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  更生保護事業法等の改正等についての質疑 法務委員会
2002.04.04

発言者 更生保護事業法等の改正等についての質疑
千葉景子
民主党・新緑風会の千葉景子でございます。

今日は、更生保護事業法等の改正を中心にいたしまして質疑をさせていただきます。

ちょっと横道のように思いますけれども、冒頭、ちょっと司法制度改革の問題に関連をしてお尋ねをいたします。

この更生保護事業の充実強化というのも司法制度改革の中でも取り上げられていた問題でございまして、審議会の意見書でも、そして今回の計画案の中でも、更生保護事業の充実というのも挙げられておりますので、言わば今回の改正というのはその一歩先取りとなるのかどうかですけれども、そういう側面もあろうかというふうに思います。

それについてはまた後ほど十分に聞かせていただくことにいたしまして、その司法制度改革ですけれども、それぞれ検討会等も急ピッチで審議が進められているようでございます。特にその中で、平成十六年の四月が開校予定ということでございますもんですから、大変ピッチが速いものの一つに法曹養成に関する検討会、これがなかなか活発に議論をされているというふうに聞いております。

この法曹養成に関する検討会、十一名の検討委員ということでございますが、ちょっと実情を私も漏れ聞きますと、これはよく言われております、リアルタイムでできるだけ国民に開かれた議論をせいということの中で、検討会、半々、その議事録に名前を載せるか載せないかという、半々になっているようですが、この法曹養成検討会というのは議事録にちなみに名前を載せていない方の検討会というふうに伺っております。

是非、そんなふうにひそひそやらずとも、いい議論を是非、本当にすばらしい委員のメンバーと私も拝見をいたしますので、そういう皆さんが大いに濶達にそれぞれの豊かな経験を踏まえて議論いただくことがいいんじゃないかなというふうに思いますので、機会がありましたら、委員会の場でそういうつぶやきもあったと是非お伝えをいただきたいものだというふうに思っております。

そこで、その検討会の状況でございますけれども、今どんな検討状況になっているか。大分何回も開かれているようですので、相当議論も進展をしているのではないかというふうに思いますけれども、今のちょっと進捗状況をまずお知らせいただきたいというふうに思います。

政府参考人
山崎潮
お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、推進計画では平成十六年の四月の開校を目指して検討を進めるということになっております。そういう関係におきまして、その準備を考えますと、この秋に臨時国会が開かれるならばそこに法案を提出するという予定で作業を続けております。

私どもの法曹養成制度の、法曹養成検討会では、現在まで、今年の一月から六回の会議を開催しております。その大きなテーマは、法科大学院を評価する第三者評価の問題と、それから新司法試験の在り方ということでございます。

現在は、この六回でかなりフリートーキングを行いまして、その意見の整理をするという段階に来ているわけでございます。今後更に、今度、司法修習の問題にテーマを移して検討をしていくと、こういう状況でございます。

千葉景子
今、六回開かれて、特に第三者評価の在り方等について、それから司法試験などについて議論が進められているということでございます。これは大変重要なポイントを今議論されているんだというふうに思うんですね。

本来、このロースクールにつきましては、私どももいろいろな意見を出させていただいておりましたけれども、この第三者の評価という問題と同時に、これを設立するに当たってはできるだけ第三者的な機関が設立、そしてその後の運営の評価等をするような形がいいのではないかという指摘もさせていただいてまいりましたが、どうやら、審議会の結論とかそれから今の動きを見ますと、設立は、文部科学省がやっぱりこういう学校という意味での認可の任に当たるようにも聞いております。それについては、良しあしは別といたしまして、この設立手続、認可基準等について、どんな考え方、あるいは議論が進められているんでしょうか。

といいますのは、今相当の数の、大学含めていろいろな機関が是非ロースクールを設置したいということで名のりを上げているということも漏れ聞いております。そうなりますと、やはりこの設置認可基準がどういうふうになっていくのかというのは大変重要なポイントですし、何か名のりを上げているのが多いから、それに合わせて認可を、基準をつくってしまおうなんということになると、これは本来のこのロースクール設置の意味合いとまた大きく懸け離れていってしまうということにもなりかねませんので、ちょっとそこをお尋ねしたいと思いますけれども、今、その設置認可基準などについてどんな方向で議論がなされているのか。

