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2005年5月17日全文
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2005年5月17日全文
162-参-法務委員会-19号 平成17年05月17日
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
この刑事施設に関する法案の審議も今日が最後ということになりまして、この間、
様々な問題点、前進している部分もあり、また今後更に検討しなければいけないと、
こういうことも含みながら、今後新しくスタートをしていくということになろうかと
思っています。
今日は、限られた時間ではございますが、これまでもう少し確認をさせていただい
ておいた方がよい部分、あるいは今後のお取組にできるだけつなぐことのできるよう
な、そういう観点で質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをす
る次第でございます。
まず、何点か法案の内容等で確認をさせていただきたいというふうに思っておりま
す。
一つは、保護室の収容あるいは防声具といいましょうか、防声の措置ですね、こう
いうことに関してお尋ねをしておきたいというふうに思っております。
この委員会でも、先般、府中刑務所を視察をさせていただきました。私どもも、こ
れまで刑務所のいろいろな環境整備にいろんな提言と申しましょうか、御意見を申し
上げてまいりましたが、府中刑務所におきまして、私も非常にこれは意見を申し上げ
たことが一つ実ったのかなと思いましたのが、新たに防声室がつくられたということ
でございます。
これまで、大声を出す、こういうことによって周りに迷惑を掛けるとかいうことが
ありますと、本来は自傷他害とかそういうこととは異なりますので、その措置という
のが非常に難しかったと思います。とかく、そういうことについても保護室収容とい
うような形が取られざるを得なかったと、こういうことも多々あったのではないかと
いうふうに思われます。
そういう意味では、この防声室というものがつくられたということは、保護室収容
の濫用等を防ぐという意味でも意味のあることではないかというふうに思います。な
かなか大きく窓も取られておりましたし、それから、房の設備といいましょうか、非
常に柔らかな受け止め方ができるような、そういう構造になっていたということを私
も印象深く視察をさせていただきました。
そこでですが、こういう防声室、保護室とは別に、こういうやっぱり特別な措置を
できるような部屋を今後他の刑務所等でも設置をしたり、あるいは計画などが取られ
ているのでしょうか。その辺について、まずお尋ねをしたいというふうに思います。
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
今委員がおっしゃいましたように、大声とかそれから騒音などを発し続けまして舎
房の静ひつを乱す被収容者を収容する場合にも対応し得る単独室を府中刑務所に整備
いたしまして、現在、これ試行的に運用しているところでございます。
こうした単独室につきましては今後順次その整備を進めていくことが必要であると
考えておりますが、その際には、府中刑務所での現在の試行結果を踏まえまして、構
造上及び設備面並びに運用上の問題点の検証、改善を行った上でその収容の適正さを
確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 是非その施行状況等をよく検討いただきまして進めていただきたいと
思いますが、この防声室と称されるこの居室は、いわゆる保護室ではないと受け止め
てよろしいんでしょうか。普通の舎房の一種類というふうに受け止めてよろしいんで
しょうか。その辺についてちょっと明確な位置付けをお聞かせをいただきたいという
ふうに思います。
そうなりますと、その防声室に収容する措置をする基準とかその運用、どういう形
でなされていくのか、それも併せてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
この単独室、これは遮音設備、音を遮るですね、遮音設備を備えた一般的な単独室
であるという理解をしております。
ただ、これはこれまでになかった居住環境でございますので、現在はその収容期間
を保護房収容に準じて原則として三日間にとどめているほか、収容期間中のビデオ録
画についても義務付けるなどしておりまして、一般的な単独室でありますけれども、
大声や騒音を発し続けているという状況に即したそれなりの措置をしているところで
ございます。
○千葉景子君 一般の居房といいましょうか、そういうふうに準ずることになるんだ
ろうと思いますが、何といいましょうか、今後使ってみながら、是非、やはりそうは
いっても一定の遮へいされたといいますかそういう空間ということになりますので、
その辺の運用の基準、在り方、こういうものを是非十分に検討いただきたいというふ
うに思いますし、一般の居房と同じ扱いということであれば、その中の、何というか
設備とか、そういうこともできるだけ一般の居房に近いという形を取っていくべきだ
