| 発言者 |
国務大臣の演説に関する件(第二日) |
議長 倉田寛之 君 |
去る二十六日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。千葉景子君。
〔千葉景子君登壇、拍手〕
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千葉景子 君 |
私は、民主党・新緑風会を代表し、小泉総理大臣の所信表明演説に対して、総理及び
関係大臣に質問いたします。
質問に先立ち、二十六日未明に発生した北海道十勝沖地震で被災された多くの方々
に心よりお見舞い申し上げます。政府は、被害の復旧とともに、今後の震災対策に万
全を期すよう強く求めます。
さて、去る二十日、小泉総理は自民党総裁に再選され、引き続き新しい小泉改造内
閣が誕生しました。
振り返れば、一昨年春、自民党をぶっつぶすという奇抜な宣伝文句で国民の耳目を
集め、自民党の総裁に就任し、そして総理の座に着いた小泉総理がこの二年半の間に
一体何をしたんでしょうか。改革断行内閣、改革なくして成長なし、官から民へ等々、
スローガンだけは次から次へと打ち出しましたが、実態は空っぽで、何の成果も上げ
ず、ぶっつぶしたのは自民党ではなく国民生活ではないですか。
完全失業者は過去最高の三百六十万人になり、失業率は五・三%に跳ね上がったま
ま高止まり、個人の自己破産は七万五千件も急増し、二十一万四千件を突破しました。
弁護士である私の元にも、しばしば中小企業を営む方あるいはローンを抱えながら
リストラに遭ったサラリーマンの方々などが相談に来られます。また、将来を悲観し
て生きる勇気と希望を失い、自ら命を絶つ人が五年連続で三万人を超えていることは
異常事態です。加えて、昨今の治安の悪化も国民の不安を増大させています。
確かに、最近明るい兆しが見え始めたと言われ、その代表例として株価の上昇が言
われますが、これも行き過ぎた悲観的見方が修正され、世界的な金余りから外国投資
家による買いが多少広がったにすぎないもので、自律的、本格的な景気回復によるも
のではないことは多くのエコノミストが指摘しているところです。
小泉総理、今回の総裁選で再選されたことで小泉政治が国民から支持されたとまさ
か勘違いされているのではないでしょうね。総裁選はあくまで自民党というコップの
中の選挙です。しかも、こうかつにも解散・総選挙をちらつかせ、選挙の顔としてだ
けの選択を迫り、反対勢力の支持を固めて勝利を収めたにすぎません。
その間の経緯は、やれ毒まんじゅうを食わせたとか食らったとか、聞くだにおぞま
しい言葉が飛び交い、政策などはそっちのけ。政策運営の大幅転換と国会議員を中心
とした内閣改造を要求し、一札取るなどと言いながら小泉再選を支持した参議院自民
党青木幹事長の行動に至っては、すべての国民が次の参議院選挙の票集めのためだけ
であることを見抜いています。良識の府である参議院の一員として全く情けない思い
です。
若い安倍氏を幹事長に起用したのも選挙目当てであることは明白であり、実質的な
幹事長が別にいることは衆目の一致するところです。
また、内閣改造も一体何を目指していくのか全く分かりません。一方では、若く知
名度が高い大臣を並べ国民受けをねらっているようですが、他方では、批判の多い竹
中金融・経済財政大臣、川口外務大臣は留任されました。竹中大臣は、不況を深刻化
させ、国家財政を借金漬けにし、金融破綻を加速させた張本人であり、川口大臣は、
官僚の言うがままの外交で厳しい批判を受けている大臣です。国政のかなめである経
済、外交で失政を続けている大臣は留任し、記者会見で、初めてのことなので一から
勉強しますなどと言う大臣を任命する。
総理は、改造に当たって、もはや派閥の時代ではないとか派閥は壊れたと述べなが
ら、小泉派閥という新しい体制を築こうとしているのではないでしょうか。仇敵の田
中派の流れをくむ派閥を筆頭に、敵対する派閥には巧妙にくさびを打ち込みばらばら
にし、徳川幕府の親藩、外様よろしく支配体制を構築し、民間人の川口外務大臣、竹
中大臣を留任させ、表向きは外交の継続性や揺るぎない改革への意思を示したように
見せ掛けながら、その実、これらのポストを正しくおのが天領、直轄支配にする。徳
川幕府ではありませんが、正に自民党小泉親藩体制の構築ではありませんか。ビジョ
ンなし、政策なし、責任なしの三位一体の小泉親藩内閣が今後も続くようであれば、
日本社会の将来展望はありません。
総理、今回の内閣改造にはどんな大義名分があるのでしょうか。森前首相でさえ、
今回の改造について、手品師みたいだとやゆしています。うまい、でもずるいと論評
したマスコミもありますが、こうした批判にどうこたえるのか、答弁をいただきたい。
民主党は、この国会を、日本をつぶす小泉総理の退陣、自民党長期政権の終えん、
我が国の未来を展望するための民主党中心の政治への政権交代の幕開けにすべく全力
を尽くす決意であることを冒頭申し上げておきます。
さて、民主党は、次期総選挙に向けて民主党政権公約、マニフェストをまとめまし
た。私たち、そして次世代が生きる日本社会のビジョンを示すとともに、それに向かっ
て、まず民主党政権誕生後の四年間に必ず実現する公約を具体的な数値目標、期限、
財源とともに示しております。
総理、キャッチフレーズやスローガンだけの選挙戦は終わりにしませんか。政策中
心の選挙が行われない限り、国民にとって何が実現されたのか検証もできず、政治家
は結局口利きだの利権で左右されるものだという政治不信が強まるばかりです。議会
制民主主義の発展も経済社会の再生もありません。
お互いに責任ある政策論争を正々堂々と競い合いましょう。スローガンやあやふや
な政策ではなく、数値目標、期限、財源、達成手順をしっかり示した政策を掲げるこ
とが重要です。民主党の政権政策か自民党の政権政策か、そのどちらを選択するのか、
有権者の判断を仰ぐ選挙といたしましょう。
当然、小泉総理は、私たちの提言を受けて立っていただけますね。はっきりこの場
で約束していただきたい。
以下、民主党の政権公約を提示しながら質問を行わせていただきます。
まず、経済政策についてお尋ねします。
政府は、景気は持ち直しに向けた動きが見られると経済認識を上方修正しています
が、小泉デフレ大不況によって日本経済が落ちるところまで落ちてしまったからこそ
良くなる経済指標もあるのだということを総理は自覚しておられますか。
冒頭指摘したように、小泉内閣発足時に比較して、完全失業者は三十九万人から過
去最悪の三百六十万人になり、失業率は四・七%から五・三%、何より自殺者が五年
連続で三万人を超えていることが深刻です。株価も、一時のどん底からはい上がった
とはいえ、小泉内閣発足時の一万三千九百七十三円には遠く及ばない状況です。
このようなすさまじい小泉デフレ大不況を招いたことについて、総理はまず自らの
