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  矯正施設についての質疑及び戸籍法改正案についての質疑 法務委員会
2002.12.10

発言者 矯正施設についての質疑及び戸籍法改正案についての質疑
千葉景子
今日は、名古屋刑務所等を含む矯正施設にかかわる問題についての議論ができますこと、本当に良かったと思います。是非、この議論を通しまして新たなる人権保障の道が作られていきますように、期待をしながら質問をさせていただきたいというふうに思います。

既に、先般、名古屋刑務所に野党の議員で調査をさせていただき、いろいろ御配慮をいただきましたことについては、先般の質疑の中でも多少御報告をさせていただきました。

改めて、こういう問題がやっぱり根底にあるのではないかというふうに思います。一つは、矯正施設、刑務所を含めてですけれども、名古屋刑務所のみならず、やっぱり閉鎖状況にあるということですね。密室というか、非常に外と隔絶された環境にある。そういう中で、収容されている人々というのは言わば日常の生活あるいは人間そのもの、丸ごと管理をされている。こういう密室の中で、閉鎖された状況の中で管理をされていると、こういう立場に置かれているわけですね。

そういうことになりますと、その中でのきちっとした人間性やあるいは基本的な人権の保障、確保、こういうことを考えますときには、やはりきちっとしたそれを保障するための厳格な決まり、これがきちっとあるかどうか。それから、それをきちっと履行しているかどうか、これも厳しく第三者あるいは外からチェックできるような、そういう体制が本当にそろっているかどうか、こういうことが非常に重要になってくるだろうというふうに思います。

ところが、先般も調査をさせていただきましたけれども、こういう部分が本当にこれまで整備をされていたのかということを考えますと、これはいささか大変疑問を感ぜざるを得ないと、こういう状況でございます。

確かに、過剰収容であるというようなことも私はないとは申しませんけれども、しかし過剰収容でない時期であってもいろいろな問題が生じていたということもあるわけですし、こういう特質というようなものを考えたときには、やっぱりそのことを十分に念頭に置きながら問題を考えていかなければいけないというふうに思います。

そこで、その材料になるという意味で、私も一体、保護房とかあるいは革手錠の使用、あるいは矯正施設の中での処遇についてどういう仕組みになっているかということを考えてみました。そして、資料等をいただいてみました。

結局は、戒具とかあるいは保護房への収容等は、大まかには監獄法に本当に漠然とした基本的な規定があり、そしてそれに基づく監獄法施行規則で多少のそれを細かくした規定が載せられているということなんですけれども、実際にはそこに書いてあることは、保護房に場合によっては収容できますよ、あるいは場合によっては戒具を使用できますよ、この程度のことなんですね。結局、それ以上、具体的にどういう場合に、あるいはどういう場合にはやっていいのか、やって悪いのかというようなことは、はっきりとしたやっぱり決まりがない。平成十一年の十一月に矯正局長の通達が戒具の使用及び保護房への収容ということで出されております。これが少なくとも今ある基準といえば基準なのかなという感じがいたします。

そこで、せめてこのように通達をされているということと照らし合わせて、一体、名古屋刑務所等、現状がどうなっているのかということですけれども、例えば名古屋刑務所でこの前にお聞きをいたしましたが、保護房収容の平均時間が二十九時間四十四分、最長は百五十四時間三十四分、保護房にこれだけ今年一月から九月の間で収容されているというケースがあるんですね。

ところが、この通達の基準によりますと、保護房への収容というのは、原則としては三日を超えてはならないというふうになっています。どうしても必要があるときには、その後二日ごとに更新をすることができる。百五十四時間ということになりますと、当然この三日を超えるわけです。更新、更新が繰り返されたということになるわけですね。

結局、これは実態として保護房収容がこれだけ長く続く、そして平均でも二十九時間ということになるわけですから、実際にこの百五十四時間などという長い収容をしたというときには、どんなチェック、それからどんな理由、必要性があってこれだけの長い時間、保護房に収容されていたのでしょうか。事実関係をちょっと教えていただきたいと思います。

