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  情報公開制度の施行状況についての一般質疑 行政監視委員会
2002.04.15

発言者 情報公開制度の施行状況についての一般質疑
千葉景子
民主党・新緑風会の千葉景子でございます。

かねてから、行政の透明性とかあるいは意思決定の透明性、こういうことが言われ続けてまいりました。近時も、このような課題にかかわる様々な課題あるいは疑問、こういうものがこの国会にも次々に呈せられる、こういう状況でございます。いつになったらこのような課題が本当に解決されていくのだろうか、本当に国民に信頼され得る行政というものが確立できるのか、大変私も本当に残念な気がいたしております。

記憶に新しいところでは、例えば薬害エイズなどは情報隠しというものが国民に甚大な被害を、あるいは苦痛をもたらした典型的な事例であったかとも思います。そして、最近のことでも、もうこれ皆さん御承知のところでございますけれども、BSE問題などが発生をいたしました。

BSE問題の調査検討委員会報告では、もし欧州連合、EUの評価報告の内容があらかじめ国民に知らされ、あらかじめ対策が取られていれば大きな社会混乱は防げた可能性が高い、こういう指摘をされ、情報隠ぺいが国民に大変な被害を与えるということを厳しく指摘をいたしております。そしてさらには、法律で肉骨粉の使用を禁止せず行政指導で済ませるという決定をいかなる人がどんな協議を行って決めたのか、記録も存在せず極めて不透明である、こういう指摘もしておりまして、長年にわたる行政の透明性というものがいまだに必ずしもきちっと確立をされていないということがこのようなことからも分かるのではないかというふうに思います。

こういう例は、先ほど申し上げましたように、例は枚挙にいとまがないような状況でもございます。是非こんな状況が一刻も早く解消できるようにと願わずにはいられないところでございます。

このようなとき、ちょうど情報公開法が施行されまして一年を経過をいたします。この情報公開法、長く指摘をされてまいりました行政運営の透明性とかあるいは国民主権、主権者である国民がやはり行政をしっかりと監視監督をし、そして誤りのないこれからの政策決定をしていく、国民参加という意味でも大変大きな重みを持った法律として成立をしたところでもございます。私も長年、この情報公開制度、関心を持たせていただきまして、成立をしたときにはこれが大きな何か第一歩につながっていくのではないか、こういう期待もさせていただいていたところでもございます。

そういう意味で、ちょうど一年を経過したというところでございますので、このようなこれまで一貫して言われ続けてきた、そして今でもやはり情報隠しやあるいは不透明な意思決定などが指摘されるような状況の中で、この情報公開法施行がどんな意味を持っているのか、そしてこのような透明性の高い政治や行政運営という期待にどれだけこの情報公開制度が寄与しているんだろうか。一年でございますので、これだけですべてを結論付けることはできないかとは思いますけれども、その中から幾つかの問題点などを私も拾い上げ指摘をさせていただきながら、若干の検証をさせていただきたい、こんなふうに思っているところでもございます。

そこで、ちょうど、本来毎年この情報公開制度の施行状況というのは総務大臣の方から国会にも御報告をいただくということに法律でなっております。多分これも近々取りまとめをいただいてそういう時期があろうかというふうに思いますけれども、一年をたったところでおおよその施行状況が発表になっているところでもございますので、まずはこの情報公開法施行一年間の状況をあらまし御報告をまずいただきたいというふうに思います。

国務大臣
片山虎之助
今、千葉委員御指摘のように、情報公開制度が昨年の四月から施行されまして、初めて国民の開示請求権というものが正式な制度になったと、こういうことでございまして、もし必要な詳しい説明は事務方の方からしてもらいますけれども、一年間の開示請求受付件数は四万八千件でございまして、うち開示を決定した、また部分開示をしたものが約四万件でございまして、これは今までに比べますと大変意味があるなと、こういうふうに思っております。