責任をどう感じているのですか、反省の弁を求めます。
さて、一部企業に業績改善の動きが見えるものの、多くの中小企業は依然として厳
しい状況です。最大の原因は金融健全化の先送りであり、小泉内閣による金融行政の
無策が今日の悪状況を生み出しているのです。
先日、二兆円の公的資金を投入したりそな銀行が、実は債務超過であったことが明
らかになりました。新経営陣による資産再査定で、今年三月期決算で一兆円の引き当
て不足があったことが判明したのです。五月に発表されたりそなグループの自己資本
は五千億円余りですから、実際には差引き五千億円の債務超過だったことになります。
預金保険法では、債務超過銀行には資本注入はできません。公的資金投入を強行した
ことが正に法律違反であったことが明白になったわけです。総理はその事実を認める
べきではありませんか、答弁を求めます。
さて、我が国経済を支えてきたのは中小企業です。中小企業が立ち直らなければ日
本経済の再生もあり得ません。
民主党は、中小企業の再生、地場産業と商店街に元気を取り戻すため、中小企業向
け予算を七倍増にする年次計画を作り、十六年度予算での倍増を掲げております。ま
た、中小企業金融は大企業向けとの区別が不可欠であり、金融検査マニュアルを大企
業向けとは別に作り、貸し渋り、貸しはがしの解消、そして政府系金融機関融資にお
ける個人保証を五年間で撤廃することを公約といたします。さらに、民主党が従来か
ら取り組む地域金融円滑化法案を十六年度中に国会提出します。こうした大胆な政策
なくして中小企業の再生はあり得ません。
総理は、民主党の提言を率直に受け止め、実現する意思がおありか、それともこれ
に代わる実効性ある施策を講じられるおつもりか、答弁を求めます。
次に、財政政策について伺います。
まず、来年度予算編成に対する考え方を伺います。
既に概算要求では、一般歳出が今年度比一・一%増の四十八兆一千二百億円、一般
会計全体で五・七%増の八十六兆四千五百億円となっております。
小泉内閣は、これを実質今年度以下に抑制する方針としていますが、今後どのよう
な方針で切り込んでいくのか、総理に伺います。
仮に抑制が実現しても、当初予算における国債発行額が四十兆円を超えることが予
想されます。総理が国債三十兆円枠を掲げたことを考えると、わずか二年間でよくも
ここまで財政を悪化させたと驚きを禁じ得ませんが、せめて国債発行を四十兆円以内
に抑えるなど、財政に関する何らかの目標が必要ではないかと考えますが、この点、
総理の見解を伺います。
次に、税制に対する基本認識とともに、来年度改正に向け何に取り組むのか伺いま
す。
民主党は、緊急対策として、住宅や自動車に関するローン利子控除制度の創設を提
唱していますが、政府はこうした施策に踏み切る考えはないか、総理及び財務大臣の
答弁を求めます。
加えて、総理の総裁選公約にある二〇一〇年代初頭のプライマリーバランス黒字化
に対する認識、またどんな手段でこれを実現するのか、総理及び財務大臣の見解を伺
います。
雇用問題についてお尋ねします。
総理は、サービス分野の規制改革などにより五百三十万人の雇用創出を目指し、新
規雇用の創出を図るとの発言を繰り返すばかりです。確かに、サービス業の就業者は
増加傾向にありますが、建設業、製造業では急激に雇用が失われ、就業者数全体では
百十六万人も減っています。完全失業率は先ほど申し上げたように五・三%と深刻で、
一向に明るい展望すら見えてきません。これが小泉総理の語る痛みの実態なのです。
特に昨今、若年層の失業が問題になっています。働くことに希望が持てなければ、
モラル崩壊や治安の悪化にも直結し、社会全体の崩壊という事態にもなりかねません。
総理は、現在の雇用情勢についてどのような認識をお持ちか、答弁を求めます。
雇用創出のかぎは、少子高齢化や雇用の多様化に対応しつつ、働き方を大胆に変革
し、社会全体で幅広く雇用を維持、創出することにあります。民主党は、地域の実情
に即した雇用創出に取り組み、安定した雇用確保のためのワークシェアリング、労働
条件の均等待遇、募集と採用における年齢差別禁止など、新時代にふさわしい公平、
公正な働き方のルール作りを進めることが重要だと考えていますが、この点、総理の
見解を伺いたい。
総理は、改革改革と呪文のように唱えれば国民は付いてくると思っておられるよう
ですが、国民が望む実態の伴った真の改革が何であるのか分かっておられるのでしょ
うか。国民が望む真の改革とは、無駄が多い歳出構造を根本から改め、まじめに働く
者が適正に評価される公正な社会を築くとともに、いざというときに不安のない、将
来へ希望が持てる、生きがいのある社会にこの日本を変えていくことです。
日本経済低迷も、国民の将来不安がその原因の一つです。社会保障を柱とするセー
フティーネットの充実は不可欠です。そこで、社会保障について質問いたします。
まず、高齢者のみならず、若者も強い関心を持つ年金問題です。
年金改革をめぐるこの間の政府・与党の議論は、財務省対厚生労働省の構図ばかり
目立ち、政治家の明確な意思が感じられません。小泉総理に至っては、在任中は消費
税率の引上げは行わないと言う以外はだんまりを決め込むだけで、何ら改革の方針を
示していません。まずは、小泉総理の年金改革ビジョンを明確にお示しいただきたい。
答弁を求めます。
民主党は、将来にわたって持続可能な年金制度として、国民すべてに適用される新
たな二階建ての年金制度を再構築することを目指し、それをベースに年金改革協議会
という場を国会に作り、官僚任せでなく、政治家が責任を持って議論を進めるべきと
考えますが、この点、総理の所見を伺います。
また、現行の年金法では、来年度から基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上
げることになっておりますが、財務省はいまだに引上げに慎重な態度、厚生労働省は
その逆との報道があります。一体、政府としてはどうなさるおつもりか。総理、財務
大臣、厚生労働大臣、それぞれから答弁をいただきたい。
次に、医療問題です。
民主党は、昨年六月に医療制度改革案を発表し、政府がその数項目を実質受け入れ
た点は評価しますが、全般的に医療制度の抜本改革はほとんど進んでいないのが現状
ではありませんか。高齢者医療制度の改革を始め、政府は今後どのように取り組むお
考えか、総理の答弁を求めます。
民主党は政権公約として、健保本人の自己負担を二割に戻すことを始め、医療制度
改革や高齢者医療制度の改革をうたっております。また、小児救急医療体制を整備し、
政権獲得後三年以内には全国で三百五十か所以上の小児救急センター病院を指定、い
ざというときの受入れ体制を確立します。さらに、次世代育成支援のため、小児医療
の患者負担を軽減することも掲げております。政府はこうした問題にどう取り組むお
考えか、答弁を求めます。
さらに、介護問題について、民主党は待機要介護問題の解消を目指し、障害者や高
