておりますような経過で外部に流出していったということであります。
 なお、この個人情報の管理につきましては、情報持ち出しは原則禁止ということに なっておりまして、どうしても持ち出す必要がある場合は上司の許可を受けると、こ ういうことになっております。しかしながら、今回は極めて遺憾な事態を生じている わけでございまして、こうした個人情報の管理が完全になされていなかったと、こう いうふうに私どもは認識しております。
 そういうことで、再発防止の一方策として、施設内のすべてのコンピューターに外 部記録媒体に複写等を不可能にする機能を取りあえず早急に追加いたしまして、電子 情報を施設外持ち出しができないような措置を講ずることとしたところでございます。
 以上でございます。

○千葉景子君 今のをお聞きをいたしますと、このウィニーを通して外部に流出した ことは、大変私はとんだことだというふうに思いますが、逆に言えばこれが、こうい う事件がなかったら、今お話しのように、内部の情報を持ち帰ったり、あるいは個人 情報の管理というのがこれはかなりずさんであったということが分からないままにこ れからも推移していたんじゃないかと。逆に言えば、これもまた非常にびっくりする といいますか、遺憾なことじゃないかなというふうに思います。この流出したこと自 体は大変ですけれども、内部でも逆にこういうことがなければ、個人情報がいかにず さんに扱われていたのか、管理がいい加減だったのかということをある意味では明ら かにしたということになるわけで、私はこれからの対応というのが大変重要になって くるだろうというふうに思います。
 そこで、細かいことはまだまだあるんですけれども、今ちらっとおっしゃいました けれども、この情報流出の再発防止対策、これについてはどのような対策を講じられ たのか、それから今後講じていくのか、そこをまずお聞かせをいただきたいと思いま す。

○政府参考人(小貫芳信君) まず、今回の事案を反省していまして、重要なことは 情報を施設外に持ち出させないことを徹底することにあると、こう考えまして、個人 情報の外部への持ち出しを改めて厳しく禁止して、今回の事案を踏まえた速やかな教 育、研修を全職員に対して実施するように指示して、現在行っている最中でもござい ます。また、職員が自宅等のパソコン等に保存している職務上の情報の有無を調査い たしまして、これについては職場返却あるいは消去という手段を講ずることを指示し たところであります。
 更なる抜本的な対策として早急にやるべきものと考えておりますのは、先ほども触 れましたとおり、矯正施設等のすべてのパソコンに対しまして、保存データを外部記 録媒体に許可なく複写することを防止するための漏えい防止ソフトを追加すること、 二番目は、パソコン本体を施設外に持ち出すことができないようなセキュリティーワ イヤで固定するというようなハード面の施策、さらに、最新の情報セキュリティー対 策に関する資料を作成いたしまして矯正施設へ提供して職員に徹底することとしてお ります。さらには、実際、日常こういったことは徹底して行われているかどうかとい うことをチェックする必要があると、こう考えまして、予告なしの特別監査を実施し 始めたところであります。
 さらには、今回の流出事案の動機をよく調べてみますと、研修あるいは執務の参考 資料に使用したいとして職員が個々に情報を集めたことが原因の一つになっているよ うに考えられましたので、職務執行力の向上に役立てることのできる、個人情報に関 係しない、それらを抹消した矯正実務に即した執務の手引も早急に作って、そういう 動機が生じないような方策も講じたいと、このように考えているところでございます。

