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2004年10月14日全文
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2004年10月14日全文
<161-参-本会議-2号 2004年10月14日(未定稿)>
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
去る十二日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。千葉景子君。
〔千葉景子君登壇、拍手〕
○千葉景子君
私は、民主党・新緑風会を代表し、小泉総理所信表明演説に対して、総理及び関係
大臣に質問をいたします。
1.内閣改造について
去る九月二十七日、小泉総理は自民党三役人事とともに第二次内閣の改造を行い、
同日、新しい内閣が発足しました。
私たち民主党は、特に参議院の我が会派は、新しく当選したフレッシュで力強い仲
間を加え、参議院選挙後に開かれる初めての本格的な国会に向け、多くの有権者の政
権交代を期待する声を背に、論争のしがいがある大臣が任命され、真正面から論戦を
闘わせることができるものと手ぐすね引いて待ち構えておりました。
しかし、今般の閣僚、党三役の顔ぶれを見る限り、民間人の登用はゼロ、女性閣僚
もたった二人、大変失礼ではありますが、新鮮味のない顔ぶれでした。これまで、パ
フォーマンスとはいえ、サプライズ人事で話題を提供し、国民の耳目を集めていた勢
いは完全に影を潜めています。
その中で、特に驚いたのは武部幹事長という人事です。武部氏については、郵政民
営化に積極的で、首相に忠実との評がありますが、BSE問題の真相究明にふたをし
たこと、感染源の究明はそんなに大きな問題かとの暴言を吐いたり、農水大臣として
数々の失政を犯した人物として有名であり、本院では問責により厳しく追及されたこ
とは記憶に新しいところです。悪夢のサプライズと評する声もあります。
その上、山崎元自民党幹事長と川口前外相を首相補佐官に任命したことも、何を目
的とした人事なのか、訳が分かりません。総理の単なる話し相手、食事相手だとやゆ
する声も聞こえます。それとも、首相直属の外交担当として任命したのでしょうか。
だとすると、外相との二元外交になりかねません。総理の真意はどこにあるのか、お
答えください。盟友山崎氏の政界復帰を手助けしようというのでしょうか。
ところで、小泉総理は新内閣を郵政民営化実現内閣と称し意気込んでおられるよう
ですが、有権者の郵政改革に寄せる期待は高くありません。先月二十九日の朝日新聞
の世論調査では、新内閣で一番力を入れてほしい課題は、年金、福祉問題が五二%で
一番多く、景気、雇用を入れると八割の人が年金と景気問題の解決を望んでおり、郵
政改革を期待する声はわずか二%にとどまっております。
結局、今回の人事は、郵政改革の名の下にいわゆる中二階と言われる人を排除し、
橋本派を徹底的に封じ込める党内抗争にすぎず、国民には全く背を向けたものと言わ
ざるを得ません。このような内閣で国内外の山積する諸問題に対応することができる
のか、国民の不安を一層高め、諸外国の信頼を失うだけではないかと考えますが、総
理の認識をお伺いいたします。
2.災害について
今年は台風の影響により、各地で記録的な大雨が降り、甚大な被害がもたらされて
います。亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた多
くの皆様にお見舞いを申し上げます。また、復旧に当たっておられる方々、全国から
支援に駆け付けておられるボランティアなど、関係者の皆様に心から敬意を表します。
民主党は、各被災地に調査団を派遣し、被害状況の把握及び現地の方々からの意見
聴取に努めてまいりました。それに基づいてお伺いいたします。
第一に、今年は台風が連続して来襲したため被害も複合的に生じており、激甚災害
指定に当たってはそのような状況も考慮に入れるべきこと。第二に、住宅は生活の基
盤でもあり、被災者生活再建支援法による支援対象に住宅本体部分への再建支援を含
める改正を行うべきことです。このたびの一連の台風被害等の状況を見ると、私有財
産である住宅に公的支援はできないなどとしゃくし定規に言っている場合ではありま
せん。小泉総理から被災者の方々も納得できるような御答弁をお願いいたします。
3.外交・安全保障について
さて、イラク問題につきましては同僚議員から後日詳しい質問がありますので、私
からは、総理が突然力を入れ始めた国連安保理入りについて質問させていただきます。
たしか、小泉総理は、日本の国連安保理常任理事国入りには独り消極姿勢を貫いて
おられたのではないでしょうか。変心したのでしょうか。小泉総理の進める国連安保
理入りは米国の票を一票増やすだけとの陰口もありますが、将来を展望したきちっと
した戦略があるのでしょうか。私には、日朝国交正常化を急いだものの拉致問題の解
決が成らず、とんざしてしまって、矛先を変えただけと思われて仕方がありません。
民主党も国連常任理事国入りに関しては、周辺国や世論の支持を前提に積極的に取
り組む決意を表明させていただいております。しかし、小泉総理からは環境作りへの
努力の姿勢は全く感じられません。例えば、過去の戦争で日本が国際法に違反する重
大な人権侵害を加えたアジア諸国民と真の和解を達成し、アジア諸国に歓迎される環
境を作る必要がありますが、どうでしょう。総理が靖国神社参拝に固執されている限
り、中国からの賛同はなかなか得られそうにありません。
国連の活動を国民が十分に知り得る状況を作るためには、ドイツでは既に実現され
ておりますが、国連のホームページに日本語版を載せるということはできないでしょ
うか。また、人権保障なくして平和はあり得ません。国連人権高等弁務官からの任意
拠出金の要請に積極的にこたえ、日本の姿勢を示すべきではないでしょうか。
