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2004年11月4日全文
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2004年11月4日全文
161-参-法務委員会-4号 平成16年11月04日
○千葉景子君 午前の質疑に引き続きまして、民事二法、とりわけ私は債権譲渡にか
かわる法案に絡んで質問させていただきたいと思いますが、その質問に先立ちまして、
二、三点、ちょっと大臣に御意見、そして御決断を求めておきたいというふうに思っ
ております。
今日、皆さんのお手元に資料配付を御了解をいただきました。一つが障害基礎年金
不支給決定取消等請求事件の判決要旨でございます。もうこれは皆さんも御承知のと
ころであろうかというふうに思いますけれども、本年三月に東京地裁でもほぼ同趣旨
の判決が出されております。言わば学生無年金障害者に対して、やはり年金支給がで
きないということについての判断でございます。
この今回の新潟地方裁判所で出されたこれは判決でございますけれども、東京地裁
で出された判決に引き続きまして、立法措置を怠った国の責任を厳しく指摘をしてい
るところでございます。
で、これを読んでいただければ分かるところではございますけれども、資料の、例
えばこれ、途中が抜けておりますので、二十一ページ、いろいろとこれちょっと書き
込みがございまして申し訳ございませんが、中ほどに、「現在に至っても無年金障害
者の救済のための立法はなされておらず、司法による救済の必要性は極めて高い」、
「六十年法の立法作為又は不作為については、国家賠償法上違法の評価を免れないも
のと認められる。」と、こういうことでございます。特に、今度の判決では言わば国
会の立法不作為というのが大変厳しく指摘をされておりまして、私もそれについては
本当に真正面から真摯に受け止めてまいりたいというふうに考えております。
これについては、既に、本年三月の判決などを踏まえまして、民主党では通常国会
に無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案というのを取りまとめて
提案をさせていただいておりますし、あるいは与党の側でもこの問題に対する解決に
向けた検討がされているという状況もございます。
そういうことを考えてみますと、これは私ども国会として、この問題についてはも
うこれ以上当事者に大変な思いをさせることなくこの問題の解決をしていく、こうい
う姿勢が大事であろうと思いますし、私は是非そうしたいというふうに考えておりま
す。それぞれが法案などを策定をしたり検討したりしているというのは、国会のそう
いう意思の表れではないかというふうに私は受け止めます。
そういう意味で、これにつきましては是非、これ以上の国としても争いを継続をす
るというようなことを是非避けていただきたい。控訴をするというようなことを是非
断念をして、そしてこの問題についての前向きなやはり解決の筋道を作っていくと、
こういうことに御決断を是非お願いをしたいというふうに考えているところでもござ
います。まだ控訴期間があるということではございますけれども、やはりこういうと
きこそ、やはり大臣、大臣としての御決断、これが求められるところだというふうに
思います。
これまで大臣もいささか、この法務委員会という場ではちょっと、少し御専門外と
いうこともあり、いろいろと御難儀もあるかというふうに思いますけれども、これま
で、こういう福祉関係等々につきましては大変造詣深く、そしてリーダーシップを発
揮してこられたと、こういう南野大臣でございますので、ここ、こういうときこそ大
臣のやはりリーダーシップと、こういうことが求められるだろうと思います。これが
大臣の手によって御決断いただくことができれば、また大臣に対しての大変信頼も生
まれてくるのかなとも思ったりいたしますので、是非そこを大臣に明確にお考えいた
だきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 本当、千葉先生の温かいお心を推察いたしまして、お
答え申し上げます。
御指摘の新潟地裁の判決といいますのは、昭和六十年の時点で学生を強制加入の対
象とする立法措置が取られなかったと、そういうことが憲法十四条に違反し、また違
法であるとされた大変厳しい判決であるということは存じております。
また、現在、年金を受給していない障害の方々に対して、立法案が審議されて、法
律案が審議されているところでありますし、今、千葉先生おっしゃったお心を体しな
がらではございますが、今後の対応につきましては、このような点を踏まえ、関係機
関と十分協議して検討してまいりたいと思っております。
○千葉景子君 今の御答弁、なかなか含みのある御答弁だろうとは思いますが、本当
にここは、こういうときがやっぱり大臣が存在する意義でもございますので、是非、
今の含みのある御答弁が是非、国民こぞってやっぱり大臣の決断だったと評価をいた
だくことができますように改めて要請をさせていただいて、次に移りたいというふう
に思っております。
さて、大臣、大臣も、今申し上げましたように、なかなかこの法務の関係の諸課題、
勉強中だというお話をこの間、所信等を通じて伺ってまいりました。なかなか、勉強
なさるといっても、寝ずに勉強されているというお話でもございますけれども、余り
的を絞らず勉強してもこれは寝不足になるばかりでございまして、時間がもったいな
いということもございます。