お話しのように、この制度は行政の透明性を高めて国民の行政に対する信頼性を確保する、こういうものでございまして、そういう意味でも、まあ国民の皆さんの方もそうですけれども、行政側にも大変なある意味では意識改革を迫る制度だと、こういうふうに考えておりますので、今後とも総務省としましては情報公開制度の的確かつ前向きな運用をされるように、総務省としても努力いたしたいと、各省にも努力をお願いいたしたいと、こういうふうに思っております。

詳しい、もし件数なんかは説明いたしますが、よろしゅうございましょうか。

千葉景子
ちょっと概況を。
政府参考人
藤井昭夫
今の大臣から申し上げたとおり、総務省は各省からの報告を受けて、三十九条第二項で「前項の報告を取りまとめ、その概要を公表するものとする。」となっているということでございます。今回、この規定を受けて、取りあえず速報ということで取りまとめて公表したところでございますが、あらかじめお断りいたさなければいけないのは恐縮でございますけれども、個々の案件について内容まで調査しているというわけではないということでございます。したがって、数字だけということでございますが。

まず、国民からの請求、それから各行政機関の長における開示、不開示等の決定件数の状況についてでございますが、法施行一年間で、請求受付件数は四万八千六百五十件となっております。例えば、多いところは、国税庁が一万九千二百九十六件、国土交通省が五千百二十九件、それから厚生労働省が三千八百四十五件等々となっているところでございます。それからまた、開示、不開示等の決定件数、これは三月三十一日現在ということにございますが、それは総計で四万五千七十一件ということになってございますが、うち全部又は一部開示決定となっているものが三万九千九百九十五件、八八・七%を占めるということでございます。

あと、不服申立て等の状況も引き続き御説明させていただいてよろしゅうございますでしょうか。

それから、不服申立てについてでございますが、各省庁に対する不服申立ては、この三月三十一日現在までで千三百四十二件なされているところでございます。そのうち開示決定等が取消し又は変更あるいは不服申立てが取り下げられた、それで情報公開審査会への諮問が不要とされたものがございまして、これが五十四件でございまして、都合、情報公開審査会へ諮問されたものは五百七十一件となってございます。

なお、不服審査会が諮問を受付した件数というのがございます。これは三百八十四件ということになっているんですが、この数字の食い違いは、細かい話でございますが、諮問する側で統合と申しますか併合して諮問しているという形での違いでございますので、内容的には変わらないということでございます。

それから、あわせまして、期限延長手続等についても調査してございますが、開示、不開示等の決定がなされた四万五千七十一件のうち、法律第十条第二項では三十日の延長というのを定めておるわけでございますけれども、これが五千二百六十九件。それからまた、法第十一条で、特例規定で相当期間の延長というものが認められておるわけでございますけれども、これが二千四百三十五件。これ、合わせますと約七千七百件余りのものが延長手続を取られているという状況でございます。

千葉景子
今、概略な数字を報告をいただきました。これが一体何を意味するかというのは、なかなかこれでどうだと言えるようなことではなかろうというふうに思いますけれども、その中で、今多少触れていただきましたけれども、特徴といいましょうか、そういうものも見えております。

これも、特徴があるからそれがいいとか悪いとかというのはなかなか言いにくいところではありますけれども、例えば、全体として不開示率というものが約一一%くらいだというふうに統計上は出ております。これを各省別で若干私も計算をさせていただいてみました。やっぱり一番多いのが内閣官房でございまして、開示、一部不開示、それから全部不開示等合わせますと、不開示率が約五〇%を上回ると、こういうことでございます。これは何を意味するのかは分かりません。外務省もやはりかなり高い率でございまして、不開示率が四〇%を上回る。あるいは農水省がここは二十数%と、こんな数字が見えてまいります。

これにいろいろなこの間指摘をされている課題を重ね合わせてみますと、うん、そういう関連があるのかな、ないのかなと、若干推測はされるところではございますけれども、このようにかなり不開示率が高い省庁もあるということを注目をしておく必要もあるのではないかというふうに思っております。