○千葉景子君 ちょっと確認ですけれども、百七十というのは矯正関係での数でしょ うか。

○政府参考人(小貫芳信君) そのとおりでございます。

○千葉景子君 今、矯正関係で百七十と、横からもお話がございましたけれども、本 当にそうすると、今日ちょっとあれしませんけれども、法務省全省で一回どうなって いるのかということはまた改めてチェックをいただきまして、御報告をいただく機会 を持ちたいというふうに思いますが、本当に驚くべき数字だというふうに思います。
 これまでも結局は持ち帰ったり持ち出しは駄目と、そうはなっていたけれども、こ れだけあるわけですから、今いろいろな対応策ということもおっしゃっておられます けれども、本当にそれが実効性を持つようにやるために、相当なやはり意識改革も含 めて努力が必要なのではないかというふうに思います。
 特に私は心配をするのは、この流出した情報というのは言わば刑務所、受刑者の個 人情報が含まれているわけですね。それで、出所なさった人の情報もあると、こうい うことも言われております。これは非常にセンシティブな個人情報だと思うんですね。 せっかく社会に出て更生を図り、そして平穏な生活、頑張っているというようなとき に、こういう情報が万が一にもいろんなところで目に触れる、あるいは第三者に渡っ ていくということになったときに、どれだけのやっぱり個人にとっての被害なのかと いうことは計り知れないものがあります。で、これ消すことができないということで すから、今日明日というんじゃなくて、十年先、二十年先に、えっというときにまた そういう情報がどこからともなく出てくるということだってあり得ないわけではない んですよね。
 やっぱり、特に今回、刑務所等の個人情報というのは、情報を流出された側に対し て一体どういう姿勢を持って対応していこうとされているのか、大変難しい問題だと いうふうに思います。その点についてはどんなふうに今考えておられるのでしょうか。

○政府参考人(小貫芳信君) 現時点におきましては、一般の方々のところに流出し た情報が現実に入手されているという事実は把握できておらないところでございます が、こういった点について継続して情報収集に努めまして、そういった事実の把握に 今現在努めているところでございます。
 そういう状況の中で、情報の主体になっておられる方々にどのように対応すべきか、 現在鋭意検討中でございます。

○千葉景子君 まさかこちらから、こういう情報が漏れているんで名のり出てくださ いなどということはとてもできる情報ではありませんし、先ほど言ったように、いつ、 どういう形で情報が、だれかが取得をするかもしれないと、こういう状況です。
 ただ、少なくともこの情報の主体となっている人については、非常にこれは自らの プライバシー、そして人権を損なわれると、こういう問題にかかわるわけですので、 是非そこは、的確に対応を取ることができるように是非、検討中ということでござい ますので、何か私どもも部内でお話を伺った際に、損害賠償をするんだなどという、 割と軽々しくそういう言葉を使われた部分もあります。本当にそういうことも含めて 検討なさっているのかどうかあれですけれども、是非そこはまた、検討の状況は今後 もまた御報告をいただいてまいりたいというふうに思っております。
 大臣、ちょっとお聞かせいただきたいんですけれども、このような問題、再発防止 にとっても非常に、何かほかいろんなところで今回は情報流出しているんですけれど も、刑務所などで被収容者ということで、まあ刑務所の中の人だから何か少し個人情 報を安易に使われていたというか対応されていたんでないかと、こんなことすらちょっ と懸念をするわけですが、いずれにしても、まず刑務所情報などは非常に配慮をしな ければいけない、高い配慮を求められる個人情報なんだと、そういうことがやっぱり 部内にどれだけ徹底されているか、それから徹底していかなければやはりいろんな対 策を講じましても繰り返されるという、そういうおそれもあるわけですが、その点に ついて、特に行刑施設などではこういう点が大事だというふうに思います。その点、 大臣、どうでしょうか、どういう形でその辺を徹底なさっていかれるか、是非そこは お考えをお聞かせをいただきたいと思います。

○国務大臣(杉浦正健君) 先生御指摘のとおり、職員の意識改革が基本的には必要 だろうと思います。本当に遺憾な事態でございまして、そんなに悪気があってやって いたとは思えないんですが、しかし規則に違反したことは間違いございません。規則 で、職員が職務上の情報を上司の許可なく、許可を要すると、持ち出す場合には。そ れに、庁外に持ち出していたことは間違いございません。改めて指示徹底しておりま すけれども。
 先生御指摘の、どういうふうに今後取り組むか、全体どう把握するかということに ついては、先月の十七日ですが、省内に事務次官をトップとする情報流出防止緊急対 策連絡会議、省議メンバーを中心ですが、立ち上げまして、全省的な情報管理の在り 方についての緊急点検を行う、そして、今後情報流出を未然に防止するための必要な 対策を講じるということを指示してございます。作業始まっております。
 また、これはたまたまですけれども、昨年十二月に、政府機関の情報セキュリティー 対策のための統一基準が策定されておるわけでございます。これを受けて、これはた またまですが、並行して法務省でもこの統一基準に基づく新しいセキュリティー対策 基準の策定作業を進めておるところでございます。このセキュリティー対策基準にお きましては、情報の重要度に応じたアクセス制御をするほか、職員に対するセキュリ ティー教育の実施など、様々なセキュリティー対策が盛り込まれることとなっており ます。目下、策定作業を進めておるところでございます。これからはこれらの対策を 徹底させまして、適正な情報管理に努めてまいりたいと思っております。

