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   戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案についての審議 内閣委員会
2002.07.23

発言者 戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案についての審議
吉岡吉典
日本共産党の吉岡です。

最初に、この戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を提案された提案者の皆さんと今日こういう審議ができるように御努力いただいた方々にお礼と敬意を表したいと思います。

私は最初に杉浦副大臣に対して質問をさせていただきます。

杉浦大臣は、今、村山談話を引用しながら、日本は一時国策を誤ったという御発言がありましたが、私は、戦後も例えば戦後処理問題で政府が取った態度というのはやはり国策を誤ってきた、その結果が、今、日本はあの戦争の反省もしない国だと、こういう批判を国際的に受けている理由ではないかと思います。

私は、若干自分の体験も含めて、政府が取ってきた態度について質問したいと思うんですが、ちょうど十年前の一九九二年、いわゆる慰安婦問題が日本で大きな問題になったその時期、ある東南アジアの若い女性記者がやってきてインタビュー受けたことをいつも思い出します。その若い女性のインタビューはこういうことを私に鋭く迫ってきました。戦後半世紀近くなって初めて従軍慰安婦問題が日本では問題になった、日本の戦後というのは一体何だったのかと、こういう質問でありました。

それから十年たって、今なおこの慰安婦問題は解決せず、日本に対する国際的な批判のトーンは上がるばかりです。この問題の解決は、私は、今提案されている、立法府として努力しようとしている立法解決しかないという結論に到達しておりますけれども、行政府としても一体この問題の解決のためにどういう努力を行っていくかということがお伺いしたい点であります。

行政府がこれまで取ってきた態度というのは、私が知る限りは、初期には、長い間政府は無関係ということでした。私は、一九九〇年の六月一日の内閣委員会で、当時問題になっていた朝鮮人強制連行の名簿の提出を韓国政府から求められていた、それに関連して質問する中で、求められた名簿だけでなく、日本が行ってきたいわゆる慰安婦の問題、また関東大震災の虐殺を始め日本が行った一連の誤りについて、相手から言われるまでもなく、日本の側から自主的に調査し、謝罪もするべきではないかと、こういうことを質問いたしました。

そのときに、私は、元閣僚であった荒舩清十郎氏が、日韓交渉の最中、日韓条約が成立直前の時期に、朝鮮の慰安婦が十四万二千人死んでいる、日本の軍人が殺してしまったのだと、こういう講演を行っていることも紹介して政府に答弁を求めました。当時の政府の答弁は、言われたことをやるだけだ、名簿だけしか求められていない、そういうことでした。私は、相手から言われなくても、日本が行った過去の誤りをきちっと清算していく態度を当時から取っておれば、今日の事態はもっと違ったものになっただろうと思います。

しかし、その後、この問題は日本政府自身も日本軍の関与を認めざるを得なくなりました。そして、先ほど来紹介される談話、官房長官談話が発表されて、日本の一定の謝罪も表明するに至りました。私は、正直なところを言って、これで解決の道が開けるんじゃないかと期待しましたけれども、それは非常に甘い期待でした。

私は、当時、政府の関係者から政府部内で三つの方策が今検討されているということを聞きました。それは、一つは行政府の責任で解決する方法、二つ目は内閣提出の法案、いわゆる閣法によって立法解決する方法、第三には議員立法による解決の方法、この三つが検討されたということを聞きました。これは、やはり解決済みでは済まないことを日本政府自身が認めざるを得なくなって検討をしたことだと思います。

そして、結論付けられたのがアジア女性基金だったということだと私は思います。しかし、それでは、これまで明らかにされてきたように、解決しないで今日に至りました。解決しないだけか、個人への償いは打ち切られる、そういう事態になった。

この時点で、私は、立法府は今こういう議員提案を行って立法府の意思によってこれを解決しようとしていますけれども、行政府としても改めてどうしたらこの問題が解決できるかということを真剣に考えていただくべきときではないかと思います。かつて三つの方策を検討したそのときの検討に次ぐ根本的、抜本的な検討をしていただきたいと思います。

大臣、そういう検討は少なくともやっていただけるかどうか、答弁をお願いします。

副大臣
杉浦正健
非常に吉岡先生、この問題に長くお取り組みいただいたお立場でのお尋ねでございます。

私は副大臣でございまして、責任を持って検討するというふうにお答えできる立場ではございませんが、先生のここでの御意見は大臣にお伝え申し上げます。

日本政府の立場は、再三申し上げているとおり、本問題は法的には解決済みであるという立場で、先生御指摘のとおり、アジア女性基金によって解決を図るという方向で今まで努力してまいったわけでございます。広範な国民の方々、各界各層の方々の御協力を得まして、理解と協力を得ながらここまでやってまいったわけでございます。おわびの気持ちも償いのお金と同時に歴代の総理大臣からそれらの方々、認定を受けられた方々に差し上げておりますし、まだそれによってすべての方々に御理解が得られたとは言えませんですけれども、事業の対象となった方々からは感謝の気持ちも寄せられていることも伺っておるわけでございます。

