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  司法制度の財政問題についての質疑 2003.07.15

発言者 司法制度の財政問題についての質疑
千葉景子

民主党・新緑風会の千葉景子でございます。

今日は三名の参考人の皆さんに大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

実は民主党も、司法制度改革につきましてはむしろ積極的に進めていくべきだと、こういう立場でございます。すなわち、これからの民主主義、そして国民主権、公平で公正な社会、こういう基盤を作るためには何としても司法制度改革をきちっと進めなければいけない。今、国際化というお話もございましたけれども、やはり国際的なこれからの社会の中で日本がそれと真正面から対応することのできる国であるためにも司法制度改革が必要だという考え方を持たせていただいております。

そういう意味では、司法制度改革、今、大変機運が盛り上がっている、こういう機運を逃さずして抜本的な大きな改革として成し遂げていかなければいけないと、こう思いますけれども、ただ、逆に、ちょっと考えますと、じゃそのための本当に骨太のビジョンというのがきちっと論議をされ尽くしているんだろうかといささか疑問になるところもございます。また逆に、司法制度改革、こういうちょうどいいチャンスなのでまあ何でもいいから突っ込んで決めてしまおうと、こういう部分も全くなきにしもあらずと、こんな感もするところでございますが、そういう私の基礎的な認識を踏まえまして何点かお聞かせをいただきたいというふうに思っております。

今、司法制度改革ということで、土屋参考人と軍司参考人にちょっと聞かせていただきたいというふうに思いますが、やはり司法制度改革、進めていくためには、政策そしてその制度設計等々が必要なことはもちろんでございますけれども、日本のこれまでの司法は大変乏しい財政といいましょうか、大変小さい予算と言われてまいりました。中身の制度のこれからの充実ということは、当然それに伴う財政などもきちっと担保していくということが必要であろうかというふうに思っておりますけれども、その辺りにつきましてどうお考えをお持ちであるか、土屋参考人、軍司参考人、それぞれ御意見がございましたらお願いをしたいと思います。

参考人
土屋美明
日本の司法制度というのは本当に軽量な構造でできているというふうに私は思っています。それは、法曹の数が少ない、人的にも少ない、それから社会的に果たしている機能も小さい、そのために財政負担も少なくて済んだというのが現状だと思うのです。

それで日本の社会はうまくいっていたからいいではないかという御意見はあろうかと思いますけれども、私はそうは思っていなくて、今ちょっとお話ししたこととつながりますけれども、奥の部分が正常な法的解決ルートに乗らないで済んできてしまっている、そういう状況から日本の社会はやはり変えていく必要があるだろうと思っておりまして、そのためには、国が一定程度の財政負担を覚悟する、そして本当に国民のサービス向上につながる制度を作っていく、そういう必要があろうと私は思っています。

現在、私は司法制度改革推進本部の中の裁判員制度・刑事検討会と公的弁護制度検討会の二つの検討会の委員をしておりますけれども、引き受けさせられたと言った方がいいんですが、そこで司法ネットに関する議論なども若干しておりますけれども、そのことを考えるときに、日本の現在の国の予算から考えると、司法というのは余りにも小さ過ぎるなというふうに思っておりまして、どの程度の規模が必要なのかということは、ちょっと具体的にはイメージがあるわけではないんですけれども、いずれにしても、これから法曹の人口を大量に増やし、それから簡易裁判所の機能を拡充していくということですとか、そういうプランを実行していくためには、今の予算措置ではとてもどうにもならないであろうと思うんですね。

簡易裁判所にしても、これだけの百四十万円に管轄を引き上げれば、それに伴って裁判官も増やさなきゃならない、書記官も増やさなければならない、いろんなことが起きるだろうと私は思っておりまして、このままで済む話ではない。制度改革に対するきちんとした財政的裏付けをやっていただきたいと思うのです。そのことによってしっかりした制度ができる、それが結局は国民の利益になっていく、私はそう考えております。

参考人
軍司育雄

お答えいたします。

千葉先生の御指摘の認識と私も全く実は同じでございます。

日本は明治以来、司法の姿が非常に小さく、言葉は、何といいますか、小さい姿に押し込められてきたんではないかと。簡単に言いますと、行政優位の姿がずっと続いてきた、そのために先進国の中では現在では最も透明性の低い社会になっているんではないかと、こういう指摘がされているところでございます。

ある国際的に非常に活動をなさった著名な弁護士さんの話でございますけれども、日本のように行政に対する司法のチェック機能の少ない国は誠に恥ずかしい思いがすると、こういうことをある雑誌に書いております。恥ずかしいほどに司法の、行政に対する司法チェックのシステムがないこの日本と、こういう指摘でございます。

ですから、そういう意味で、〇・四%と、全予算の司法が占める割合は〇・四%というふうに言われていますが、こんなことでこの国の二十一世紀の姿がもつんであろうかと、こういう心配を実は私も持っております。