政府
参考人
中井憲治
お尋ねの個別具体的な案件につきましては、私どももちょっと現在のところ報告を受けておりませんので確と申し上げかねるわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、保護房への収容につきましては、委員が言及されました平成十一年十一月の矯正局長の通達がございまして、ここにおいてまず収容要件が定められているわけでございます。

それとともに、その収容要件の中身は、要するに逃走、暴行、傷害、自殺又は自傷するおそれがあるということ、あるいは制止に従わず、大声を出したりあるいは騒音を発したり、あるいは房内を汚したり、房内汚染と申しますが、あるいは器物を壊したりするなど異常な行動を反復するおそれがある場合という要件が一つございまして、これに加えて、「かつ、」ということで結び付けられておりますけれども、一般の居房でありますところの普通房に収容することが不適当と認められるときに限って行うこととするという収容要件が定められているわけであります。

これとともに、その当該通達によりまして、収容要件が消滅した場合には、これは直ちに収容を解除することとされておるわけでございますので、その保護房収容は今申しました収容要件が充足される限りにおいて継続することができると、こういう通達の仕組みになっているわけでございます。

他方、その収容期間は委員御指摘のとおり、三日を超えてはならないということになっておりますし、この三日を超えて収容する必要があると認められる場合には二日ごとに収容要件を判断してその収容期間を更新していくという、こういう通達になっているわけでございます。

これらにつきましては、監獄法令上、この収容要件、あるいは収容の解除、あるいは収容継続、いずれにつきましても所長が判断する権限を有するということになっておりまして、所長がこれらの要件を充足しているかどうか判断しているわけでございますし、その結果につきましては、私どもが全行刑施設につきまして一年ごとに本省若しくは矯正管区におきまして監察しておりまして、その書類等をチェックして適正になされているかどうかといったことを監査していると、こういう状況にございます。

千葉景子
そうしますと、この長い、百五十四時間にも上るようなケース、本当にそれがこの通達にも照らして、あるいは基本的に本当に保護房を使うというようなことの本質に照らして適切なものであったかということはチェックを必ずされるということですよね。これまでそういうチェックをされて、そして問題のあった、あるいはそれを是正させたとか、そういうことはこれまであったんですか、なかったんですか。これ、ちょっと直接通告がなかったかもしれませんけれども、これまでそういうチェックはしていたんですか、していたわけですよね。

政府
参考人
中井憲治
チェック自体はしておりますけれども、今お尋ねのように、例えば名古屋刑務所において具体的にどういう事例があったかどうか、突然のお尋ねでございますので、現時点でちょっと資料を持ち合わせておりません。

千葉景子
これだけ問題になっているわけですから、これが本当に通達に沿ったものであったのか、本当に適切なものであったのかというのは、何というんでしょう、すぐにでも本当は調べる、あるいはチェックするというのが当然のことであろうと思います。是非、それはどうチェックをされたのか、改めてまた報告をいただきたいというふうに思うんです。

さらに、この戒具の使用とか、あるいは保護房収容中の動静というのは十五分に一回以上の割合で書面に記録すると、動静についてですね、こういう要件も付せられております。この十五分に一回きちっと、例えばこの名古屋刑務所での事例などでもチェックはされていたんでしょうか。その動静について記録がされ、そしてそれがどこかに提示をされる、チェックを受けているということはあるんですか、あったんですか。

政府
参考人
中井憲治
御指摘の点は、先ほどの平成十一年通達において定められるところでありまして、そのようなチェックは巡閲、監察等の際にも当然されているところであります。

また、先ほどの件でございますが、一般的に申し上げますと、例えば非常に保護房における収容期間が長いといったような場合には、それについて、内容等についてまたその巡閲、若しくは管区の監察の際において問いただしたり、場合によっては指導するというようなことを一般的にはやられているところでございます。