齢者のために平成十六年度から年間八百五十億円の予算を確保、四年間で地域の身近
な介護拠点であるグループホームを一万か所、約十万人分増設を図ることも明らかに
しておきます。
さて、小泉構造改革に関して質問します。
改革といえば郵政と道路公団の民営化ばかりの小泉総理。確かに昨年来、五十以上
もの特殊法人や認可法人の見直し法案が審議されましたが、多くが独立行政法人への
看板掛け替えにすぎないものでした。独立行政法人に名前を変えただけで予算や職員
数など中身が焼け太りしているものがあったり、法人トップの多くが天下り官僚に占
められているなど、総理の意気込みから大きく後退した内容に終わっています。
これが小泉改革なんでしょうか。総理の言う特殊法人改革とは、つまるところ特殊
法人という名前だけをなくすものだったのですね。今後、独立行政法人が第二の特殊
法人と言われ、数年後には独立行政法人改革がまた必要だと言われる始末では全く意
味がありません。総理、あなたは御自身が行った特殊法人改革をどう総括されていま
すか、国民が納得できる答弁を求めます。
さらに、得意の郵政、道路公団ともいまだ中身は詰まっておらず、与党、さらに閣
内にも反対の声ばかりで取りまとめは難しいと公然と言われている有様です。
その道路公団民営化ですが、道路関係四公団を借金漬けにし、少なくとも本四公団
の一・三兆円の債務を血税によって処理せざるを得なくなった自民党の責任について、
自民党総裁としての見解を求めます。
この問題、総理は、猪瀬直樹氏から、総理は第三者の我々に丸投げしてくれて一切
口を挟まなかったと論評されるほどで、全くリーダーシップを発揮しませんでした。
そのおかげで、民営化推進委員会の意見書は、公団債務の返済を最優先し、借金によ
る不採算路線の建設を認めないなど、極めて常識的な意見書となっています。しかし、
総理はこの意見書すら骨抜きにするつもりだと言われておりますが、事実でしょうか、
お答えいただきたい。
昨年十二月の閣議決定では、民営化委員会の意見を尊重する方針の下、与党とも協
議するとされています。しかし一方、自民党の道路調査会は、料金収入による最大投
資可能額については全額高速道路の建設に充てる、地域分割は認めない、私企業によ
る道路資産の買取りは認めないなどの決議を行っており、全く水と油の内容ではあり
ませんか。総理は、自民党道路調査会の決議をどうお考えになっているんですか、答
弁を求めます。また、委員会意見書のどこを与党と協議されるおつもりなんでしょう
か、答弁をお願いします。
民主党は、道路公団が藤井総裁の下、債務超過と言われる幻の財務諸表をひそかに
作成し、これを隠ぺいしようとした事実を追及してきました。国会での虚偽答弁や幻
の財務諸表の隠ぺい、問題を指摘した部下の左遷などの事実が明らかになった以上、
公団を私物化する藤井総裁を即刻更迭すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
総理、こんな私利私欲にまみれた道路公団を民営化できるのですか。仮に民営化し
ても、結局は採算の取れない道路を造り続け、最後は破綻し、国民負担になることが
余りにも明らかではありませんか。民営化の目的は、採算の取れない高速道路は民間
には造らせないことではないのでしょうか。総理の見解を伺います。
民主党は、このような道路公団は廃止し、三年以内に高速道路を原則無料化するこ
とこそが合理的な政策であると考えますが、この点、総理の見解をお伺いいたします。
また、郵政の民営化は自民党のマニフェストに具体的に盛り込まれるのでしょうか、
明確にお答えください。党内に反対意見があることを総理も自ら認めておられます。
この参議院にも相当数の反対の意見があると聞いております。それで本当にマニフェ
ストに具体化できるのでしょうか、明確にお答えをいただきたいと思います。
さて、二十一世紀の国の形を考える上で重要な改革の柱は地方分権です。
そこで、お尋ねします。
総理は、この六月、補助金改革についておおむね四兆円程度をめどに廃止、縮減な
どの改革を行うとの指示を出されました。一見、四兆円の補助金廃止に見えますが、
あいまいな表現で逃げ道が用意されており、公共事業関係の補助金に至っては改革す
るの一言で済ますなど、抜け道だらけの評価に値しない代物でした。総理の総裁選公
約は、三位一体改革を推進するだけで、更にあいまいもこの状況です。
補助金は、中央官僚や自民党族議員の利権、業界談合の源泉です。総理がこの改革
案を示せないのは、総理自ら官僚や族議員と同じ穴のムジナにすぎないからではあり
ませんか。
特に、公共事業については、地方に移譲するわけにはいかない、自分たちが握って
おきたいというのが本音ではありませんか。地方に負担だけを押し付け、権限は官僚
や族議員が握っているのでは分権改革の名に値しないと考えますが、総理の見解を求
めます。
これに対し民主党は、十六年度において予算措置できる部分から個別補助金を廃止
し、自治体ごとの判断で使途を決められる一括交付金化といたします。そして、十八
年度には、ひも付き補助金の廃止を約十八兆円にまで拡大し、全国の改革派知事や市
町村長と協議して改革を進めてまいります。同時に、入札改革など談合防止や行財政
改革による経費節減を自治体に求めてまいります。
民主党案は、地域のことは地域で決める地域主権型社会への第一歩となるだけでな
く、陳情のための上京費用などを不要にするのに加え、族議員や官僚の利権あさりを
排除し、税金の無駄遣いをなくする第一歩です。総理、地方分権に至る道筋をどうお
考えですか、具体案をはっきりお示しください。
次に、政治改革に対する総理の姿勢をお尋ねします。
この一年に限っても、自民党長崎県連の違法献金事件、大島元農水大臣の秘書官口
利き疑惑、坂井隆憲議員の政治資金規正法違反による逮捕、松浪衆議院議員の暴力団
による秘書給与肩代わり疑惑など、与党の政治腐敗ぶりは全く変わっておりません。
政治と金をめぐる問題の一掃なくして国民の政治不信の解消はあり得ません。
民主党は、企業・団体献金について、現行五万円超の公開基準を更に引き下げ、全
面的な公開を目指すべきだと考えます。この点、総理の見解を求めます。
また、総理が自民党に指示した公共事業受注企業の献金規制は、民主党がそれを盛
り込んだ法案を提出しております。総理には当然御賛同いただけるものと思いますが、
賛否を明らかにしていただきたい。
民主党は、党本部決算に外部監査を全面導入し、政治資金の使途について第三者
チェックを自ら課しています。自民党の政治資金決算も全面的に外部監査を導入した
らいかがと思いますが、自民党総裁としての決意をお示しください。
政治改革と関連し、公務員制度改革について伺います。
民主党は、政治のリーダーシップ確立と政策責任の明確化のためには、局長以上の