ろうというふうにも思いますので、この辺は今後是非多角的な検討を加えていただき
たいというふうに思っております。
ところで、片方ではこのような防声室が設置をされるということですが、今回の法
案で、警察留置場の方につきましては逆に今度は防声具の使用についての規定が盛り
込まれております。
この防声具、むしろ刑務所の方では今度は使わずに、できるだけ防声室のような形
で、拘束をできるだけ避けていこうということですが、どちらかというと何か逆行し
ているような、そういう感もしないではありませんけれども、今後、警察留置場につ
いてのいろんな総合的な検討を加えていく際にいろいろと議論をいただきたいという
ふうに思いますが、当面、この防声具の使用についてはこれまでの拘束衣の使用の基
準を準用するような形になっておりまして、三時間ですか、基本的にはですね、とい
うのが限度ということで使われるというふうになるようですが、やはりこれは、基本
的にはできるだけその使用を抑制することが今のやっぱり施設内の処遇の在り方とし
て大事なことであろうというふうに思いますが、この運用につきまして、確かに三時
間の制限はありますが、更なる抑止的な運用が必要だというふうに思いますが、その
点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
警察留置場におきまして防声具を使用するというのは、委員御案内だと思いますけ
れども、現在、保護室に相当します施設の整備というものが警察留置場では不十分で
あるということでございます。数字を挙げれば、全国一千三百の留置場に対して、い
わゆる保護室に相当する、保安室と呼んでおりますが、それが一割強の整備というこ
とでありまして、そういう状況の中で、留置場において引き続き防声具を使用するこ
とが我々としては必要と考えております。
しかしながら、もちろんこの戒具の使用というのは必要な限度において行うもので
ございまして、現在、今委員御指摘の点の三時間ということもありますが、さらに被
留置者の健康状態を慎重に判断するとか、あるいは食事、用便を制限することのない
ようにするとか、使用中は動静について綿密に観察すると、こういうようないろいろ
慎重な配慮をして、その判断権というのは警察署長の直接の指揮によっておりまして、
適正に使用して今おるわけでありますが、今後とも引き続き戒具の適正な使用につき
ましては警察庁として各都道府県警察をして指導していく所存でございます。
○千葉景子君 是非そこは、まずは徹底していただきたいと思っております。
さて次に、この審議の中でも、今施設の中で女性、高齢者、それから外国人、こう
いう数が増えているということもあり、そこに対するやっぱり十分な配慮というのが
必要になってきているということも分かってまいりました。そこで、これも確認的な
ことではありますけれども、何点かお聞かせをいただきたいと思います。
一つは、女性に対する配慮ということで、女性刑務官のやっぱり十分な配置という
ことが必要だと思われます。今度、美祢のPFI方式の刑務所でも女性の収容が増え
ます。あるいは、やはり視察に参りました福島の刑務所も新設をされますと女性の定
員が相当の数になる。こういうことになりますと、女性刑務官のやっぱり必要性とい
うのが高まってくるんですが、これがなかなか仕事を続けにくいとか退職なども多い
というふうなことも聞いております。この点について、今後の計画、増員の計画やあ
るいは環境の整備などについてのお考え方、お聞かせください。
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
本年の四月一日現在ですが、行刑施設には刑務官の約六%に当たる九百五十三人の
女子刑務官が在職しております。今委員おっしゃいましたように、将来的には美祢の
刑務所もできますし、それから福島刑務所の支所もできましたし、そういった点では
これからもそういう女子の刑務官が増加していくだろうというふうに思っております。
男女共同参画社会の実現が求められる中で、行刑改革会議の提言におきましても行
刑施設における女性の積極的な活躍が期待されていることを踏まえまして、矯正局に
おきましては、女子刑務官を増配置するよう計画しておりまして、平成十六年四月一
日現在とを比較いたしますともう既に約五十人増加させるなど、女性の登用に努めて
おります。
それからまた、昨年の二月、十六年二月に矯正局におきましては、女子刑務官が仕
事を継続していくに当たり持っている問題意識、あるいは施設運営上抱えている固有
の問題点などを把握するために、女子刑務官等にアンケート調査を実施いたしました。
それから、女子行刑施設処遇対策協議会というものを設けて、全国の女子刑務所の首
席矯正処遇官から意見を聴くなどしました。そして、そのようなアンケート調査の結
果、あるいは協議会における出た意見等を踏まえまして、女子刑務官の勤務環境の改
善に努めているところでございます。
今後とも、女子刑務官の採用、登用の一層の拡大を図りますとともに、男女双方の
刑務官が働きやすい職場環境の、勤務環境の整備や、母性保護などの観点から設けら
れている諸制度、例えば産前産後の特別休暇であるとか、あるいは授乳等のための特