これらの点について、具体的にお考えを示していただきたいと思います。総理、外
務大臣の御答弁を求めます。
また、常任理事国入りについて最も重要なことは、常任理事国として何をするかな
のです。核保有国や他の理事国とは異なった観点から、国際の平和と安全の維持に積
極的に関与していくということが求められます。しかし、小泉総理の言動からは、安
保理常任理事国に入って何をしたいかではなく、常任理事国入りが自己目的化してい
るとしか見受けられません。
改めて、小泉総理から、日本が常任理事国入りを目指す目的を明確にお示しいただ
きたい。
4.米軍再編等日米関係について
次に、米軍の再編問題について伺います。
米側の提案や日本側からの逆提案など、様々な案がまことしやかに報道をにぎわす
ばかりで、国会や国民に情報が知らされないままに事が進んでいるのは問題です。ま
た、国内の米軍基地の整理統合案や司令部機能の移転などの案も取りざたされていま
すが、具体的内容が明確に知らされず、小泉総理に至っては、米軍基地の移転先の対
象がある日は国内だったり、ある日は海外だったり、その日によって言うことが違う
有様です。基地を抱える自治体は困惑しています。米軍の再編問題は国内へ直接影響
する問題でもあるからです。
小泉総理、報道によれば、米側から非公式ではありますが、再編についての提案が
あったようにも聞いております。今後どのように対応していくのか、明確にお答えを
いただきたいと思います。
さきの沖縄の米軍ヘリ墜落事件は、かねてより沖縄に偏在する米軍基地の危険性が
改めて浮き彫りになりましたが、その後にも戦闘機の接触事故が生ずるなど、沖縄県
民の怒りと不信感を増幅しています。
神奈川県においても、この夏、米軍ヘリコプターの二百発入り弾薬箱が住宅街に落
下したり、米軍ヘリの緊急着陸があるなど、事故やトラブルが相次いでおります。米
軍基地のある地域では、沖縄県同様、住民が危険と隣り合わせの不安な生活を強いら
れているのです。
この間、事故捜査の在り方をめぐって町村外務大臣や小池沖縄北方担当大臣は、運
用の改善でお茶を濁そうとされていますが、そもそも運用によって日米で合同捜査が
できるにもかかわらず、米軍の裁量で拒否されているような実態なのです。運用では
限界があり、地位協定本体の見直し以外、根本的な解決策はないと考えますが、小泉
総理から、地位協定の見直しについて今後の方針をお答えいただきたい。
5.日歯連問題について
次に、日本歯科医師連盟が自民党の最大派閥である平成研究会に対して一億円のや
み政治献金を行った事件について伺います。
東京地検特捜部は、平成研の滝川会計責任者を政治資金規正法違反の罪で起訴した
ことに続き、先月二十六日、同研究会の会長代理として指示者の立場にあった村岡兼
造元官房長官を在宅のまま起訴いたしました。
しかし、実際に赤坂の料亭で一億円の小切手を受領したとされる橋本元首相、同席
されていた青木幹雄自民党参議院議員会長、野中広務自民党元幹事長ら旧橋本派幹部
が起訴見送りとなったことは到底納得がいきません。
実際に一億円の小切手を受け取ったとされる橋本元首相は、日本歯科医師会前会長
の臼田被告と料亭で会った事実は認めながら、一億円の政治献金の受領は記憶にない
と言い張っておられます。また、その場に同席された青木さん、そして野中氏も記憶
にないと言い張っておられます。一億円という巨額の献金について、事実関係は何一
つ明らかになっておらず、真相がやみの中に葬られてしまうようなことがあれば、政
治に対する信頼の回復など到底不可能です。
さらに、日歯連からの献金をめぐりましては、旧橋本派のほかに自民党の一派閥、
現職衆議院議員九名が政治資金収支報告書を訂正しており、更に重大な疑惑が浮上し
ています。
それは、日歯連側からの現職の自民党の国会議員に三千万円の現金提供の申出がさ
れたのに対し、自民党事務局が、政治資金団体である国民政治協会を迂回して、各議
員に申出どおりの金額を通常献金として提供したのではないかという疑惑であります。
このような手法を使えば、たとえ賄賂であっても党本部を経由することで浄財を装
うことができるわけであり、政治資金の流れを国民にありのままに示すという政治資
金規正法の趣旨をねじ曲げていることは明白であります。このような政治資金規正法
の脱法行為は公然の秘密だと言われており、自民党元宿事務局長の名前を取って元宿
システムと呼ばれていたとも言われています。
元々、政治資金規正法をめぐっては、平成四年九月に金丸信元自民党副総裁が佐川
急便元社長から五億円を受け取り起訴された事件以来、多くの自民党議員が同法違反
で起訴されており、今回の事件で、またもや同党における政治と業界の癒着の根深さ
をうかがい知ることになりました。
ところが、自民党はこのような迂回献金システム自体があったことを否定している
ばかりか、このようなシステムを禁止する政治資金規正法の改正ではなく、党の支部
や国会議員の資金団体の収支報告書への残高証明の義務付けや、政治資金を銀行振り
込みで受け取ることを党の内規で新たに規定するという程度でお茶を濁そうとしてお
ります。
今こそ、迂回献金の手法等、真相を明らかにし、国民の政治に対する不信を正すた
めには、関与したとされる人たちは、国会の場を介し、証人等の形で国民に説明責任
を果たすべきです。自民党総裁としての総理のリーダーシップに懸かっていると考え
ますが、いかがですか、お答えください。
また、迂回献金システムの禁止、罰則の強化を含む政治資金規正法の改正強化が不
可欠と考えますが、総理の見解を伺います。
6.経済問題について
小泉総理は、景気は堅調に回復していると述べられ、あたかも小泉構造改革なるも
のの成果であるかのように自画自賛しておられます。しかし、実情は、最初の二年間
で景気をどん底に落とし、そこからはい上がる過程を景気回復と称しているだけであ
り、正にマッチポンプのような論法と言わざるを得ません。
その小泉経済失政の最たるものは、企業も個人も、そして地域も勝ち組と負け組に
