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2004年4月13日全文
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2004年4月13日全文
159-参-法務委員会-10号 平成16年04月13日
○千葉景子君 角田委員に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。
今、角田委員からるる指摘がございました。それぞれこれまでも議論がされた問題
もございます。私もやはり不法滞在に対する姿勢というのは、一体これだけの多くの
外国人の皆さんがやっぱり日本の社会に現実に存在をする、そして様々な分野で仕事
をしたり、あるいは社会の一員として日本社会に貢献をしている、こういう事実。こ
れはまずしっかり見据えておかなければいけないというふうに思いますし、そういう
ことをやっぱり念頭に置かないまま制度を多少改正をしても、あるいは対症療法をし
ても、本当の意味での解決策、そして、決して犯罪に甘くしろということではありま
せんけれども、犯罪にはきちっとした対処を、しかし本当にともに共生できる社会を
構築をしていくと。こういう両方の命題にこたえていくには、やはりきちっとしたま
ず現状認識、そして実情の本当に理解ということが必要なのではないかというふうに
思っております。
今回、不法残留に係る罰金の引上げ、在留資格の取消し、出国命令制度等の新設が
なされました。これが、先ほどからお話にございますように二十五万と言われる者を
半減をしようという目標だそうでございますけれども、その目標に向かっての言わば
制度設計だということにもなるのでしょう。私は、この制度設計、適法な外国人に対
しては一定の保障をする、しかし不適法な場合には厳しく当たっていく、こういう形
で半減をしていこうということなのかなというふうに思います。法的には確かに一つ
の考え方だと思うんですね。適法な者をきちっと対処をし、そして不適法な者には厳
しくしてものに当たっていくと。
しかし、どうなんでしょうか。今申し上げましたように、これまでの外国人の日本
の実情あるいは増加の背景、そういうことを含めて考えたときに、本当にこの制度設
計が効果のあるものなのか。逆に言えば、こういう制度設計をすることによって本当
に共生できる社会、そういう道をむしろ閉ざしていくような、そういう方向につなが
りかねない、こんな懸念も感じるところでもございます。是非そういう意味で、もう
一度根本的な在日・来日外国人の問題、あるいはその置かれている実情、こういうこ
とから掘り下げた議論をこれからも続けていかなければいけないと思っております。
それを前提にいたしまして、先ほどこれも指摘がございましたが、どうでしょう、
大臣、この法改正によって不法残留をどの程度いつごろまでにどういうプロセスで減
少させられると考えておられるのでしょうか。先ほど目標なんだ、五年間で半減させ
る、それがある意味では、もし本当にそれが方針だとすれば、それを実行しなければ、
方針を立てたけれども実現できなかったという責任が生じてくるわけです。本当にこ
れ、その五年間でこの制度設計に基づいて不法滞在の数を半減させられると確信を持っ
て考えておられるのか。あるいは、参考人からもなかなか難しいものではないかと、
こういう御意見もございました。
大臣としては、やはり責任者として、ある意味では責任をしょうわけですので、そ
の辺をどう御認識をまずなさっておられるでしょうか。
○国務大臣(野沢太三君) 今回の改正で、まずやっぱり私どもが心掛けますのは、
現在いる二十五万人に対してどのように対応をしたらいいかと。そして、その上で正
しい手続と正しい在留の資格その他が条件として満たされた段階で、さらに将来の問
題として大勢の外国のお客様をお迎えしたり、あるいは資格のある技術者を受け入れ
たりという意味での長期的ないわゆる在留の外国人の皆様、将来の日本の人口政策、
それらに絡む問題を設計せねばならない。その前提として、現段階でやはりこれまで
のツケがたまっているかと思うんですが、これについてはいったんここできれいにし
てから取り掛からなければならないんじゃないかと、こういう思いで取り組んでおる
わけでございます。
今回のこの罰金の引上げあるいは在留資格の取消し制度の新設、更には出国命令制
度の新設等のこれらの政策を併せ行う中で、相当な方々がやはり自分の置かれている
立場を考えていただきまして、自発的なやはり帰国であるとか、あるいは在留資格の
見直し、変更についてであるとか、先ほど角田議員からも御指摘のありましたように、
特別在留の更なる適用申請が出てくるとか、いろんな形で何としても目標である半減
という政策の実現を図っていかなければならない。
そして、その先にさらに、じゃ日本と各外国、特に東南アジア、近い近国でござい
ますが、隣の国の皆さんとの共存の問題、共生の問題についての展望を開いていきた
いなと、こう考えておるところでございます。
半減は十分やれるし、またやらなければならないと考えております。
○千葉景子君 大臣もなかなかおつらい御答弁かなと思いますけれども、今、やらな
ければならないし、やれるというお言葉がございました。是非それは五年間で検証を
させていただかなければいけないというふうに思いますし、なかなか難しい問題。こ
れは五年たたずとも、本当にこれが一年一年効果が上がるものか、あるいはむしろそ
うではない、弊害なり懸念がむしろ増大をするのか、その辺りは今日結論は出せませ
んけれども、節目節目で是非国会での検証なども進めていかなければいけないものだ
と指摘をしておきたいというふうに思います。
今回、その制度設計の中で幾つか柱があるわけですけれども、まず罰金の引上げ。
これまで罰金刑罰の制度がありました。しかし、もう刑罰をもって不法滞在を処罰
をしているというのはそう多いものではないと私は認識をいたしております。これま