そこで、私は、せっかく大臣が就任され、とりわけこれまで、先ほども申し上げま
したように、厚生福祉関係あるいは男女共同参画、こういう部分に大変なるリーダー
シップも取ってこられました。DV法、性同一性障害に関する法律の策定等々ですね、
やはりそこは大臣の存在というのが大きかったことを私も承知をいたしております。
そこで、この法務にかかわるところでも是非これまでの大臣の御経験やあるいはやっ
ぱりあふれる情熱、そういうものを是非掛けていただきたい問題が今ちょっと二つ指
摘をさせていただきますので、是非その点について、今日お答えをすぐにいただくと
いうことではありませんけれども、その寝ずの勉強の是非中心に据えていただきまし
て、近いうちにまたその勉強の御成果を是非またお示しをいただければ大変有り難い
というふうに思っております。
その第一点。それはこの間、これはもう寝ずに勉強していただかなくても大丈夫な
課題でございますけれども、選択的夫婦別姓、これを含む民法改正という問題でござ
います。
これについては、中身はもう申し上げません。大臣のやっぱりこれもリーダーシッ
プあるいはこれを是非実現しようという御決断、これがあればもう直ちにでもこれは
改正が実現をすると、こういう状況でございます。どれほどの人が大臣の決断という
ものを待っておられるか、こういうことももう十分承知でいらっしゃると思いますの
で、本会議でお聞きをしたときのああいう御答弁はもう大臣にはふさわしくありませ
んので、そういうことはもう要りません。是非これをまずひとつきちっと仕上げてい
ただきたい、これが宿題の一つでございます。
それから、宿題の二つ目、これは私も今勉強をこれから十分にそれこそさせていた
だきたいなというふうに思っておりますが、今日もそのためのちょっと資料、これは
アエラの記事でございます。今子供の奪い合い、「子ども奪い合いの壮絶」と、こう
いう表題になっておりますが、実はどういうことかと申し上げますと、最近、子供、
離婚に際して子供はどちらが引き取るか、あるいはどちらが親権を持つかということ
が大変な争いになりまして、大変その中身というのは壮絶なものがあるということで
ございます。事例も随分増えてきております。これが、一体どうしてこんなことが生
じてしまっているのかというのを私も私なりに考えてみました。
一つは、そもそも離婚というのは男性と女性、言わば夫婦の問題でございます。夫
婦が離婚したからといって親と子の関係というのはなくなるわけではない、消滅する
わけではないんですね。ところが、今の家族法の中では、離婚をするとどちらか単独
の親権を選択しなければいけないと、こういうことになるものですから、親子の関係
は切れない。しかし、その親権とやらは片方にしか付いていかないということで、そ
こに非常に矛盾が生じている。で、争いが起きているということだというふうに受け
止めております。
その背景にはいろいろあるというふうに思うんですけれども、やはりこれまでの家
族法、そしてこの親子に関する法律の立て方が、本当に子供のため、子供のための法
律になっていたか。どうもそうではなくて、今のこの親子法は旧来の言わば家父長的
な側面、性格、それを色濃く残してきたと、これがこの単独親権というようなことに
もつながっているのではないだろうかというふうに思っています。居所指定権とか懲
戒権とか、あるいは職業選択に対する了承の権利とか、こういうことを考えますと、
いささかこれは、子供は親の支配下にあるものと、こういう考え方、そしてその背景
には、さらには言わば家長というんでしょうかね、そういう者の子供は物なんだと、
こういう考え方がまだまだ底流に残されたままできたのではないかというふうに思わ
れます。
したがって、離婚をするとやっぱり家長の下に子供は残っているのだ、家長のもの
だということで、必ずしも、今家長なんというのはないわけですから、あるいは父親、
母親どちらと決められているわけではありませんけれども、そういうことで、どちら
かが、家を守るような立場の者がその親権を持つということになる。ところが、それ
を持たない方は子供と会うにもなかなか会うことができない。子供の側も、やっぱり
お父さんもお母さんも会いたいし、そしてその中でいろんな育っていくけれども、そ
ういうことが法的には十分に権利として保障されていない。逆に、反面、扶養の義務
があって、金は扶養のための、あるいは仕送りをしなければいけないと、こういうこ
う矛盾した状況の中で、この親権争いという形でその矛盾が今噴き出しているのでは
ないかというふうに私なりにちょっと解釈をしてみました。
是非これは直ちに、大変幅広い問題にかかわりますので、結論が出るかどうかとい
うことになりますけれども、是非大臣ね、せっかく寝ずにお勉強していただいている
ということですので、こういう問題に少し的を絞ったり、あるいはせっかくのその勉
強の時間を割いていただきまして、これまでのやっぱり大臣が大事にされてこられた
やっぱり子供のこと、あるいは男性も女性もそれぞれが生き生きと生きられると、こ
ういうことを踏まえながら是非お勉強いただきたいというふうに思いますけれども、
この二点、ちょっと大臣に、大変おこがましいことではございますけれども、宿題を
差し上げることにいたしましたので、是非この点について大臣としての御決意のほど
をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 宿題をいただきましたが、その前で今思っていること