それから、そのロースクールを設置をしようということで手を挙げている、あるいは準備をされているところが一体どのくらいあって、全国的にどんな分布状況といいましょうか、になっているのか、その二点、それぞれお答えいただきたいと思います。

政府参考人
清水潔
お答え申し上げます。

第一点のロースクールの設立手続あるいは認可基準についてのお尋ねでございます。

法科大学院でございますが、三月十九日に閣議決定されました司法制度改革推進計画におきましては、学校教育法上の大学院として法科大学院に関する制度を設けることとし、平成十六年四月からの学生受入れが開始となるよう所要の措置を講ずるとされているところでございます。

したがいまして、設立の手続につきましては、平成十五年度内、学生募集等も勘案いたしますと、平成十五年十二月までに設置認可手続を終えることが必要となるというふうに考えております。したがいまして、各大学における御指摘のような諸準備の時間的余裕というものを勘案いたしますと、本年中には法科大学院の制度設計について具体的内容を確定する必要があると考えておりまして、本年秋ごろには学校教育法など所要の制度改正をさせていただきたいと考えております。

設置基準の内容についてでございますが、去る昨年十二月二十六日に中央教育審議会法科大学院部会での検討を進めて骨子を公表させていただきました。四月中の中間報告に向けて現在審議中でございますけれども、基本的な考え方としては、関係者の自発的創意を基本としつつ、法科大学院としての趣旨にのっとった設置基準を満たしたものを認可することとして、広く参入を認める仕組みとする、こういう方向で検討中でございます。このため、設置認可の基準は標準修業年限、教育内容・方法、教員組織等について法曹養成の中核的機関としての使命にふさわしいものとしつつも、各法科大学院の特色が十分に生かされることを旨として現在検討が行われている、こういうふうな段階でございます。

お尋ねの二点目、ロースクールを設立しようと準備している大学の状況いかんということでございます。

昨年十二月、司法制度改革推進本部事務局が発表した各大学へのアンケート調査によれば、調査対象百十七大学のうち、設置を予定と回答した大学は七十三大学ということでございます。また、シンポジウム等において既に四十を超える大学が法科大学院設置構想を公表しております。

法科大学院の設置基準等の制度設計が先ほど申し上げたような状況で現在検討中でございまして、まだ私どもとして具体的に具体の相談を受ける段階に至っていないわけでございますけれども、設置基準あるいは第三者評価基準など制度設計が明らかになることにより、具体の各大学等の検討が進むものと考えております。なお、各大学等の諸準備はかなり積極的に行われているというふうに思っております。

当省に、今、制度設計はどうなっているであろうかという検討の状況の照会や、あるいは御相談というものを見てみますと四十程度、今そういう状況でございますけれども、実際上は先ほど申し上げたように具体の検討というものがまだまだこれからというふうな状況もございます。したがいまして、今お尋ねの、具体に御相談を受けているというよりも御照会を受けているというふうな状況でもございますので、まだまだ具体的な配置その他等についてそういうふうなお答えを申し上げる段階に至っていない、こんなふうな状況でございます。

千葉景子
基本的に、抽象的なといいますか、お答えといいますか、今の状況はそんなところかなというふうに思いますけれども、これはロースクール、法科大学院が本当に制度の趣旨を十分に全うできるようなものが設立されるようなことを是非期待をしたいというふうに思っております。

検討会の方で司法試験の問題も検討されているということでございました。このロースクールと司法試験との関係、これも今後一つの大きな焦点だというふうに思うんですね。これは、審議会の答申でも、例えば経済的理由等でロースクールを経ずして司法試験を受験する、こういう道も検討をしなければいけないということが指摘をされておりました。私も、それは必要なことであろうというふうに思います。

ただ、反面、こういうことが主流になるのではなくて、やはり奨学金や費用の貸与等を含めてできるだけロースクールで学ぶことができるような体制整備が必要だというふうに思うんですけれども、やっぱりその他社会的な経験というようなことを考慮して、今言ったような経済的理由、社会的な経験等でロースクールを修了しない受験資格をどういうふうに認めるかということが検討されているとも聞くんですけれども、これはどうなんでしょうか。