別休暇であるとか、そのような諸制度の周知徹底、それから育児休業の取得促進、仕
事と子育てを両立するための相談窓口などの設置などの施策を推進して、女子刑務官
の確保やその定着を図ってまいりたいと考えております。
○千葉景子君 次に、外国人に関して一点確認をさせていただきたいというふうに思
います。
なかなか外国人の言語の数も相当増えておりまして、意思疎通なども大変であろう
というふうにも思います。その点についても今後の取組が必要だと思いますが、ちょっ
と気になりますのが外部交通の問題でございます。
規定によりますと、通訳、翻訳等の費用が掛かる場合に受刑者負担とすると、負担
できない場合には外部交通を制限できると、こういう規定がございます。多分これも、
しゃくし定規にこれを適用しているとは思えませんけれども、これを本当にそのまま
適用すると、なかなかそれは負担するなんという、できる人が受刑者にいるとは思え
ませんですので、そうすると外部交通ができなくなってしまうと、とんだことにもな
りかねません。
人権の尊重という面から見ても、これは相当実際の運用では原則と例外が逆、逆に
するといいますか、そういうぐらいのことが必要だろうというふうに思いますし、本
来、こういう負担させるということが本来はあってよいのかという思いもいたします
が、当面これもできるだけの抑制的な使い方をしていただく必要があると思いますが、
その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
まず、現行の取扱いについて申し上げますと、外国人が面会や信書の発受を行う場
合におきましては、外国語を解する職員が面会に立会したり、それから信書の翻訳を
しておりまして、自所で、その施設で対応できない場合には、府中刑務所及び大阪刑
務所に置かれている国際対策室に依頼したり、それから関係する大使館に依頼するな
どして対応しております。
法案の百三条では、外国語による面会等において、発言又は通信の内容を確認する
ため通訳又は翻訳が必要であるときや、信書の内容を確認するため翻訳が必要である
ときは、その費用を受刑者に負担させることができるとしておりますところ、これは
外部交通の必要性の程度などを踏まえると、その費用の負担を求めることが相当な場
合も想定されるからでございます。
しかしながら、この法案の下でも、外国人の親族や、重大な利害に係る用務の処理
のため必要な者などとの外部交通につきましては、現行の運用と同様に、費用負担を
理由としてその機会を失わせることのないよう適切な運用に努めていきたいと考えて
おります。
○千葉景子君 是非ここは、基本的には外部交通は制約をしないという基本に立ちな
がら運用をしていただくということをお願いをしておきたいというふうに思います。
さて、この審議の中でも最も、共通認識と言ってもよろしいのがやっぱり刑務所医
療の問題ではないかと思います。医療の充実の必要性というのは、多分これはここで
議論をしている者共通の認識であろうと思います。
しかし反面、この刑事施設内の医療の充実のまた困難さ、これもまた共通のある意
味では認識かもしれません。特に医療従事者のリクルートの難しさと、こういうこと
は参考人等の御意見からも私も認識をさせていただきました。ただ、それだからといっ
て、じゃ、ぼうっと待っているというわけにはまいりません。
そこで、やっぱりいろんな関係機関含めて対処をしていくことを検討しなければい
けないのですが、これについては事前に今どういう対応を取っておられるかというこ
とをお尋ねをさせていただいて、資料もいただきました。厚生労働省の方も、へき地
医療のやっぱり医師の確保という問題も抱えておられるということで、それと同じよ
うにすべて考えられるというわけではありませんけれども、そういう際のいろんな協
議のノウハウなども参考になるのではないかと思われますが。
行刑改革会議の提言を受けまして、平成十六年三月に、法務省で関係機関との連携
協力体制を図るための関係省庁の連絡会議が開催されて、行刑施設の医療に関する協
議会というのを各行刑施設の主催によってそれぞれの地域で設けていこうと、こうい
うことが決められて、通知がなされているということでございます。その後、厚労省
も各都道府県などに対してそれにちゃんと協力せいと、こういう通知などを出されて
おられまして、簡単にちょっと、細かいことははしょりますけれども、各行刑施設で
関係の自治体あるいは大学病院等々含めて協議の場を作っていこうということになっ
ているようでございます。
この実際の進捗状況、あるいは今後、この協議会などを通じまして、この医師の確
保等々、成果の見込みなどはどんなふうに考えておられるのでしょうか、お聞かせい
ただきたいと思います。
○政府参考人(横田尤孝君) おっしゃられるように、矯正医療につきましては、医
師の確保の問題を始めとして、なお様々な問題がございます。
行刑改革会議の提言を受けまして、行刑施設における医療体制の充実を図るために、
これまで中央省庁レベルで、法務省、厚生労働省、文部科学省、日本医師会等を構成
員とした行刑施設の医療に関する関係省庁等連絡会議を開催いたしました。これは今
委員御指摘のとおりでございます。
さらに、当省におきましては、各行刑施設に対しまして、地元の医師会、それから