千葉景子
この通達によって確かにそういう記録がされたり、監察がされたりして、それがまたチェックされるということになっていたにもかかわらず、やっぱり今回、名古屋ではこういう事件が起こる、あるいはほかにも死亡事例などが起こったりするということですから、そういう意味では、本当にそのチェック機能が、あるいはこの要件に照らした処遇がなされていたとはとても思えないわけですよ。

例えば、さらに革手錠の使用についても確かに要件がございます。どうも名古屋刑務所等を見ても感ずるんですけれども、保護房に収容するということと、それから革手錠を使用するということがセットに行われているんではないかと。名古屋刑務所でも、革手錠の使用が今年十一月までで百六十件、保護房と革手錠の使用が百五十件ということですから、ほぼ革手錠を使用するときというのは大体保護房にも収容されているというどうも実態になっているのではないかというふうに思うんですね。

この革手錠と保護房を併用していいのかどうかということも、これも確かに要件があります。ただ、これも簡単なことでして、「保護房収容のみでは、逃走、暴行又は自殺を抑止できないと認められる場合に限り、保護房に収容されている者に対して戒具を使用することができる」と、非常に漠然としたものでして、何か本当に、必要最低限使うというよりは、先ほど言った件数見ても、もう当たり前のように、保護房と革手錠が一緒と、こういう運用がされてきたんじゃないかと、こう私は指摘をせざるを得ないわけです。

名古屋刑務所で、これも件数とかをお聞きをいたしましたが、この事件が、五月、九月の事件が発覚をいたしまして、その後も、どうも革手錠、保護房というものが使われているように思います。九月まででは革手錠百五十八件、保護房、革手錠併用が百四十八件、十一月までが革手錠使用が百六十件、保護房、革手錠併用が百五十件と、ちょうど二件ずつ多いんですね。多分これはその併用したケースが二件、その後にもあったということだと思うんですけれども。

こういう非常に大変な事件が起こり、その後のことですから、かなり厳しく、あるいは厳格に検討されたものだというふうに私は思いますが、この事件が発覚後に使われた理由、あるいはこの決定の手続、どういうふうに行われたのか、理由とその手続等について、実際のところを教えていただきたいと思います。

政府
参考人
中井憲治
委員、前段から、名古屋における保護房収容と革手錠併用についての御指摘を受け、具体的な事件についてのお尋ねがあったわけでありますけれども、確かにその名古屋におきましては、平成十四年、保護房収容が百九十九件で、うち革手錠併用が百四十八件という形で資料をお渡しさせていただいたと思いますけれども、実はこれは全国的に全部そうではございません。

例えば、府中刑務所なんかで申しますと、二百六十八件、十四年の途中の、期中でございますけれども、保護房収容しておりますが、革手錠の併用件数は七件でございます。また、大阪刑務所で申しますと、保護房収容が平成十四年の期中、途中までで三百七件でありますが、革手錠の併用件数は二十八件という数字になっておりますので、前段の御指摘に対して、この点を御説明させていただきたいと思います。

さらに、後段の具体的な事案でございますけれども、委員御指摘のとおり、九月事件、九月の致傷事件以降にも二件ございます。そのうちの一件でありますが、それは十月のことでございます。

舎房におきまして、受刑者が職員の胸ぐらをつかむなどいたしまして、暴行のおそれが認められたために保護房に収容したものでございます。保護房収容した後も、職員に対して足を振り上げたりなんかいろいろいたしまして、職員が制圧の手を緩めたような場合には再度暴行に及ぶおそれが認められたということで革手錠を使用しております。その後、大声を出すなどという状態は継続いたしましたけれども、この暴行のおそれというものが若干軽減いたしましたために、たしか約三時間後と聞いておりますけれども、革手錠の使用を解除いたしまして、その翌日、暴行のおそれが薄らいだため保護房収容をも解除したという報告を受けているところであります。