二極分化し、今や二つの日本ともいうべき経済構造になってしまったことでしょう。
大企業が好調な業績を上げる一方で、中小企業はぎりぎりのリストラを強いられ、青
息吐息の状態が続いています。サラリーマンの収入もどんどん減少し、さらには、正
規雇用から非正規雇用に変えられたり、失業を余儀なくされたりしています。これら
の結果、地域経済は景気回復と言うほどにはほど遠い苦境が続いています。
しかも、問題なのは、公平公正な市場における自由競争という我が国経済の根幹が
侵されていることです。公平公正な競争の場が保障されているなら、それで敗れて退
場するのもやむを得ないことかもしれません。しかし、負けたはずの大銀行、大企業
が税金を使って救済され、本来ならその努力を評価されるべきはずの中小企業が切り
捨てられる。これが公平公正な競争を標榜する小泉構造改革なるものの正体なのです。
総理はこのような結果を招いた責任をどうお考えなのでしょうか、お答えください。
また、民主党は、我が国は、中間層の厚みがある社会、公平公正な市場における自
由競争が保障される社会であるべきだと考えておりますが、総理は別の考え方をお持
ちなのでしょうか、答弁を求めます。
次に、地域経済の問題です。
さきに指摘したように、経済構造の二極化により、地域経済の疲弊はますます深刻
化しているのが実情であります。
地域経済の回復には、国と地方の役割分担を改めて見直すとともに、それぞれの地
域の実情と特徴を生かした施策を推進していくことが求められますが、地域活性化の
切り札と言われた構造改革特区も、中央省庁の既得権益保持、全国一律施策への執着
があってほとんど進んでおりません。沖縄名護の金融・経済特区のように、特区は認
められたものの、その後のアフターケアが伴わず、とんざしている例も出始めていま
す。
構造改革特区の実効性を今後どう高めていくのか、政府の方針を伺います。
7.三位一体改革について
次に、地方分権について伺います。
地方分権の推進は、本来、国と地方の関係を見直し、無駄な公共事業や補助金漬け
行政を生み出してきた中央集権的な官僚政治、利益誘導政治を打破するということで、
我が国の構造改革において最も重要な位置を占める政策であるはずです。
しかし、小泉総理の地方にできることは地方にの掛け声もむなしく、平成十六年度
の三位一体改革は国の財政再建が優先され、地方分権の名の下に地方へ痛みを押し付
ける改革に終わってしまいました。国と地方のあるべき姿が示されることもなく、税
源移譲が先送りされたままに、約一兆円の国庫補助負担金の削減と一・二兆円の地方
交付税の総額抑制が行われ、それに対して地方へ暫定的に移譲されたのは、所得譲与
税四千二百四十九億円と税源移譲予定交付金の二千三百九億円、合わせて六千五百五
十八億円にすぎませんでした。さらに、これらの決定が年末にまでもつれ込んだこと
により、地方財政は混乱に陥りました。
まず初めに、総理、平成十六年度の三位一体改革が地方自治体に与えた影響につい
ての総括を伺います。御答弁ください。
三位一体改革に関するこのような欠陥と不手際に対する全国各地からの批判を受け、
政府は、経済財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太方針二〇〇四にお
いて、平成十八年度までの三位一体改革の全体像を今年の秋までに明らかにすること
を明記するとともに、おおむね三兆円規模の税源移譲を目指すことが盛り込まれまし
た。地方からの批判にこたえるべく盛り込まれたと聞きますが、これで果たして税源
移譲が実現されるのか、甚だ疑問であります。なぜ明確に三兆円の税源移譲を行うと
ストレートに言えないのでしょう。総理の見解を伺います。
そもそも平成十八年までの改革では、真の地方分権にはほど遠く、国から地方へが
聞いてあきれます。まさか、この三年間の三位一体改革をもって地方分権は終わりと
いうことではないでしょう。平成十九年度以降の分権改革をどうするのか、お答えく
ださい。
民主党は、不必要に使途を制限し、地方自治体を縛っている補助金約二十・四兆円
のうち約十八兆円を廃止し、大幅に税財源を移譲する地方分権改革案を提案してまい
りました。補助金を削減すると同時に所得税から個人住民税へ五・五兆円を移譲する
ことで、現在三対二である国と地方の税源配分を一対一とします。さらに、約十二兆
円をまちづくり、教育、社会保障、農業・環境、地域経済という五つの行政分野に大
ぐくりした上で、地方自治体へ一括交付金として交付することを提案しています。そ
の結果、約十八兆円を地方がそれぞれの判断で自由に使えるようになります。このぐ
らい大胆な税財源の移譲なくしては地方分権は進みません。総理、この考え方に賛同
されますか、お答えください。
8.郵政改革について
さて、小泉総理は郵政民営化を改革の本丸と位置付け、去る九月十日に郵政民営化
の基本方針を閣議決定しましたが、基本方針といいながら何のための民営化か、どん
な民営化になるのかという基本的なことが全く明確ではなく、民営化という総理の絶
叫だけが独り歩きしている感が否めません。一体、総理の叫ぶ民営化というのはどん
なものでしょう。単に株式会社化するということを意味するのでしょうか。それとも、
職員の身分を非公務員化するということが民営化の意味なのでしょうか。あるいは、
民有民営とはどういう意味なのでしょうか。民営化の意味について、総理に明確な説
明を求めます。
そもそも、郵政事業の改革を考えるときには次の三点が重要ポイントです。第一は、
郵政のユニバーサルサービスなど、国民生活のインフラ部分がより良いものになるこ
と。第二は、民間の公正な競争を促進する改革であること。第三は、特殊法人に無駄
な金が流れる財投システムの改革になることです。この三点はどのように満足される
のでしょうか。
とりわけ国民にとっては、改革の結果、生活にとってマイナスになるのでは納得が