について御報告いたしますと、選択制、選択的夫婦別氏、この制度の導入につきまし
ては、婚姻制度や家族の在り方、そういうのにかかわる重要な問題でありますので、
各方面、それぞれの方が、そういうことについて大方の国民の理解が得られるという
ところにもやはりポイントをまたなきゃいけないんじゃないかなと、そういう制度、
そういう状況になったときにこの制度の問題について検討する必要があるんじゃない
かな、そのように思っております。宿題、重く受け止め、寝ずにまた頑張ろうと思っ
ております。
それから、その次の三問目、三問目といいますか、今の離婚の親権者のことについ
てでございますが、夫婦が離婚をした後の子供の親権をどうするかというところの課
題でありますが、子供の福祉又は子供の健全な成長と、そういうところの観点を見な
がら、これもまた大変重要な問題点でございます。この問題につきましても、先生御
指摘の優しい感じが取れるように、法律の中にもそれが表れるようにしっかりと勉強
しながら考えてみたいと思っております。
○千葉景子君 是非、またその成果はいろいろな機会に議論をさせていただきたいと
いうふうに思いますが、今選択的夫婦別姓につきましては、大臣の御答弁はもう、こ
れはもう十年くらい前に言っていただくような御発言じゃないだろうかというふうに
思います。もう今そんな段階じゃありませんから、これはもう勉強をそんなにしなく
ても、あとはやりましょう、これでもう本当に進めることができる課題ですので、そ
こはよくよく踏まえておいていただきたい。これだけ申し上げまして、本題の法案の
方に入らせていただきたいというふうに思います。
さて、この債権譲渡特例法についてですが、今回のこの法案が本当に今必要だった
んだろうかと、こういう問題から入りたいというふうに思います。
この委員会でも、この民法の現代化、そして根保証制度に関する民法と、そしてこ
の債権譲渡特例法の改正案、言わば一括をして審議をさせていただいているというこ
とでございます。そのために、そのためにじゃないかなと私は思うんですけれども、
法務省がいろいろ御説明をしてくださると、そういう際の、資料をいつもお持ちいた
だくんですけれども、その際にこういうようなポンチ絵といいますか、これを大体持っ
てこられます。これを見ますと、いかにもこの民法の法案と、それからこの債権譲渡
の法案というのがどうしてもセットにならないとうまくいかないと、そういうような
趣旨になっているんですね。
全く私も関係ないというふうには申し上げません。しかし、何かどうもこれは、こ
れを二つ合わせるために取って付けたような、そのために一生懸命作ったポンチ絵じゃ
ないかというふうに思われて仕方ありません。根保証制度の撤廃というのは、これは
もう長らくその弊害が指摘をされておりましたし、それについて法を手直ししようと
いうことはよく分かります。それに引換え、この債権譲渡特例法の方は何かひょっこ
りと出てまいりまして、大変短い時間でこの民法に合わせるような形で審議が求めら
れてきたと、こういうことです。
この審議過程、例えば法制審の議論などを見ましてもそれぞれ別な部会で審議をさ
れておりまして、最初からこれ全部が一体となって進めなければいけないものだと、
こういうようなどうも位置付けではなかったように私は思われます。それぞれの部会
でも、じゃ根保証の審議をするときに、じゃ債権譲渡の方がどうなるのか審議をして
みようとか、債権譲渡の方のときに、じゃ根保証の方との関連をどうやっていくのか
と議論しようとか、そういうどうもことではなくして、それぞれの部会で上がってき
た、それをちょうどいい、ちょうどいいやということで合わせ技みたいにしたのでは
ないだろうかなと、こういうふうに思わざるを得ません。
なぜそういうことを言うかというと、これは後ほど詰めてまいりたいというふうに
思っておりますけれども、本当に今この債権譲渡特例法の改正をこれほど急いでいろ
いろな問題点を残しながらやらなければいけないのかどうかと、こういうところを私
は大変懸念をするところだからでございます。どうなんでしょうか。そういう受け止
め方、おかしいですか。それとも、いや、そういう急いだところもあったんだという
ことなんでしょうか。
そのことで関連をして、そもそも本当にこういう債権譲渡特例法の見直しみたいな
ものがどういうところで大変これが必要だと言われてきたんでしょうか。例えばどう
いう業界だとか、そういうところかもしれません。それほどやっぱり今やらなければ
いけないような声が上がっていたのかどうか、その辺も併せて、そういうことと絡め
て本当にこの手直しをするための立法事実というのがどれだけ明確にあるのか、その
辺についてまずしっかりとちょっとお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 今回の二本の法律、保証の関係とそれから債権譲渡特
例法の改正の関係でございます。
これにつきましては、それぞれ法律的な内容は別個でございます。したがいまして、
法制審議会の審議もそれぞれ別の部会で行われたのはただいま委員から御指摘のとお
りでございます。ただ、広い意味で、正にこの企業の資金調達手法の見直しという観
点からその双方が求められているということは私ども当初から認識していたわけでご
ざいます。
例えば、これは経済産業省の検討資料でございますが、「新たな融資慣行の確立に
向けた制度整備について」と、こういうような資料を経済産業省で作っておりますが、
そのまとめのところで、現在の融資慣行が過度に個人保証あるいは不動産に依存し過