続きまして、二件目の案件でございますけれども、これは十一月の案件でございます。やはり、舎房におきまして受刑者が職員の制止に従わず大声を発し続けましたため保護房に収容したというものでございます。保護房収容をいたしました後も職員の制止に従わず、保護房内の壁に頭を激しく自ら打ち続けるというようなことがございまして、自殺のおそれが認められましたために、この当該受刑者の頭にヘッドギアでございますけれども、これを装着いたしました。ただし、これを外しちゃうものですから、これを自ら外させないために両手錠を使用しているところでございます。その後、次第に落ち着きを取り戻し始めたものですから、自殺自傷のおそれといったことは保護房収容のみでこれは抑止できるんではないかということから、保護具、ヘッドギアでございますけれども、これと革手錠を解除いたしまして、その翌日には自殺や自傷のおそれも薄らいだことから保護房収容自体も解除したと、かように報告を受けております。

千葉景子
今お聞きをいたしましたが、確かに必ずしも保護房と革手錠が併用されているわけではないというお話でした、全国的には。逆に言えば、本来はそうだと思いますけれども、そうすると、名古屋刑務所というのは異常に保護房、革手錠を併用してきたということになるわけで、そういう意味では、やっぱり本当にこの通達含めて、結局それぞれの矯正施設での対応の仕方あるいは基準が本当にばらばらで、何か気分によって保護房、革手錠両方使われたりすることになったんでは、これはもう本当に人権が保障されないということになってしまうわけですね。

今、二件の状況を御説明をいただきました。ただ、それが本当にそういう状況の中で保護房に収容する、あるいはその際に革手錠を更に使わざるを得ないという状況だったのかどうかというようなことをやっぱり検証し、そしてチェックするためには、ひとつビデオなどでそういう厳しい戒具、保護房事例などは記録をして、そして後ほどでもチェックをする、こういう機能がないと検証できないわけですよね。御説明をいただいても、本当にそんなに保護房に入れて、暴れるからヘッドギアもする、それを取るから革手錠もする、こんなことが本当に必要なんだろうか。

保護房で革手錠されますと、正直言って、食事とかあるいは用便とか、そういうことについては極めて私は非人間的というか、尊厳を損なうような状況に立ち至る、もうこれは本当に痛感をいたします。

よくこの規定でも、そういうときには、食事には手錠を外すとか、あるいはせめて片方外すとか、あるいは職員が食事の介助をするとか、いろいろ書いてはあるんですけれども、本当にそれがなされているのか。もしそれがきちっとなされていないと、保護房の中にはテーブルがあるわけではない、食事などは下から、低いところから床の上に置かれる、もしそのままの姿勢だったら本当に犬食いですよ。それから、用便も、結局は自分で水を流すというような装置にはなっていない。あるいは手錠のままだったら本当にどうやってやるのか。

多分、いや、そういうときには外しています、ちゃんと、そして食事ができるようにしていますと御報告だと思いますけれども、それが本当になされていなかったら、チェックされていなかったら、本当に人間じゃありませんよ、そういう状態はね。だから、やっぱりチェックをする、そういう機能が必要だ、だとすればビデオ録画のようなことが必要だと思います。

これについては、ようやくつい十一月になって通達が出されまして、ビデオ録画をできるだけしなさいということになりましたけれども、これまでは一体どういうふうになっていたんでしょうか。特に、全体をちょっと説明いただくわけにはいきませんので、例えば名古屋刑務所ではいつごろからビデオ録画をして、そして今回の二件の事例などもビデオ録画がされていたのか。どういう所内での基準とか、あるいは例えば保存期間などはどういう考え方で行われていたのか、その辺についての具体的な事実関係を御報告いただきたいと思います。

政府
参考人
中井憲治
本年十一月に新たに通達を発出いたしました。御指摘のとおりでありますけれども、その以前、要するに被収容者を保護房に収容した際に常時、ビデオ録画するようにといった、こういったことに関する指示等はございません。