地域の医療機関、大学医学部等との行刑施設の医療に関する協議会というものを開催
をするよう指示いたしました。そして、その協議会等を通じまして、医師や医療スタッ
フの確保、外部病院への移送体制等についての協力を求めているところでございます。
医師不足の深刻な地域等もあり、医師の確保等における現状は厳しい状況にございま
すが、引き続き地域医療機関等との連携強化を図り、その支援を得ながら、医療体制
の充実に努めてまいりたいと考えております。
これまでこの施設レベルの行刑施設の医療に関する協議会というものは、本年三月
九日現在でとらえましたところ、二十三の施設で開催されておりまして、今後の見込
みはというお尋ねございましたけれども、なかなか大変難しゅうございますけれども、
今後ともこういった機会を利用し、あるいはそのほかいろいろ知恵を絞りまして、こ
の医療問題の解消に努めてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 なかなかその協議会を設置したからといって簡単ではないということ
は私も想像させていただきます。この問題については、医療については厚労省に移管
をして、むしろその中で医療の充実図ったらどうかという提言などもなされておりま
す。今後の検討課題ではございますけれども、だからといってそうなるまで待ってい
ようというわけにもまいりませんので、是非医師の皆さんも、一つの社会的責務とい
うことも是非考えていただきながら、この協議会の場を通じましても、あらゆる角度
から医療の充実、是非更に取り組んでいただきたいと思いますが。
それにつけても、厚労省の方でも、やはり管轄は法務省なのだから横でお手並み拝
見と言っているわけにはいかないわけで、むしろ厚労省がどんと引き受けて刑務所医
療をきちっとしていこうというくらいの意欲を持っていただく必要もあろうかという
ふうに思います。少なくとも、こういう取組に積極的にサポートをしていく、あるい
はともに力を尽くしていくということが求められると思いますが、厚労省、いかがで
しょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 委員御指摘のとおり、地域医療という面からいきま
しても、私どもの医療法に基づく指導監督の一環として、国の開設する刑務所内の医
療機関ということで医療法の適用を受けるかと思います。そのような観点で、受刑者
に対する適切な医療を確保するということで、十分法務当局とも連携を取って取組を
進めていきたいと考えております。
ただ、先生御承知のように、結果としてその患者さんの受刑施設からの搬送ですと
か、それから外部での手術等々になりますと、やはり地域の正に医療機関との関係が
一番大事でございます。したがいまして、都道府県あてに、私ども、先ほど御指摘あ
りましたような通知を本年の一月三十一日に出しておりまして、十分な対策協議会の
中で連携を図っていっていただくよう自治体にもお願いしているところでありまして、
折に触れてそのようなことを伝えていきたいというように考えております。
○千葉景子君 是非そこはしっかりやっていただきたいと思いますが、やっぱりこう
いうときには大臣が十分にリーダーシップを取って、この刑務所医療、厚労省にもま
たがりますけれども、それは厚労大臣ともしっかりと連携を図っていただいて進めて
いくということが必要だと思いますが、その御覚悟、一言お願いをいたします。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生が御心配していただいております受刑者の健康と
いうことについても大切な課題でございます。その健康の保持と疾病の治療は、拘禁
を行う国の責務でございます。
法案におきましても、受刑者の健康及び施設内の衛生を保持するため、社会一般の
保健衛生及び医療の水準に照らし適切な措置を講じるものとしているところでござい
ますけれども、一方で、刑務所の医療につきましては医師の確保が十分にできていな
いなどの問題もあることは承知いたしております。
今後とも、関係省庁等とも連携しながら行刑施設の医療の充実に努めてまいりたい
と考えており、もとより私自身、これにできる限り力を尽くす所存でございます。
ありがとうございます。
○千葉景子君 もう質問の時間がそろそろ終わりでございます。本来であればあと何
点かと思っておりましたけれども、ちょっと指摘だけさせていただいて終わりたいと
いうふうに思います。
この刑事施設にかかわる問題、この施設の中だけではなくして、やっぱり社会復帰
してそこの連携、あるいは社会に復帰した後の様々な問題、福祉との連携とか対処し
なければいけないことがある。それから、逆に今度は社会のいろんなひずみをきちっ
としていかないと、これも御指摘がありました、刑務所がいろんな福祉の不在あるい
は不足、いろんなことが最後、刑務所にすべての最後のツケが回っているのではない
かと、こういう問題もございました。
そういう意味で、私は二つちょっと気になることがあるものですから、これは御指
摘をして、是非念頭に置いていただきたい。
一つは、最近、出所情報、これは性犯罪に対する出所情報を警察の方に提供をする
というお話がありました。それを更に対象を拡大をしていこうという検討がなされて