また、不服申立てにつきましても、今ございましたように、かなりの件数が不服申立てをされているということでもございますし、そしてその中で三百件以上が諮問をしているということでございます。こういう積み重ねがこれから問題点を明らかにしていくであろうし、それからこの情報公開制度の成熟につながっていくのだろうというふうに思っているところでもございます。

ただ、どうなんでしょうか、例えば、制度上はこれ制限期間はないんですけれども、不開示決定がされ、そして不服申立てがなされましてから諮問をするまでの時間というのが、利用者の声でございますけれども、えらく長いケースがあるとも聞いております。公安調査庁などは、諮問まで何をやっているのかよく分からないけれども、非常に時間が掛かっていると、こんなことも聞きました。

公安調査庁はどうなっているのかなと見ますと、百二十二件のうち開示は七件という数字でございます。事の性格上あるいは役所の性格上こういうこともあるのかなとは思いますけれども、うん、なるほど開示も少ない、何か諮問をするにもちゅうちょをしたり、あるいはえらく時間を掛けて何を考えているのかと、ちょっとうがった見方をしてしまいがちでもございますけれども、こんな数字もあるということでございます。

それから、決定までに法律では三十日、そして延長六十日、そして更には特例で、何か膨大な請求が来た、時間が足りないと、こういうことも含めて特例の規定が設けられております。こういうものの利用も多い役所もありまして、金融庁などは特例規定を適用して延長しているケースが五八%、六割近いと、こういう状況でもございます。

これらは、内容あるいは請求の量、いろんなことがあろうかというふうに思いますけれども、どうも少しテンポが遅いといいますか、やっぱり情報というのは請求されてから的確に、あるいはスピーディーに開示をされるということも重要なことだというふうに思います。こんな数字もあるということを是非大臣にも御認識をいただきまして、今後の参考にしていただいたらというふうに思っております。

それで、この情報公開、先ほど内容については細かくまだまとめをしていないということでございました。そこで、私の方で、いろんなところで指摘をされたり、あるいはちょうど諮問されたものの整理表というものをいただきました。この諮問の数が三百幾つですから、見ても一体これは何だろうという感じがいたします。一つ一つこれを丹念に答申書を調べてみればいいんですけれども、そこまでちょっと私もできかねましたので、幾つか指摘されたり、あるいは気付いたケースをちょっと取り上げさせていただきながら、そこから見えてくる問題点などをちょっと整理をしてみたいというふうに思っております。

一番目にちょっと取り上げさせていただくのは、これは環境大臣が諮問をしたものでございまして、十四年、今年の三月五日に答申がございました。どういうものかというと、水俣病の認定検討会、この議事録、会議録を開示を求めてきたというケースでございました。これは結局、一部不開示になりました。不開示というよりは、不存在を理由に不開示になったわけでございます。

これ不存在ということで、不存在というのが非常に考えてみても不合理でもございますし、こういう会議録が全然ないというのはおかしいと、こういういろんなやり取り、申立人からの主張などもあり、審査会でいろいろ調べた結果、会議録そのものは結局廃棄をされていたということが分かりました。しかし、会議録そのものではないけれども、その検討経過などを記載したメモなどがつづられているファイルが存在したと。これは、審査会が環境省の方で倉庫を調べたり、あるいはファイルを調べたりした結果見付かったというケースで、何やらまたあの薬害エイズのときを思い起こさせるような感じでもございます。

結果的には、この案件も、存在していないものというのは、これ存在しなかったわけですから、それの是非は別としても、これはやむないと。しかしながら、それに類する経過などが分かるファイルについては開示せいと、こういう答申がなされたものでもございます。

今日は、大変申し訳ないような気もいたしますが、たまたま私の目に触れたり、あるいはいろいろな報道をされたり、あるいは利用した人から指摘をされたりしたケースを私も取り上げておりますので、ほかの省庁でもまたいろいろなケースや問題点があるのかもしれません。ただ、今日は環境省にかかわる問題でございますので、環境省にも来ていただきました。