一般的に、各施設、名古屋刑務所も含めまして、監視用カメラは持っております。このカメラでございますけれども、これは保護房に限らず、警備保安上の問題もございますので、施設の構内の内や外あるいは工場等にもこれは実は設置しているわけでございます。

したがいまして、このビデオ録画につきましても、一般的に申しますと、施設の内外を録画するケースが多いわけでございまして、保護房内の状況につきましては、例えば、先ほどちょっと私が申しましたように、保護房に収容されている者が頭を壁に打ち付けるといったような自殺又は自傷に及ぶような行為をやるとか、あるいは汚物を投げ付けたり房内に塗りたくるといったような異常行動を取る、あるいは職員に対して、内部にいろいろ職員が入るわけでございますけれども、それに暴行するといった、こういった特にその状況を記録する必要があると認められる場合においてビデオ録画する運用が多かったという具合に、かように承知しているわけでございます。

名古屋刑務所の保護房のビデオ録画についても、これは同様でございまして、他施設と同様の運用をしておりましたけれども、本年五月の致死事件が発生いたしましたが、その後の六月以降に保護房収容中特異な動静があった場合には、その当該保護房をビデオ録画する扱いにされていると、かように聞いております。

お尋ねのビデオテープの件でございますけれども、名古屋刑務所におきましては、六月以前にはそのビデオテープに録画した映像の保存に関する定めはなかったようでございます。六月以降につきましては、原則として二日間保存する扱いと聞いております。

なお、本年十一月に委員御指摘されたような新たな矯正局長通達が発出したわけでございますけれども、この通達が発出された後は、名古屋刑務所におきましても、保護房監視用カメラによってビデオ録画したビデオテープでございますけれども、これは本省から別途、指示するまでの間は保管する扱いに改められたと、かように報告は受けています。

千葉景子
今、びっくりいたしました。いろんな異常な状況があったときにビデオ録画したら二日間、これじゃもう何の本当に意味もないというか、それでどうやって、チェックするいとまもない。何のために録画をして二日間だけ保存するのか。事ほどかように、結局は、きちっとした決まりあるいはそういう規則等が定められていないがゆえに、このビデオ録画もやってはいるものの、多少は、しかし現実には何の意味もない、結局はチェックのための資料にもならない、こういう事態で推移をしてきたというのが実態だというふうに思います。

私は、もっと議論をしなければいけない観点はたくさんありますけれども、やっぱりこれを考えてみましても、幾つかの課題が明白ではないかというふうに思うんですね。

一つは、例えば革手錠。これが、私は、国際法上から見ると、手錠というよりはかせというか、本当に人を、何というんでしょうね、戒めるというか、そういうための道具になっている。この革手錠とかあるいは保護房の在り方、こういうものを抜本的に考えるときではないかというふうに思いますし、チェック機能、先ほどからお話がありますように、結局は、それをどこがどう最終的にはチェックをして、あるいは是正をさせたりしているのか、これがやっぱりはっきりしていない。こういうチェック機能を第三者の目も入れるというような観点も含めて考えていく。その基盤になるのは、例えばビデオ録画を義務付ける、こういうことが必要ではないかというふうに思います。

もちろん、大臣もおっしゃいましたように、過剰収容、これを解消するというのも大きな背景とすれば必要なことではないかと思います。刑務官だって、一人で何十人もやっぱり対応するとなると、いろんなしなくてもいいことをつい、もう余りの、手の余る余りに、やっぱり保護房と革手錠でそこに押さえておこう、こういうことにもなりかねないわけですから、こういうことを含めて抜本的な改革あるいは規定の整備、チェック機能の整備、こういうことが今求められるかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

国務大臣
森山眞弓
名古屋刑務所の事件につきましては大変御心配を掛けまして、誠に申し訳ないと存じます。

現在、検察による捜査が行われておりまして、矯正局や人権擁護局におきましても調査を進めているところでございます。

これらの結果を踏まえまして、保護房収容及び革手錠使用の運用の在り方はもちろんのこと、革手錠等の使用を定めた訓令の改正の要否につきましても検討をいたしたいと思いますし、幅広い観点から、いろいろな角度から検討をいたしまして、法務省全体として再発を防止したいというふうに考えております。