ぎていると。そういう問題を指摘した上で、最終的にまとめの部分では、新しい融資
慣行を根付かせることが最大の目的で、そのためには個人保証の一定のルール化が不
可欠であると。それと同時に、ただし個人保証の制限だけでは解決しない、新しい担
保制度の整備、金融の担い手の競争促進、そういったような、あるいは政府による支
援策であるとか、民間サイドの努力であるとか、こういうようなものを通じて新しい
融資慣行が根付くことを期待するんだと。
こういう取りまとめがされておりますが、今申し上げましたように、この保証と新
しい融資のための手法というのは法律的に見ればそれぞれ別個ではございますが、全
体として見ますと、正に中小企業がそういう金融を得る、その現在一番問題となって
いる部分、個人保証が経営者等に過大な負担を掛けているのではないか、また、不動
産に過度に依存し過ぎていてその他の担保資産を十分活用していない、そのために中
小企業は金融を得にくくなっていると、そういった問題に全体として対応するという
ことを考えて今回のそれぞれの法案の改正内容を検討したわけでございます。
特に、保証につきましては今回その制限をいたしまして、ある意味では従来よりも
保証に頼らない方向へ持っていきたいという意向が出ているわけでございますので、
その分、他のこれに代わり得るような金融手法を十分用意いたしませんと中小企業が
十分な金融を得られなくなるおそれもありますので、そういう意味で関連があるとい
うことで私どもとしてはこのような一枚のペーパーにしたわけでございます。
それで、例えば動産譲渡等についての立法ニーズについてどうかということでござ
いますが、これにつきましては、先ほど申し上げたとおり、現在の融資慣行について
不動産担保と個人保証に過度に依存しているという指摘が広くなされております。
一方、企業資産を見ますと、平成十四年度の法人企業統計で見ますと、全企業が所
有する資産、これは現金、預金が約百三十三兆円、土地が百六十六兆円でございます。
棚卸資産について見ましても約百兆円ということで、企業の所有する資産の中で棚卸
資産の占めている割合は相当大きなものがございます。で、この棚卸資産を担保資産
として活用するということについては、残念ながら、現在必ずしも広く利用されてい
るとは言い難い状況にあります。
これは経済産業省が実施したアンケート調査でございますけれども、これを見ます
と、今後、動産担保を積極的に活用しようとして考えている金融機関、これが二百十
一社中の百九社、約五二%でございます。また、事業会社三千八十二社のうち千二百
九十四社の四二%、これが今後積極的に活用することを考えていると。
こういうアンケート結果もございますので、先ほど申し上げたような全体としての
棚卸資産の量とそれから今申し上げたような活用を考えている会社のパーセンテージ
を見ますと、適切な制度設計がなされれば今後相当動産を担保として活用するという
ことは考えられるのではないかと、こう思っておりますし、また、新聞報道によれば、
既にこの動産を担保目的物とする新たな融資の仕組みを積極的に考えている地方銀行
もあるというような報道もされております。
そういうことを総合いたしまして、私どもとしては、やはりこれからの金融の在り
方として、従来の不動産に過度に依存しない、現在余り利用されていない商品在庫等
の棚卸資産、あるいは将来債権、こういったものを活用する制度を作るということが
そういう社会の需要にこたえる道ではないかと、こう考えたわけでございます。
○千葉景子君 御説明をいただきました。抽象的に分かります。それは法制度上考え
ても、それから可能性としても決して全くこの必要性がないということを申し上げる
つもりは私もありません。
ただ、後ほど一つ一つ確かめていきたいというふうに思いますけれども、本当にこ
れが新たな資金調達、そういう道に本当に寄与するのだろうか、抽象的にはそれは可
能性としてはできる幅を広げたということになるわけですけれども、本当にそういう
ことが期待できるか。
そもそも、あれですよ、動産ですからね、集合動産といっても。それから、不確定
な将来に向けた債権ということになりますし、なかなか今の日本の社会の取引慣行等
から考えると、こういうところまで担保を取るということになると、まあこれは大分
傾いたときかなとか、ああ、もうそんなところまでやっているんじゃもう危ないとこ
ろかなとかいう、そういうことが普通頭によぎるわけでして、こういう資金調達のや
り方というのが本当になされるだろうかということで、逆にその反面、この法案の内
容だけですと、やっぱり取引の安定とか適正な利用というところでは非常に懸念する
ところも多いわけです、あるいは波及する部分で。
そういうことを考えると、本当に先ほど言ったように、しかも、ちょっと大変非礼
な言い方かもしれませんけれども、私どもにこの法案を説明をいただくときも、いか
にももうみんな大賛成と、連合等々含めて、ここにいろいろかかわるところも賛成を
してこれはもうどんどん進められる法案だというような説明をちょっとなさったり、
少し私は腹立たしく思っております。
こういう懸念を本当に払拭できるのかどうか、それにやっぱりこの法案というのは
懸かっているというふうに思いますので、そういう私は視点で質問を何点かさせてい
ただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。
今度のこの制度ですが、まず国際的な制度等でどうなっているんだろうかと。確か
に日本の制度はこれまで、個別の担保を付けていくというやり方で、包括的に動産を