私ども政府としても、この女性基金の事業、これで終わるわけじゃございませんので、よく御相談しながら、これで終わったというふうには思っておりませんので、何ができるかということは考えてまいりたいと思っております。吉岡先生からいろいろお知恵をいただければ前向きに考えていきたいと、こう思っております。

吉岡吉典
今の答弁で、私、ここでこれ以上突っ込んで論議しようと思いません、法案についての質問がありますから。ただ、一言言わせていただきたいと思いますのは、一人の人間としては胸がふさがる思いだ、こう言いながら、政府の態度としては解決済みだという答弁をしなくちゃいかぬというのは、どちらかが間違っているわけです。間違っているのは、解決済みだと言わなくちゃいけない、人間の気持ちが共鳴できないのが日本政府の今の解決済み論だと私は思います。

それから、その解決済み論についても、私、副大臣に一言検討の際念頭に置いていただきたいと思うのは、解決済みだということイコール日本政府が自発的意思によって償いをやることを妨げるものではないと。それはやっちゃならないということではなく、日本政府が法的義務ではなくても日本政府が自発的にやることは妨げるものではないという答弁を外務委員会で政府からいただいております。そのことも併せて御検討をお願いしたいと思います。では、次に進ませていただきます。副大臣、どうも。

本法案に即しての質問でございますが、私は、最初に、この問題、いわゆる慰安婦問題と言われていた問題がどんな性格を持つ出来事であったかということは繰り返し私どもが出発点として考えていかなければならない問題だと思います。

例えば、この問題では被害者のたくさんの血の叫びをつづった出版物もあります。私は、一、二年前のことですが、フィリピンの議会での審議の際、こういう発言があったということも大変重視いたしました。それは、この問題の被害者に関してですけれども、多くの女性が命より大事なものを失った、それは彼女らの人間の尊厳であると、こういう論議が行われていることを聞き、そうだと思いました。

私が従軍慰安婦問題の存在を初めて知ったのは一九六四年でした。当時、私は新聞赤旗の記者として朝鮮人の強制連行問題を取材して歩く中で従軍慰安婦問題の存在を知り、大変驚いて取材を続けていたら、ある朝鮮人の人々らからやめてくれと言われました。そのやめてくれという言葉は、あなた方は我が同胞を従軍慰安婦にして辱め、今度はそれを暴いて辱めようというのかと、こういう言葉でした。

今、宋さんのお話もお伺いいたしましたけれども、この問題というのは本当は人に向かって話することさえできない、親兄弟にも話せなかった、こういう訴えも私は何人かの方からも聞きました。そういうことを戦時日本がやったんだということ、そのことを私どもはこの問題を考える出発点にしなければならないと思います。それだけに、この問題を解決済みだなどと言って済ますわけには絶対にいかないと思っております。

そこで、私は、まず提案者に、この解決済み論というのをどう考えておられるかお伺いしたいと思います。

委員以外の議員
千葉景子
今、吉岡議員から御指摘がありまして、私たちも本当に思いを同じくするものでございます。それだけに、先ほど杉浦副大臣からも度重ねて解決済みというようなお話もございましたけれども、私たちは、到底そのようなことでこの問題が解決されるものでもなく、また、多くの国際的な社会からも信頼されるものではないというふうに考えております。

政府は、さきの大戦にかかわる賠償並びに財産及び請求権の問題は、サンフランシスコ条約、二国間の平和条約及びその他の関連条約等により、これらの条約等の当事国との間においては法的には解決済みとしておりまして、さきの大戦において筆舌に尽くし難い性奴隷的苦役を強いられ、心身にいやし難い傷を負わされた多くの戦時性的強制被害者の皆さんがその名誉と尊厳の回復を求めておられること、さらには、それが果たされることのないまま次々と亡くなられていっている、こういう事態に対して、全く謝罪も、そして名誉回復の措置も講じようとしておりません。本当にこれを私たちは大変憤りを持って受け止めているところでございます。