ポストの民間等からの登用など、キャリアシステムを改革するとともに、官僚の天下
りを禁止すべきことを提起しています。また、ILO勧告に基づいて一般の公務員に
労働基本権を保障する一方、公正な人事評価システムの確立などを進め、国民に開か
れた公務員制度を実現することを公約しています。
総理、天下りのお手盛り批判やILO勧告を踏まえ、公務員制度改革についてどう
対応するつもりか、方針をお伺いしたい。関連法案の提出時期と併せて答弁を求めま
す。
さらに、二十一世紀の国の形を考えるに当たり、忘れてはならない改革に司法制度
改革があります。
この間、司法制度改革が着実に進められてはいますが、これは国民の真摯な努力と
取組によるもので、残念ながら、制度改革の本部長を務める小泉総理がリーダーシッ
プを発揮しているからとは言えません。司法制度改革の理念は、民主主義の基本とし
て国民一人一人が自律的かつ社会的責任を負う統治主体であることを確認し、三権の
一つである司法においても国民の自治、自律の制度を確立することにあります。司法
における官から民へという役割分担の見直しと言ってもよいでしょう。
民主党は、国民に身近で充実した司法制度により人権が保障され、安心して暮らせ
る公平、公正な社会を目指して取り組んでまいりました。この理念にのっとり、引き
続き国民が行政をチェックすることができるように行政訴訟改革などを進めてまいり
ます。
とりわけ、国民が裁判に参加することによって、司法における国民の自治、自律、
社会的責任を実質化する裁判員制度の導入は重要です。総理の御認識を伺います。
また、裁判員制度の趣旨にかんがみ、裁判員の数は十名前後の相当多数が適当であ
る反面、裁判官の数は、プロの知識、経験を生かし国民の責任ある自律的判断をサポー
トするという意味で、ベテラン一名で十分だと思われますが、総理の御見解を伺いま
す。具体的にお答えください。
次に、現在そして将来、社会を支える人々にかかわる課題についてお尋ねします。
まず、教育政策についてお尋ねします。
教育は我が国の最重要課題です。青少年、児童をめぐる悲惨な事件の続発、学力低
下の懸念と学校現場や家庭に与える混乱など、教育を取り巻く問題は枚挙にいとまが
ありません。戦後、これほどまでに教育の再生が強く望まれた時期はないと言っても
過言ではありません。
民主党が教育政策で最重要項目として挙げるのは、少人数学級推進のための制度改
正と財政措置です。政府は、少人数学級を推進するかの姿勢を見せながら、かたくな
に一学級の人数を四十人としています。そのため、四十人を下回る学級編制をする自
治体では、厳しい財政の中から人件費などを捻出しているのが実態です。少人数学級
は、学習面からの効果ばかりではなく、子供たちの微妙な心の変化にも教師の目配り
が利き、きめ細やかな教育現場実現には不可欠な政策だと考えます。
少人数学級の推進と自治体へのバックアップについて、総理の見解をお尋ねします。
さらに、民主党は、教育の地方分権を柱に掲げております。教育の危機、教育の荒
廃を招いた官僚主導の教育政策体系が抜本的に見直されることはついぞありませんで
した。
総理、教育の地方分権に関する具体策があればお尋ねしたい。
次に、男女共同参画への取組についてお尋ねします。
まず、ドメスティック・バイオレンスについてですが、この問題は多くの女性に深
刻な不安を与えており、政府が果断な対策を打ち出すことが求められております。
民主党は、平成十六年度中にDV防止法を改正し、保護命令対象を元配偶者、子供、
親族などに広げること、また脅迫行為や電話による接触の禁止、退去命令や接近禁止
命令の期限延長など、保護命令制度の改善を図るとともに、警察改革による相談体制
等の強化を政権公約といたします。
今後、政府はDV問題にどう取り組むお考えか、総理より答弁をいただきたい。
賃金や待遇など雇用における間接差別や家族法、婚外子差別など、依然として女性
にかかわる差別が存在します。こうした差別解消へどのように取り組むのか、総理の
考え方をお伺いします。従来のような各党の御議論を見守るというような丸投げ式答
弁ではなく、御自身の言葉でお答えください。
治安の問題について伺います。
凶悪犯罪の検挙率が五年前の八四・一%から四八・六%に低下しています。国民の
間で治安に対する不安が今ほど高まっていることはありません。
民主党は、政権公約において、凶悪犯罪の検挙率を五年前の水準に戻すことを目標
に、四年間で地域、刑事、生活安全にかかわる警察官を三万人増員し、防犯パトロー
ル体制を強化するとともに、空き交番の解消を図ってまいります。また、凶悪犯罪に
対する罰則が軽過ぎるとの指摘も踏まえ、仮釈放のない重無期刑の創設を公約してい
ます。
政府は、凶悪犯罪の防止にどう取り組むお考えか、総理の見解を求めます。
外交・安全保障問題についてお尋ねします。
八月三十日、北朝鮮の核開発問題等をめぐって行われていた六か国協議が終了しま
した。民主党は、協議の開催にこぎ着け、議長総括において協議継続が合意できたこ
とには一定の評価をいたします。
しかし、北朝鮮の核開発問題では、その全貌が明らかになっていません。中国の仲
介の努力にもかかわらず、米朝の溝も埋まったとは言えない状況です。北朝鮮は、九
月三日の最高人民会議でも核抑止力を維持するとの強硬路線を確認しており、核実験
の可能性についても言及したと報じられています。政府は、北朝鮮に対し、核開発を
交渉の道具とする姿勢を改め、国際社会の声に真摯に耳を傾けなければ平和的な解決
はあり得ないことをしっかりと伝えるべき責務があると考えます。しかし、川口大臣
を始め政府からはそのような姿勢が伝わってこないのは大変残念です。政府は、この
点、どのような展望を持って北朝鮮外交に臨もうとお考えか、総理から具体的にお示
しいただきたい。
また、日本側の最大の関心事であった拉致事件は、日朝二国間の協議においても具
体的な進展は得られておりません。拉致事件は日本の主権の問題であるとともに重大
な人道問題でもあり、交渉の道具にされるべきものではなく、早急に解決されなけれ
ばなりません。
このたび、北朝鮮問題について官邸で影響力を行使されていたと言われる安倍副長
官が自民党の幹事長に就任されました。総選挙を意識した人事とも報じられておりま
すが、今後、官邸でこの問題がよもや後退することはないと考えますが、総理から拉
致事件の解決に向けた具体的な方針をお示しいただきたい。
次に、イラク問題についてお尋ねします。
この六月ごろより、イラクで活動する米軍兵士が米政府に対する不満をあらわにし
ています。相次ぐゲリラ型の襲撃に対して、占領米軍から不満の声が公に出るように
なってきました。
最新兵器で武装した米軍兵士でさえ、各種の襲撃や攻撃に苦悩しているさなか、我
が国政府は、従来からの懸案となっていた武器使用基準の緩和も行わずに、自衛隊を
派遣しようとしております。対米配慮という外交取引なのか、選挙という政治的取引