この一事例ですけれども、これについてはどう認識をされ、そしてこういう答申を受け、どのように対処をされ、そしてこういう問題点を踏まえて、例えば今後こういう方針なり、あるいは部内として議論をしたとか、あるいはこういうことが起こらないような対処の方法を検討したとか、その辺りはどうなっているでしょうか。ちょっとこの問題に対する御認識と対処、あるいは今後の方針などがあればお聞かせいただきたいと思います。

政府参考人
松本省藏
先生お尋ねの水俣病認定検討会に関する文書開示の件でございますが、お話にございましたように三月の五日に情報公開審査会から答申をいただいたものでございます。

この件を少し御説明をさせていただきますと、環境庁でございますが、環境庁が昭和五十年から五十二年にかけまして開催をいたしました水俣病認定検討会の関係文書につきまして、昨年の四月に情報公開法に基づいて開示請求があったわけでございます。同年五月に、環境省が該当する部分として認識をいたしました文書二件、これを開示したわけでございますけれども、開示請求人から、なおほかにも文書があるはずではないかという異議申立てがございまして、情報公開審査会に環境省から審査をお願いをしていたということでございます。

この審査の過程で、他に開示すべき文書が存在するか否かの確認をするということで、審査会事務局の方が環境省の書庫で実地検査を行ったわけでございますが、その結果、水俣病認定検討会というファイルではない別の会議名の文書つづりの中に関連の資料一件が発見されたということでございます。

こういう経過から、去る三月の情報公開審査会の答申では、環境省が当初開示した文書以外にも開示すべき文書が存在するということで、最初いたしました開示決定は取り消すべきであるというふうに答申をいただいたということでございます。

環境省といたしましては、情報公開に鋭意取り組んできたつもりでありますけれども、今回このケースにつきましては、審査会から指摘された文書を昨年五月の最初の段階で事務的に見落としてしまったということでございまして、この点については誠に申し訳ないことであるというふうに考えております。この指摘された文書につきましては、当時の検討会関係者に確認の上で、本年三月二十日に開示請求人に対しまして追加の開示をしたところでございます。

それで、環境省では、情報公開法の適正かつ円滑な運用に資するということを目的といたしまして、この法律に基づいて行政文書の管理に関する文書管理規程を定めまして、行政文書の分類、作成、保存、廃棄、これらに関する基準等を規定しているわけでございまして、先ほども申しましたけれども、今回開示すべき文書を見落としたことについては誠に申し訳なかったかと思いますが、今後このようなことのないように、文書管理規程の趣旨を更に徹底をいたしまして適切な文書管理に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。

千葉景子
今御報告いただきましたこのケースからどんな問題があるのかということを、ちょっと何点か私も考えるところはございますので、それはまた後ほどちょっと整理をさせていただきたいというふうに思っております。

次に、今度は法務省にかかわるこれは問題でございます。

一つは、これは特定公益法人の設立許可に係る関係文書の一部開示決定に関する件ということで、これはやはり今年、平成十四年の一月十六日に答申が出されております。これ、簡単に言いますと、アムネスティ・インターナショナル日本支部という団体が公益法人の設立の申請、許可の申請を出したと。その許可認可に、許可決定に至るその経緯についての情報を開示せいと、こういう申立てだったわけでございます。

これは結局どうなったかといいますと、これは、その許可決定にかかわるところを開示をすると言わば意思決定の中立性を損なったりする、言わばまだ意思形成過程にあるからそれを開示すると中立性が損なわれるということがあるということで不開示になったわけですけれども、審査会におきましては、必ずしもこれを開示したからといって中立性を損なうようなことはあり得ないということで、不開示情報には該当しない、これを開示すべきだという判断がなされたところでもございます。

率直に言って、私も、公益法人の設立の有無ですから、当然公益性の存否などを部内で議論をされるということですから、これが開示をされて何か意思決定の中立性が損なわれるというようなことはないのではないかというふうに率直に言って思いますけれども、こういう答申が出されたことについて法務省としてはどのように受け止め、そしてまたどのような対処方針をお考えになったのであろうか、お答えをお願いをしたいと思います。