そして、そもそも考えてみれば、政府は従軍慰安婦問題への軍や国の関与は当初認めておりませんでした。NGOの活動や、被害者の皆さんが本当に心からの気持ちを、痛い思いをしながら名のり出られたことによってこの問題が社会的に知られることとなって、そして、やむを得ず軍の関与を認めざるを得なくなって、一九九三年の河野官房長官談話ということになったわけでございます。しかし、軍の関与は認めながら、依然として、その責任が一体どういうものなのかということについては何ら明らかにしていないところでもございます。

また、国際社会でも、このような従軍慰安婦問題について、国連の人権機関、ILOなどにおいて、もう既にこれは答弁にもございましたので長くは申し上げませんけれども、度々この問題が取り上げられて、やはり被害者個人への謝罪、そして補償、これが必要だということが指摘をされております。日本政府のこれに対する本当に明確な態度を示さないということに対して厳しい指摘がなされているところでもございます。

また、事実が明らかになるとともに、国内外から厳しい指摘が強まった、こういうことで、政府は、先ほどからのように、一方では解決済み、しかしながら他方では、これもアジア平和基金というものを創設せざるを得ない事態にもなったわけです。この問題については、今もう行き詰まった事態だということになっている状況は先ほど議論がございましたけれども、しかし、少なくとも善意の皆さんの気持ちを集めて何とかしなければいけないということだけは政府もやむを得ずやらざるを得なくなった。

こういうことの推移を考えてみますと、今、吉岡議員がおっしゃいましたように、少なくとも政府が積極的に自らの考え方に基づいて、解決済みなどと言わずにこの問題に真摯に対応して、そして併せて個人補償や名誉の回復の措置を取ることが必要だというふうに思います。

私たちは、立法機関として、そのような措置を取るための法案、これを提案をさせていただくことこそが立法機関に属する者の責任であろうと、こういう考えを持ってこの法案を提案をさせていただきました。それによって何とか、解決済みではなくて、真の意味での解決の道を作っていきたいというふうに考えております。

吉岡吉典
今、政府の態度が明らかになった時期に、やはりこの問題の根本解決は、この法案を成立させて、国権の最高機関である国会の意思によって当然これの法案が成立すれば、政府もそれに沿って施策を取らざるを得ないことになるわけで、そういう方法で解決するしかないと、私も今の御答弁と同じように思います。

そこで、法案に沿って二、三具体的な問題を時間の許す範囲内でお伺いしたいと思います。

第一は、どのような女性が戦時における性的強制により被害を受けたのか、また、戦時性的強制被害者は具体的にどこの国に存在しているのか、お答え願います。

委員以外の議員
円より子
被害者はどのような女性たちであったかという御質問でございますけれども、先生も御案内だと思いますが、我が国は戦前、婦人・児童の売買禁止に関する国際条約というものに加入しておりました。そのために、二十一歳未満の売春経験のない女性というものは派遣することができなかったわけでございまして、当初は日本国内においていわゆる醜業というものに就いていた女性が多く従軍慰安婦として外地へ派遣されておりましたが、大変人が不足したということ、まあ需要の増大というふうに言われますが、そういった観点とまた性病予防の観点から、政府はどういうふうにすればよいかというふうなことを考えた結果、この国際条約には宣言さえすれば植民地には適用しなくてもいいという規定がございまして、この規定を採用して朝鮮、台湾には適用しないと宣言いたしまして、朝鮮と台湾等から二十一歳未満の売春経験のない女性を多数徴集したということがございます。

それゆえ、この戦時性的強制被害者たちは、旧植民地、占領地に居住していました一般の女性や少女が大半を占めておりまして、彼女らが、よくこういう中傷があるんですが、業として慰安婦をしていたとか、また売春婦であったというような見方がございますが、これは全くの中傷、誤りだと思います。

そして、現在、日本政府を相手取って訴訟を行っている被害者の方たちも、ほとんどが当時未成年者でございました。この若い女性たちが徴集されるということは様々な証言等から出ておりますけれども、大体十四歳から十八歳の間の女性が大きな割合を占めておりまして、多数の文書資料からの中では、十三歳の初潮前の少女が被害者となっている例も少なからず報告されておりますし、また、そうした少女たちを集めるために学校組織までも活用されたというようなことがクマラスワミ報告にも記されております。

そして、被害者の数でございますけれども、これは正確に把握することは大変困難ではございますし推計もまちまちなんですが、七万人から二十万人というふうに言われておりまして、一九九三年に発表されました政府調査の結果報告「いわゆる従軍慰安婦問題について」におきましても、「慰安婦総数を確定するのは困難である。」としながらも、「数多くの慰安婦が存在したものと認められる。」と報告されております。特に朝鮮半島の女性の占める割合が大きく、当時被害を受けた女性全体の八割を占めたという推計もございます。