できません。例えば、現在、都市部はともかく、地方では農協も含めて金融拠点が減
少しているという現象、事実が存在いたします。郵便貯金や郵便保険についてはユニ
バーサルサービスの提供義務も明記されておらず、過疎地域では決済口座すら持てな
い状況が生じるのではないかとの危惧が強まっております。総理、どうこたえるつも
りなのか、御答弁願います。
また、特殊法人の無駄と非効率に切り込むためには財投債を原則廃止するくらいの
ドラスチックな財投システムの改革が不可欠です。改革というなら、この部分こそが
本丸であるはずです。総理の見解を伺います。
9.人権、男女共同参画について
次に、人権問題についてお尋ねします。
社会に残る様々な差別を解消することは政治に課せられた重要な使命です。さきの
通常国会で障害者基本法の改正が成立し、障害を理由に差別してはならない旨がよう
やく基本理念に盛り込まれました。この理念を実効性あるものにし、すべての障害者
に完全参加と平等を保障し、具体的な差別を禁止するには、民主党がマニフェストで
うたった障害者差別禁止法の制定は欠かせないと考えます。ほかにも、年齢を理由と
した就職差別を禁止する年齢差別禁止法や法務省から独立した人権委員会の設置など
を盛り込んだ人権侵害の救済に関する法律など、民主党は今後も差別解消のための法
律制定や人権教育、啓発促進にも取り組んでまいります。
差別の解消、人権問題に関する政府の具体的な取組方針をお聞かせいただきたい。
総理の答弁を求めます。
関連して、外国人の人権について伺います。
現在の日本には、朝鮮や台湾などの旧植民地出身者とその子孫、移住労働者とその
家族などの外国人が多数居住し生活しております。総理は外国人といえば旅行者と観
光にしか思いが至らないようですが、外国人登録者数だけ見ても二〇〇三年末には百
九十一万五千三十人に達し、十年前と比べて四五%の増加、日本の総人口に占める割
合も一・五%、出身地の数は百八十六か国に上っています。このように我が国社会の
多民族、多文化への傾向は急速に進展しています。
ところが、戦後日本の外国人に関する対応は、出入国管理法や外国人登録法などに
より外国人を管理することを主眼としており、現在に至るまで人権や教育、社会保障
などに関しての施策はほとんど講じられてきませんでした。そのため、外国人に対す
る差別が公然と行われたり、子供たちが教育の機会を得られなかったり、社会保障が
受けられず不安定な生活を余儀なくされるなど問題が生じております。
そのような中、現在、東アジア諸国との経済連携協定、EPA交渉の中で、相手国
から看護師、介護労働者等の受入れが要求されており、さらに、少子化の急速な進展
の中で、人材確保のため外国人の受入れ拡大も選択肢の一つと考えられるようになっ
てきています。
今後一層強まる外国人を含む多民族、多文化共生の社会を考えるとき、外国人の人
権を保障し、我が国で人間らしく生きられるようにするための施策が必要です。まず、
そのための基本理念を示す法律、言わば外国人人権基本法の制定などが必要だと考え
ますが、総理の見解を伺います。
次に、日本国内でも増加している女性や子供を取引する人身売買、トラフィッキン
グについてお尋ねします。
人身取引は決して許されることのない人権侵害であることは言うまでもなく、早急
な対策が必要です。複雑化、深刻化している国際的な組織犯罪を厳しく処罰すること
はもちろんのことですが、その被害者である女性や子供を保護、支援する仕組みが十
分でないことも問題です。
民主党では、人身取引という犯罪に対する罰則の強化や被害者の保護、救済、支援
を柱とする包括的な法律の整備が必要だと考えております。
そこでお尋ねしますが、日本における人身取引の実態について総理はどのように認
識されているのか、答弁を求めます。また、被害者保護、支援を含めた今後の政府の
対応方針について、総理並びに法務大臣、厚生労働大臣の見解を求めます。
次に、いわゆる選択的夫婦別姓にかかわる民法改正案について伺います。
この間、民主党はこの民法改正案を三野党共同で提出し続けておりますが、十分な
法案審議もされずに現在に至っております。是非とも国会での実質的な審議がなされ、
早期に改正へ向け、大きく踏み出すことを期待しますが、総理及び法務大臣のお考え
を伺います。
10.司法制度改革について
司法制度改革について伺います。
政府は、司法制度改革の理念として、国民がより容易に利用できるとともに、公正
かつ適正な手続の下、より迅速、適切かつ実効的にその使命を果たすことができる司
法制度を構築することを掲げています。
しかし、政府提出の民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆ
る合意による弁護士報酬敗訴者負担法案は、国民の裁判利用を促進させるとの改革の
理念に沿うものとは言えず、かえって法改正により消費者契約や労働契約、フランチャ
イズ契約などに敗訴者負担条項が盛り込まれることが助長され、市民の裁判利用をちゅ
うちょさせてしまうことが懸念されております。弁護士会や労働組合、消費者団体か
らも、このままでは廃案にすべきだと強く批判されています。
司法制度改革は、数ある改革と言われるものの中で最も成果が見られた改革だと評
価されています。しかし、これまで司法改革推進本部本部長でありながら、総理から
は司法制度改革についてほとんど発言は聞いたことがございません。この際、改革の
本家でもある総理、本領を発揮し、司法制度改革の本来の趣旨にのっとり、法案の撤
回あるいは内容の見直しの決断をするときだと思いますが、総理の答弁を求めます。
さて、政府内で改革推進機能を果たしてきた司法制度改革推進本部が、二〇〇一年
十二月の設置から三年間の任期を終え、仕上げの時期を迎えています。しかし、制度
は作ったとはいえ、改革を着実に定着、展開させるのはこれからです。したがって、
その推進力となる後継機関がどこにどのような形で作られるかが極めて重要です。こ
の点に関する総理のお考えをお聞きしたい。
