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  担保物権と民事執行制度の改善のための民法等改正案についての附帯決議案提出 法務委員会
2003.07.24

発言者 担保物権と民事執行制度の改善のための民法等改正案についての附帯決議案提出
委員長
魚住裕一郎

担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言願います。

千葉景子

今日は、担保物権そして民事執行制度の改善のための民法の改正案、もう最後の質疑ということでございます。委員会としても最終の定例日ということでございます。

この担保物権と民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案、基本的に私は賛成をさせていただく立場でございます。

ただ、ちょっと何点か意見だけ申し上げておきたいというふうに思いますが、先般の質疑の際にも、私も大きな項目三つほど立てながら質疑をさせていただきました。ただ、それ以外の部分も本来であれば細かくお聞きをすべきところもあったかというふうに考えております。

ただ、いずれにしても、この法律が極めてこれまでの制度、そしてシステム、それをやっぱり大きく変えるということになるわけでございますので、そういう意味では、これ、後ほど注意点などを附帯決議等で是非確認をしながら遺憾なきを期していかなければいけないというふうに思っておりますが、特に短期賃貸借につきましては、やっぱり審議をしてみましても、なかなかこれを、賃貸借を今している多くの市民の皆さん、あるいは事業をなさっておられる皆さんなどに十分にやっぱり徹底をする。そして、これが決して賃貸借を危うくするものではなく、むしろこれまで不足をしていた部分を逆に言えばきちっと整備をするという面もこれはないわけではありませんので、そういうところも含めましてやっぱりここは十分に周知をする。そして、現場での混乱等がないようにやっぱりしていかなければいけないというふうに思っているところでもございます。

また、今回、私も大変うれしく思うところの一つに、扶養義務、この扶養料の確保、これに前進が果たすことができたわけですけれども、これもやはり短期賃貸借と同じようにこういう手段が取れるのだと、こういうことを本当に多くの、この扶養料の確保で困難をされている、あるいはこれが不安なゆえに、やっぱり自分の人生、もう本当にやりたい人生を送りにくいと、こういう女性なども多くいるわけでございます。

そういう意味では、ここもやっぱり、こういう本当に制度をきちっと活用できるのだという、そういうところの周知あるいは問い合わせがすぐできるような、そういうことが必要であろうと思いますし、これは議論の中でも出てまいりました。やはり、さはいっても裁判所等の手を煩わせながら手続を取っていくということでもございますので、これを何とか、やっぱりもっと社会が、あるいは行政等が手を差し伸べながら、そしてそれを確保していくような、そういうこともやっぱりこれを機会に考えていかなければいけないと、こんなふうにも思ったりいたします。

そしてもう一点、やはり働いておられる皆さん、やっぱり労働債権の問題も生活の糧でございます。もう何かあれば、すぐあしたから生活がいろいろ困窮する、あるいは困るということになるわけで、今確かに、世上、経済的にも非常に混迷しておりますし、景気がなかなか良くならない、あるいはその中でリストラがあったり、あるいは解雇があったり、そういう状況でございます。

だとすれば、なおさらこういう労働債権、あるいは働く皆さんの生活の基礎をきちっとしませんと、やっぱり消費も拡大しない、不安があればあるだけ経済の基盤というものが萎縮していくと、こういうことになるわけでもあり、そういうことを考え合わせますと、今回、一定の前進は果たし得たとしても、やっぱり国際的にILO条約などで租税債権などに優先するような形で、やっぱり社会の一番担い手です、支え役ですから、そういうところが元気になる、そして安心できるような、そういう措置を取るべしと、この要請は極めて適切であり、それから早急に取り組まなければいけないものだというふうに思います。

どうぞ、こういう点改めまして、今回の審議、限られた時間でございましたので、尽くせぬところがあったかと思いますけれども、よく念頭に置いていただいて、大臣にもその点の今後の対応等、リーダーシップを取っていただきたいというふうに思っております。

そして、先ほど申し上げましたように、この国会、今日が最後の定例日ということになるわけでございまして、本来であれば一般質疑、いろいろな角度からの法務にかかわる、司法にかかわる問題を十分に論議をする、そういう機会ももっと設けたかったなというふうに考えております。残念ながら国会のやっぱり会期ということでございますので、それはかなうものではありませんが、是非、大臣にこの国会を振り返りながら所感を聞かせていただきたいというふうに思っております。

実はこの国会、ここまで本当に法案の審議がどん詰まりまでもう大変な思いをすることになったというのは、幾つかの問題点があろうかというふうに思います。

一つは、やっぱり司法制度改革、これは二十一世紀、私はもう最大の改革だろうというふうに思っております。いろいろな改革というのは今手掛けられておりますけれども、日本の民主主義、そして国民主権、こういうことのやっぱり大きな柱になる改革であろうというふうに思いますので、これを実現するために、本当に多くの法案や制度の見直しなどをしていかなければいけない。それをこの法務委員会というところに託されているということは極めて責任も重いというふうに思いますし、私もその点については積極的に議論を進めていきたいものだというふうに思います。