に自衛隊員の命を使うという誠にもってゆゆしき行為であります。
一体、現行の武器使用基準によって、重火器で武装する反対勢力が濶歩する地域で、
自衛官が安全に任務を達成できるとお考えなのでしょうか。総理からしっかりとした
御答弁をお願いしたい。
九月二十三日、国連総会でブッシュ米大統領は、イラク復興での国際社会の協力を
求め、現在、多国籍軍の派遣を明示する新決議案が安保理で検討されています。国際
社会の協調した取組が重要なのは言うまでもありませんが、ブッシュ大統領の演説に
よっても、国連のアナン事務総長やフランス等が主張するイラクの暫定政権に速やか
に主権を移して解決を図るという国連主導の解決策に対する決意が全く感じられませ
ん。アナン事務総長は、米国の単独主義的行動をいさめる演説をしていますが、この
単独主義について総理はどう向き合うのでしょうか。
ブッシュ大統領が十月十七日に来日されるそうですが、予想される資金提供の要求
や混乱するイラクに対し日本としてどのようにかかわっていくおつもりか、今後予想
される総選挙の際には、国民にとっても重要な判断基準となる問題です。総理から具
体的な対処方針をお示しいただきたい。
最後に、テロ対策特別措置法の延長問題について質問いたします。
この問題が当初から政局絡みになっていることは非常に残念です。民主党は、テロ
との闘いは重要であり、真に必要であれば国会によるシビリアンコントロールを徹底
した上で自衛隊の活用もあり得るとの対応を取ってきましたが、政府は必要な説明責
任をほとんど果たしてきませんでした。
アメリカのラムズフェルド国防長官は、アフガニスタンでの主要な戦闘が終わった
ことを表明し、当初の目的がほぼ達成されたとの認識を示しています。しかし、政府
は、掃討作戦が終結していない、各国も諸活動を継続しているなど抽象的に挙げるの
みで、具体的な必要性の説明はなく、その隠ぺい体質は目を覆うばかりです。総理か
ら現地の活動ニーズについて説得力のある御答弁をいただきたい。
テロの脅威除去の必要性は認めるとしても、九・一一テロに限定した法律の在り方
については問題が残ります。いつ終結するのか、だれがどのような基準で判断するの
か、全く明らかではありません。特別措置と言いながら、今回の延長のように無原則
になされようとするなら、法の趣旨を逸脱するおそれがあります。こうした法律の在
り方も含め、最終的な判断権者である総理から、今後の明確な方針を示していただき
たい。
去る七月二十三日、民主党の菅代表と旧自由党の小沢党首が会談し、両党は小異を
残して大同に付く覚悟で合併することで合意し、一回り大きな民主党に成長いたしま
した。参議院民主党・新緑風会も六十九名という数で今国会に臨んでおります。今か
らちょうど三十一年前、一九七二年九月、日中両国は共同声明を交わし、国交正常化
が実現しました。この交渉に当たった周恩来首相は、小異を残して大同に付くことを
強調しました。以来、日中関係は大きく発展し、両国の友好関係は揺るぎないものと
なっています。私どもの小異を残して大同に付く、すなわち両党の合併も日本一新を
進めるための歴史的な転換点になると確信しております。
小泉政権はもはや風前のともしびです。やることなすことすべてが空っぽ、こんな
政治がいつまでも存続するはずがありません。失業、倒産などを理由に自殺者が毎年
三万人を超えるような状況で国民の支持が続くことなど断じてあり得ません。
小泉総理、あなたは衆議院の解散・総選挙を仕掛けるためにこの国会を召集したよ
うです。民主党としては正に望むところでもございます。
総選挙により、政官業癒着、ばらまき政治を続けてきた自民党政権に終止符を打ち、
国民一人一人の能力と適性を引き出し、生きがいある人生を送ることのできる社会、
長期的な安定と繁栄が続く国をつくるため、民主党中心の政権を樹立することができ
ることを、そして一体として位置付けられる来年の参議院選挙でも、青木幹事長の画
策には屈することなく、国民の良識が必ず勝利すると私は固く信じております。政権
交代こそ日本再生のための第一歩であることを重ねて申し上げ、私の代表質問を終わ
ります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
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内閣総理大臣 小泉純一郎 君 |
千葉議員にお答えいたします。
今回の内閣改造にどんな大義名分があるのか、手品のようだ、うまい、でもずるい
などの批判にどうこたえるかということでございますが、私は、今まで進めてきた改
革に対し、ようやく明るい兆しが部分的ではありますが出てまいりました。いわゆる
改革の芽を今後いろんな人材を起用して大きな木に育てていくことが必要だというこ
とで体制を整えたわけであります。手品のようだというのは、これはそれだけ自民党
に豊富な人材がいるということだと思っております。また、うまい、でもずるいなど
の批判にどうこたえるかというのは、恐らく予想に反して改造が見事だったと、しゃ
くに障ってしようがないという気持ちを表したのではないかと思っております。
いずれにしても、今後、新体制の下で、民間にできることは民間に、地方にできる
ことは地方にと、改革なくして成長なしとの方針を堅持し、日本の潜在力と可能性を
信じて、明るい未来に向けて改革を進めてまいりたいと思います。
次期総選挙では、具体的な政策を掲げ政権選択の選挙にするべきだとのことでござ
いますが、今回、民主党と自由党が合併し次の政権を担う意欲に満ちた野党第一党が
誕生されたことは、日本民主政治の歴史の中で意義のあることだと思っております。
私は、今後、郵政事業の民営化や道路公団の民営化、あるいは国と地方の三位一体
の改革など、具体的な公約を掲げて再選されましたので、今後、いずれ衆議院の総選
挙も参議院の通常選挙も行われるでありましょうから、この公約を政権運営の基本方
針として国民に訴え掛けていきたいと思います。
私の経済政策の責任に関するお尋ねでございますが、確かに雇用など厳しい情勢は
続いておりますが、既に民間企業設備が増加し、一方、倒産件数は減少しております。
名目成長率もプラスに転じてまいりました。私は余り悲観的な見方は取っておりませ
ん。むしろ、こうした明るい兆しをいい方向に持っていくのが必要だと思い、改革を
進めていく必要があると思います。雇用や中小企業のセーフティーネットに万全を期
すことが大事でありまして、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を図っていくこ
とが私に課せられた責務であると考えております。
りそな銀行についてのお尋ねでございますが、りそな銀行の平成十五年三月期決算
については、独立した監査法人による厳正な監査等を経て債務超過ではないことが明