最後に、総理の所信は、お得意の故事からのフレーズの引用と高校野球とオリンピッ
クを引き合いにした精神論ばかりが目立ち、残念ながら我が国が置かれている状況へ
の危機感を感じさせる御自身の言葉や説得力ある内容はみじんもありませんでした。
年間三万人以上の人々が自ら命を絶っているという我が国の現実をどのように認識さ
れているのでしょうか。
ピラミッドの頂上に立って、そこに立つと夢がかなうと言われるや得意顔で郵政民
営化と叫ぶ姿を見たとき、小泉政治の下で夢も希望も奪われ痛みに耐えている国民に
とって、その無責任ぶりはあきれるばかりのものでしょう。
今や政権交代が必要であることはだれの目にも明らかです。民主党は、国民の期待
にこたえ、できる限り早期に政権交代を実現するため全力を尽くす決意を申し上げ、
私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 千葉議員にお答えいたします。
首相補佐官と外務大臣との関係でございますが、内閣改造後の記者会見において述
べたとおり、山崎補佐官については政治全般の相談相手として、また川口補佐官につ
いては外務大臣経験者として国会議員を離れた立場で種々の外交問題につき支えてい
ただき、町村外務大臣につきましては、閣僚や外交分野での豊富な経験を生かし、外
務大臣として今後の日本外交に取り組んでいただく役割を期待しているところでござ
います。
いずれにせよ、政府部内で緊密に連携しつつ、内閣一丸となって外交に取り組む考
えであり、二元外交になりかねないとの御指摘は当たらないと考えております。
内外の諸問題への対応についてでございますが、私は、構造内閣なくして日本の再
生と発展はないとの信念の下に、民間にできることは民間に、地方にできることは地
方にとの構造改革を断行していく考えであります。
郵政民営化は、構造改革を進めるに当たり、行財政改革、経済の活性化の観点から、
改革の本丸ともいうべき極めて重要な方策であります。
これに加え、暮らしの安心を確保するため、将来にわたり持続可能な社会保障制度
の構築に向け、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しの議論を進
めてまいります。
また、若年者の雇用・就業対策などを推進し、だれもが安心して働くことができる
ような労働環境の整備を進めてまいります。
さらに、民間の活力と地方のやる気を引き出す金融、税制、規制、歳出の改革、環
境保護と経済発展を両立させる、世界一安全な国日本の回復、災害に強い国づくり、
日米同盟と国際協調を基本とした国益と国民の安全を守る主体的な外交政策の推進な
どの我が国が直面する重要な課題に内閣を挙げて全力で取り組んでまいります。
激甚災指定と被災者生活再建支援法についてでございますが、激甚災害の指定につ
いては、連続する気象や被害発生の状況を踏まえつつ、災害発生の実態に即して、災
害復旧事業費の査定見込額を使用して判断することにより、地方公共団体が安心して
災害復旧事業に取り組めるよう今後とも努めてまいります。
被災者生活再建支援法については、さきの通常国会の改正によって、住宅の再建等
を支援する居住安定支援制度を創設し、解体撤去費やローン利子など、被災者が住宅
を再建、補修する際に現実に負担する経費の一部を支援することといたしました。
今年の台風等による被害に関しては、被災者生活再建支援法の積極活用を図ってお
り、この制度を活用した被災者の生活再建支援に最大限努力しております。なお、個
人の住宅本体に対する公費の支援については、様々な議論があり、今後更に議論を深
めていく必要があると考えております。
安保理改革でございますが、私が国連での演説で述べたとおり、近年の国連、安保
理の活動は多岐にわたり、国際の平和と安全を実現するために包括的な取組が必要と
なってきております。その中で、憲法の下で行ってきた我が国の貢献は高く評価され
ており、これは我が国が安保理常任理事国たるにふさわしい確固たる基盤となってい
ると考えております。
安保理常任理事国入りとアジア諸国との関係でございますが、安保理常任理事国入
りへ向けた取組は近隣諸国の理解を得ながら進めていくことが重要であると考えてお
ります。中国を始めとしたアジア諸国とはこれまでも緊密に連携してきておりますが、
より一層の理解、支持を得るべく、今後ともこのような取組を続けていく考えであり
ます。
国連ホームページへの日本語版掲載でございますが、国連の日本語による広報の重
要性は認識しており、東京に設置されている国連広報センターが行っているウェブサ
イト等の日本語による広報活動を支援しております。
国連人権高等弁務官事務所に対する任意拠出金でございますが、国際的な人権の促
進及び擁護における国連人権高等弁務官及び同事務所の役割は重要であると認識して
おり、政府としては、このような認識に基づき、国連人権高等弁務官事務所に対して
任意拠出を行っているところであります。
安保理常任理事国入りの目的でございますが、我が国はこれまでも平和の定着や国
づくり、人間の安全保障、軍縮や不拡散等の様々な分野において国際社会への貢献を
行ってきております。我が国が安保理常任理事国入りした場合、これまでに培われた
能力と経験を生かして、安保理の意思決定に参画するとともに、引き続きこれらの分
野で主導的に貢献していくことは重要であると考えます。
米軍の再編問題につきましては、在日米軍の兵力構成の見直しに関する日米間の協
議において具体的な見直しのアイデアについて議論されてきておりますが、これらの
アイデアはいまだ正式な提案やそれに対する対案という位置付けではなく、かつ米側
との関係もあるので、議論の内容を申し上げることはできません。
いずれにしても、政府としては、在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過
重な負担の軽減を図る観点から、米側との協議を進めてまいります。