ただ、若干残念なことは、法務大臣、担当大臣として頑張っていただいているかと思いますけれども、どうもやっぱりこの本部長の意気込みというものがなかなか伝わってこないというところもございます。改革のいろんな問題はよく報道などもにぎわすことになるわけですけれども、どうもこの司法制度改革といいますと、なかなかそういうところにも上ってこない。それから、本部長も事あるごとにいろんなことをおっしゃいますけれども、その中に司法制度改革ということが言われたことというのは余り聞いたことがない。やっぱりこれだけの改革を成し遂げようというのであれば、やっぱり法務大臣にも本部長にも大いにしりをたたいていただきまして、やっぱりこれがどれだけ大変なことなんだということを是非よくよく知らしめていただかなければならないのではないかというふうに思います。

今回は時間がございませんでしたけれども、やっぱり本部長自ら、やる気であれば委員会などにもむしろ自分の思いやあるいは熱意を伝えるために出張っていただくくらいの、そういうこともあってしかるべきだろうというふうに思います。また、そういう機会が是非ありますように期待をしているところでもございます。こういうことがある。

もう一方、これは本当に残念なことですけれども、名古屋刑務所に端を発して、日本の行刑の在り方ということが大変大きなこれは社会の問題にもなりました。そういう中で、法務省でもかなりの処分がなされたり、あるいは行刑改革会議というのが立ち上げられまして、抜本的な改革の道が今ようやくスタートをされつつあるわけでございます。ただ、これだけの処分を出し、そして社会的にも厳しい批判を浴びた。法務大臣、本当におつらいところもあったかと思いますけれども、これは法務大臣の責任というのは本当は極めて大きかったのではないかなというふうに思っております。

そこで、法務大臣がどういう姿勢を示されるかということがやっぱりこれからの法務省の信頼とか、そういうものにもつながっていったのではないかというふうに思っておりまして、その辺りを本当に大臣としてはどういう思いでこの国会臨まれたのかなと、こういうことも感ずるところでもございます。そういうことを踏まえながら、是非、大臣がこの国会をどういうふうに振り返られるか、御自身の言わば責任の重さも含めながら御所見をお伺いをしたいというふうに思います。

そして、一点だけ。これは、きっと大臣もちょっぴり残念だなと感じておられるのではないでしょうか。長年の懸案でもございます、多くの女性も待ち望んでおります民法、選択的夫婦別姓、これを含んだ民法の改正作業、大臣も多分、大臣になられたときには、よし、これで実現できるぞと内心思われておられたのではないかというふうに推測をさせていただきます。残念ながら、今に至るまで実現というところには至りませんでした。大臣として内心じくじたる思いがおありかもしれません。この展望なども含めながら、是非、大臣に御所見をお伺いをいたしまして私の、担保物権ばかりにはなりませんでしたけれども、質問とさせていただきたいと思います。どうぞ大臣、十分にお述べいただきたいと思います。

国務大臣
森山眞弓

この国会を回顧しての所見をというお言葉でございましたが、今、先生のお話の中にほとんど十分に盛り込まれておりまして、大変行き届いたお言葉をちょうだいしたというふうに思っております。

私といたしましても、国会、今、四十日延長していただきまして、その日数のおかげもありまして、今日ここまでこぎ着けることができたのは先生方の御支援と御鞭撻のおかげだと心から感謝しておりますが、振り返ってみますと、おっしゃいますとおり、司法制度改革という、法務行政の歴史に残る、あるいは日本の歴史に残るかもしれない非常に大きな事態と真っ正面からぶつかった最初の国会でもございましたので、それにも大変一生懸命やらせていただきました。まだ一部ではございますけれども、幾つかの法律を通していただきまして、その取っ掛かりができたかなと思っております。

本部長の言葉が聞けなかったのが残念だというお話でございましたが、本部長は総理大臣でございまして、時間的にも非常な制約がございましたこともあるんでございますが、非常に御熱心にこのことは、私などには始終お言葉をいただきまして、言わばハッパを掛けられていたわけでございますので、聞こえてこないというお話はちょっと言い方が、私の力が不足だったのかなというふうにも思いますが、総理はともかく大変熱心でございますので、今後とも、私自身も従来に増してこの問題に力を入れていきまして、身近で取っ付きやすい司法制度の確立ということ、使いやすい司法制度を確立するということのために更なる改革の推進をしていきたいというふうに思っているところでございます。

また、おっしゃいました行刑改革の話でございます。

特に、一連の名古屋事件の結果、のきっかけになって、このような問題が表に出てまいりまして、非常に国民が行刑行政に対する信頼を失ったということを考えますと、これを回復するのは非常に大変だというふうに思うわけでございます。法務省といたしましても、矯正局ばかりではなく、全省的な取組をもってこの信頼を回復しなければいけないということで一生懸命力を合わせて今もやっているところでございますが、御存じのように、民間の有識者の知恵をおかりするべく行刑改革会議というのを始めまして、国民の視点に立って、一切の聖域を設けずに自由に御議論をいただくという方針で既にもう四回ほどやらせていただきました。