○千葉景子君 こういうところで、大臣、是非胸を張ってリーダーシップを取ってい ただきたいと思うんですが。
 悪気があったらとんでもない話です、もうこれは。ただ、逆に悪気がなくてやると いうことは、やっぱり情報というのが一体どういうものか、それから行政機関でその 情報をたくさん集積をしている、一体それはだれが、だれのものだということから含 めて、やっぱり情報とは何かというそこの意識、しかも刑務所等は極めてプライバシー にかかわると、こういう基本的な個人情報に対する意識、ここをやっぱりもう一度徹 底をすることが必要なんではないかというふうに思います。是非、これからそういう 部内の意識改革あるいはその徹底、十分にしていただきたいというふうに思っている ところでございます。
 それから、今回はこの情報流出事件というのは行刑施設ばかりではなくて、私も報 道等で見る限りではありますけれども、検察とかそれから警察、たしか裁判所もあり ましたよね。それから自衛隊関係、これもありました。今度は民間の方でも、これは ウィニーということを通じて今大変な問題になっているわけですけれども。その民間 の問題は別としても、やっぱり政府、行政機関全体で、やっぱり情報の扱い、持ち帰 りとかあるいは自分のパソコンに保存をしてしまうとか、こういういろんな問題が行 政全体に今存在をしているのではないかというふうに思っております。
 政府も、昨年末からですか、一つの取組を進められてきているということですけれ ども、世界一安全な国日本と言っている中で、一番、何かこれじゃ世界一、一番不安 な国ということになってしまいかねないわけですので、これ政府全体としてももう一 度こういう情報の管理あるいは意識の徹底、こういうことをしていただかなければな らないと思います。
 たまたま法務省、この問題で、変な意味で一番最初にこの流出問題で大変な事態に なったということもありますので、大臣、是非、政府の全体で、これは大変なことだ と、取り組んでいかなければいけないということを是非、閣議等も含めてで提起をい ただいて、そして総理もそういう何かお考えちょっとお持ちのようですけれども、是 非、政府全体として情報管理のシステム、在り方、こういうことに取り組んでいただ くように是非リーダーシップ取っていただきたいと思いますが、御決意のほどをお聞 かせいただきたい。

○国務大臣(杉浦正健君) もう先生のおっしゃるとおりでございます。微力ですけ れども、一生懸命頑張ってまいりたいと思います。

○千葉景子君 ありがとうございます。
 この問題はちょっと今日はこの程度にさせていただきますが、まだまだ根深い、あ るいはどう対応していったらいいのか難しい問題もあると思いますので、今後もまた 引き続き、それぞれ議員が、お聞かせをいただく機会もあるかというふうに思います ので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて次に、大臣も安全な国づくりということをおっしゃっておられます。そして、 実は民主党でも、この国会、まあ安全国会といいましょうか、やっぱり生活のいろん な不安を取り除いていく、とりわけ子供の安全などを実現をしていくためにいろんな 議論を展開をしていきたいと、そして問題提起もさせていただきたいということで取 り組んでいるところでございます。
 そういう中で、性犯罪者に対する様々な再犯防止策、こういう点についてこの間幾 つかの施策が進み始めておりますので、これらについて何点かお聞かせをいただきた いというふうに思っております。
 大きくは、一つは出所者情報の提供ということが昨年から行われております。それ から、これからという、実際はそうなんですけれども、性犯罪者に対する処遇プログ ラムの実施ということがもう一方の柱として行われるということになろうかというふ うに思います。
 そこで、まず出所情報の提供についてお聞かせをいただきたいと思いますが、昨年 六月から性犯罪者の出所後の情報開示が開始をされておりますが、その実施状況、そ れからそれによる所在確認の状況、どんなふうになっておりますか。警察庁の方でよ ろしくお願いいたします。

