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2005年4月14日全文
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2005年4月14日全文
162-参-法務委員会-12号 平成17年04月14日
○千葉景子君 午前のそれぞれの質疑に引き続きまして、質問させていただきたいと
思っております。
この刑法等の一部を改正する法律案にちょっと先立ちまして、一点、御所見を伺わ
せていただきたいと思います。それは、もう御承知のところと思いますが、今日の新
聞等に大きく報道をされております。
昨日十三日、東京地裁で、いわゆるフィリピンの女性とそして日本の男性の間に生
まれた子供の国籍について判決が下されました。日本の国籍法上では国籍が認められ
ないというこれまで状況でございましたが、この東京地裁の判決は、その国籍を認め
ないことがやはり法の下の平等にも反すると、その扱いは憲法違反であるという判決
を出したところでございます。
このフィリピンの女性とそして日本の男性との間の子供の問題は、もうこれ長年非
常に指摘をされておりまして、いろいろ原因はあろう、背景はあろうかと思いますけ
れども、ジャピーノというようなこと、言葉でも称せられるように、なかなか、今回
の場合は父親が認知をしているということで、それでもまだ父親が判明をしていると
いうことですけれども、父親も判明しない、そしてそのために日本の国籍どころか無
国籍になってしまっているというようなケースも多々出ていると私も聞いております。
何とかしなければという、こういうことが長年言われてきたわけですけれども、今回
の判決では、多少条件は付けられております。認知をしているということと、それか
ら婚姻の実態といいましょうか、法律婚ではありませんけれどもそういう生活実態が
あると、こういうことを前提にして国籍を認めるべしと、こういう判決でございます。
私は、本来、その婚姻関係の実態があるなしにかかわらず、やはり日本の男性とフィ
リピンの女性の間に生まれたというようなことであれば、まあこれはおしなべて日本
の国籍を認める、日本人として温かく迎えるというのがやっぱりこの子供にとっても
大事なことではないかというふうには思っておりますけれども、少なくともこういう
実態の中で国籍を認めないということが違憲であると、地裁の判決ではありますけれ
ども、こういうものが出たということについて大臣としての御所見をお聞かせいただ
きたいと思います。
こういう問題について、私たちも国籍法の問題をもっと真剣に議論をさせていただ
かなかったこと、私も反省をするところ大ではございますけれども、これを機に国籍
法の在り方等々も議論していく必要があるのではないかというふうにも思いますが、
大臣の御所見を今日はお聞かせいただいておきたいというふうに思っております。
○国務大臣(南野知惠子君) 新聞の一面に今朝報道されました。そういうこともご
ざいますが、今先生の御指摘のとおり、判決につきましては、国の主張が認められな
かったということについて、我々国側といたしましては残念だなというふうに思うこ
とがまず第一点ではございます。
国籍法第三条は、日本人を父とする非嫡出子については、父が子を認知することの
ほか、父母の婚姻の国籍取得の要件としております。先生がお述べになられたとおり
の形で今法律が行われておりますが、国としましては、この規定は、日本国民である
父の子であって、父母の婚姻によって嫡出子たる身分を取得した者については、我が
国との真実のいわゆる結合関係を有することが明白であるということによって届出に
よって日本国籍を付与するということが適切であるとの配慮によるものでございます。
相応の合理的根拠を有するものと考えております。
今後の対応につきましては、判決文を十分に検討した上で対処してまいりたいとい
うふうに思っております。
○千葉景子君 多分、大臣はもっと率直なお考えをお持ちなんじゃないだろうかと推
測をするところでございますが、何やら書いていただいたものをお読みになったとい
う感じがいたします。
是非、少なくともこういうことについて、国の主張が認められなかったから残念だ
ではなくて、これをきちっと受け止めて、控訴をして争うとかいうことではなくして、
むしろ、積極的に国籍法の在り方などをむしろ再検討してみようと、こういう方向へ
是非大臣のリーダーシップを発揮していただきますようにまず要望をさせていただき
まして、この点についてはまた今後の法務省の、国の対応いかんによっては改めてま
たその中身を指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
それでは、本題の方に移らせていただきたいと思います。
午前のそれぞれの質疑の中で、人身取引問題についての大きな総論的なところなど
も議論がされたところでございます。ただ、せっかくの機会ですので、改めてちょっ
と私なりの考えも指摘をしながら、大臣のお考えも聞かせていただきたいというふう
に思っているところでございます。
そもそもこの人身取引、午前もいろいろな指摘がございました、国際社会からも厳
しい批判があるということなんですけれども、それから、一体実態というのがどんな
ふうになっているのかというのがやっぱりいま一つはっきりしないというのもそれぞ
れ御指摘があったところだというふうに思っています。