らかにされており、同行への資本増強が法律違反であったとの指摘は当たらないもの
と考えます。
中小企業政策でございますが、中小企業は我が国経済の活力の源泉であり、厳しい
環境の中にあってもやる気と能力のある中小企業がその力を発揮できるよう、中小企
業政策を進めております。
中小企業予算については、平成十五年度予算は千七百二十九億円を計上し、金融セー
フティーネット対策、再生支援策、新たな事業に挑戦する中小企業支援策などに重点
化し中小企業を支援していくこととしております。また、中小企業の実態に即したき
め細かな検査の実施や、中小企業に対する資金供給の一層の円滑化のための対策も講
じてまいります。
なお、地域金融円滑化法案については、基本的に自主的な経営判断にゆだねるべき
金融機関の業務内容を政府が画一的な基準で評価、公表するものであり、慎重に考え
るべきであると思います。
平成十六年度予算編成についてですが、平成十六年度予算編成に当たっては、一般
会計歳出及び一般歳出について実質的に前年度以下の水準に抑制するとの目標の下、
歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、予算の内容については、大胆なめり張りを
付けることにより、重点的、効率的な予算配分に努めてまいります。
なお、国債発行額については、現時点では十六年度税収の具体的な見込みを申し上
げるのは困難であります。また、歳出面についても、今後、各省からの要求内容を十
分に精査、検討することとしており、具体的な発行額について申し上げられる段階に
はないと考えます。
税制に関する取組についてですが、平成十五年度改正において広範な改革を行いま
した。これにより、十五年度は一兆八千億円の減税を行いました。十六年度もこの改
正により、一兆五千億円の減税が先行します。
十六年度改正に向けては、十五年度改正の効果を的確に検証しつつ、日米両国間の
投資交流を促進するため、日米租税条約の三十年ぶりの全面改正に取り組むなど、引
き続き持続的な経済社会の活性化を目指した改革を進めてまいりました。
御指摘のローン利子控除制度については、課税の公平な負担という問題もあり、適
切ではないと思います。
プライマリーバランスの黒字化についてでございますが、我が国の財政状況は主要
先進国中最悪の状況となっており、将来の世代に責任の持てる持続可能な財政構造の
構築が急務であります。
このため、政府としては、二〇一〇年代初頭におけるプライマリーバランス黒字化
を目指すこととしており、この目標の実現に向けて徹底した歳出改革を行うとともに、
併せて金融、税制、規制の構造改革を進め、民間需要主導の持続的な経済成長の実現
を図ることとしております。
現在の雇用情勢、雇用創出や働き方のルール作りについてでございますが、現下の
雇用失業情勢については依然として厳しい状況にあるものの、失業率が徐々に下がる
など明るい動きも見られます。
政府としては、今後とも、規制や制度の改革、人材育成や公的業務の民間委託など
を進め、更なる雇用の創出に全力で取り組むとともに、ワークシェアリングの導入促
進など、多様で柔軟な働き方を可能とする労働環境の整備を進めるとともに、だれも
が安心して働ける環境づくりを進めてまいります。
年金改革についてでございますが、平成十六年の年金改革については、これまでも
関係大臣などから議論のための案の提示があり、また経済財政諮問会議でも具体的に
取り上げ、骨太方針二〇〇三においてこの基本的方針について明らかにしているとこ
ろであります。今後、現役世代の負担が過大なものとならないよう、給付と負担の見
直しを行うなど、若者と高齢者が支え合う公平で持続的な制度を構築することが必要
であります。
また、基礎年金の国庫負担割合の引上げについては、法律附則にあるように、基礎
年金の給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、安定した財源を確
保する必要があります。こうした点について、国民的な議論を深め、年内に成案を取
りまとめ、国会においても十分議論をお願いしたいと思います。
なお、民主党が提案されております年金制度体系の在り方を見直し、一階を税方式
とすることについては、自助自律という社会保険のメリットを放棄するとともに、年
金給付と生活保護との関係をどう整理するのか、また巨額の税財源をどう賄うのかと
いう問題があると思います。
医療制度改革についてですが、医療制度改革については、国民皆保険制度を将来に
わたり堅持していくため、本年三月に閣議決定した基本方針等に基づき改革を着実に
進めてまいります。
また、被用者保険本人の自己負担を二割に戻せということでありますが、医療保険
制度を通じた給付の平等を図るという三割負担導入の趣旨に反するほか、医療保険財
政に深刻な影響を及ぼすことから不適切と考えております。
小児医療に関しては、三歳未満の小児の自己負担を二割に軽減したところですが、
加えて、地域における小児救急医療体制の確保に努めてまいります。
特殊法人改革についてですが、政府としては、百六十三法人すべてについてゼロベー
スからの事業の徹底した見直しを行い、既に百二十七法人について廃止、民営化、独
立行政法人化等の措置を講じております。
住宅金融公庫については、これを廃止することとし、新規貸出しを段階的に縮小す
るとの方針を示した結果、利用しやすい民間の住宅ローンが相次いで提供されており
ます。
また、特殊法人等の財政支出を約一兆四千億円削減するとともに、役員給与、退職
金、役員数についても大幅な削減を実施したところであり、具体的に成果は着実に上
がっていると考えております。
道路関係四公団民営化についてでございますが、本四公団の債務処理については、
本四架橋の建設が国会で全会一致での議決を経たものとはいえ、経済状況が変化する
中で事業の見直し等が必ずしも適時適切に行われなかったという経緯によるものと考
えており、今般の改革は正にこれを教訓として、債務の確実な返済を行うなど、問題
の解決に全力で取り組むこととしたものであります。
今後の高速道路の建設については、民営化推進委員会の意見書で示されている民営
化による有料道路方式と直轄方式の二本立てにより、厳格な事業評価、コスト縮減を
行った上で、債務を確実に返済しつつ、できるだけ少ない国民負担の下で必要な道路
を建設することが重要であると考えております。
また、昨年十二月に民営化推進委員会から意見が提出された後、自民党政調道路調
査会を含め、各方面から様々な意見が主張されていることは承知しておりますが、コ
ストの縮減や新直轄方式の導入、ファミリー企業の見直しなど、共通する点も多く存
在するところであります。
いずれにしても、今後、民営化推進委員会の意見を基本的に尊重するとの方針の下、
本年中に政府・与党間での協議を経て民営化の概要を決定し、平成十七年度からの民