政府参考人
大林宏
お答えを申し上げます。

委員御指摘のとおり、情報公開審査会から本年一月十六日、アムネスティ・インターナショナル日本支部の社団法人格認可を検討した際の行政文書についての情報公開請求に関し、当省が部分開示決定をしていたところ、情報公開法第五条五号に該当するとして不開示とした部分は、これを公にしても率直な意見交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるものに該当せず、開示すべきであるとの答申を受けております。

法務省としては、公にすることにより今後の同種の協議や意思決定等に支障を及ぼすおそれがあると思料して部分開示決定をしたものですが、情報公開審査会からこれと異なる判断を受けることとなりました。

法務省といたしましては、本件答申を真摯に受け止め、その内容を検討した結果、これを尊重すべきであるとの結論に至り、平成十四年二月十九日付けで、当初の部分開示決定を変更し、法第五条第五号を理由として不開示とした部分を開示するとの決定を行っておるところでございます。

千葉景子
これもこの一つのケースだけで必ずしも確定的な意見を述べさせていただくわけにはまいりませんけれども、やはりここからも情報公開制度の一つの問題が見えてくるのではないかというふうに思います。

法務省には申し訳ないんですけれども、もう一つ問題といいますか、やはり答申が出ているものがございます。これは、死刑執行に関する様々な関係文書について、これも請求がなされまして、これは平成十三年十二月十三日に答申がなされたものでございます。

これは、問題点がちょっと幾つかにわたるのかなというふうに思いますけれども、一つは、関係の文書が情報公開制度が施行されるに当たって廃棄をされたという問題点がございます。これは報道されたりしたこともございますので御存じの方もいるのかなというふうに思いますけれども、要するに、施行前まではどうやらそれの関連文書が永久保存的なものとして位置付けられていたようでもございます。ところが、この情報公開制度が施行されるに当たって文書の管理規程が作られて、その結果、死刑に関連する文書の保存期間が十年ということになったものですから、十年以上経過しているものは廃棄をしたと、どうもこういう経緯ではないかというふうに思います。

この答申でも、文書管理、保存期間などについて云々言う立場にはないと、こういう指摘がされておりまして、その部分、既に存在しないのは開示をできないというか、不存在ということでやむを得ないという答申の内容になっておりますけれども、どうなんでしょうか。

以前には相当重要な文書として長年の保存を継続をしていた。それが逆に、情報公開制度ができ、そして総務省のガイドラインに従って文書管理規程を逆にきちっとそろえましたらばその保存が短くなって、そして廃棄をする結果となった。こういうことが本当にこの趣旨にそぐうものなんだろうか、こういう私は受け止めをさせていただいておりますけれども、法務省としては、この死刑関連文書についてはこの答申書ではそこには直接は触れられておりませんけれども、どんなふうにこの開示請求に対して受け止められ、そしてこの答申でも一部開示せいという部分もありますので、その辺りについてどう認識され、対応方はどうなさってこられたのでしょうか。

政府参考人
古田佑紀
ただいまお尋ねの文書に関しましては、平成十二年二月に情報公開法施行令が制定され、その施行令に合致しますように法務省の文書保存規程を改正したわけでございますが、それまでの文書保存期間の区分は、永久、二十年、十年、五年、二年と、そういうふうになっておりましたのが、施行令に合わせまして三十年、十年、五年、三年、一年に改められたわけでございます。これに伴いまして、文書の保存期間について全面的に再検討をした結果、死刑に関する文書の保存期間を十年としたものでございます。

そのように定めた理由について若干申し上げますと、改正後の文書保存期間の基準表によりまして保存期間が三十年と定められた文書は、国の重要な政策の決定に関する文書や、その効果の持続が将来的に長期間にわたって予定されている、そういう文書ということになっておりますところ、委員御案内のとおり、死刑の執行と申しますのは、これは極めて厳粛な事柄ではございますけれども、法律の規定に従って行う確定判決の執行という性格のものでございます。したがいまして、死刑の執行に関する文書はこれらの文書に該当しないと考えられるわけでございます。