確かに、今回の刑法の改正という形で刑罰を、どういう者に刑罰を科すか、処罰を
するかということは一定枠ができたということは言えるんだと思いますけれども、人
身取引というのは一体何なんだろうと。やっぱりそこがきちっとしていませんと、一
体何が被害なんだろう、あるいは、そのためにどういうものを規制したりあるいは処
罰をしたりしなきゃいけないんだろうかということがなかなかはっきりしてまいりま
せん。この人身取引というのは一体何なんだろうかということを私も考えてみました。
それで、たまたま私も勉強させていただく機会がございまして、ケビン・ベイルズ
氏、これは国連の人身売買問題のコンサルタントをやっておられる方のお話を伺う機
会がございまして、大変分かりやすくというか、人身取引の本質みたいなところを的
確に指摘をいただいたのではないかと私は受け止めたところなんです。
確かに、人身取引は現代の奴隷制度だというふうに言われております。それから、
人身取引というと何となく日本の社会の中で子供が無理やり売り飛ばされたというよ
うな歴史みたいなものからイメージがわくわけですけれども、この人身取引というの
が一体何だということで、新旧、言わば古く言われる奴隷制、それから現代の奴隷制
と言われるこの人身取引、その言わば違いと、そして現代の人身取引の本質、こうい
うところをちょっと私なりに勉強したところを披瀝をさせていただいて、大臣のお考
えもお聞かせいただきたいというふうに思っております。
この古い、古くの旧奴隷制と言うんでしょうか、というのは基本的には合法的な所
有権の主張だと、その相手というか対象に対しての合法的な所有権の主張だと。しか
し、現代の人身取引、新しい奴隷制だと言われるものは、合法的な所有権の回避、そ
れを所有物として支配しようというんじゃなくて、そういうことは回避をしている。
旧奴隷制は高い原価、それを所有するための高い原価、でも新しいこの人身取引は激
安の原価だと。古い旧奴隷制では利益は非常に低い、低利益、それに対して今の新奴
隷制といいましょうか、新しい奴隷制度というのは超高利益を生み出している。古く
言われる奴隷制は潜在的な数の不足、しかし今言われているような人身取引は潜在的
な数の余剰、どこにでも余るようなその対象があると。旧奴隷制というのは長期にわ
たる関係であって、そしてそのために奴隷の生命の維持、何とか大事なものですから
維持をしなければいけない。ところが、現在の奴隷制というのは短期の関係であって、
それがゆえにその対象となる言わば新しい奴隷は使い捨て、こういう対比がされてお
りました。
こういう、言わば新しい奴隷制と言われているものの姿というのは、正に身分を丸
ごと人間を支配するというよりは、やっぱり労働の搾取という、そこに基本的な本質
があるのではないだろうかということが指摘をされております。
その背景としては、生活手段の選択とかあるいは教育機会、そういうものに恵まれ
ない、人権の無視とか性差別というものが社会の中に存在をしている、こういうとこ
ろに人身売買されやすい人々を片方では生み出し、また人間、経済格差などの中でよ
り良い生活を求める、そういうところに、言わばブローカー等、それを利用していく
そういう集団なり組織ができていくんだということでございます。
そういう意味では、これは別に私の結論というわけではありませんけれども、この
人身取引がやっぱり欺瞞的で不正で、そして強制的なといいましょうか、合法ではな
いやっぱり労働移動というものの中で人身売買というのが言わば形作られていく。こ
れに対して、やっぱり透明で、そして合法的で、そして合意に基づいてきちっと労働
移動がなされるような社会あるいはシステムがあれば、安全な移住、そしてそこに言
わば人身売買、搾取が潜り込むようなことは避けることができるのではないか、こう
いう指摘でございました。
これですべてを語ることはできないのかもしれませんけれども、この人身売買のあ
る意味での本質を表しているのではないかなと、私は大変自分の頭の整理といいます
か、それに大変参考にさせていただいたところでございます。
いずれにしても、この人身取引ということについて、これも質問ありましたけれど
も、国際社会からも大変厳しい指摘がされている、そして実態もなかなかまだまだ分
かっていないというような実情でございまして、大臣としては、この人身取引という
ことについてのその言わば本質というか、実態といいますか、それと、こういう諸外
国から、国際機関から、これも既に松岡議員の方からも指摘がありましたアメリカの
国務省、アメリカの国務省から指摘をされるというのも非常に何か理不尽なところも
ありまして、アメリカそのものもかなりの人権侵害をイラクを含めて行っているので
はないかなというふうに思いますけれども、そういうところからまでも指摘をされて
いる、それからILOあるいは国連の女子差別撤廃委員会等々厳しい指摘がされてい
る。
こういう背景もございまして、こういうことについて、今回は刑法の一部を改正す
る法律という形でまとめはされておりますけれども、こういう何か根深い大きな人身
取引という問題について、大臣としてはどんなふうに認識をされ、そしてこの批判に
対してどう受け止めていかなければならないかと、この辺はどうお考えでしょうか、
まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 今先生がケビン・ベイルズ氏のお話を取り上げてレク