○政府参考人(竹花豊君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、昨年六月から法務省より十三歳未満の子供を対象とする暴力的性 犯罪の前歴者の出所情報の提供を受けまして、出所後の居住状況等の把握に努め出所 者の動向を見守るとともに、子供に対する声掛け、付きまといなどが発生した場合に は、この情報を警察活動の参考として生かしているところでございます。
 制度が始まりまして九か月を経ました本年二月末までに受けました、出所者情報の 提供を受けました者のうち、百二十三名が出所をいたしておりまして、このうち百十 三名については所在確認ができているところでございます。残りの十名については所 在は確認をされておりません。
 以上でございます。

○千葉景子君 この数がどうだろうかというのはなかなか評価が難しいところですけ れども、百二十三のうち十が不明だということでございます。これにはやっぱりいろ いろまだ難しい、難しいというか、要因があるんだろうというふうに思いますが。
 まず、今回のこの犯罪者情報開示では提供の対象が十三歳未満の児童に対する強姦、 強盗強姦、強制わいせつ、わいせつ目的の略取誘拐の四種類ということでございます。 この問題が生じた背景は、きっかけは、二〇〇四年十一月に起きた奈良の少女誘拐殺 人事件ということでもございました。こういうこともありますもんですから、まずは 子供の安全をということだったかというふうに思います。
 それと、軽微な、余り軽微なものにこういう情報をどんどん提供していくというの が、またこれも人権などの面でいかがかということもあり、こういう重大な大きな犯 罪ということに限られたのではないかというふうに思われますけれども。
 どうなんでしょうか、こういう非常に制約的な中で、しかも、なかなかその百二十 三名のうち十名は所在不明ということでございます。警察としては、やっぱりこうい う地域の安全、子供の安全を図る、あるいは全体としての安全な社会、犯罪の防止と いう観点では、この辺は御苦労があるのではないかというふうに思いますけれども。
 どうでしょうか、この当面、当面行われているこの非常に制限的な中での情報提供 ということですが、それについてはどんなふうに御認識なさっているでしょうか。

○政府参考人(竹花豊君) 子供の安全を守るという大きな課題に社会は全体として 取り組んでおりまして、そのやり方につきましては、様々な角度で取組が進められて いるものと承知をしております。地域、保護者、あるいは学校、警察といった多くの 関係者が連携をして子供の見守りの活動が進められているとも承知をいたしておりま す。
 そういう中で、昨年六月から始められたこの制度は、新しい制度でありますけれど も、今申し上げました、先生御指摘のように、一定の限界と申しますか、もございま すけれども、この間の取組の過程で、こうした出所者が声掛けをした事案につきまし て、それを、その出所者情報を生かしてその者を特定をいたしまして、これに対して 警告を加え、その後の事案の拡大を防いだというものも現に生じております。そのよ うな意味で、この制度は、子供に対する犯罪の抑止の上で一定の効果があるものと私 どもも考えているところでございます。

○千葉景子君 これだけですべてを防止をするということではなく、今御答弁ありま したように、様々な見守りとか、地域でのお互いの、何というんでしょうね、協力の 下で地域社会をつくっていくということであろうかというふうに思いますので、その 中で、一つのこれは何というんでしょうね、取組の形ということなのかなというふう に思います。
 ただ、これは効果を上げなければ意味がないという反面、やっぱり出所者の人権、 プライバシーなどへの配慮はこれは欠かすことができません、ちょっと、もう当たり 前の市民の一人なわけですので。その辺の配慮はどういう形でなさっておられるでしょ うか。

○政府参考人(竹花豊君) 御指摘のとおり、法務省から提供を受けました出所者情 報につきましては、出所者の人権、プライバシーにも配慮をする必要がございます。 警察部内におきましてその情報を厳格に管理するようもう絶対的な要請があるものと いうふうに考えているところでございます。
 そのため、この情報を生かして様々な活動をする場合には、その責任者を担当する 警察署の再犯防止担当官として、警部以上の階級にある者を指定をいたしまして、こ の者が指定をする補助者とともに、ごく限られた数でこうした情報を知る範囲を限り まして、彼らがこの対象者の、居住しているかどうかについての確認等を行うという 形で、出所者の更生あるいは社会復帰等の妨げとならないように配慮をいたしている ところでございます。