営化に向けて来年の通常国会に民営化関連法案を提出することにしております。
道路公団の藤井総裁についてですが、道路公団総裁が既に決定した民営化の方針に
協力していただくことは言うまでもないことであります。道路公団総裁の人事につい
ては、任命権者である国土交通大臣がまずは適切に判断すべき事柄であり、国土交通
大臣が藤井総裁本人から直接話を聞くと聞いておりますので、その結果を待ちたいと
考えております。
高速道路の無料化の民主党案についてどう思うかということでございます。
今後の高速道路の建設に当たっては、債務を先送りせず、確実に返済しつつ、必要
な道路をできるだけ少ない国民負担で造ることが重要であります。民主党案は必ずし
もいまだ全体像が明らかではありませんが、大都市以外の高速道路を無料化し、道路
特定財源の一般財源化するとの御提案については、借入金債務の返済、道路の維持管
理、必要な道路の建設を行うために要する財源として税収が減ることも想定され、収
支のつじつまが合うのかどうか心配しております。債務の返済を一律に税金で行う上、
大都市の高速道路の利用者は更に料金を負担しなければならないということは不公平
ではないかと思っております。
これらの問題があるものと考えますが、いずれにしても、より具体的な中身を明ら
かにしていただければ十分議論したいと思います。
政府としては、今後、道路関係四公団民営化推進委員会の意見を基本的に尊重する
との方針の下、国民にとって真にメリットのある改革となるよう建設コストの大幅削
減、ファミリー企業の見直し等を引き続き推進するとともに、債務の確実な返済及び
必要な道路の建設が可能となる政府案を取りまとめてまいりたいと思います。
郵政の民営化、自民党のマニフェストに盛り込むのかというお尋ねでございますが、
私はマニフェストも公約も変わらないと思っています。マニフェストを、片仮名で、
英語で訳せばマニフェスト。実態は公約で変わりはないと思っております。
私は、平成十九年から郵政事業を民営化することをこのたびの自由民主党総裁選に
おいて公約として掲げて再選されました。その後、自由民主党及び改造内閣でもこの
公約を政権運営の基本方針といたしました。
私は、郵貯も簡保も郵便も既に民間人がやっている事業であります。なぜ二十八万
人以上の国家公務員じゃなきゃできないのか。自衛隊だって二十三万人ちょっとです
よ。これだけの、民間でできる事業を国家公務員の身分じゃなきゃおかしいと言って
いるその主張の方がおかしいと思っています。
そういうことから、私は、民営化されれば、税金を納めていない今郵政公社が、必
ず税金を納める側に回ります。そして、サービスも三事業にこだわらない、もっと発
展的なサービスが展開される。ほとんどの地域で一等地に郵便局の局舎がある。あの
局舎を都市再生なりいろんな事業に、再開発、再利用すれば、もっと地域は活性化す
る、郵便事業も活性化すると思います。そういう点について、なぜ国家公務員でなきゃ
いけないのかと、よく民主党も自民党も考えるべきだと。
郵政事業の民営化は正に公務員の集団、役所の既得権を維持しようとするから今ま
でみんな反対だったんでしょう。それを打開するためにやるんです。言わば官の構造
改革の基本なんです。
そういう点から、郵政事業の民営化は今後党内で十分議論し、必ず自民党の公約に
いたします。自民党は変わった、自民党は改革政党になったというあかしになります。
三位一体の改革についてでございますが、国と地方の改革として、政府としては補
助金改革、交付税改革、地方への税源移譲を行う三位一体の改革を進めることとして
おります。
そのうち、補助金改革については、基本方針二〇〇三にあるように、公共事業も含
めた各行政分野の改革工程を決定しており、今後、その改革の方向性、スケジュール
に沿って廃止、縮減等の具体化を確実に進めていく考えです。したがって、補助金改
革について具体案を示していないなどの指摘は当たらないものと考えます。
地方分権に至る道筋についてでございますが、政府としては、地方の意見も把握し
つつ、平成十八年度までに補助金について約四兆円の廃止、縮減等を行うとともに、
交付税を見直し、地方への税源を移譲する三位一体の改革の具体化を進めます。さら
に、課税自主権の拡大なども含めて、地方が自らの支出を自らの権限、責任、財源で
賄う割合を高めることにより、地方分権社会の基盤の確立につなげていく考えであり
ます。
補助金の見直しは個別の補助金ごとに徹底的な見直しを行う必要があり、民主党案
のように補助金の大半を一律に一括交付金化することは三位一体の改革につながらな
いんじゃないかと考えております。
政治資金の公開基準、公共事業受注企業の献金規制、政治資金の外部監査について
でございますが、政治資金の透明性を確保しながら広く薄く公正に政治資金を確保す
ることが認められるルールを作っていくべきであると考えています。
政治資金の公開基準、献金規制、外部監査の導入については、この基本的な考え方
に従い、一定の提案について幅広い理解が得られるよう、各党各派間で十分に議論を
深めていくべきものと考えます。
公務員制度改革でございますが、政府は、時代に合った国民本位の行政の実現を図
るため、公務員制度改革大綱に基づき、能力主義の人事制度の導入、適正な再就職ルー
ルの確立などの検討を進めてきたところであります。
今後、制度改革の具体化を進めるとともに、職員団体も含め幅広く関係者と話合い
を行い、できるだけ早く法案を取りまとめられるよう努力してまいります。
裁判員制度についてでございますが、一般の国民が裁判手続に参画することにより、
裁判結果に健全な社会常識がより反映されるようになるとともに、司法はより強固な
国民的基盤を得ると考えます。
他方、裁判員制度は国民の側に多大の負担をお願いする側面もあることから、裁判
官と裁判員の人数の問題を含めて、十分に国民的理解を得て具体的な検討を進める必
要があると考えます。
少人数学級の推進と教育の地方分権についてでございますが、教育の地方分権を進
め、子供や地域の状況に応じた学校作りを実現していくことは重要な課題であります。
これまでも、教育課程の基準の弾力化や都道府県の判断による少人数学級編制を可
能にするなどの取組を進めているところであり、今後とも教育の地方分権を積極的に
推進してまいります。
民主党は、全国一律の三十人学級を実現するという提案をされていますが、政府と
しては、学級という概念にとらわれることなく、少人数指導や習熟度別指導の充実な
ど、きめ細かい充実の実現に努めているところであります。
男女共同参画についてですが、配偶者からの暴力の防止、性別による差別的な取扱
いの解消は、男女共同参画社会を形成していく上で真正面から取り組んで克服しなけ
ればならない課題であると認識しております。御指摘のそれぞれの問題も含めて、男
女共同参画の推進に強力に取り組んでまいります。