チャーをいただきました。私もしっかりと聞かしていただきましたが、本当に今の社
会生活の中、経済状態もそうですけれども、多様化しておりますし、価値観も多様化
しております。そして、我々お互いに生活していく上でのルール化という問題につい
ても、そのルールもお互い守るという規範が乏しいのかなと思うような一面も見られ
ております。そういう中では、大人はどのようなビヘービアをするのか、子供はどう
いうビヘービアをするのか、家庭においてどうするのかという、それもお互いの家族
の価値観というところから発生してきているのかなと、そのようにも思ったりいたし
ております。そういう社会生活の中で、今掲げられましたこの人身取引という問題を
どう考えていくかということになろうかというふうに思います。
人身取引というこの四文字、これは本当になくしていきたいと思う文言でございま
すが、先生御指摘のとおり、人身取引というのは女性、子供、そういう弱い人たちが
本当に遭う課題でございまして、そういうものはもう退けていきたい、なくしていき
たいというのが私の本当の気持ちでございます。被害者の人格や、それからその人た
ちの尊厳を侵害する、心も体もむしばまれてしまう。私は、人間としての尊重、得ら
れるんだろうかと、究極的には考えていかなきゃならない課題になってくるものだろ
うと思います。
本当に、人間としてどう歩いていくの、どう生活していくのということを一人一人
が考えたときに、特に人身売買をされた被害者はどのように考えていったらいいんだ
ろうか、そういう人たちを一人でも少なくするというのが大きな課題になってくるだ
ろうというふうに思っております。そういうことを考えますと、本当に人道的な観点
からこういう法律の実効ある形を取っていくべしというふうに思っているところでご
ざいます。
そこで、また加害者の処罰、これを実現することによって人身取引の一刻も早い撲
滅ということにもなろうかなというふうにも思っておりますが、被害者につきまして
はその立場について十分配慮した対応をする、この法律の中にもそれを盛り込んでお
ります。そういうような法律案でございますので、人身取引対策を更に強化するもの
であろうというふうに考えております。
さらに、先生が御指摘いただきましたアメリカからの提言ということでございます
が、我が国の人身取引の実態やそれに対する取組状況につきまして、国際機関、特に
米国からの、国務省から指摘がされたということでございますが、我が国の取組につ
きましては十分な御理解がいただけなかった部分もあるのではないだろうかというふ
うにも思って、言われたことについては多少残念である、こういうことは避けられれ
ばよかったのにというふうにも思ったりいたしております。もうそういう指摘をされ
ないように、我が国はしっかりとやっていこうというふうにも思っております。
法務省におきましては、こうした御指摘も含めながら、人身取引の実態や国際的な
動向を踏まえた上でこの法律案の検討又は提出をしようと決めたところでございます
ので、人身取引の撲滅とともにその被害の保護に十分に配慮し、この法案を一刻も早
く御検討いただき、通していただき、これが実効あるものになっていきたいというふ
うに願っております。
○千葉景子君 今の大臣の御所見をちょっと前提にしながら、少し各項目についてお
尋ねをしてまいりたいというふうに思っております。
まず、被害者についての認知と、それから適切な保護という問題でございます。
被害者、先ほど言いましたように、人身取引というのが非常に、何が人身取引かと、
どういう人が被害者なのかというところもなかなかこれ線引きは難しい部分がござい
ます。そういう中で被害者を認知し、そして適切にやっぱりそれは保護をするという
ことになりますと、なかなかこれは大変なことでございます。多くは犯罪組織などか
らの報復等を恐れて警察等に保護を求めてこない、こういう実情もあるということも
言われております。
そういう意味で、被害者がまずは、自分はこんな状況に置かれていなくていいんだ
と被害を訴え出て、やっぱり安心して生活をし、そして働くことができるような、そ
ういうところにまた復帰をするんだと、そういうことをやっぱり申し出るといいます
か、やっぱりそういう環境というのが大事だろうというふうに思っております。
それから、被害者となる人がやっぱり一番最初に取っ付いてくるのは入国のところ
でもあるわけですね。そういう部分でも、入国審査というのを厳格に的確に行うとい
うことは大事ですけれども、やっぱりそこでできるだけ、もし何かあれば保護をして
いくという姿勢も大事だというふうに思います。
そういう意味では、被害者と直接対応する一番の直面をするところですね、警察と
かそれから入管の部分、こういうところでのやっぱり職員の姿勢、あるいは的確にそ
の被害者を発見をする、認知できるやっぱり能力といいますか、そういうものが大事
だというふうに思うわけです。
それから、今申し上げましたように、自分はそんな被害者でもないんだと、働きに
来たような意識もある。やっぱりそうじゃないんだよ、早く被害を申し出なさい、こ
ういうところなら安心して大丈夫ですよというような情報をやっぱりきちっと被害者
に伝える、あるいは分かるようにしておくということも、やっぱりこの問題の、まず
は、まず発見をするということで大事なことだというふうに思うんですね。
それで、法務省、警察庁の方にお尋ねをしたいと思いますが、警察職員、それぞれ