米軍ヘリの墜落事故と日米地位協定の見直しでございますが、日米地位協定につい
ては、政府としては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していく
ことが合理的であるとの考えの下、運用の改善に努力しているところであります。今
回の事故については、その現場での対応を検証し、問題があった点について改善を図っ
ていくべく、日米間で話し合っているところであります。
日歯連の事件についてでございますが、私は、政治資金をめぐる不祥事が後を絶た
ないことを厳しく受け止めております。政治家が政治資金を受け取る際には、政治資
金規正法にのっとって適正に処理されなければならないのは言うまでもないことであ
り、まず政治家一人一人が法律を守らなければならないことは当然であります。
日歯連の事件につきましては、既に裁判手続にかけられているところですが、およ
そ政治家たる者は、他人から言われるまでもなく、自らの問題について説明すること
が重要であると考えます。また、国会における証言の取扱いについては、国会におい
て決めるべき問題であり、各党各会派において十分議論していただきたいと考えます。
政治資金規正法の改正でございますが、基本的には、政治資金を広く薄く公正に得
るとともに、その透明性を確保するための明確なルールを作り上げる必要があると考
えております。
具体的な改正案については、現在、自民党内において議論が行われているほか、与
党の公明党、更には民主党の改正案など、様々な考え方があるところであり、なるべ
く早期に、国民の幅広い理解が得られる内容がまとまるよう、各党各会派間で更に議
論を深めていくものであると考えます。そのような議論を踏まえつつ、政府としても
必要な検討を進めてまいります。
構造改革がもたらした結果でございますが、私は、構造内閣なくして日本の再生と
発展はないとの信念の下に、デフレの克服と経済の活性化を目指し、個人や企業の挑
戦する意欲と地方の自主性を引き出すための改革に全力を挙げてまいりました。
構造改革の進展に伴い、バブル崩壊後、日本経済停滞の要因となってきたおもしが
除去されつつあり、不良債権残高の減少、失業率の低下、民需主導の景気回復といっ
た構造改革の芽が育っております。これまでの改革の成果を我が国の隅々まで浸透さ
せ、構造改革の芽を大きな木に育てることが引き続き大事でありまして、引き続き全
力を傾けてまいります。
我が国の社会のあるべき姿でございますが、私は、決して弱者を切り捨てるもので
はなく、自律と自助の精神の下に国民一人一人や企業、地域が主役となり、努力が報
われ、安心して再挑戦できる、自信と誇りに満ちた明るい社会の実現を目指したもの
であります。だからこそ構造改革が必要だと言っているのであります。
成長なくして改革なしか、改革なくして成長なし、この議論はやはり改革なくして
成長なしであったと決着が付いたものと思っております。
このため、これまで雇用・中小企業のセーフティーネットの確保に万全を期すとと
もに、一円の資本金でも会社を起こせるようにするなどの新規企業の促進策、構造改
革特区や都市再生などの地方の意欲や挑戦を尊重した地域経済の活性化策、持続的な
制度の構築に向けた社会保障制度改革などに取り組んでまいりました。
改革の痛みに直面しながらも、多くの国民は努力をしており、力強い日本の再生と
発展に向けた構造改革の歩みは確実に進んでいるものと考えております。引き続き改
革を進め、国民一人一人や企業、地域が持っている大きな潜在力が自由に発揮される、
活力ある経済社会の構築に向けて全力で取り組んでまいります。
構造改革特区の推進についてでございますが、官から民へ、国から地方へという構
造改革を更に加速するための一つの突破口であり、これまで地域からの提案を受けた
規制改革を実現するとともに、全国各地で特色ある三百八十六の特区が認定されてお
り、着実な成果を上げているものと考えております。
今後とも、地域からの特区制度を活用した規制改革の提案については、これを実現
するためにはどうすればいいのかという方向で取り組み、地域や町の振興を図ってま
いります。
平成十六年度の三位一体改革が地方自治体へ与えた影響についてでございますが、
一兆円に上る補助金の廃止、縮減及び地方交付税総額等の抑制により、財政力の弱い
町村等では予算編成が平成十六年度においては厳しかったという話は承知しておりま
す。
しかし、平成十六年度から所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金を創設し、併せ
て平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施するとの方
針を決定しております。三位一体改革の全体像の中で、十六年度の改革は、改革の方
向性や骨格、全体の規模を明らかにする第一歩をしるすことができたものと認識して
おります。
三位一体の改革における税源移譲でございますが、補助金改革により廃止する補助
金の対象事業の中で引き続き地方が実施する必要があるものについて税源移譲するこ
ととしております。そのため、税源移譲については、おおむね三兆円規模を目指すこ
ととし、その前提として地方に補助金改革の具体案を取りまとめるよう要請したとこ
ろであります。
現在、関係大臣に対し、地方団体の補助金改革案を真摯に受け止めて改革に取り組
むよう指示しているところであり、その結果を踏まえ、平成十八年度までに所得税か
ら個人住民税への本格的な税源移譲を実施いたします。
十九年度以降の分権改革でございますが、これまで、地方にできることは地方にと
の理念の下に、国の補助金を削減し、国から地方への税源移譲を進め、同時に地方交
付税を見直す三位一体の改革を進めてまいりました。八月に地方団体がまとめた補助
金改革案を真摯に受け止め、更に地方とも協議を行いつつ、年内には平成十八年度ま
での補助金改革、税源移譲、地方交付税改革の全体像を決定いたします。