行刑を抜本的に改革いたしまして、国民に理解され、支えられる行刑施設を作るために今後とも、行刑改革の先生方はもちろんでございますけれども、本委員会の委員の皆様方からも引き続き様々な御指摘、御意見をいただきまして、目的を果たしていきたいというふうに思っております。

世の中は凶悪な事件や思い掛けないようなことが多発いたしまして、多くの国民が治安の悪化あるいはその不安定なことに大変心配を抱いているというのが今の実情ではないかと思います。安心して安全に暮らせる生活、社会ということを実現するということが法務省の役目の一つで、重要な一つでございますので、そのためにあらゆる努力を惜しまないで頑張っていかなければいけない。先ほど申し上げた司法制度改革はもちろんでありますが、そのほかにも改めるべきことがたくさんあるかと思いますので、私自身はもちろんのこと、職員挙げてそのために努力していきたいという気風で今一杯でございます。どうぞ御支援をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

なお、最後に御指摘がございました選択的夫婦別姓制度のことにつきましては、衆議院におきまして、つい先週でございましたか、各党の御意見の開陳の機会がございまして、それを私もテレビを通じて拝見しておりました。各党各派におきまして議論を更にお進めいただきまして、なるべく早く良い結論が得られますように、私も心から願っているところでございます。御協力くださいますように今後ともよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

   ─────────────

委員長
魚住裕一郎

多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

この際、千葉君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。

千葉景子

私は、ただいま可決されました担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

   担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

 政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 短期賃貸借制度が廃止されることに伴い、賃借人保護制度として建物賃借人に対する明渡猶予制度及び抵当権者の同意による賃貸借に対抗力を与える制度が導入されたことについて、混乱が生じないようその内容を関係団体のほか広く国民に周知されるよう努めるとともに、抵当権と賃借権の権利関係の調整については、本法施行後の状況を勘案し、必要な検討を行うこと。

二 労働債権に係る先取特権の実行手続については、労働者自らが「存在を証する文書」を提出することは困難である状況にかんがみ、労働者に過剰な証拠収集の負担をかけることなく迅速な権利実現が図られるよう、賃金台帳等一定の形式の文書を必要とするものではないことの周知に引き続き努めること。

三 改正後の民事執行手続が適正かつ迅速に運用されるよう、裁判所の人的・物的体制の整備に配慮すること。

四 扶養義務等に係る金銭債権を請求する場合における強制執行の特例が養育費等の履行確保のために創設されたものであることにかんがみ、その特例の内容及び強制執行の申立てに必要な手続について広く国民に周知されるよう努めるとともに、養育費の取立ての国による代行等諸外国の制度も勘案して、支払確保のためのより実効性のある制度について検討すること。

五 財産開示手続については、過酷な債権取立ての手段として濫用されることがないよう、その制度の内容について広く国民に周知されるよう努めること。

六 改正後の民事執行法上の保全処分について、労働組合運動その他正当な活動を阻害することのないよう十分配慮し、関係者への周知徹底を図ること。

七 競売不動産の内覧実施に当たっては、居住者・家族等のプライバシーが不当に侵害されることのないよう、制度の趣旨について周知徹底を図ること。

八 倒産時における労働債権と他の債権との調整について、労働者の生活の保持に労働債権の確保が不可欠であることを踏まえて検討し、所要の見直しを行うこと。

  また、ILO百七十三号条約について早期に批准するよう努めること。

  右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

委員長
魚住裕一郎

ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。

本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

  〔賛成者挙手〕

委員長
魚住裕一郎

多数と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。

委員長
魚住裕一郎

多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

この際、千葉君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。

千葉景子

私は、ただいま可決されました仲裁法案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

   仲裁法案に対する附帯決議(案)

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 仲裁制度が裁判外紛争解決手段として幅広く利用されるよう、その意義、内容等について、事業者及び一般国民に十分周知するとともに、仲裁機関等へのアクセスの向上及び仲裁人の確保等体制の整備を図ること。

二 仲裁制度が国際的な民商事紛争への解決に資するよう、今後の国際的動向等を踏まえて必要に応じて所要の見直しを行うとともに、仲裁機関の充実や国際的・専門的知見を備えた仲裁人の育成等に努めること。

三 多様なADRの育成・充実を図るため、仲裁制度を含む総合的なADRの利用促進及び裁判手続との連携強化等を内容とする基本法の整備等を含めた施策について、早急に策定すること。

四 消費者仲裁においては、情報・交渉力等に格差がある中で消費者に不利な仲裁合意がなされることがないよう、関係法令を含めて適切な措置を講ずるとともに、仲裁廷による消費者への仲裁制度、解除その他の重要事項の説明に当たっては、消費者の十分な理解を得ることが必要であることを仲裁機関に周知徹底すること。

五 個別労働関係紛争を対象とする労働仲裁においては、労働者の権利保護の視点から関係法令を含めて所要の整備、見直しを行うこと。

  右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

委員長
魚住裕一郎

ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。

本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

  〔賛成者挙手〕

委員長
魚住裕一郎

多数と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。


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