まとめて担保にする、あるいはそこに将来の債権なども含めて、事業の、何というん
でしょうね、そのものを担保にしていくというような考え方は余り、余りというか取
られてきませんでした。
今回のこの法案はそういう方向なのか分かりませんけれども、その事業の包括的な
事業の体系を担保にしていく、そういう可能性を少し作り出していくということにな
るわけですけれども、アメリカなどではUCCファイリングシステムというようなも
のも作られていて、言わば包括的な担保制度的なものが一つのシステムになっている。
ただ、逆に、やはりアメリカでもそういう中で、取引の安定とか特定性の問題等でい
ろいろな懸念といいますか、争いも生まれているというようなことも言われておりま
す。
こういうことも踏まえて、一体これはどういうところを参考にしたり、あるいは今
行われているところの反省点とか問題点など十分にクリアしたりして作られてきたの
か。あるいは、先ほど言ったように、もうこっち少し保証を狭くするから少し幅広げ
ようということでぽっと作られてしまったものか。その辺のちょっと諸外国の制度な
どとの比較や、あるいはそこでの問題点のやっぱり把握等々、どんなことをなさって
きたんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 諸外国の動産担保制度でございますが、御指摘のよう
に、アメリカのUCC、いわゆる統一商事法典、これでは、動産の担保として、目的
物の占有の取得のほかに貸付証書の登録という簡便な手続を認めておりまして、これ
が広く利用されていると聞いております。この貸付証書の登録というのは、その利用
のしやすさを考えまして、貸付証書の必要的記載事項としては、担保権設定者それか
ら担保権者の名称並びに担保目的物を合理的に特定する事項とされていると聞いてお
ります。そういうことで非常に利用しやすいというメリットはあるわけでございます
が、御指摘のように、事後的に担保物に含まれているかどうかというような点につい
ての争いを招くことがあるという指摘も同時にされております。
私どもとしては、やはりまずこのアメリカのUCCの仕組みを参考にさせていただ
いて、そういった集合的な動産についても登記という公示手段でできるだけ利用しや
すくということを考えたわけでございます。
ただ、そういった特定の事項、目的物を特定する事項が余り広いと事後的な紛争を
招くおそれもあるということを考えまして、登記に当たって、その目的物をどういう
形で特定するかということについて、それなりに特定性を要求するということで今回
の法案を考えたようなわけでございます。
そのほかの国の動産担保制度について見ますと、イギリスにおいても動産担保制度
として動産譲渡抵当というものがありまして、売買証書の登録が公示方法とされてい
るという具合に聞いております。
そのほか、先生の御指摘の企業全体をというか、企業の浮動する状態を担保の対象
とするというようなものとしては、正に浮動担保制度と、フローティングチャージと
いうのがあると聞いておりますが、これは登記による公示が必要だという具合に聞い
ております。
それから、ドイツでは特に譲渡担保が判例で認められていると。登録等の実効的な
公示方法は必要とされないというような状況にあるようでございます。
それから、フランスにおきましても、動産の譲渡担保の効力は判例で、効力は判例
では認められておりませんが、各種の特別法によりまして、占有を担保権設定者の下
にとどめる非占有の動産質権が認められていると、これは登記で公示すると、こんな
仕組みになっているというようなことでございます。
こういったものを参考にしながら、今回の動産の登記制度というものを検討したわ
けでございます。
○千葉景子君 今のお答えでも、必ずしもこういう動産担保制度、特に集合的なもの
について国際的にもみんなそういう方向なんだというわけでもないようですし、そう
いうことを考えますと、本当にこれが十分な与信に寄与するということでなければ本
当に意味がないということになります。
そこで、じゃ、それが本当に寄与するかどうかということを考えたときに、今年の
七月七日付けの日経新聞にこの担保の問題が出ていました。これによると、この動産
譲渡登記制度だけで在庫担保融資が急拡大すると見るのは早計だろうと。担保に取っ
た在庫を換金処分する流通市場とかノウハウがなく市場育成のハードルになるからだ
と。こういう指摘がされておりますし、また米では取得した動産担保を処分するリク
イデーター、清算人と呼ばれる専門業者が育っているけれども、日本ではそういうも
のがごくわずかだと。
こういうことで、流通市場や適正な評価ということに関するやっぱりインフラ、こ
ういうものがない中で、このような動産譲渡担保というのがどれだけ活用されたり、
本当に適正に運用されるのかということを考えると、ちょっとこれも疑問なんですけ
れども、その点はどう認識なさっておられますか。
○政府参考人(房村精一君) 動産譲渡担保が利用されるためには、その担保に取っ
た動産の流通市場の形成であるとかその評価手法の確立といったような環境整備が併
せて行われる必要があるというのは御指摘のとおりだろうと思います。現在必ずしも
そういった環境が整っていないというのもこの新聞で報道されているとおりではない
かと思っています。
ただ、それと並んで、動産の譲渡担保が利用されない理由としては、その譲渡担保
に取ったことを適切に公示する手段が用意されてないということもかねてから指摘さ