十九年度以降の三位一体の改革については、決定された十八年度までの改革の成果
を見極めた上で判断する必要があると考えておりますが、いずれにしても、各地方が、
自らの創意工夫と責任で政策を決め、自由に使える財源を増やし、自立できるように
引き続き地方分権改革に取り組んでまいります。
地方向け補助金に関する民主党の提案についてでございますが、私は、三位一体の
改革における補助金改革に当たっては、補助金の性格は様々であることから、個別に
事務事業の徹底的な見直しを行いつつ改革を進めていくことが重要であると考えてお
ります。このため、地方団体から見直すべき補助金につき具体的な提案をいただき、
これを真摯に受け止め、検討を進めております。補助金を個別に精査せず、その大半
を一律に一括交付金化すること等により十八兆円の補助金を廃止するという民主党の
提案は、その意味でより個別具体的な議論が今後必要であると考えております。
郵政民営化についてでございますが、この郵政民営化の目的は、官から民へという
方針の下、全国津々浦々の郵便局ネットワークを生かして、より便利なサービスが提
供されること、民営化により郵貯、簡保三百五十兆円の資金が民間で効果的、効率的
に使われること、約四十万人の公社職員が民間人となり、小さな政府の実現に資する
こと、郵政公社に対する見えない国民負担が解消されること等を通じて、構造改革を
一層前進させ、国民に大きな利益をもたらすことにあります。民営化とは、単に株式
会社化するなどといったことだけでなく、郵政事業の四つの機能が市場原理の下で自
立することにより、効率的でより良いサービスが提供され、国民に大きな利益をもた
らすことになる、これが私が考える民営化であります。
まず、郵政民営化により、どのような郵政のユニバーサルサービスなど国民生活の
インフラ部分をより良いものにするのか、また郵貯、簡保についてはユニバーサルサー
ビスの提供が明記されていないのではないかとのお尋ねがありました。
現在、郵便局では、郵便、郵貯、簡保しか取り扱えない等、業務範囲が限られてお
りますが、民営化により、経営の自由度を高め、民間企業と対等な競争を行い、より
良いサービスを提供して国民の利便性の向上を図ってまいります。郵便については、
民営化後も引き続きユニバーサルサービスの提供義務を課すこととしております。郵
貯、簡保については、先日閣議決定した基本方針においてユニバーサルサービスを義
務付けることは盛り込んでおりませんが、両事業の窓口業務は住民のアクセス確保が
努力義務となる窓口ネットワーク会社に委託することとしており、また、窓口の配置
については過疎地の拠点維持に配慮することとしております。
どのような民間の公正な競争を促進する改革にするのかとのお尋ねでございますが、
郵政民営化により、新たに設立される各会社は民間企業と同様の納税義務を負うこと
とし、郵貯と簡保については民営化後の契約について政府保証を廃止するなど、民間
との公正な競争条件を確保してまいります。
また、どのように特殊法人に無駄な金が流れないような財投システムの改革とする
のかということでございますが、国民の貯蓄を経済の活性化につなげるためには、資
金の流れを官から民へ構造改革する必要があります。
このため、資金の流れの出口については、既に財投改革や特殊法人等の改革が進め
られており、郵貯資金等の財投への預託義務は廃止され、また、移行後の独立行政法
人等向け財政支出を含め、特殊法人等向け財政支出をおおむね一兆四千億円削減する
等、改革の成果が上がってきております。
郵政民営化は資金の流れの入口の改革であります。政府保証が付されている郵貯、
簡保は家計の全金融資産の四分の一を占め、その大部分を公的部門に還流させていま
す。このような公的な資金の流れを民間に流れるようにするのがこの改革の意義であ
り、出口の改革と相まって、官から民への資金の流れを実現するために不可欠な改革
と考えております。
特殊法人の無駄と非効率に切り込むために、大胆な財投システムの改革が必要だと
の御指摘でございます。
財投制度については、財投改革により、郵貯等の預託義務を廃止し、財投債を発行
して市場の規律の下、真に必要な資金だけを調達する仕組みとなっております。また、
財投改革以後の財投編成については、無駄な事業を見直すとともに、民業補完性を徹
底し、その規模はピーク時の二分の一になっております。
今後とも、特殊法人等整理合理化計画等を的確に反映しつつ、対象事業の重点化、
効率化を図ってまいります。
人権問題につきましては、人権の擁護は憲法の柱の一つであり、民主政治の基本で
もあるので、すべての人々の人権が最大限に尊重される社会を実現することが重要で
あります。
政府としては、これまでも、人権教育及び人権啓発を推進するための各種施策を講
じてきたところであり、今後とも、女性、子供、高齢者、障害者など各種人権課題に
関する取組を推進し、差別の解消や人権擁護に努めてまいります。
外国人の人権擁護でございますが、人権の擁護は憲法の柱の一つであり、民主政治
の基本でもありますが、我が国に滞在する外国人の方々の基本的人権も十分に尊重さ
れるべきであり、御意見も参考にしつつ適切な施策を進めてまいります。
人身取引でございますが、重大な人権侵害にこの人身取引が当たり、我が国におい
ては、売春や強制的に就労させる目的などでの人身取引が、人道的な観点からも深刻
な問題となっているということを認識しております。
政府としては、本年四月に人身取引対策に関する関係省庁連絡会議を設置したとこ
ろであります。年内には、人身取引の防止、撲滅と被害者の保護に向けた行動計画を
策定することとしており、人身取引の問題に関する啓発活動や罰則の整備を進めると
ともに被害者の保護、支援に政府全体として取り組んでまいります。
選択制夫婦別氏にかかわる民法改正案でございますが、夫婦別氏制度の問題につき
ましては、婚姻制度、家族の在り方と関連して様々な議論があると承知しており、民