また、二番目の、具体的にどの国に存在しているかという御質問でございますが、名のり出ている女性たちの出身国・地域は、確認されているものでは、朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダのほか、マレーシア、タイ、カンボジア、東チモールなど多岐にわたっております。また、他に慰安所があったとされる地域は、タイ、ビルマ、サイパン、グアム、パプアニューギニアなども含まれておりまして、現地の女性たちが被害に遭ったことも想定しなくてはならないと考えられます。

これらの女性たちが、戦後、それぞれの経緯を経ましてアメリカ、カナダ、オーストラリアといろいろな国に行っているんですけれども、そこも、本法案が対象とする戦時性的強制被害者が存在するのはそうしたところも少なくありませんし、この法案が被害者としますのは、彼女たちの出身国である、今次大戦における日本の植民地や占領地であった国々や、オランダ、そしてアメリカ、カナダ、オーストラリアを始めとする彼女たちの移住先の国々も含めております。この問題は地理的に大変広がりを持つ問題だと思われます。

吉岡吉典
「旧陸海軍の直接又は間接の関与の下に、」というのは具体的にどういうことをこの法案では意味しているか、お伺いします。
岡崎トミ子
お尋ねの「旧陸海軍の直接又は間接の関与の下に、」としましたのは、慰安所の設置、管理、慰安婦の輸送等に関する旧陸海軍の関与をできる限り広くとらえようとしたものでございます。

旧陸海軍による直接の関与の例としましては、旧陸海軍が直接慰安所を経営したような場合でありまして、場所としては、インド洋のアンダマン諸島、香港、海南島の海軍慰安所、フィリピン・ミンダナオ島の慰安所が軍によって直接経営されましたことが利用内規などの当時の資料やあるいは戦記などによって明らかになっております。

間接の関与の例は、民間業者が経営している慰安所に旧陸海軍が開設許可を与えた場合、管理に当たって旧陸海軍が慰安所規定を定めましたり、軍医を派遣して慰安婦の性病等の検査を行ったりしたような場合でございます。

証拠が明らかな例としまして、今、今日ここにお持ちいたしましたのは、(資料を示す)これが防衛庁を始めとして出てきた資料、ここにあと六つぐらいこう重なるんですが、重いから持ってきませんでした。二つだったんですね。

そして、これが陸海軍の、例えば、一九三八年というふうにありますが、三月四日に陸軍省の副官通牒として出されました「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」と、ここなっております。この文書の内容がございまして、これは陸軍省が北シナ方面軍と中シナ派遣軍に対して徴集業務を統制して、業者の選定をより適切に行うように指示した文書でございます。徴集の際に、業者と地元の警察と官憲との連携を密接にするようにという、そういう命令がここに書かれてございます。

それからもう一つは、民間業者でありますけれども、ここに持ってまいりましたその証拠は、民間業者がかかわったという業者の人たちの渡航の申請でございます。こちらもそのようになっておりまして、危険な地域での移動それから輸送、これは軍の許可なしに、協力なしにできるものではありませんでした。業者が船舶で女性たちを輸送する際にも許可を与えたりしたこと、さらには、軍の船舶や車両によって戦地に運ばれたことが少なくなかったことを一九九三年八月四日の政府報告、「いわゆる従軍慰安婦問題について」でも明確にしてございますけれども。

ここに持ってきているこれ、(資料を示す)この中にはちょっと文書がありましたが、ボルネオに台湾人慰安婦五十名を送りたいので、台湾軍の憲兵が選定した業者三名の渡航許可を得たいと、これは台湾軍の司令官が求めています、東条英機陸軍大臣に申請した電報でございます。ここで重要なことは、南方総軍が管轄地域への慰安婦の配置をしていること、それから台湾軍の憲兵隊が慰安業者の選定をしていること、業者と慰安婦の渡航に関して台湾軍が取り仕切りまして、陸軍省が許可を与えていること、これは単なる関与という程度のものではなくて、陸軍総ぐるみで従軍慰安婦の手配をしていることにあります。文中、大変驚きましたのは、「慰安土人」というふうにここに表現されておりまして、大変びっくりしました。大変差別的な言葉でございまして、これは慰安婦にされた台湾の少数民族の女性をそう呼んだのではなかろうかというふうに記述されているものがこれでございました。

このように、明白な証拠というものがございます。

吉岡吉典
この委員会で先ほど軍が強制連行した資料があるかないかということが論議になり、新しい資料がないということもありました。私は、そんな資料というのは、元来、よほどのへまをやって残したもの以外はないのが普通だと思います。戦後、戦争責任の証拠になるものは大掛かりな全国的な焼却作業をやったわけですからね。私はその点では、防衛研究所にあんな膨大な資料があったということにむしろ驚いているわけです。