入管職員の研修とか、この問題に対する取り組み方ですね、それからその被害者への
情報の提供のようなものについてはどのような体制を取っていかれるのか、それぞれ
お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
まず、入管職員が被害者の方に最初に接する機会というのは、委員御指摘のとおり、
かなり多くなるというふうに予想しております。したがいまして、入管の職員がどの
ような態度で被害者の方に接するのかといったことですとか、人身取引に関する知識
等も非常に重要になってくるというふうに思っております。
そこで、入国管理局といたしましては、職員に対する様々な研修の機会を利用いた
しまして人身取引問題に関する講義などを行っているところでございます。それによ
り必要な知識を習得させまして、人身取引問題に対する職員の意識を向上させるよう
研修内容の充実を図っているところでございます。
最近の例で御説明いたしますと、中堅職員を対象といたしました研修におきまして、
NGOから講師をお招きしまして、人身売買問題の講義を受講をさせております。ま
た、毎年実施しております人権に関する研修というものがございますが、昨年度はこ
の研修におきまして人身取引問題のみを取り上げまして研修を実施いたしました。こ
こには、国際移住機関でございますとかNGO、大学等から講師の方をお招きしまし
て、人身取引問題に関する最新の状況でございますとか各国の事情についての理解を
深めるためにお話をしていただいたという状況にございます。
さらに、WHOがトラフィッキングされた女性のためのインタビューマニュアルと
いうものを作っております。また、警察庁の方でも広報啓発ビデオを作成されており
ますので、こういうものを入手いたしまして、全国の地方入国管理局、支局や入国者
の収容所に配布いたしまして、職員教育に活用するように指示をしているところでご
ざいます。今後とも、研修については積極的にこれを実施してまいりたいと思います。
一方、委員御指摘のとおり、被害者の方が自ら被害を訴えやすくするという環境づ
くりも、これ非常に重要だと思っております。これまでややもすれば、被害者の立場
になられた方というのは、不法滞在状態というようなケースもありまして、御本人の
方で、もし出頭した場合には強制送還されるんではないかとか犯罪者扱いされるんで
はないかという意識があったことは、これ否定できないんだろうと思っております。
そういうことも踏まえますと、やはり外国人の方に広報啓発をしていくことも重要だ
ろうというふうに思っております。
今回御審議いただいております入管法が改正されますと、御承知のとおり、被害者
につきましては、人身取引などによりまして売春などに従事したというようなことを
理由にして退去強制の対象にはならないということになるわけでございますし、また
人身取引等によりまして他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥ったという
場合でございましても、在留特別許可により保護の対象となるということを明文化す
ることにしておる関係上、こういう内容が周知されれば、これまで被害の申告をため
らっていた外国人の方でありましても、安心して入国管理局に出頭して被害の申告が
できるようになるのではないかというふうに考えておるわけであります。
法案が成立いたしました折には、早急にホームページ等にその内容を掲載しますほ
か、地方入国管理官署等にそのお知らせ用のペーパーなども置きまして、十分に広報
をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○政府参考人(伊藤哲朗君) お答え申し上げます。
まず、人身取引の被害者への対応について、現場の警察官に対する教養訓練につい
てでございますけれども、人身取引事犯は被害者の心身に著しい苦痛をもたらす深刻
な人権侵害行為であり、被害者への適切な対応は大変重要だというふうに認識してお
ります。
被害者である外国人女性は雇用主により売春等を強要されておりまして、その心身
は著しく傷付けられておりますことから、警察ではできる限り女性職員や被害者の母
国語を解する職員をその対応に充てているところであります。また、被害女性が交番
等に駆け込んで保護を求めてくることも考えられますことから、職員に対しましては、
人身取引についての研修資料や広報啓発ビデオなどの資料を配付するなどしまして、
被害者保護の重要性について周知徹底を図っているところであります。また、人身取
引事犯の捜査担当者につきましても、被害者の心身の状況に応じてその対応に当たる
よう、全国規模あるいは都道府県単位での研修を実施しているところであります。
次に、人身取引の被害者が訴え出やすいようにするための情報提供の仕組みでござ
いますけれども、警察では、人身取引の被害者が保護を求めて交番や警察署に駆け込
んだり、一一〇番通報をした場合には直ちに対応するように努めているところであり
ますけれども、このことを人身取引の被害者自身に知ってもらうということもまた大
切なことだというふうに考えております。
そこで、警察におきましては関係国の大使館あるいは関係機関、団体と協力いたし
まして、被害者に、警察が、もう訴え出れば直ちに保護をするということを呼び掛け
るリーフレットを現在百万部作成しているところでございまして、近々これを広く配