更に申し上げますと、このような死刑の執行に関する文書は、これは死刑の執行を受けた者やその遺族、肉親の非常に重大な名誉にかかわるものでもございます。そういうことを考慮いたしますと、その文書を長期間いつまでも保存しておくというのはやはり問題があるのではないかと、そういうふうなことも考慮いたしまして、その保存期間を二番目に長い十年ということにしたものでございます。

また、今、委員御指摘のように、情報公開審査会でこの死刑の執行に関する文書につきまして一部開示が相当であるという、そういう御答申をいただいております。この中にはいわゆる個人情報に関する部分は含まれていないと承知しておりますが、そのような御指摘を踏まえまして、開示すべき範囲を現在鋭意検討中でございます。

千葉景子
今、ちょっと二、三の例を引かせていただきました。本当にこれは全体の中から見ればほんの一、二ですから、これで私もすべてを語ろうなどとは思いません。ただ、例えば最初の水俣に関する会議録の問題、それから今報告をいただきました法務省の死刑関連、執行に関連する文書、いずれも情報公開制度をやっぱり一番担保する文書管理とか保存、こういうものにもかかわるところだと思うんです。

私は、情報公開制度がやっぱりできるときに、公開せいといっても、そもそものものがなくなっていたり、あるいは逆に公開しなきゃいけないのだからなるべく作らないようにしてしまうとか、そんなことになったのではこの公開制度の意味もありませんし、むしろ情報公開制度が情報隠し制度になってしまう、こういうおそれもあるわけですから、この文書の管理、保存、こういうものが大変重要だという指摘もさせていただきました。

これは、審議の中でも、情報公開制度の審議の中でも指摘をされましたし、特に環境省の場合も、ちょうど情報公開制度ができる、文書整理をすると、そのさなかにどうやら関係する文書が廃棄をされたということもあったようでございます。それが本当に会議録だったかどうかはちょっと分かりませんけれども、大変それに関連する文書が廃棄されていた。今、法務省の方の死刑関連文書も、以前は永久保存であった。しかし、文書管理規程を備えるときに、この文書は十年という規定にのっとってそれ以上は廃棄をするということになったということですので、そういう意味ではやっぱりこの文書管理の在り方、保存期間の在り方などももう一回考える必要があるんじゃないかと思います。特に、制度が変わるときに前の文書についても十分情報公開制度の趣旨を損なわないようにきちっと配慮せいというのは、この参議院での附帯決議でも示されたところでもございまして、こういう意味で、この文書の管理、保存というのはどうしていくべきかと、今後の一つ課題だと思います。

文書の保存期間が、本当に年数が三十年、二十年、十年というような形でいいのか、あるいは、じゃ、どういう文書を何年にするのか。これもなかなか難しい問題で、私は総務省が出されておりますガイドライン、これも拝見をし、あるいは各省庁の文書管理規程なども一部拝見をいたしておりますけれども、どうも非常に形式的に保存期間が定められている、区切られているというわけでございます。

今の死刑関連文書なども、考えてみますと、前は永久保存という大変重要性を多分法務省も感じておられた。しかし、今度の文書規程になると、形式的に当てはめると何か十年になってしまうと、こういうことでもございます。どうもちょっと理屈は私分かりませんけれども、個人の本当にプライバシーといいますか、関連するので余り長く置いておく必要はないと、これはどうも余り理屈に合わないんで、むしろそういう問題である、重たい問題であるし、議論にもなっているものを本当にきちっと保存をするというのはむしろ当然のことではないかというふうに思いますけれども。

どうでしょうか、大臣、こういう文書管理、そして保存、こういうことについてガイドラインを作られまして進めてきたと、これ自体は私は必要なことだろうというふうに思いますけれども、今後またいろいろ検討する機会もあろうかというふうに思いますけれども、率直に言って、今のちょっと例などをお聞きになってどうお考えになられますでしょうか。