福島瑞穂
是非──今まで情願が出ていて、大臣情願もあるのに、大臣情願については法務大臣は一度も見たことがなかった。人権救済の申立てがあっても改善が実はされていない面があった。だとすると、矯正の人間が入っても別の人間がやっぱり見ない限り、第三者が入らない限り、それは非常に難しいのではないかというふうに思います。

ところで、人権擁護法案が継続をしておりますけれども、韓国国家人権委員会調査報告書で、韓国の韓国国家人権委員会法では即時訪問ができると。調査をするのに即時訪問ができるんですね。日本の人権擁護法案ですと、刑務所にアポイントメントなく調査ができるのでしょうか。

政府
参考人
吉戒修一
人権擁護法案において設置される人権委員会でございますが、矯正施設のような拘禁保護施設における人権侵害について受刑者の方から救済の申出を受けた場合には、これは被害者、加害者などからの事情聴取や当該施設への立入検査等の必要な調査を行うこととなります。これは、先生のおっしゃるちょっとアポイントメントというのはよく分かりませんけれども、過料の制裁を伴う強制調査でございます。

ただ、御指摘の点は、恐らく個別の事件ではなくして一般的な調査という御趣旨かもしれませんけれども、そうでありましたら、ちょっと人権擁護法案ではそういうふうな調査はできません。

福島瑞穂
名古屋の去年のケースなんですが、次の日に亡くなってしまったと。肛門に自分の指を入れて自傷行為で腹膜炎という報告なんですが、本当にそれで腹膜炎になるのかと思います。これは何も、例えば革手錠あるいは暴行などはなかったんでしょうか。報告はどうなっているでしょうか。

政府
参考人
中井憲治
お答えいたします。

名古屋刑務所から報告を受けたところによりますと、平成十三年の十二月八日に、男性受刑者が舎房で大声を出し続けたために同受刑者を保護房に収容したと。その後も職員に対する暴行のおそれ等が認められましたことから、十二月の十日と十二日の二回、いずれも一回程度革手錠を使用したと、こういうふうに聞いております。その後、革手錠の使用を……

福島瑞穂
ちょっと短く。短くお願いします。

政府
参考人
中井憲治
いいですか。はい。

その後、革手錠を解除しましたけれども、保護房収容権があるので継続しましたけれども、肝心なところを申し上げますと、十三年の十二月十四日に、着衣の臀部に出血の跡が認められたために医師が診察したところ、肛門直腸裂傷が認められたと。そこで、保護房収容を解除し、刑務所の医務部で手術を行ったものの、十二月の十五日に急死したと、こういう報告を受けております。

福島瑞穂
ただいま報告を受けましたが、私が非常に疑問に思うのは、申し訳ないんですが、名古屋の前所長さんは、初め記者会見で、制圧は正当行為であったということを今年の二つのケースについて言っていたわけです。ですから、去年のケースについて自傷行為で問題がないという報告が上がっておりますけれども、本当にそうなのかということを是非調査をしていただきたいということを申し上げたいと思います。

あと、過剰拘禁との関係が言われておりますが、かつて過剰拘禁でなかったときの方が革手錠の使用をしておりますので、革手錠の使用を過剰拘禁を理由として言うのはおかしいのではないかと思っています。

また、あるいは、私は実は刑務官の過労死の事件をやったことがありまして、現場で働く刑務官の人たちについては、団結権、団体交渉権をきちっと認めるなど、待遇の改善が必要ではないかということも思っています。

また、本委員会では革手錠が主に議論されましたけれども、厳正独居に、例えば、調べたところ、最長三十七年間ずっと一人で厳正独居、おふろも食事も運動も部屋も、あらゆることが全部一人で、ほかの人とは口を利かないという状況で三十七年間。十年以上が二十八人、五年以上が六十五人です。