布することといたしております。
今後とも、こうしたリーフレットの配布等によりまして、人身取引事犯の被害者が
被害者であることを警察に進んで訴えることができますように、被害者への周知に努
めてまいりたいと考えているところでございます。
○千葉景子君 今御説明いただいたことは、一般的には確かに分かります。横の方か
らちょっとやじがありましたけれども、私も率直に思うのは、ホームページをといっ
ても、そうホームページをきちっと読めるくらいだったらば被害を受けるということ
ないわけで、あるいはまあそのリーフレットをたくさん作って、それが本当に必要な
ところに届いて、そしてああなるほどといって被害を訴え出てくると、本当にそうか
なという、若干私はやっぱりそんなことなのかなという感じがやっぱり残ってしまい
ます。
決してそれをやることが駄目だと言っているわけではないんですけれども、やっぱ
りこの本質というのが、やっぱりそういう情報にきちっと近づけない、そういうよう
なところにむしろ置かれてしまうというところに問題があるわけでもございますし、
やっぱりそういうところを、草の根というかいろんなネットワークを持っているとい
うのは、ある意味ではNGOの皆さんだったりするわけで、そういう意味では、そう
いうホームページを開く、リーフレットを作っていつでも大丈夫ですと、そういう情
報を提供するということももちろんのことではありますけれども、更に本当にきめ細
やかな対応というのを取っていただくように改めて申し上げておきたいというふうに
思っております。
さて、この被害については、被害者についてはどういう保護をしようかと、救済を
するかということが問題になるわけで、今回はこの被害者に対しては婦人相談所、こ
こを一つの救済の拠点としていこうではないかということが指摘をされております。
ただ、この婦人相談所、どうでしょうか、これまでもDV被害などでもう今手一杯と
いうような状況もございます。
それですらもっと人的、物的に拡充をしてほしい、していかなければとても賄い切
れないという状況にもあるわけで、更にそこにこの人身取引の被害者を受け入れてい
くということになりますと、これは容易なこっちゃないな、こういうことで本当に被
害者の保護、救済が十分に図られるんだろうか。それから、DV被害者とそれから人
身取引の被害者というのが同じ一つの施設というこの中で対応される、保護されると
いうのも本来はどうなのかなという、そういう懸念もございます。
その辺りをどう考えておられるのか、厚生労働省ということになるでしょうか、こ
の今の実情、そして問題点をどう認識をなさっているか。そして、どうあってももし
婦人相談所というのを活用するのであるとすれば、人的、物的な当然拡充というのが
必要になってくる。これはもう必要不可欠な条件ではないかというふうに思いますが、
その点についてどう考えておられるか、厚労省の方でお願いをしたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) この被害者をどういうふうに保護するかというのは一
つの大きな課題でございますが、国内においてこういったいろんな女性の方々の相談
あるいは被害の保護に当たってきました婦人相談所というところが一番、知識、経験
も蓄積もありますから、こういったところで引き受けさしていただくのが適当ではな
いかということで、まず個々の充実を図っていくということが私どもの基本的なスタ
ンスというふうに考えております。
今御指摘のありましたように、近年、DV被害者といったようなことを中心にして、
この婦人相談所の活用といいますか、その利用がかなり増えておることも事実でござ
いますが、それに対応して、また国それから自治体、力を合わせて、今婦人相談員の
増員でありますとか予算の大幅な増額といったことに取り組んできておりますから、
まずはこういった体制の充実を図って、できる限りこの新しい人身取引の被害者にも
対応できるように充実をしていきたいというふうに考えております。
課題でございますが、DV被害者の中にも外国人がかなり多いんでありますが、今
回のこういう、例えば言葉が通じないような場合にはどうするかといったような、D
V被害者も含めて、被害の個別ケースごとの困難性といいますか深刻さ、あるいは心
理的被害にどう対応するかと、あるいは言葉の問題にどう対応するかと、こういうい
ろいろ難しい事例がたくさん出てまいっておりますので、こういったことにどういう
ふうに対応していくかという、体制の整備、人員の増強といったことも必要でありま
すが、それと併せて、そういった個別のケースにどうやって対応できるかという、職
員の専門性でありますとか、そういったことについての研修を少し充実をするとか、
そういった目配りも必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
今回、更に加えて、この婦人相談所での対応ということでだけではなかなかうまく、
例えばできるだけこの被害者の状況から、匿名性といいますか、そういったことが必
要なところでやはり保護する方がいいといったようなケースも考えられますので、民
間シェルター等にも一時保護が委託できるという新たな制度も導入いたしましたので、
こういったものの活用も含めて、公立の婦人相談所での対応の充実を図るとともに、
こういう民間のシェルター等の活用といったことも併せて対応していきたいというふ