そういう意味で、先生方のお力添えも得て、もっと司法の基盤が物的にも人的にも大きくなって、司法審の意見書が指摘していますとおり、法律が社会の血肉となると言いましたか、法が社会の血肉となるような働きをする、そういう社会を作っていかなきゃいけないんだと、二十一世紀は。そのためには財政的基盤が必要だということだろうと思います。

ちょっと抽象的でありますけれども、そういうお答えにいたします。

千葉景子

それでは、ちょっと細かい点になろうかと思いますけれども、一つ一つお尋ねをしたいと思います。

中村参考人、今回のこの一括法の中で、弁護士につきましても、先ほどからお話があるように、報酬規定、これが削除をされることになりますが、これについては土屋参考人、軍司参考人からも疑問の声がございました。司法書士の改正の折にも、この報酬規定についてこれからは削除をするということで、やはりこれもいろいろ御心配の筋があったのではないかというふうに思います。

その後の状況とか、あるいは法律を踏まえての何か実情等ございましたら、お話しいただきたいと思います。

参考人
中村邦夫

それではお答えをさせていただきます。

現在、私どもの司法書士の方の報酬でございますけれども、先生今御指摘のとおり、既に報酬規定は廃止がされております。

現在、どのように具体的に扱っているかということでございますが、各司法書士事務所の中に各自が妥当と思われるそういう報酬表を掲げて、そして必ず事件を受託する際に顧客の方に説明をさせていただいて、そして納得していただいた上で業務に入ると、こういうふうな原則を今取らせていただいておるところでございます。

現在、それがどのような状況でされているだろうかという状況につきましては、改めて現在までのところ、詳しい、何といいますか、調査というものはしておりませんけれども、ただ、いろいろな意見を聞きますと、確かに、従来のようにどのような形で報酬の基準を国民の皆さんに示したらいいかという点で非常に、何といいますか、苦しんでいる会員が多いということも事実でございます。

一方、自分たちの仕事というものはこういうものが報酬額としては妥当であるということも各自の先生は、司法書士は司法書士で思っているわけでございますが、そういうふうな点から、今後やはり積み重ねをしていきながら、そこから妥当な報酬の額、ニーズに合った報酬額といったものを私ども自身で決めていかなきゃならないのかなという気がいたしております。

ただ、もちろん、それに対して一般的な意味でいうところの基準のようなものが示されるならば、それは十分参考になるだろうというふうに今はお答えさせていただくにとどめさせていただきます。

千葉景子

ありがとうございます。

それでは、軍司参考人にお尋ねをいたします。

先ほどから、やはり今回の弁護士のかかわりでの懲戒について大変多くの今回は部分が割かれているということでございます。なるべくこういうことが起こらないということが良いわけでございまして、そういう意味では、弁護士倫理の確立ということもやはりこれからのリーガルサービスを提供する側としての心構えだというふうに思いますが、弁護士倫理等につきまして、日弁連等のお取組あるいは考え方ございましたら、お話をいただきたいと思います。

参考人
軍司育雄

お答えいたします。

私ども弁護士はプロフェッショナルを名のっているわけです。プロというものは、そのプロに見合う技能を持つことは当たり前です。それに加えて倫理というものが加わっていなければプロを名のる価値はないと、こういうふうに考えております。

そういう考えの下に、日弁連では、倫理について制度的に、会員の倫理を維持するために制度的にいろんなことを行っているところでございますが、規則を既に作っておりまして、まず、義務的に新人あるいは五年目の弁護士、あるいはその後十年ごとの弁護士、現時点では三十年の経験者まで、私も数年前に三十年研修を受けたところですけれども、こういう研修を制度的に行うためのシステムを作っておりまして、この運用は厳重に行われております。

例えば、研修会に時間に遅れて遅参したというふうな方はもう研修と認めないということで、次回の研修を受けてもらうとか、そういう厳密な運用をすることによってこの倫理研修を行っているところでありまして、さらに、日弁連が単位会と協力して行うわけですが、修了証書を発行するとか、そういう形で、また、どんな大家であっても、裁判官とか検察官を辞めた大家の方であっても例外を認めないと、こういう形で倫理研修を行っているところです。

また、従来、弁護士倫理という形で宣言的な規程として定めておりました、弁護士倫理綱領という名称ですけれども、この時代の変化に応じまして、これに変更を加えまして、現在、更に国際的な角度からの検討も加え、それからユーザーサイドの委員の方にも加わっていただきまして、新しい規程を作っているところでございます。原案は既にでき上がっているのですけれども、これを今、全国単位会に更に検討を求めている段階でありまして、でき得れば年明けの二月の臨時総会にはこの新しい、弁護士基本規程という名称にする予定でございますけれども、しかも、従前の弁護士倫理と違いまして、その弁護士基本規程には拘束力を持たせると、会規という形で拘束力を持たせるというような姿で新しい制度を作り上げようと、こういう努力をいたしておるところでございます。

千葉景子

時間ですので。

ありがとうございました。


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