また、この間、名古屋……

委員長
魚住
裕一郎
福島君、お約束の時間が来ておりますが。

福島瑞穂
はい、分かりました。

じゃ、この厳正独居などの問題について、裸体検査などについても是非改善をしてくださるように申し上げて、質問を終わります。

委員長
魚住
裕一郎
本日の調査はこの程度にとどめます。

 
委員長
魚住
裕一郎
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

戸籍法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省民事局長房村精一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
魚住
裕一郎
御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
委員長
魚住
裕一郎
戸籍法の一部を改正する法律案を議題といたします。

提出者衆議院法務委員長代理漆原良夫君から趣旨説明を聴取いたします。漆原良夫君。

衆議院
議員
漆原良夫
漆原でございます。

ただいま議題となりました法律案につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。

本案は、虚偽の届出等によって不実の記載がされ、かつ、その記載につき訂正がされた戸籍等について、戸籍における身分関係の登録及び公証の機能をより十全なものとするとともに、不実の記載等の痕跡のない戸籍の再製を求める国民の要請にこたえるため、申出による戸籍の再製の制度を創設することを目的とするものであります。

以下、本案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

第一に、虚偽の届出等によって記載がされ、かつ、その記載につき訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者から訂正に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときは、法務大臣はその再製について必要な処分を指示するものとしております。

第二に、市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から訂正、追加又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときも、法務大臣はその再製について必要な処分を指示するものとしております。

以上が本案の趣旨及び概要であります。

本案は、去る六日、衆議院法務委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。

何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

以上でございます。

委員長
魚住
裕一郎
以上で趣旨説明の聴取は終わりました。

委員長
魚住
裕一郎
この際、委員の異動について御報告いたします。

本日、鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君が選任されました。

─────────────
委員長
魚住
裕一郎
これより質疑に入ります。

質疑のある方は順次御発言願います。

千葉景子
今日は衆議院の方から提案者、それぞれ代理と申しましょうか、参議院の方にお出向きをいただきましてありがとうございます。

私の方から、せっかくの機会でございますので、何点か質問をさせていただきたいと思います。

まず、この法案の提出の背景といいましょうか、多分こういう改正をせざるを得ない事情があったのだというふうに私も受け止めさせていただいておりますけれども、この法案提出の背景事情について御説明をいただければと思います。

衆議院
議員
鎌田さゆり
お答えをさせていただきます。

平成十三年、昨年の夏ころから、国内の各都市におきまして当事者の知らない間に婚姻届を偽造された形で役所に提出されるという、戸籍に不実の記載がされるという事件が相次いで発生、発覚をいたしました。これを契機に、その事件の被害に遭われた方々あるいは関係自治体等から、この不実の記載等の痕跡のない戸籍の再製のための立法化、これを求める要望が多数出てまいりまして、今般、この法案の提出に至ったものでございます。

千葉景子
今お聞きいたしますと、本当に御本人が知らない間に戸籍ができちゃっていたと、とんだことでございます。そういう意味では、このような偽造事件の発生を防止するために今回は戸籍を再製をするという手段を取っておられるわけですけれども、根本的に防止するための何か方法とか手段とか、この法案を考えるに当たって検討はなさったのでしょうか。

衆議院
議員
鎌田さゆり
おっしゃるとおり、こういった事件はやはり未然に防止をすることができれば、それは大変重要なことだと私たちも考えました。

それを防止するためには、戸籍の届出に際しまして本人確認の措置を講じるということが一つあり得るのではないかと思いました。ですけれども、今回は当面緊急性の高い再製制度、これを最優先に法改正の中に盛り込むということに力点を置かさせていただきました。

ですが、御案内のとおり、一部自治体等におきましては、この本人身分確認を窓口で既に行っている自治体もございますので、そういった身分確認の運用状況、あるいは今回のこの法改正後の施行状況などを見定めていきながら、法務省を中心に今御指摘のありました点につきましては引き続き幅広く検討が進んでいくものと伺っております。そのように承知をいたしております。