うに考えております。
○千葉景子君 あれもこれもなんですけれども。
それじゃ、ちょっともう少し、一般的には拡充をしていきますというのは分かるん
ですけれども、婦人相談所などの職員の例えば増員についての今後の段取りとか計画
とか、あるいは施設の拡充等についての具体的な計画とか、そういうものはございま
すんでしょうか。それによってどのぐらい人数が増えて、そして施設なども、これだ
け入れる人員も増えるとか、そういう具体的な見通しみたいなものはもう既にお持ち
なんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これからどれぐらい人身取引の被害者が、現に、現実
に婦人相談所を御利用されるかということは、なかなかこれは見通しが立たないとこ
ろでもありますし、近年の実績を見ますと、昨年で二十数名だったと思いますが、そ
ういったオーダーでありますが、先行していろいろ体制の整備が迫られておりますD
V対策という観点から例えば申し上げますと、婦人相談所の婦人相談員の数を平成十
二年から十六年度までに約一・三倍に増やしてきておりますし、一時保護所の予算の
増額についても、十二年度に比べまして十六年度、約二・三倍というような増強を図っ
ておるところでございます。
これは国の予算と併せて交付税等で自治体が独自に取り組んでいただく部分もござ
いますが、実情に合わせて、できる限りの整備、施設の整備あるいは体制の整備を図っ
ていただくよう、私どもいろんな機会を通じてお願いをしておるところでございます。
○千葉景子君 今、実情の把握がということがございました。確かに、数字の上で出
てくるのは、保護を求めてという数は今二十幾つと言っておりましたけれども、これ
も午前中の質疑でもありましたけれども、一体本当に顕在化していない潜在的な数と
なるとどれだけあるのかということを考えたときには、まあそんなせいぜいそのくら
いだからと言っている場合ではないというふうに思います。今回のこの行動計画やこ
の法案によってもでき得る限り保護を図っていこうという政府のもし姿勢であるのだ
とすれば、今のような体制あるいは計画ではとてもとても世界のやっぱり批判という
のにこたえ得るかどうか、ちょっと私は疑問に思います。
ちょっと細かいことは、また時間がございますればお聞きをしたいと思います。
今、民間シェルターのお話も出てまいりました。もう一つ、やっぱり保護にきめ細
かく対応できているのはやっぱり民間シェルターでもあるというふうに思うんですね。
ここもやっぱりもう一生懸命、本当にボランタリーな形で頑張っていただいておりま
すけれども、もう本当に手一杯という状況もございます。今、実際に受入れを行って
いる施設というのは全国で二か所程度、それがもう一杯一杯ということでございます。
今回、この民間シェルターについて人身取引被害者の一時保護委託制度というのを
開始されたということでございますけれども、一体これはどのくらい予算措置がとら
れて、それがどういう形で民間シェルターで経費に充てられていくというふうに把握
をされておられるのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回、新たにこの民間シェルターにおいても、婦人保
護所あるいは婦人保護所の一時保護所での対応というのを基本にはいたしますが、先
ほど言いましたように、民間シェルターにも一時保護委託できるというようなことで
制度を考えておりまして、取りあえず今年度は一千万円をこの一時保護委託のための
予算として計上しておりますが、これは一応の枠を定めただけでありまして、これは
例えば大体どのぐらいの数かといいますと、六日間、何といいますか、一時保護をす
るということを前提にして二百数十人分の経費というような積算で一応計上いたして
おりますが、全体の、先ほど言いましたように、婦人保護事業、DVを含む婦人保護
事業の中で対応する予算でございますのでこれしかないというわけではありませんの
で、そこは事態に応じて弾力的に対応していきたいというふうに思っております。
一時保護委託の形式につきましては、これまで既にDV被害者の一時保護委託する
民間団体との契約と同じような形式で対応していきたいというふうに考えております。
○千葉景子君 先ほどの婦人相談所についてもこれまでのDV被害などに対応するた
めに増やしている、それの延長のようなものでございますし、今の民間シェルターに
ついても一千万という、非常にある意味ではささやかな額でございます。これだけ人
身取引について政府一体となって行動計画を立て、そしてこの被害を防止し撲滅を図っ
ていこうと、こういうことを考えておられ、しかも被害者の救済ということの中で民
間シェルターのやっぱりこれから役割も大きいと思われるにもかかわらず一千万です
からね。いや、もう何か本当に、本当にこの問題について一丸となってやろうという
体制なのか、私はちょっと問題だというふうに思います。
これもまた、更にお話を伺うことができれば細かく伺いたいというふうに思ってお
りますが、時間の関係もありますので少し別な問題に移りたいというふうに思ってお
ります。
被害者の支援、この婦人相談所あるいは民間シェルター等に保護をして、そして安
心できるようにしてもらおうということですが、この中身も大変なんですよね。例え
ば、被害者にとっては心身ともに傷付いたりしている、そういうケースが多々あるわ