れているところでございます。
したがいまして、この動産を譲渡担保として活用していくためには、そういった法
制度的な整備とそういう環境整備と、これが併せて進んでいく必要があるだろうと思
いますが、しかし、まずはこの法律的な仕組み、それをきちんと整備いたしませんと
環境整備の方も進まないという環境になろうかと思います。
まあ、鶏が先か卵が先かという問題ではございますが、やはり今回このような法整
備を行って権利関係を明確に公示するという制度を樹立することによりまして、そう
いった制度を利用して増えることを見込んでまた環境が整備されていく、その環境の
整備を促進するということも期待されると、こう思っておりまして、私どもとして、
確かにこの法律だけで直ちにその動産譲渡担保の利用が従来に比べて飛躍的に拡大す
るということは難しいだろうと思います。ただ、これをきっかけに、今申し上げたよ
うな環境整備も進んで従来の融資慣行が変わっていくと、そのことによって企業の融
資も従来に比べればやすくなると、そういうことではないかと思っております。
○千葉景子君 確かにその将来の可能性は、何せスタートしなければ物事は始まらな
いということもあるわけですけれども、ただ、やっぱりそのためには、その環境整備
も必要ですし、あるいは利用される、されないうちに、むしろ弊害の方で結局制度が
もうとんでもないことに活用されてしまうというところをきちっと歯止めしてスター
トしませんと、利用はされないは、とんでもないことの結果だけが起こるということ
になります。
私はそこで、利用は、さっき言ったように動産ということになるとなかなかそう新
たな資金調達の際に活用されるかと。むしろ、これはもういろいろ指摘をされており
ますけれども、懸念されるのは、既存債務の担保とかあるいは追加担保と、こういう
形で活用される、非常にそれがしやすい、そういうところにつながっていくのではな
いかというふうなおそれを持っています。
先ほど言ったように、新たな資金調達のためにわざわざ動産担保というようなこと
というのは本当に実際には余り考えられないですよね。むしろ、ちょっと危ないとき
にこれまでの担保を更に積み増ししておこうと、じゃ、あと残っているのは動産だと
いうことで追加担保を取られるというようなことにもなりかねない。
そこで、ちょっとこれまでの、じゃ一体、担保行使がどういう実態にあるかという
ことで、平成十年に施行されたこれの基になる法律ですね、債権譲渡特例法による登
記制度と。これが現実には新規融資の担保として本当に利用されてきたのかと、むし
ろ倒産間際の資金回収とかに利用されてきたのじゃないかという、そういう指摘もご
ざいますので、ちょっとまずその実態をお知らせをいただいて、そういう実態のある
中で、本当にこれが資金調達という形ではなくて追加担保やあるいは身ぐるみはがさ
れる結果になっていく懸念、その辺りをどう払拭をしよう、するのか、あるいはその
ための手だてみたいなものをどう考えてこられたのか、御説明いただきたいと思いま
す。
○政府参考人(房村精一君) 債権譲渡登記制度の利用状況でございます。
これは平成十年から利用が開始されておりますが、その債権譲渡登記の件数を申し
上げますと、初年度は、途中だったこともありまして、平成十年が四百三十六件で、
その譲渡に係る債権の個数でございますが、譲渡された債権が約百八十六万個でござ
います。それが平成十一年には五千三百二十七件の三千六百四十四万個になりまして、
平成十二年が九千三十九件、六千四百四十万個でございます。一番新しい平成十五年
について見ますと、債権譲渡登記の件数が一万九千五十六件で、譲渡されました債権
の個数が七千六百九十三万個余りということになっております。したがいまして、利
用件数としては飛躍的に増大していると、こう思っております。
その利用の態様でございますが、これは統計数字はございませんけれども、今回の
この法案を検討する過程で金融機関あるいは商社、中小企業と、こういうようなとこ
ろからヒアリングをいたしました。その中で、この債権譲渡登記、どんな使われ方を
しているかということを調べたわけでございますが、やはり大きいのは譲渡担保とし
て使うということと、それから債権の流動化のため、いわゆる証券を発行する前提と
してこの債権譲渡登記をした上で、その譲渡された債権を引き当てとして証券を発行
すると、こういうような流動化が非常に大きく利用されているということを聞いてお
りまして、御指摘のような新規融資のため以外の言わば追加担保として利用されてい
るという指摘は中小企業団体等からも受けておりませんし、金融機関からもその新た
な担保のために使っているというようなことを聞いております。
また、今回の法案につきましてパブリックコメントに付しまして、そういういろい
ろ御意見を求めたわけですが、その中でも、このような従来の債権譲渡登記が追加担
保のために利用されているという御指摘は一件、日本弁護士連合会からの意見の中に
そういった指摘が含まれておりましたが、それ以外にはそういう指摘は受けておりま
せん。
○千葉景子君 指摘は受けていない。なかなかそういう実態というのは、それで本当
に困っているところの声というのがどれだけ出てくるのかというのがあります。ある
意味では、日本弁護士連合会からの意見というのは、現場でいろんな対応をされてい
るという団体でもありますので、そういう意味ではその辺りにも少し表れているのか
なというふうに思いますが、さらに今回は、やっぱりその包括的な動産担保というよ
うなことも併せて考えますと、大変まだまだ懸念は払拭されないところがあります。