○千葉景子君 この難しいことの一つには、この出所者の居住予定地の申告というの が、任意の申告制といいますかね、になっていると。それから、なかなかその居住地 ですね、予定地というのが、必ずしもやっぱり出所後なかなか自分の家に帰るという 人は少なく、定まらないというような実情もあるということもございます。
 そういう意味で、この出所者の居住予定地ですね、この帰住予定地の在り方という か、申告の在り方というか、これも余り縛るわけにはいかないとは思うんですけれど も、この辺について今の制度上なかなか問題があるのではないかと思いますが、法務 省は何かその辺はお考えはあるでしょうか。

○政府参考人(小貫芳信君) 今の御指摘の点、二つに分けて説明申し上げた方が分 かりやすかろうと思いますので、まず帰住予定地についての仮釈放者、これについて は、御案内のとおり、地方更生保護委員会において帰住地が指定されると、こういう ことになっておりますので、これについては相当の実効性があるだろうというふうに 思います。
 もう一つ悩ましいのは、満期出所者でございます。この帰住地の把握は、基本的に は受刑者の任意の申告によらざるを得ないと、こういうことであります。実際にいろ いろ実情を調べてみますと、何々方面に帰りますというような申告にとどまる例もご ざいまして、これがあるいは、先ほど警察庁から説明があったような所在不明に結び 付いているのかもしれませんが、その辺はまた分析した上で検討したいと思います。 そういうことで、行刑施設の中でこの満期出所者について帰住地を完全に把握できる と、こういうシステムになっていないことは実情でございます。
 ただ、そんな中で、満期出所者についても、受刑中に将来の仮釈放を前提にした環 境調査ということを多くの場合お願いしてございます。そういう場合については保護 観察所等でいろいろ帰住地についての調査をしていただいておりますから、この部分 については、たまたま仮釈放にならずに満期出所しても帰住地についての情報の精度 というのはかなり高いものがあるだろうというふうに思います。そうでない者につい ては、通常、施設では、満期出所をしますと、その際に緊急の保護措置といいますか ね、そこへ行くまでの、帰住地までの交通費を面倒を見る、あるいは、寒いところに 帰るんであればいろいろ衣服の手当てもこれ必要だというようなことで、いろいろ受 刑者と相談します。その中で帰住地情報を正確に把握できるようなやり取りをしてい ると、こんな努力をしているというのが実情でございます。
 以上でございます。

○千葉景子君 これは本当に受刑者が満期で出所をして、社会の中にスムーズに復帰 をする、まあ就業ができるとか、そういう環境であれば、この帰住先もある程度安定 をしたり、そして落ち着けると。それがまた、情報、警察の方でも所在を確認をする 大きな手掛かりになるということなんでしょうけれども、なかなか出てもすぐに仕事 がない、そうするとまたどこかへ移動していく、いろんなそういう悪条件があると思 いますので、難しい問題だなというふうに私も思います。できるだけこういうことが、 何らかの形で所在の確認ができるような環境整備をしていく必要があるのかなという ふうに思っております。
 警察の方では、先ほどちょっとお触れがありましたけれども、こういう情報の下に、 何か危ういなというような行動などがあれば警告をするなどの取組をされているわけ ですけれども、これも、何というんでしょうね、強制力があるわけではありませんし、 それからやはりプライバシーの問題があって、まさか隣近所にいろいろと、よろしく 監視してくださいと、そんなことを言うわけにはいかない問題でもございますし、難 しいところが、御苦労がおありだろうなというふうに思いますが、その辺、先ほど ちょっと効果のあった例もあるというお話でしたが、いかがなもんでしょうか。