けで、そういうことになるとやっぱり医療の支援というのをきちっとしなければいけ
ないという問題がございます。
それから、一定の期間、やっぱり特別、特在などで滞在できるようにしたりする。
そういうことになりますれば、生活そのものの基盤、これも問題になってまいります。
まさか、売春をさせられていたそこでまた働いていなさいなんという話には当然なら
ないわけですから、やっぱり生活を何とか立てていく、そういう支援が当然必要になっ
てまいります。あるいは、こういう支援を受ける、そして適切なやっぱり救済を図る
という意味では、言葉ですね、先ほどこれも御指摘ありましたけれども、やっぱりき
ちっと自分の実情を伝える、それから保護してもらえる、どういうことができるのか
ということがよく理解できる、こういうことも大事だというふうに思います。
こういう意味では、この支援の内容について、少しまず概括的にお答えをいただき
たいというふうに思っております。これも厚労省の方でお願いをいたします。
○政府参考人(伍藤忠春君) 婦人相談所で保護いたしました場合の援助の内容であ
りますが、いろんな各種の問題を抱えた女性に対してまず心理的なケアというような
ことも必要になろうかと思いますので、そういった心理相談員、心理担当職員という
のが配置されておりますが、そういったものでの心理的ケアを含めた相談、そういっ
たものの充実がまず一つあるんじゃなかろうかと思っております。
それから、医療的な支援というようなことが言及ございましたが、医療的支援を必
要とされる場合にも、その場合には婦人相談所に嘱託の医師というのが置かれており
ますが、ここで医師がある程度の判定とか、あるいはそこでできる軽度な医療、そう
いったものの提供というものはそこで行うということになろうかと思いますが、本格
的な治療を要するようなものはなかなか対応困難でありますので、周辺の医療機関の
情報を提供するとか、あるいは社会福祉事業としてやっております経済的に支援が必
要な方については無料定額診療といったような制度についての情報を提供する、ある
いは医療機関を紹介すると、そういった対応が考えられるのではないかというふうに
思っております。
それから、通訳の問題でありますが、こういった言葉の問題についての支援という
ことでございますが、外国人の一時保護に必要な経費として通訳雇い上げ費というも
のが婦人相談所の運営費の中に計上されておりますので、従来からこれを活用して既
に婦人相談所ではいろいろ、DV被害者の外国人、そういった方々への対応に当たっ
ておりますが、こういったものを更に活用してコミュニケーション、そういったもの
の確保に努めていくということが必要ではないかというふうに思っております。
○千葉景子君 今お聞きしておりましてやっぱり私も率直に感じますのは、婦人相談
所の場合には医療というのが一定確保される、こういうこともございますし、今の無
料定額医療のような形での支援というものも考えられると。いずれにいたしましても、
やっぱり従来の施策のある意味では延長といいますか、そこの範囲で何とかやってい
こうという、こういう今回は対応なんだろうというふうに思います。
ただ、やっぱり本当にそれでいいんだろうか。この人身取引の被害者に対して包括
的に保護をする。そのために医療があり生活があり、あるいは言語があり、そういう
ものをトータルにやっぱり支援をする、そういう一つの仕組みというものがやっぱり
必要なんじゃないだろうか。一つ一つこれは、これまでの医療支援のそれを進めて、
通訳とか言語についても、一定のこれまでの通訳人の確保をできるだけまたやってい
くというような形でございます。やっぱりここ、トータルなパッケージのようなもの
として、支援策というか支援システム、そういうものをやっぱり検討していく必要が
あるんじゃないかということをしみじみ感ずるわけです。これは、トータルなやっぱ
り法整備が必要なんじゃないかと今日、松岡委員からも指摘がありましたけれども、
私もそういう感が率直に言っていたします。
これについてはまた更にお聞きをしてまいりたいというふうに思いますが、次の取
りあえず課題に移らせていただきたいというふうに思います。
今回の法案の中で、私はちょっと一、二点、大変気になる場所がございますので、
今日はそこをあと聞かせていただきたいというふうに思うんですが。
一つは、入国というか、この不当な、不法な入国を阻止するというようなことの観
点から、運送業者等に対して旅券の確認義務を課すという条項が盛り込まれました。
これは一体どういう意義があって、それからどういう機能を果たすんだろうかという
ことがまず第一点でございます。
それから、こうなりますと一つ心配なのは、例えば難民の申請をしたいというか、
庇護を求めて日本に行きたい、そういうケースはきちっとした旅券を必ずしも持って
いなかったりする、こういうケースも考えられます。そうすると、この運送業者のと
ころでそういう確認がされて、いやあなた、きちっとした旅券、どうもおかしいみた
いだからもうこの飛行機には乗せませんよと、日本にはこれで行かれませんよと。そ
ういうことを民間業者のところで制約を課すというのも非常に何か私は違和感を感じ
ますし、それから、そもそもこの民間運送業者のところで正確な旅券の確認のような
ことが本当にできるんだろうか、それだけの負担を課すことができるんだろうか、こ
ういう懸念も感ずるところでございます。
