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  司法制度改革のための裁判所法改正案及び附帯決議案の提出 法務委員会
2003.07.17

発言者 司法制度改革のための裁判所法改正案及び附帯決議案の提出
委員長
魚住裕一郎

本案の修正について千葉君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。千葉景子君。

千葉景子

私は、ただいま議題となっております司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。

その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。

以下、その趣旨について御説明申し上げます。

弁護士資格の特例の拡大については、現行制度の根幹である司法試験合格と司法修習の修了という資格要件の例外を広げるものであり、新たな改革である法科大学院構想に基づく法曹養成制度の下で多数の法曹の養成が行われるという法曹養成理念に照らし、安易に特例を設けることには極めて慎重な配慮が必要であります。

今回の改正では、国会議員及び特任検事についても新たに特例を認めることにしておりますが、まず国会議員については、各種特権の見直しが問題とされている状況の中で、一定年数の在職のみを要件に司法修習を免除するというのは職務の実態に照らして合理性に欠け、司法修習の形骸化を進めるものにほかなりません。これではお手盛りとの国民の批判を避けることはできません。

衆議院において、特例を認める要件として所定の研修の修了を義務付ける修正が行われましたが、形だけの研修を課するものであれば、その本質は全く変わるものではありません。

次に、特任検事に対しては、司法試験、司法修習抜きで弁護士資格を与えることにしておりますが、その職務は刑事が中心で、民事に関して十分な知識があると言えず、また内部の試験に合格したというだけでは法曹資格を付与する合理性に欠け、到底認められるものではありません。

そこで、本修正案は、第一に、司法試験合格後、国会議員の職にあった期間が五年以上になる者を弁護士資格を有する者から除くこととし、第二に、特任検事となった後、その職にあった期間が通算して五年以上になる者を弁護士資格を有する者から除くこととするほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

以上が修正案の趣旨であります。

何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

委員長
魚住裕一郎

これより原案並びに修正案について討論に入ります。

御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

井上哲士
私は、日本共産党を代表して、司法制度改革のための裁判所法等改正案に対し、反対の討論を行います。

反対の第一の理由は、本改正案の弁護士資格特例の要件緩和は、現行法曹養成制度の根幹である司法試験合格、司法修習終了という資格条件の例外を安易に拡大するものであり、多様化の名の下に国会議員、特任検事、企業法務担当者らに弁護士資格を付与することは、司法修習の形骸化を進めるばかりか、これから立ち上がろうとしている法科大学院によるプロセスによる法曹養成の理念にも真っ向から矛盾するものだからです。

国会議員等に形だけの研修を課すという修正も、法案の本質を変えるものではなく、お手盛りという国民からの批判を免れるものではありません。

中でも、特任検事に司法試験、司法修習抜きで弁護士資格を与えることは重大です。合理的理由が全くないばかりか、民事について十分な知識があるとは言えず、また刑事についても検察側の視点でしか職務を行ってきておりません。幅広い人権意識を身に付ける訓練を行っていない者に弁護士資格を付与することは到底認められるものではありません。

反対の第二の理由は、外国法事務弁護士に対して日本法弁護士を雇用できるように改めることにより、日本の法廷にアメリカの営利第一主義の法理を持ち込み、日本弁護士の自立をも脅かし、弁護士法の理念にも影響を及ぼしかねないからであります。

日本の弁護士のみに与えられた法律事務に関しては、雇用主たる外国法事務弁護士といえども干渉してはならないとしていますが、現行の共同関係と違って、雇用関係になった場合に不干渉が守られる保障はありません。

日本弁護士を雇用しようとしている外国法事務弁護士は、アメリカの数百人、数千人という弁護士を抱えた巨大ローファームであり、アメリカの多国籍企業の海外での収奪を支える仕事を専らにする巨大法律会計企業であり、これらの本格的な日本への進出に道を開くものであり、到底認められません。

なお、非常勤裁判官制度の創設、弁護士の綱紀・懲戒手続の整備は、司法の国民的基盤の強化につながるものであり、賛成です。

また、簡裁事物管轄の百四十万円への拡大は簡裁の人的基盤の充実が、さらに弁護士の営利業務従事制限の緩和は弁護士の社会的使命の強化などがそれぞれ欠くべからざる前提であることを付言しておきます。

以上、本法案は、若干の改善点はあるものの、弁護士資格の要件緩和と外弁法改正により、日本の裁判制度と弁護士制度を基本的人権の擁護と社会正義の実現から営利追求第一に変質させかねない改悪部分が顕著であり、全体としては反対の態度を表明をし、討論を終わります。

委員長
魚住裕一郎

他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。

これより司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。

まず、千葉君提出の修正案の採決を行います。

本修正案に賛成の方の挙手を願います。

  〔賛成者挙手〕

委員長
魚住裕一郎

少数と認めます。よって、千葉君提出の修正案は否決されました。

それでは次に、原案全部の採決を行います。

本案に賛成の方の挙手を願います。

  〔賛成者挙手〕

委員長
魚住裕一郎

多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

この際、千葉君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。

千葉景子

私は、ただいま可決されました司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

   司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

 政府及び関係機関並びに最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 不動産に関する訴えを提起しようとする者が、簡易裁判所の事物管轄の上限引上げに伴い、訴訟の目的の価額の上限を超えない請求をする場合でも、簡易迅速に事件を解決する簡易裁判所の機能を十分に踏まえ、第一審裁判所として地方裁判所も選べる旨周知すること。

二 簡易裁判所の事物管轄引上げに伴い、簡易裁判所と地方裁判所の役割及び民事訴訟法第十八条の簡易裁判所の裁量移送の趣旨が周知徹底されるよう努めること。

三 民事調停官及び家事調停官の制度については、その機能と成果を検証しつつ定着を図るとともに、着実な規模の拡大に努めること。

四 弁護士が裁判官と同等の立場で、調停事件以外の非訟事件に関与する制度の導入に関する研究を進めること。

五 弁護士資格の特例を拡充することとなる者に課する研修については、司法修習の理念に基づき、弁護士実務に必要な理論的かつ実践的な能力を涵養するために、十分な内容及び時間を確保するよう努めること。

六 法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度が構築されることや、本法によって新たに特例措置を講ずる者に対しては研修を課することとしたことにかんがみ、五年以上一定範囲の大学の法律学の教授・助教授、衆参の法制局参事、内閣法制局の参事官等の職に在った者に対して弁護士資格を付与する制度について、速やかに適切な見直しを行うこと。

七 弁護士の報酬に関する標準を示す規定が会則から削除されることに伴い、弁護士法第一条に明記された弁護士の職務に公共的性格があることにかんがみ、国民の弁護士へのアクセス拡充に支障が生じないよう、日本弁護士連合会が行う弁護士報酬の実態等の情報提供に協力すること。

八 外国法事務弁護士が、弁護士との共同事業や弁護士の雇用により日本法などの職務外法律事務を取り扱うことのないよう、日本弁護士連合会が外国法事務弁護士に対して広報及び研修や監督の充実に努めることについて十分な配慮をするとともに、本法の施行後、外国法事務弁護士の法律事務取扱いの状況にかんがみ、必要があるときは適時適切な見直しを行うこと。

  右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

委員長
魚住裕一郎

ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。

本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

  〔賛成者挙手〕

委員長
魚住裕一郎

多数と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。


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