いるという、そういう話が出ておりました。いろいろと考えるところはあると思うん
ですが、せっかく、この間も話がありました、刑務所から社会復帰をして、新しいま
た人間として出直していく、こういうときに、すべてまたその出所情報みたいなもの
を何かしょって、そして、いつも社会の中で存在しなければいけないということが今
回のこの刑事施設の改善更生、社会復帰という大きな理念とどこか衝突する、そうい
うことはないのだろうか、こういうちょっと問題意識を持ちました。是非、そんなこ
とも念頭に置いておいていただきたいというふうに思います。
それから、前回も指摘をいたしました、今度は裁判でのちょうど審議をするところ
の医療観察法ですね、これがどうも何だか前へ進むんだか後ろへ下がるんだかさっぱ
り分からないと、こういう状況です。これもやっぱり責任を持って成立を図った法律
でもあり、そしてやっぱり精神的な障害を持つ皆さんが安心して治療を受けながらま
た社会復帰するということにつながるわけですので、その辺、そろそろ施行までの時
間はもう二か月を切るというところに来ました。どうするのか。どっちへ行くにして
も、これは責任重大です。施行できないとなったらこれは大変なことですし、施行す
るとなって、いやいや、準備はありませんと、これも責任重大です。どうするのか。
これはいずれきちっとお答えが近々出るものと確信はいたしておりますけれども、問
題が大変大きいということを指摘をさせていただきまして、今日の質疑を終わらせて
いただきたいと思います。
ありがとうございました。
〜 中略 〜
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する
法律案に対する修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されており
ます案文のとおりであります。
これより、その提案理由を御説明申し上げます。
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案は、行刑改革会議の提言や確立された
国際人権基準から見て、受刑者の人権保障、刑務官の執務環境改善、刑務所運営の透
明化などの面でまだ不十分な点はありますが、現実に刑事施設の処遇を前向きに変え
ていくものと考えます。
しかし、本案には警察留置場、いわゆる代用監獄の管理運営に関する規定、代用監
獄に収容されている受刑者の処遇等に関する詳細な規定が設けられています。我が党
は、人権侵害の温床であり、冤罪の元凶であると言われ、国際諸機関からも厳しい批
判を受けている代用監獄については廃止を求めてきました。代用監獄を含む未決拘禁
については全く白紙で、その廃止を含めて今後一から検討、協議すべきものとされて
います。にもかかわらず、代用監獄の詳細な規定を置けば、それが一部の受刑者に関
する規定を中心とするものであるとしても、結局は今後議論する未決拘禁者の処遇を
先取りし、拘束するものとなるおそれがあります。
このような観点から修正案を提起するものであります。
以下、修正の概要を申し述べます。
第一に、警察留置場に関するすべての規定を本則から削除し、これらの規定のうち
管理運営、受刑者の処遇に関する規定等を刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関
スル法律に置くものです。警察留置場、いわゆる代用監獄の扱いは、今後検討される
未決拘禁者の処遇改善の議論において協議されるべきものであり、今後の議論の前提
にならないよう明確にするためです。
第二に、警察留置場の管理運営等における警察庁長官による巡察の規定を削除する
ものです。この規定は特に緊急性を要する問題でもなく、今後検討される未決拘禁者
の処遇の中で協議されるべきものであり、今回特に規定する必要はありません。逆に、
このような新たな規定を設けることにより、今後議論する未決拘禁者の処遇を先取り
するものとなるおそれがあるからであります。
第三に、警察留置場における防声具の使用に関する規定を削除するものです。防声
具については二〇〇四年四月に死亡例があり、それ以降警察留置場で使用されていな
いことや刑務所、拘置所においては防声具の使用は禁止されていることなどから、使
用すべきではありません。
以上が法案に対する修正案提出の理由及びその内容の概要であります。
何とぞ委員各位の御賛同を心からお願い申し上げます。
○委員長(渡辺孝男君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別
に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
まず、井上君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺孝男君) 少数と認めます。よって、井上君提出の修正案は否決され
ました。
それでは次に、原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺孝男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原