でも余りこれが、罰則の制度が効果があったとか、適用されたというものでもない。
今度これをわざわざまた引き上げるわけですけれども、この効果たるやどう考えてお
られるのでしょうか。単なる何か、あっ、罰金取られて大変だなという、そういう脅
かしのような、こけおどしのようなことになってしまうんではないか、結果的にはで
すね、そんな気がしてなりませんけれども、この効果たるやどう御認識をなさってお
られますか。
○政府参考人(増田暢也君) 今回は不法滞在者に係る罰金額の上限を引き上げるこ
とといたしております。これは、当初から不法に入国あるいは上陸して不法に在留す
る人や、あるいはいわゆるリピーターなどの悪質な不法滞在者の多くが我が国で不法
就労を行っていて多額の収益を得ているという実情にあることにかんがみまして、罰
金刑を併科することによる経済的制裁をも加えることでこれら悪質な不法滞在行為の
抑止効果をねらったものでございます。これにより、不法滞在者の発生の抑止と減少
に結び付くものと考えております。
○千葉景子君 今、先ほど申し上げましたように、これまでも罰則はございます。し
かし、それが抑止効果にもし額は違えどもなっているのであるとすれば、今のような
逆に言えば事態には、実情には逆に言えばならないわけでして、この罰金の引上げが
どの程度効果があるものなのか、私は大変疑問を感じております。
それから次に、在留資格の取消しという制度が新たに設けられます。現行でも在留
資格には期間が定められております。そういう意味では一定の再審査チェックができ
るという形になっているわけですね。しかし、これと別に在留資格の取消し制度を設
けると。このまた要件というのがなかなか幅広になっております。そういう意味では、
この取消し制度というのが本当に公平に、それから恣意的な形で適用されるようなこ
とがないのか、大変私は懸念をするところでもございます。
これ、どうなんでしょうか。この在留資格の取消し等が適用される契機になるのは、
どういうことからこれは在留資格、虚偽をしているということが発覚をすると考えて
おられるんでしょうか。そうすると、本当に発覚したもの、あるいは発覚しなかった
場合、あるいは要件として非常に幅広い、そういう適用の運用、そういうことによっ
てこれがどの程度本当に効果が上がるのか。逆に、今言ったような恣意的な運用や公
平性を欠くというようなことによって外国人の皆さんが非常に不安や不安定な立場に
置かれてしまう、こういうことが懸念されますが、いかがですか。
○政府参考人(増田暢也君) まず、契機についてでございますけれども、例といた
しましては、ブローカー摘発などによって婚姻の意思のない人が入籍事実の記載され
た戸籍謄本を提出して日本人の配偶者等の在留資格を取得しているというような偽装
婚姻が、偽装結婚が判明するようなケースと、あるいは不登校の留学生を除籍した学
校からの報告に基づいて、その外国人が継続して三か月以上留学に見合う活動を行っ
ていないことが判明するケースなどが考えられます。
これが公平な運用になるのかという点についての御懸念がございましたけれども、
実際に、この在留資格取消しに当たっては本人から事情聴取をしますし、その事情聴
取の中では、仮に偽り、不正の手段が用いられている場合であっても、どのような事
情でそういう手段を用いたのか、また我が国に入ってからどのような在留状況であっ
たのか、今後の我が国における活動の見込みがどのようなものであるのか、こういっ
たことを詳しく聞いた上で、その上で在留を取り消す必要があるかどうかを判断する
ことにしておりますので、その点では決して恣意的な運用にならないよう十分配慮し
て努めてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 次に、出国命令制度についても伺っておきたいというふうに思います。
これは、先ほどから話になりますように、一つは、自ら出頭することによって、ま
た日本への入国を逆に言えばしやすくする、言わばあめとむちのあめのような部分に
なるのかというふうに思いますけれども、この要件として、速やかに本邦から出国す
ることが確実と見込まれる、こういう要件が出国命令制度には付けられております。
これも非常に抽象的な文言でございまして、こういう要件が付いているとすると、こ
れ自ら出頭するということは、不法滞在であるということを名のってリスクを負って
出頭するということになるわけですね。本当にこれで、まあ救済ということはないん
ですけれども、一定の早い入国が保障されるような立場をもらえるのか。あるいは、
ひょっとしたらそうではなくて、強制収容されて退去強制手続に乗せられてとんでも
ないことになってしまうのではないか。この辺り、本当にリスクを負って出頭してく
るという人が考えられるのだろうか。
それから、先ほどこれも参考人等からも指摘がありましたけれども、一年という期
間で入国ができるということになりましたけれども、これ必ずしも一年、もうすぐに
入国が認められると保障されているわけではなく、一年間はちょっと待ってよと、そ
れ以上どうなるかは分かりませんと、こういうことでもあるわけですので、この出国
命令制度、一見は先ほど指摘あったアムネスティー制度に類似するような感もします
けれども、とてもそういう安定した地位とかそれを与えるようなものではなく、むし
ろこれに乗らない人に関しては、せっかくこういう道を残してやっているのにこれに
乗ってこないんだからそういうのは厳しくしてやれと、こういうことでこれまで以上
に収容手続が厳格になったり濫用されたり、こういうことになりかねないのではない
かと、こういう感じもいたします。
その点について、そういうことではないのだとおっしゃり切れるのか、あるいは本
当に効果たるやあるとお考えになっておられるのか、御認識を聞かせていただきたい
と思います。
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