同時に、今の答弁で、連れてきたかどうかということだけでなく、多面的に軍の運営全般をこの法案では陸海軍の関与というふうに言っているんだということもよく分かりました。

ちょっと時間の関係で進めさせていただきますけれども、具体的な措置を講ずる場合に戦時性的強制被害者であることの認定はどう行うかということと併せて、その認定の際に新たな人権侵害が起こらないように配慮することがこれまた大変重要なことだろうと。これは、この事件の性格からいって、そのことの配慮が非常に重要だと思います。その点についてはどのようにお考えになっていますか。

委員以外の議員
千葉景子
おっしゃるとおりに、認定については本当に慎重に行われなければいけないというふうに思います。

あらかじめ具体的な方法を想定していろいろなケースに一律に適用するということは適当ではないというふうに考えております。関係各国において被害の実態やその把握の状況がまちまちでもございますし、また、現在当事者が置かれている状況もそれぞれ異なる、こういうことから考えて、適切な認定ができるように政府が責任を持って各国や当事者あるいはNGOの皆さん等との協議を重ねて、最終的には当事国の判断で決定、運用されるべきではないかというふうに考えております。

いずれの場合においても、吉岡議員が指摘されておりますように、認定によって新たな人権侵害が発生するようなことは最大限の努力をもって避けなければなりません。

本法案は第六条で、政府が、第三条に規定する措置、すなわち謝罪の意を表し及び名誉等の回復に資するための措置を実施するに当たって、被害者の意向に留意するとともに、その人権に十分配慮することを定めております。何よりもまずは日本が解決のために真摯かつ積極的な姿勢を見せることが被害者に対する偏見やあるいは中傷などを取り除く最大のやはり道ではないかというふうに思います。

新たな人権侵害が防止されますように、当事国政府が認定方法の決定、実際の認定に当たって、当事者、NGO等と十分協議すること、また広報などに力を入れることなどを当事国政府に求める具体的な申入れを行うよう政府に求めていきたいというふうに思います。特に、プライバシーの尊重は当然で、被害者側のあくまで自発的な申請によってまずは措置が講じられるようにしていくべきであろうというふうに考えているところでございます。

吉岡吉典
時間が近づいてきましたので、これは感想的なちょっと質問になりますけれども、私は、今までの一連の答弁、またこの法案全体を読んでみての感想を言いますと、これは与党対野党という対立を反映したものでもなければ、政治的な主張あるいはイデオロギー的な主張ということは全くどこにもないものであって、従軍慰安婦問題を解決しようと思えば、解決済みでもうその要なしと言えば別ですけれども、解決しようという立場に立てば、これは与党の皆さんもだれも賛成できる法案の努力が行われているんだなと、そう取りましたけれども、そう取っていいのかどうか、これどなたかお答えをお願いします。
委員以外の議員
円より子
吉岡委員の御指摘のとおりだと私ども思っておりまして、本当に今日の審議、こういうことができたのを感謝しておりますが、遅過ぎたと思っておりまして、もう多くのNGOの方々、また被害の当事者の方々、そして様々な方々が何とかこれは女性の尊厳の回復のために、そして日本が名誉ある地位を外交の上で、国際社会の上で占めるためにも、そして私たちの子供たちやまた孫たちやその後の人たちが堂々と胸を張って、日本の負の遺産を受け継いだ後、しっかりと国際社会の中で対等なパートナーシップを持ち、友好関係を築いていくためにも、これはどうしても与野党を超えて皆さんが熱意を持って取り組んでいける、そして賛成していただける法案だと信じております。
委員以外の議員
田嶋陽子
今、平和の問題からという視点もありますけれども、もう一つ、女性の人権という視点から申しますと、与野党を超えて、この問題は全世界に存在します。男性がいるところ、必ずと言っていいほど女性差別は存在しています。

インドネシアでも分かったことは、これはイスラムの世界のおきてがあるから女性は言い出しにくいという話でしたが、日本でもイスラムのおきてはなくても女性たちは言い出しにくい状況があります。韓国でもそうでした。台湾でもそうでした。いろんな運動があって、女性の人権に対する成熟した考え方が出てきて初めて、女性たちはそれが自分たちの人権の問題だということを認識しました。

ですから、これは本当に思想の違いと無関係に、女性の人権として全世界の女性の問題だというふうに理解していただければいいかと思います。

委員長
佐藤泰介
午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。


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