○政府参考人(竹花豊君) 情報を生かして居住先を確認をする、しかもそれを継続 的に確認をしていくわけでありますので、それなりの工夫なり努力が警察としても求 められているものと承知をいたしております。
 しかもそのやり方は、こうした出所者の人権を十分配慮しながら行われなければな らないということを考えますと、おのずから限りがあるわけでございます。しかし、 そういう中でも様々な工夫をいたしまして継続的にこうした情報を得ました出所者に ついて居所の確認等の作業を続けているわけでございまして、それは基本的に順調に 推移しているものというふうに承知をいたしております。
 その中で、先ほど少し申し上げましたけれども、子供に対する声掛け事案が発生し た際に、その出所者情報を参考にいたしまして当該出所者がその声掛け事案の当事者 であるということを解明いたしまして、その者に対して警告の措置を講ずるといった ことを行った事例が、一件でございますけれどもございます。
 こういう形で、積極的な意味でもこうした子供に対する犯罪を防止するという、そ うした効果も既に現れているものでございまして、この制度全体といたしましてはこ の種犯罪の防止に一定の効果を発揮しているものというふうに私ども考えておるとこ ろでございます。

○千葉景子君 ありがとうございました。
 いろいろと試行錯誤といいましょうか、そういう中で御努力をいただいているとい う御様子でございます。是非、私どももその取組のいろんな問題点等もまた折々お聞 かせをいただいて、より良き制度といいましょうか、にしていきたいというふうに思っ ております。ありがとうございました。
 さて、もう一つの性犯罪者に対する教育プログラムの方ですね。これも細かい点は ちょっと省かせていただきますけれども、十八年度からこの教育プログラム、性犯罪 者に対するですね、をスタートをするということで、基本的には認知行動療法と、こ ういう手法を取り入れて行われるというふうに認識をさせていただいております。
 ところで、この認知行動療法を含めて性犯罪者に対する教育ですけれども、初めて の取組ということにもなりまして、一体これがどういうやっぱり具体的な中身で行わ れ、そしてどういう効果を持つものであるのかさっぱりまだ分からないというのが実 情ではないかというふうに思います。実は、DVの行為をやった者に対するいろんな 教育が必要だと、再生の教育が必要だという話があるんですけれども、なかなかこれ も、じゃどういう中身が、それからどういう手法が効果的なのかということもなかな かこれまだ解明といいますか、はっきりとしたものはつかみ切れていないというのが 実情ですから、この認知行動療法というのも一つの手法なんですけれども、これが本 当に効果があるのかどうか、その辺はこれからやりながら考えていくということにな るのかなという気もいたします。
 これだけの大きな問題になったもんですから、何かまずはスタートをしなければと、 こういう本当に気持ちと、そのためのスタートだというふうに思います。
 そういう意味で、大事なのは、このプログラムについて、それから教育の実施の状 況について不断にやっぱり検証し、そして見直しをしていく、あるいは他の手法など もまた検討していくということが必要なのではないかというふうに思いますが、この プログラム実施に当たって、今後のその検証とか、それから更なる手法の検討等含め てどんなふうにこれを進めていこうとなさっておられるのか、お聞かせください。

○政府参考人(麻生光洋君) お尋ねの性犯罪者処遇プログラムにつきましては、昨 年、矯正局と保護局で合同でこのプログラムの開発の研究会を行いました。専門家の 先生に御参加をいただきまして外国で先進的な取組をなさっている国等にも視察に行っ ていただきまして、今般プログラムの内容が固まりつつございます。平成十八年度か ら、矯正局におきましては行刑施設の中で、それから保護におきましては保護観察所 におきまして、この性犯罪者プログラムを実施することにいたしております。
 先生御指摘のとおり、この性犯罪者処遇プログラムを実施いたしまして成果を上げ ていくにつきましては、何よりもその検証を行ってより良いシステムにしていくこと が大事であると考えております。
 そのような観点から、先ほど法務大臣政務官の方からも御説明がございましたけれ ども、再犯防止対策プロジェクトチームの方で、そのテーマの一つといたしましてこ のプログラムの検証を行っていただくということになっております。そのプロジェク トチームの方でこの検証方法等につきまして御検討いただくことになっておりますの で、それを踏まえて更に良いプログラムになるように努めてまいりたいと考えており ます。