案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、千葉景子君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景
子君。
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました刑事施設及び受刑者の処遇等に関する
法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提
案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 刑事施設における過剰収容状況を早期に解消し、単独室原則を考慮した居室環
境や一日一時間を目標とした運動環境の検討を含め、被収容者の生活環境の一層の改
善を図るとともに、刑事施設職員の過酷な執務環境を改善するため、必要かつ十分な
予算を確保し、刑事施設の人的・物的整備に努めること。
二 刑事施設における医療充実のため、関係省庁とも連携し、十分な医師等を確保
するとともに、地域医療との連携の更なる強化に努めること。また、医療上の措置を
必要とする受刑者に対しては、できるだけ受刑者本人の診療希望に配慮すること。併
せて、精神医療については、出所後も引き続き必要な医療が確保されるよう、体制の
整備を検討すること。
三 受刑者が社会と良好な関係を維持することが、その改善更生及び社会復帰に不
可欠であることにかんがみ、親族との面会については、土曜・休日及び夜間の面会を
可能にするための体制整備に努めるとともに、弁護士との面会については、受刑者の
権利行使を阻害することのないよう配慮すること。また、外部通勤及び外出・外泊制
度等については、本制度が導入された趣旨を踏まえ、対象者の選定などにおいて、適
切な運用に努めること。
四 刑事施設視察委員会は、弁護士等の法律実務家を始め、幅広く各界各層から委
員を選任することとし、委員会が刑事施設の長に述べた意見は、本制度が導入された
趣旨にかんがみ、行刑に十分反映させるよう努めるとともに、刑事施設への国民の理
解を深めるため、国民にも適切に公表すること。
五 薬物犯罪者や性犯罪者を含む受刑者が改善更生し社会復帰することが、再犯の
防止につながり、ひいては国民全体の不安解消・利益となることにかんがみ、適切な
処遇プログラムの策定、専門的知識・技能を有する職員及び民間人の積極的活用、社
会の支援体制の強化など、矯正処遇及び社会内処遇を強化する施策を講じること。特
に、処遇プログラムの策定に当たっては、受刑者に責任を自覚させた上での真の改善
更生を図るため、被害者等による講演など被害者の視点を取り入れた教育の充実・強
化に努めること。また、受刑者の再犯防止には就労の安定も効果的であることにかん
がみ、協力雇用主の拡大等を図ること。
六 受刑者の生活及び行動に対する制限については、人権尊重の観点から、隔離、
保護室への収容、懲罰の執行中の行動制限などが合理的な限度を超えることがないよ
う、適切な運用に努めること。
七 不服審査、事実の申告制度に関して設置される予定の刑事施設不服審査会の委
員には、刑事拘禁施設における人権保障や医療の在り方について法務省から独立し優
れた識見を有する者を選任すること。また、自ら不服申立てを行う能力のない者につ
いても不服審査書を作成することのできるよう特段の配慮をすること。
八 外国人受刑者については、本国における処遇が、その改善更生及び円滑な社会
復帰の促進にとってより重要であることにかんがみ、関係国との受刑者移送条約の早
期締結に努めること。
九 代用監獄制度の在り方を含め、未決拘禁者等の処遇等については、日本弁護士
連合会との協議を迅速に進め、早期の法整備の実現に努めること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(渡辺孝男君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、
採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺孝男君) 全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は
全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、南野法務大臣から発言を求められておりますので、この際、
これを許します。南野法務大臣。
○国務大臣(南野知惠子君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、そ
の趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
ありがとうございました。
○委員長(渡辺孝男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に
御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
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