この点について、この意味と、本当に機能するのかどうか、それから難民等に対す
る懸念、これについてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
今委員御指摘の運送業者等による旅券の確認義務の規定でございますが、これは一
つには、密入国議定書の中にこの確認義務の規定を制度で担保すべしという規定がご
ざいます。また、そのほかに実質的な意味といたしましても、我が国政府で昨年十二
月にテロの未然防止についての行動計画を策定いたしておりますが、要するに不正な
形で我が国にテロリストその他の好ましからざる人物が入ってくることを防止するた
めにも有用であるということからこういう規定を設けるべきであるということがうた
われておりまして、こういったことを総合的に考えましてこの新たな規定を設けてい
るわけでございます。
御指摘の、委員御指摘のございました民間の業者に言わば旅券等の確認をお願いす
るわけでございますが、これも御指摘のとおり、例えば入管の職員のように専門家と
して旅券等の旅行の証明書等を日ごろから見ておる、またこの鑑識に当たっていると
いうような場合と異なりますので、おのずからその確認の内容、程度は専門家とは異
なるものというふうに考えております。
例えば、旅券等に記載されております本人の生年月日とか、それから性別がござい
ます。あと、身体的特徴なども旅券に記載されているわけでございますが、こういっ
たものと現にその目の前にいる旅行者とを見比べていただいて、明らかに違う、年齢
がおかしいとか身体的特徴が全く違うというようなケースであれば多分一般の方でも
お気付きになるであろうということでありまして、その程度のことを期待するのかな
というふうに思っておるわけでございます。
実は、このような規定につきましては既に世界各国かなりの国で規定を置いており
ますし、元々、航空会社等におきましては、その運送約款におきまして正規の旅券な
どの証明文書、言わば外国に行くことができる証明書を持っていることを航空機に乗
せるですとか船に乗せる前提条件としていると、そういう約款がほとんどであるとい
うふうに認識しておりますので、従来からこういう規定がなくとも事実上確認はして
おるというふうに承知しているわけでございます。
難民の方について不都合があるんではないかという、こういう御指摘があったわけ
でございますが、今御説明したような状況でございまして、これに加えまして、難民
の方は時として偽造旅券を所持して日本に来るケースもございます。そのほかの国に
行くケースもあるというふうには承知しております。もちろん、真正な旅券を持って
日本に来て難民の主張をされる方もかなりいるわけでございますが、委員の御懸念は、
偽造の旅券を所持して国籍国から逃れてくるというようなケースを御想定だろうと思
うわけでございますけれども、こういう方につきましては、先ほど申し上げましたよ
うに、従来から行われております運送会社の旅券の確認がこの規定を設けることによっ
て格段に異なったものになるというわけではないという認識でございますし、更に加
えまして、世界のほとんどの国におきましては、そもそも、自国民だけではございま
せんが、自国から海外、外国に出国する人につきましては正規の旅券その他の旅行証
明書を持っているかどうかというのを確認しているのが常でございます。そうします
と、その確認作業は当然、入国管理担当の公務員が行うわけでございますので、仮に
偽造旅券等を所持していれば、そこでまずもって航空機に搭乗する前段階で発見され
る確率の方が高いのかなというふうに思っておりますが、それも現状とこの法改正後
では変わるものではないというふうに思っております。
そういうことを総合的に考えますと、この規定が新たに設けられたことによって特
段従来と異なった形になるものではなかろうというふうに考えておるところでござい
ます。
○千葉景子君 時間がなくなってきましたので、今のお答えでは私は納得できません。
というのは、今までと異ならないんだ、で、何でこういう規定ができるわけですか。
異ならない、異ならないようにするためにある意味では法に規定を設ける。あるいは、
義務化をするわけですよね、これ義務化しているわけですから。でも、いや中身はこ
れまでと変わりません、大体よっぽど明らかな偽造のときぐらいでしょうとか、それ
じゃその基準とか、あるいは非常に不明確、恣意的なあれによって入国というか、が
拒まれたり、あるいは日本への、向こうからですから、出国が阻まれたり、そういう
ことになってしまうわけですよ。それじゃ、とてもじゃないけれども、安心して、基
本的なやっぱりこれは一人一人の権利ですから、それを何か恣意的なあるいは明確な
手続等も経ないでやっぱりそこで制約をしてしまうということには私は非常に懸念を
感ずるところでもございます。
難民の問題についても、そういう意味ではしかりですよね。何か非常にあいまいで、
この人は何かすうっと行っちゃった、ある人はそこでとどめられちゃった、こういう
ことが起こらないとも限らない。ここは改めてちょっと不明確なところをまた指摘を
ちょっとさせていただきたいというふうに思っておりますが、今日は時間になりまし
たので指摘にとどめさせていただきまして、また次回に譲らせていただきたいと思い
ます。
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