○千葉景子君 もう一つ大事だと思いますのは、こういう教育ですので、やっぱりそ れに関与する専門的な人材の育成というのが欠かせないというふうに思います。
 この間の視察などで拝見して、刑務所内でも刑務官の皆さんが自ら教育の内容を開 拓をして、いろんな努力をなさっておられる。いろんな自分たちが勉強してそして教 育プログラムの展開をされてきたという経緯もございます。本当にそういう努力は私 も大変貴いものだというふうに思いますが、これはやっぱりプログラムとしてきちっ と位置付けていくとすればやっぱり人材が必要だというふうに思うんですね。それな くしてやっぱり教育というのは成り立ちませんので。
 その辺について、どうもこの間のこの取組のいろんな計画の中にほとんど人材の育 成の部分が余り見受けられないように思います。その点についてしっかりしていただ きたいというふうに思いますが、いかがですか。

○政府参考人(小貫芳信君) 現在考案しておりますプログラムの実施については、 相当の専門性が要求されると私どもも認識しております。そして、この専門的な人た ちの活躍がなければこのプログラムの成功もないというふうに承知しているところで ございます。
 そういうことで、本年度まだ予算が上がっておりませんが、本年度の予算に計上し ておりますのは、教育専門分野の方、更には調査、これは心理技官ということになり ますが、そういう方の任用をお願いしていると。
 具体的にどうするかということでございますが、全国の刑務所の中で従来もこういっ た方面でいろいろパイロット的にやってきている施設がございます。これは川越少年 刑務所と奈良少年刑務所でございます。そういうところにいろいろ専門家を育て得る 人材をまず配置いたしまして、それを指導をする指導機関と、こういうことで、東は 川越、西は奈良というようなことで仕組んでまいりたいと思います。
 なおかつ、すべての刑務所でやるというわけにまいりませんので、専門家を配属で きる刑務所をそれぞれ重点施設にしまして、そこには教育専門、あるいは心理専門の 人たちを配属して人育てをやってもらうと、こういうことを考えております。
 さらには、それだけでもまだ不十分だろうと、こういうことでございますので、幸 いにプログラムを作るに当たって外部のお医者さんだとか心理学者等々の研究者の助 力を得ました。いろいろ経験おありな方もおられますので、その方々に現場に出向い ていただいて、実際やっているところで指導者を指導していただくというようなこと。
 さらには、矯正と保護の連携必要でございますので合同の研修、これも企画してお りますし、さらには、海外では先進国がいろいろございますので、その辺りから講師 をお呼びしていろいろ現状の問題点等をチェックしていただきながら、何とか職員の スキルを上げて成功に導いてまいりたいと、こんなふうに考えているところでござい ます。

○千葉景子君 この問題もスタートをすると、これからがいろんな問題点を検証しな がら進めていくということだというふうに思いますので、またこれも節目節目でいろ いろと議論をさせていただきたいというふうに思います。
 もう時間がなくなりました。今日は大臣に本当に率直に冒頭、心情、御所見を御披 瀝いただいたもんですから、済みません、若干予定をしていたものが残ってしまいま した。
 特に、資料を、先ほどの司法制度改革の次に、ちょっと今政府全体としての点検を 私どももさせていただいている中で、天下りの実情、これは法務省の方でアンケート というか調査票に記入をなさったものと聞いておりますので、私が勝手に作ったもの ではありませんので、衆議院の調査局に集約をされた一部でございます。
 これを見ますと、法務省も、ああそう、こんなにやっぱり数としては、まあ天下り といいましょうか再就職というのがあるんだなと。ただ、実態としては、補助金と余 りつながっているとも思えませんし、あるいは行った先が非常に利権などに富んだ行 き先かといえばそうでもないようですし。ただ、ある一定の団体、組織に恒常的にポ ストとして法務省から必ずそこには行っておると、そういうどうも構造があるのでは ないかなと、そういうことは見受けられるところでございます。
 今日はそれ以上もう時間がありませんので、是非皆さんにもこれ参考にいただいて、 一体法務省とその関係組織というのはどうなっているのかということはいずれまた教 えていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げて終 わらせていただきます。
 ありがとうございました。


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