国務大臣
片山虎之助
私どもの方は、全体のまとめ役、調整役ということでございまして、ガイドラインを出させていただきましたが、この文書の管理をどうする、保存期間をどうするというのは、原則的には一番仕事が分かり、そのそれぞれの行政文書の軽重、中身が分かっている各省庁がしっかり判断していただければいいんで、都合のいいときだけガイドラインがあるからというのは具合が悪いんですよ、都合の悪いときにガイドライン使っていただくのはいいんですけれどもね。

だから、そういう意味で、いろんな御議論があると思いますし、今お聞きしていまして、どうしてそういうふうになったのかよく私も分からぬようなところありますけれども、各省は各省の立場で相当検討してお決めになったんだろうと私は思いますけれども、一年たちましたし、今後もずっとあるわけでございますので、更なる検討をそれぞれにお願いいたしたいと。

それから、とにかくペーパーレスにしようということを我々今考えていまして、ITで。そういう場合に、ペーパーレスにする場合の保存をどうするのかなんということもありますし、その辺は一遍総合的に、それこそ前広にいろいろなことを考えながら研究してみたいと、こう考えております。

余り的確なお答えはできませんけれども、それぞれ法務省は法務省、環境省は環境省の立場で今まではそういう扱いをされたんだろうと、こういうふうに思っております。

千葉景子
ガイドラインというのはあくまでもガイドラインでございますから、是非これは、またそれぞれの省庁でもこの文書の保存や管理というのを一体どういう形で、どんな年数ですね、きちっと行うかというようなことは是非再検討をしていただきたいものだというふうに私も考えます。

もう一方、先ほどこれもちょうど法務省の例を引かせていただいたわけですけれども、意思決定のある意味ではプロセスにあるようなものについてどうするかという問題がございます。

確かに、法案、法律でも意思形成過程については必ずしもすべてオープンにするということにはなっていない、これは私もよく分かります。しかし、考えてみますと、今いろんな意味で不透明だとか、あるいは意思決定のプロセスが見えないがゆえに、結果的には国民に甚大なる被害が及んだり、あるいは誤った政策判断につながったりという指摘がされているわけでもございますので、ここはそのときにすぐに公表をするということができるかどうか、なかなか難しいところではありますけれども、ただ、やっぱりそこをできるだけ透明化はしていくということは一つの課題なのではないかというふうに思います。

これも法案のときにもいろいろな議論があったところでございますけれども、例えば、一定の期間が過ぎたらばきちっと公開をする、あるいは意思決定が終わればそれについて公表をするとか、いろいろやっぱりそのプロセスをきちっと検証し、そして二度と誤りが、仮に、誤りがないようにとか、あるいは誤った方向性にならないように検証する、その轍を踏まない、あるいはそこから教訓を得るということも私は必要だというふうに思います。

そういう意味で、先ほど一つの例として挙げさせてはいただきましたけれども、こういう情報というのの開示というのがやっぱりいろんな箇所で問題になろうかというふうに思います。その辺り、この意思形成過程について何らか後から検証し得るようなことも含めて検討する必要があるんじゃないかと思いますが、この辺りは大臣、どんなふうにお感じになられますでしょうか。

国務大臣
片山虎之助
一般的に申し上げますと、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがなければ開示、それから意思決定のすべて終わればできるだけ開示と、こういうことになると思うんですけれども、そこを開示することがそれ以降の意思決定の中立性に影響を与えるようならそれは不開示でもいいと、こういう基本的には考え方ですね。

これも、一般論としてはそういうことを言えるんですけれども、ケース・バイ・ケースで、私いろいろあると思うんで、これまた今、千葉委員の御指摘のように、やっぱり経験の積み重ねによって一つの方向付けができるようなものだろうと、こう思っておりますから、これも状況をいろいろ我々も調べて、どういうのが適切かという運用上の何かについて我々も研究すると、こういうことでやってまいりたいと思います。