治安対策でございますが、外国人犯罪や少年犯罪など深刻化する犯罪情勢を改善す
るため、警察官その他取締りに当たる関係職員の増員や出入国管理の強化など、各種
犯罪対策の強化を図ります。
また、犯罪の生じにくい社会を作り上げるため、社会の安全は自分たちみんなで守
るという意識に支えられた市民と地域の一致した取組を支援してまいります。具体的
には、犯罪対策閣僚会議が年内に取りまとめる行動計画に基づいて総合的な対策を講
ずることにより、「世界一安全な国、日本」の復活を図ってまいります。
北朝鮮の核開発問題についてのお尋ねでございます。
北朝鮮による核兵器の開発、保有、移転は絶対に容認できず、政府としては、核開
発計画の完全、検証可能かつ不可逆的な即時廃棄を北朝鮮側に求めていく考えであり
ます。今後とも、米国、韓国等の関係国と緊密に連携しつつ、六者会合等様々な場に
おいて北朝鮮に国際社会の一員としての責任ある対応を求めていく考えであります。
拉致問題でございますが、拉致問題については、被害者御家族の帰国の一日も早い
実現、拉致問題の真相究明等、徹底した問題解決を図っていく必要があります。政府
としては、国際社会の理解と協力も得つつ、北朝鮮側に対し問題解決に向けた前向き
かつ具体的な対応を引き続き強く求めていく考えであります。
現行の武器使用基準についてでございますが、イラク人道復興支援法では、我が国
自衛隊が治安維持活動自体を行うわけではなく、また、活動地域は安全に最大限の配
慮をして設定することとしております。さらに、携行する武器の種類や部隊の運用に
ついて、現地情勢や実施業務の内容等を踏まえて適切に対応することにより、現行の
武器使用権限で十分対応できるものと考えております。
イラクに対する復興支援とブッシュ大統領の日本訪問についてでございますが、イ
ラク復興支援は国際社会の重要課題であり、米国も新たな安保理決議の採択に努力し
ていると承知しております。我が国としても、国際協調の下、我が国にふさわしい貢
献を行ってまいります。
ブッシュ大統領が近く日本を訪問されますが、その際には、世界の中の日米同盟と
いう観点に立っていろんな問題を議論し意見交換したいと思っております。
テロ対策特別措置法の延長に関するお尋ねですが、米国は、アフガニスタンにおけ
る活動が主要な戦闘から復興等に移行している旨述べる一方で、テロとの闘いは終わっ
ていない旨述べております。現に、九・一一テロ以降も世界各地でテロが発生するな
ど、テロの脅威は依然として深刻であり、国際社会によるテロとの闘いは継続してい
ると言わざるを得ません。
政府としては、かかる脅威が除去されれば、対応措置を実施する必要性を失い、テ
ロ対策特別措置法は廃止されるものと考えますが、深刻なテロの脅威が継続する現状
においては、テロ対策特別措置法の延長を図ることにより、引き続き我が国としてテ
ロとの闘いに参画し貢献することが是非とも必要であると考えます。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
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国務大臣 谷垣禎一 君 |
千葉景子さんにお答えいたします。
まず、ローン利子控除制度の御議論でしたが、これについては、ローンを利用する
人とそれから自己資金で購入する人との間のバランスが取れるかといった問題、それ
からこれが租税回避のために利用される懸念がある、こういった問題点があると思い
ます。したがいまして、諸外国でも廃止、縮小の方向にあるというふうに理解してお
りますが、私もその創設は適切ではないというふうに考えております。
それから、プライマリーバランスの黒字化に関するお尋ねがございました。
我が国の財政事情は極めて厳しい状況にございますし、財政の中長期的な持続可能
性を回復するためには財政構造改革の推進が重要な課題であるというふうに考えてお
ります。
政府としては、具体的には社会保障制度の見直し、あるいは三位一体改革、それか
ら公共投資に関する改革などを進めまして、二〇〇六年度までの政府の大きさ、これ
は一般政府の支出規模のGDP比でございますが、二〇〇二年度の水準を上回らない
程度とするということを目指しております。
それから、二〇〇七年度以降も同程度の財政収支改善努力を継続するとともに、民
間需要主導の着実な成長を実現することによりまして、二〇一〇年代初頭においてプ
ライマリーバランスの黒字化を目指してまいりたいと考えております。
それから、基礎年金国庫負担の問題についてのお尋ねがございました。
この問題につきましては、平成十二年年金改正法附則に、給付水準それから財政方
式を含めてその在り方を幅広く検討し、安定した財源を確保するものとされておりま
すが、今後、年金制度や国庫負担の在り方をどう考えるか、あるいは給付と負担の関
係をどう考えるかといった点の検討と併せて議論していく必要があると考えておりま
す。(拍手)
〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
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国務大臣 坂口力 君 |
基礎年金国庫負担の割合の引上げ問題についてお尋ねがございました。
谷垣大臣からも今御答弁のあったところでございますが、平成十二年の改正のとき
にその附則の中で、安定した財源を確保し、二分の一への引上げを図る、こういうふ
うに決まったところでございまして、次のこの改正のためには誠に重要な問題点の一
つというふうに思っているところでございます。
国庫負担の引上げにつきましては、将来の保険料負担が過大にならないようにする
ということ、そしてまた、給付の水準を確保するという意味からいきましても大事な
問題でございまして、今回の改正におきましてその道筋を明確にしたいと考えている
ところでございます。そのためには、この年末にはその決着を付けなければならない
と思っているところでございます。
私、試案を発表させていただきましたが、二分の一に引上げをいたしますと、負担
の上限を二〇%までというふうにいたしましても、二〇二四、五年ぐらい以降におき
ましても大体五四%台の、若いときの所得の大体五四%台の年金を維持することがで
きます。もう少しこの経済状態が良くなる、あるいはまた少子化に歯止めが掛かると
いうことになれば、五七、八%になり得るというふうに思っております。
しかし、三分の一のままでいきますと、これは四七、八%に、平均いたしまして給
付になるということでございますので、それらの点も十分に勘案しながら最終決着に
目指して合意を目指したいと思っているところでございます。(拍手)
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