法改正案の取扱いについては、国民の意識動向を踏まえつつ、与野党間でよく協議し
ていただきたいと考えます。
弁護士報酬の敗訴者負担についてでございますが、この法案は、弁護士報酬の費用
を回収できるという期待にこたえることを通じて、裁判を利用しやすいものとするこ
とを目的とするものであります。
他方、御指摘のとおり、訴訟に持ち込まれる前の契約書の条項の中に敗訴者負担条
項が組み込まれることにより、経済的に弱い立場の側にとって裁判利用を思いとどま
らせる効果を懸念する向きもあると承知しております。
本来の目的が十分に発揮される制度及び運用となるよう、各党各会派間で更によく
議論していただきたいと考えております。
司法制度改革推進本部の後継機関についてでございますが、本部解散後は、一連の
司法制度改革の成果を国民が実感できるよう、改革の本旨に沿った運用を図ることが
重要であります。法務省等の実施担当省庁と総合調整を担当する内閣において、所要
の体制を整備して、司法を国民に身近なものとするための改革に引き続き取り組みた
いと考えます。
自殺についてでございますが、我が国の自殺者数は高い水準にあり、重く受け止め
る必要があると認識しております。これは、バブル崩壊後の長期にわたる我が国経済
の低迷が大きな要因の一つとなっていると考えております。
政府としては、今後とも各般にわたる構造改革を推進し、持続的な経済成長に結び
付けることにより、精神面や経済面で問題を抱えた方々が勇気と誇りを取り戻し、安
心した生活を送れる社会を目指してまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
○国務大臣(町村信孝君) 千葉議員にお答えいたします。
我が国の安全保障理事会常任理事国入りと周辺国や世論との関係についてのお尋ね
がございました。
小泉総理がお答えをしたとおりでありますが、我が国としては、近隣諸国の理解を
得ながら安保理常任理事国入りへの取組を進めていくことが重要であると、このよう
に考えております。
先般、私もASEM首脳会議に際して多くのアジア諸国の外務大臣とこの問題につ
きまして協議をいたしましたが、引き続き一層の理解と支持を得るべく取組を強めて
いきたいと、かように考えております。
なお、先般の国連総会におきまして、二十四のアジア諸国から日本の常任理事国入
りの支持が表明されたという事実を御報告を申し上げます。
次に、国連ホームページへの日本語版掲載についてのお尋ねでございますが、国連
の日本語による広報の重要性は私どもも強く認識をいたしておりまして、東京に設置
されております国連広報センターが行っているウェブサイトを含む日本語による広報
活動を支援をしてきております。
なお、国連ホームページのドイツ語版は、ドイツ語を公用語とする四か国が費用を
負担いたしまして運営していると聞いておりまして、我が国一か国で同様の日本語版
を開設することは現時点ではなかなか難しいのではないかと考えております。
次に、国連人権高等弁務官事務所に対する任意拠出金についてのお尋ねでございま
した。
国際的な人権の促進及び擁護に関する国連人権高等弁務官及び同事務所の役割は極
めて大切であると考えております。政府としては、こうした認識に基づきまして、国
連人権高等弁務官事務所に対して任意拠出を行っており、十六年度予算では千八百三
十万円を計上しているところでございます。
以上であります。(拍手)
〔国務大臣南野知惠子君登壇、拍手〕
○国務大臣(南野知惠子君) 千葉議員にお答え申し上げます。
まず、人身取引に関する取組についてのお尋ねがございました。
総理からの御答弁もございましたが、法務省におきましては、人身取引の罰則を整
備するとともに、その被害者の保護に努めてまいります。
罰則に関しましては、法制審議会に対し、刑法に人身売買の罪を新設することなど
を諮問いたしているところでございまして、その答申を受け、次期の通常国会を目途
に刑法等の一部を改正する法律案を提出したいと考えております。
また、人身取引の被害者が我が国への在留を希望する場合などには、犯罪組織から
の生命、身体を脅かされる危険などの事情を考慮し、女性相談所やNGOなどと連携
を強化しつつ在留特別許可などを弾力的かつ的確に運用し、その保護を図ることとし
ております。
次に、選択的夫婦別氏にかかわる民法改正案についてのお尋ねがございました。
選択的夫婦別氏制度の導入の問題について、法務省といたしましては、平成八年の
法制審議会の答申の内容を踏まえつつ、少しでも多くの方々の御理解を得られるよう
努力を続けてきたところでございますが、しかし、この問題は、婚姻制度や家族の在
り方と関連する重要な問題でもございまして、国民各層や関係各方面で様々な議論が
あると承知いたしております。
選択的夫婦別氏にかかわる民法改正案の取扱いにつきましては、これらの議論を踏
まえまして、与野党間で適切に御協議いただければと切に願っているところでござい
ます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
○国務大臣(尾辻秀久君) 人身取引への対応についてお尋ねがございました。
人身取引につきましては、その撲滅と被害者の保護に向け、政府一体となって取り
組んでいるところでございます。私といたしましても、人身取引被害者を保護するた
めの施設として各都道府県に設置されております婦人相談所を活用する、婦人相談所
と関係機関、民間シェルターとの連携を強化するなどして、被害者の方を適切に保護
できるように努めておるところでございます。
人身取引は、お話しのとおりに、あってはならない重大な人権侵害でございます。
厚生労働省といたしましては、関係省庁とも協力しつつ、被害者の保護、支援に向け、
強い決意で臨んでまいります。(拍手)
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