そこで、ちょっと金融庁の方にお聞きをしておきたいんですけれども、やっぱりこ
ういう際に、今申し上げましたように、新規の資金調達というよりも、既存の債務の
担保とかという、追加担保というようなことに使われることのないよう、やっぱり今
回の法案が新しい資金調達、こういうために活用されるべきものなんだと、こういう
点をやっぱりきちっとその周知をするとか、あるいは金融庁としての法的な何か担保
措置をきちっと取られるとか、そういう形でこれが本当にこの法の目的に沿う使われ
方をするような、そういうやっぱり手だてをする必要があるかというふうに思うんで
すけれども、金融庁の方では、その辺りについては今回のこの法案改正に当たって何
か検討されたり、あるいは今後こういうふうな対策を取っていこうというお考えはご
ざいますか。
○政府参考人(鈴木勝康君) 追加担保云々につきましては、契約者、借り手と貸手
の契約関係によるかと思いますけれども、我々金融庁として何が大事かと考えますと、
追加担保を、今先生御指摘のような追加担保を徴求する場合に、債権者である金融機
関と、それと担保権設定者との間で契約内容に何か十分な理解がなされていない、同
意がなされていないということがやはり重要で、なされていないということが問題で、
それが契約の中でどういうふうに生かされていくかということが重要だと判断してお
りまして、その意味で、昨年七月に事務ガイドラインというのを改訂しまして、この
中で、追加担保設定にする場合には、契約時点における説明と基本的に同様に、顧客
に対しまして理解と納得を得るような説明をしてくださいということを指導しておる
わけでございまして、そういった意味で、金融機関に対しましてそういった顧客に対
する適切な説明、これをよりよくするように監督してまいりたいと考えております。
○千葉景子君 何か午前の同僚議員、前川同僚議員の質疑にまた何かつながってきそ
うな感じがいたしますけれども、この今指摘をさせていただいているような問題とい
うのは、本当に対等な関係の中で十分説明をし、そして納得したと、じゃ、よしよし、
これで追加担保にどうぞどうぞと、こういう関係じゃないんですよね、現実は。
結局、やっぱり金融機関に、いや、もう更に追加担保出さなければもう資金は引き
揚げるぞとかそういうことで、非常に立場上強い立場、そして、もう借りなければな
らないそういう立場、こういうことを背景にやっぱりきちっとした指導なりをしても
らわなきゃいけないわけで、じゃ金融機関に十分に説明をするようにと指導していま
すと、まあ指導しますと、こういう問題ではなくて、例えば明確にこれは新規の融資、
こういうときに限るんだと、よっぽどのことない限りは。そのための制度なんだとい
うことを何らか、何というでしょうね、ガイドラインとかそういうものでちゃんと作っ
て示すと、それに違反をしたらやっぱり何らかの勧告や措置を取るとか、それぐらい
のことをやっぱりしませんと、この法律のやっぱりその懸念というところが本当に払
拭をされない。結局、その法の目的を達することなく、弊害の方だけがどんどん増え
ていくということにもなりかねない。
もう一度そこをきちっと答弁してください。
○政府参考人(鈴木勝康君) 重ねてのお尋ねでございます。
この事務ガイドラインにおきまして、先ほど申し上げたこと、それと同時に、その
優越的な地位を濫用と誤解されかねない説明を防止すると、こういった点の体制、防
止する体制が整備されているかといった点にも注意するということになってございま
すので、そういった点も踏まえながら適切に金融機関に対しまして監督してまいりた
いと考えております。
○千葉景子君 それ以上のことが出ないようですと、私はなかなかこの法案に安心し
て、じゃ、これでやってみましょうとやっぱり申し上げるわけにはいかなくなってし
まうんですけれども、次へちょっと進めさせていただきたいと思います。その点につ
いてはまた今後きちっとした対応策を求めてまいりたいというふうに思っております。
次に、幾つかあるんですが、先に、じゃ、こちら聞かせていただきます。
今回の問題で大変懸念をされておりますのが今言ったように新規の資金調達、こう
いうことに寄与できるということであれば、むしろそれによって事業の継続あるいは
倒産の防止というようなことになっていくと思うんですね。だから、それこそ鶏と卵
のようでして、だからそこがきちっとしていれば倒産の防止にもなっていくだろう。
しかし、逆に、新たな与信というものが生まれず、むしろ追加担保とかすべての動産
を押さえるような、そういうことに使われる懸念、これが払拭されませんと、ひいて
は倒産時の問題、これがまた浮かび上がってくるだろうと思います。
その一つが労働債権にかかわる問題です。これまでも倒産法制と労働債権という問
題は長年の言わば懸案事項でした。できるだけ働く者が安心して働き続けることがで
きるように、いざというときも、そういうことでこの倒産時の労働債権の保護という
のが大きな課題にはなっておりました。まだ解決といいますかには至っておりません。
その中で、またこういう制度が出てくると、しかも今度は動産を包括的に担保に入
れることができるということになるわけですので、言わば例えば製造業などで企業が
持っている動産、何か最後にそっくり持っていかれちゃって、結局、財団債権に残る
ものもあるいは返済に充てられる財産もなくなってしまうと。で、最後に一番悲惨な
思いをするのはそこで働いていた者だと、こういうことにもなりかねないわけです。