千葉景子
さて、この偽造された戸籍について、これからこういうことがあったらこの法律を適用するということになるわけですけれども、先ほどの背景事情を伺いますと、やっぱりこれまでそういう戸籍を作られてしまったという皆さんの方が一番お困りになっているわけですよね。

そうなりますと、この偽造戸籍についてはこの法案をさかのぼって適用するということになるのでしょうか。

衆議院
議員
鎌田さゆり
今御指摘をいただきましたとおり、さかのぼってこれは適用するものとしております。

やはり、現行法の下で不実の記載をされた被害者から、さかのぼってこの適用をという声が非常に強うございまして、そういう方々の声や、あるいはそれに呼応する運動が今回の法改正につながったと。そして、衆議院の法務委員会すべての議員の皆様にも御理解をいただいていると承知をいたしておりますので、その方々の声を盛り込まなければ絶対にいけないというふうに考えておりまして、そのさかのぼって適用を認めたといたしましても国民の権利義務に影響を及ぼすということ、そのおそれはないというふうに考えておりまして、法案の附則第二条第一項におきまして、施行前に虚偽の届出等により不実の記載がされた戸籍又は除かれた戸籍であっても、法定の手続により訂正がされた場合には再製を認めるという旨を明らかに示しております。

千葉景子
今回のこの法案で戸籍が再製をされるわけですけれども、その再製される前の訂正されただけの戸籍、これが公開をされる。結局、再製をしても前の戸籍がまた見れるということにはならないのでしょうか。その点については不都合がないのかどうか、御説明をいただければ有り難いと思います。

衆議院
議員
鎌田さゆり
その点につきましては、私たちも配慮をし、大変心配でございましたので、しっかり法改正でしたと思っておりますが、御指摘の再製される前の訂正されただけの戸籍、これは再製原戸籍ということになりますので、これはもうこの時点で戸籍ではなくなるというわけで、戸籍法上の公開の対象とはならないというふうになります。

戸籍の謄本、抄本につきましては公開の建前というものが戸籍法で定められておりますけれども、これに対して再製原戸籍は、今申し上げましたとおり、戸籍ではなくなりますので、その性格は一般行政文書と。そういう一般行政文書と同じ取扱いのものの性格になりますから、戸籍法上の公開の対象とはなりませんで、一般行政証明として取り扱われることになります。裁判所による民事訴訟法第二百二十条に基づく文書提出命令など、捜査の際にそういったものを引き出して見るというような特別の事情が出ない限り、これは公開の対象にはならないというふうに考えていただいて結構でございます。

千葉景子
限られた時間なので、あと一点だけ御質問をさせていただきたいと思います。

私の聞くところですと、これとほぼ同趣旨の法案が法務省の方でも検討されてきたやにも聞いております。

今回、この法律が衆議院の法務委員会で全会派一致をして提案をされ採択をされたということでございますが、閣法がどうやら準備をされていたにもかかわらず、やっぱりそういう形を取ったということはどんな意味があるのでしょうか。

衆議院
議員
鎌田さゆり
これもまた、御指摘、おっしゃるとおり、私たちも今回のこの戸籍法の一部を改正する法律案は、閣法として今臨時国会に提出という準備が進められているというお話はあるやに聞いておりました。しかし、今臨時国会終盤になりまして、何やら今回は提出は見送られたというような空気が漂ってまいりまして、そこには諸般の様々な事情があったのかとは思いますけれども、それはそれとして、やはり立法機関に臨む私たちでございますから、であるとするならば、議員立法という形を取って、そしてすべての会派でこれに賛同し、被害者の声にこたえていく、救済をするという行動をこの議員立法という形で取りましたので、そこには何らかの事情あったかと思いますが、この法案を提出をしたということで、是非前向きに御理解をいただければありがたいと思います。

千葉景子
ありがとうございました。

終わります。


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