千葉景子
私ももっともなことだというふうに思います。やっぱりこういう例が積み重なっていく、あるいは開示されなくても、例えば審査会などで審査をされて、そういう事例がやっぱり重なって、積み重ねていく中で一つのあるべき姿のようなものも見いだせていくのではないかというふうに思っているところです。そういう意味では、この情報公開制度、審査会という制度を作って、そこで不服について審査をする、省庁もできるだけ審査会に諮問をして第三者的な意見を求めるということ、大変やっぱり意味のあるものであろうというふうに思っています。是非この積み重ねなどをよく踏まえてまた議論をいただきたいというふうに思います。

さらに、これはほかにも問題が幾つかございまして、例えばこれも一つの例ですけれども、これは平成十四年、今年の一月十六日、これは特定個人に係る労災保険請求に関する補償調査復命書の不開示決定についてということで、これも答申がなされているものでございます。これは、答申も不開示はむしろやむを得ないという立場を取っておりました。というのは、これはよくあるケースだと思いますけれども、自分のこれは労災申請の書類を請求をしたということでございます。あと、病院のカルテ、国立病院とかの問題でございますとカルテの開示とか、こういう問題があるようでございます。これも個人の識別できる情報というのは開示しないという、これも原則でございます。だれでもが請求をできるというシステムですから、仮に本人であるとしてもそれを特別に扱うわけにはいかないというのが多分この法の趣旨とそれからこの審査会での考え方でもあろうかというふうに思います。こういう個人識別情報というのは、本人が情報を得ようとするときに本当は駄目だというための制度ではなくて、個人のプライバシーなどを守るということであったわけですけれども、どうしてもこの本人からの請求ということが大分出てくると。

こういうことについては、多分お答えとしては大体予測はできます。それこそが個人情報保護の問題だということになるんだろうとは思いますけれども、こういう本人請求のようなものも、重ねて請求をされているというようなことについても、数が多いということを御認識をいただき、大臣、やっぱりこの個人の情報ということについて、改めてどんなお考えかお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣
片山虎之助
今の考え方は、今、委員が言われたとおりなんですよ。ところが、先月、国会に行政機関個人情報保護法案というのを出しました。これは本人開示を認めるんです、行政文書については。ただ、その場合にはもうペーパーも認めるしコンピューター処理するものも認めると、こういうことですから、本人だけですよ、もちろん。本人だけに認めると。だから、今回の行政機関個人情報保護法では本人開示は認めると、本人開示の対象になると。今は駄目ですよ、今は駄目ですけれども、そういうことに法律が通れば変わるというふうに御理解いただきたいと思います。
千葉景子
もう時間になりますので、まだお聞きしたいところもあるんですけれども、施行されて一年というところですので、幾つか気になるところを指摘をさせていただきました。

これ、いずれにいたしましても、施行後四年めど、目途に見直しということになります。もう今からですと三年後ということになります。三年後ということは、一年ちょっとぐらいたった辺りからいろんな見直し作業を始めなければいけないということになろうかというふうに思いますので、この一年の施行状況というのも大変重要だと思います。

この見直しなどを含めて、今後の取り組み方などについて何かお考えがあれば、大臣からお聞かせいただいて、終わりにいたします。

国務大臣
片山虎之助
やっと一年ですから、各省庁はなかなかまだ不慣れなところもあると思うんですよ。それから、各省庁の仕事ぶりというのがありますよね、どっどっどっどっ早くやろうというところと丁寧に慎重にやろうという。そういうところもいろいろありますから、一年で私は正確なあれは分からないと思いますけれども、今、委員言われましたように、四年で見直しですから、いずれにしろ四年といったら十七年の三月ですから、もうすぐなものですから、そういう意味では一年一年を大切に、経過をしっかりウオッチしながらやっていきたいと思いますし、法律を直さなくても運用上こういうふうに工夫をして改善したらどうかという点があれば、それは進んで各省庁と連携しながら直すように努力してまいります。
千葉景子
ありがとうございました。


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