この点については、一体法務省の方ではどういうふうに、これまでの論議の経過、
そして今回のこの法案での懸念、そういうものを払拭されようとしているのか、ある
いはこういう問題点についてどれだけ認識をなさってこられたのか、御答弁、お願い
いたします。
○政府参考人(房村精一君) 先生御指摘の労働債権の保護ということは非常に重要
なことだというのは私ども考えておりまして、従来の倒産法制の改正の中でも労働債
権の保護をできるだけ図っていくという方向でいろいろな取組をしてきたところでご
ざいます。
今回の動産譲渡登記が広く利用された場合に、倒産したときに労働債権の対象とな
る財産が企業に残らなくなるのではないかと、こういう御質問かと思います。確かに、
抽象的に考えますと、広く利用された場合に労働債権の対象となる財産が減少する関
係にあるのはそのとおりでございますので、そういった懸念は、実は法制審議会の審
議の過程でもそういう指摘がございました。
その点についていろいろ議論をしたわけですが、その中で、一つは、確かにそうい
う倒産したときのことを考えるとそういう問題はあり得るけれども、現実に今、特に
中小企業等で融資が適切な時期に受けられないばかりに倒産をしてしまっている、適
切な時期に融資が受けられれば企業としてなお存続できるのに、それが倒産の憂き目
に遭っている、そういうところが相当数あるのではないかと、こういう新しい手法を
整備することによってそういうところが存続をし活動を続ければ労働者にとっても雇
用の機会が確保されるわけだ、また、ベンチャー等についてなかなか融資が得にくい
ということがありますが、それがこういった手法を活用することで立ち上がっていけ
ば雇用の機会も拡大していく、そういう意味で労働者にとっても決してマイナスばか
りではないだろうと、こういう議論がなされたわけでございます。
私どもとしては、従来、動産の譲渡担保がなかなか活用されにくくて、そういう担
保としての利用が多いというのは、一つには譲渡担保の権利の公示手段が不十分なた
めに、やはり融資する側が自分の法的地位に不安の念を覚えて主たる担保としてはな
かなか活用しにくいんだと、そういう指摘がなされているわけでございます。
そういうことから、登記制度を整備すれば、そういった、従来はそういう担保にし
か使えなかったものが、これを担保として新たな融資を受ける手段として使えるよう
になると、こういうことが見込まれますので、是非そういう方法で活用していただけ
るものと思って考えているわけでございます。
ただ、御指摘のような、例えば企業が危なくなったときに包括的に洗いざらいこの
譲渡担保で持って行かれてしまうのではないかという御懸念でございますが、仮にそ
のような譲渡担保の設定をした場合には、これは当然、否認の対象になります。特に、
従来の既存債務の担保として新たに適用したような場合には否認が幅広く認められま
すので、そういった場合には当然、否認権で対応できる、また破産の申立てに至らな
い場合でも詐害行為の取消し権もございますし、そういった対応は十分可能だと思い
ます。
また、否認権につきましても、従来は破産宣告後でしか認められなかったものが、
今回からは破産の申立てがあればその段階で否認のための保全処分もできるというこ
とで、そういった財産確保の手法も従来に増して整備されてきております。
また、訴訟以外の否認の請求という制度も作りました。そういったような種々の制
度を活用すれば、御指摘のような詐害的な譲渡担保の活用というのはそれなりの法的
な対抗手段があるのではないか、こう思っております。
繰り返しになりますけれども、確かにそういう問題あるわけでございますが、日本
の現在の金融状況を見ますと、やはり中小企業のために新たな金融を得る手段を確保
するということは重要ではないか、そのために今回の制度というのは十分有効に利用
できるのではないか、こう思って改正をお願いしているところでございます。
○千葉景子君 ちょっと、まだいろいろお聞きをしなければいけないことがありまし
て、今の御答弁でもそう簡単にいくかなという部分ありますので、それはまだ議論も
継続をしていただけるという場があると思いますので譲るとして、あと一点ですね、
債権譲渡登記制度に関して、債権、将来債権についてですか、具体例は先ほどの質疑
の中でも多少触れていただきました。
この特定の仕方ですね。これがやっぱりきちっとしてませんと、とんだ混乱を起こ
すというふうに思います。これは多分、法務省令という形でどういう特定の仕方をす
るのだということが定められていくだろうというふうに思います、法の規定がそうなっ
ていますので。その辺りはどんな予定といいますか、どんな形で法務省令に盛り込ま
れることになるのでしょうか、現段階でというか、当然それが分かりませんとこの法
案の賛否というか、それもちょっとなかなか決めかねますので、お聞かせをいただい
て今日の段階は終わりにしたいと思いますので、お願いいたします。
○政府参考人(房村精一君) 例えば、先ほど申し上げた賃料債権の将来分について
の特定の仕方でございますが、当然、譲渡人と譲受人とが特定事項として入ります。
それから、対象物として、例えばどこどこ所在のマンションの各部屋の賃貸借契約に
基づく賃料債権としてその賃料債権の始期がいつ、で、終期がいつと、だからいつか
らいつまでのこういった賃料債権と、このような特定の仕方を考えております。
○千葉景子君 じゃ、時間ですので。
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