本来の、ロースクール、そして司法試験、司法修習、こういう一連の流れを考えて新しい法曹を養成し、これまでの弊害を除去するということが本来の目的だったわけですので、この辺の迂回路みたいなものを余りたくさん作りますと本来の趣旨を貫徹できなくなるということもあろうかというふうに思いますが、この辺のロースクールと司法試験との関係、この辺りは今どんなふうな議論がされているんでしょうか。審議会の答申といいますか、意見が十分に参酌をされたような議論になっているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

政府参考人
山崎潮
ただいま委員御指摘のとおり、改革審議会の意見書では、法学教育それから司法試験、司法修習を有機的に連携させたプロセスとしての法曹養成制度を新たに整備するということを提言しております。ですから、これが大きな趣旨になるわけでございます。その一方で、先ほど御指摘ございましたように、経済的事情や、既に実社会で十分な経験を積んでいることなどの理由によって法科大学院を経由しない者にも資格取得の道を与えると、こういうふうに両方書かれているわけでございます。

私どもは、この改革意見書の趣旨、いわゆる法科大学院を中心とするプロセスとしての新たな法曹養成制度、この趣旨を損ねることがないように配意をしつつ、制度を考えていきたいというふうに考えております。

具体的に申し上げますと、現在の意見状況で、まだまとまっているわけではございません。一応議論の流れということでございますけれども、まず経済的事情や実社会で十分な経験を積んだということを、じゃ仮に受験資格にできるかという議論もされております。これをするためには、だれがどういう証拠によってどのように判断するかという問題、かなりシビアな問題を抱えるわけでございまして、実際上はそこを判断するのは極めて難しいのではないかという議論がかなり強くなってきているという状況でございます。

それでは、ストレートに、法科大学院を経ないで受験を認めるかという問題になるわけでございますけれども、これは予備試験のルートを設けるということになるんですが、この予備試験につきまして、法科大学院で十分に教育を受け、それとほぼ同等な資質とか能力が備わっているというようなことが適切に審査できるような、そういう予備試験の内容にする、そういうことによって質の担保をすると、こういう形で今議論がされているということでございまして、まだ最終的にその方向で固まったというわけではございませんで、現在の意見の整理の流れを申し上げると大体そういう状況であるということでございます。

千葉景子
やはり、指摘がありましたように、ロースクール、司法試験、司法修習という一貫した流れ、それによって新たな今の社会に適応できる法曹を養成するというのが本流でございますので、是非そこを損ねることがないように、今後の検討、是非方向を誤らないようチェックをしていっていただきたいし、私どもも見ていきたいというふうに思っております。ありがとうございました。

さて、司法制度改革の中にも盛り込まれておりました更生保護制度の改正でございます。

実は、私は、今度のこの法案の審議等もございますし、できるだけ実際の状況を知りたいということもございますものですから、東京保護観察所の御協力もいただきまして、東京の静修会足立寮、それから荒川寮という二つの更生保護施設を拝見をさせていただき、あるいはそこでいろいろな職員の皆さんなどの御意見などもいただいてまいりました。改めて法務省、それから東京保護観察所、また快く私どもの視察に応じていただきました静修会の皆さんに御礼と感謝を申し上げたいというふうに思っております。

今日は、せっかく拝見をさせていただいた実情も踏まえて、できれば多少皆さんにもこんなものかというのを、私の言葉ではなかなか伝え切れない部分があろうかというふうに思いますけれども、そんなことも紹介をさせていただきながら質問をさせていただきたいと思います。

先ほどの同僚議員からの質問でかなり基本的なところの質疑も出ておるようでございますので、できるだけ重ならないようにとは思いながらも、多少重複するところもあろうかと思いますけれども、お許しをいただきたいというふうに思っております。

そこでまず、もう本当に大きな基本ですけれども、この更生保護制度、そもそもこの更生保護制度というのはどういう意義があるのか、まずそこから、基本ですけれども、お尋ねをしたいというふうに思います。

政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

更生保護制度は、保護観察、それから更生緊急保護、それから犯罪予防活動といいますか、そういったものを主な内容としております。

その目的とするところでございますけれども、犯罪をした者の改善更生を助けることにより、犯罪から社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進するということになります。犯罪や非行を犯した者でありましても、いずれは地域社会に戻ってまいります。そのような人たちが自分の考えや生活態度を改めまして、再犯や再非行に及ぶことなく健全な社会人として立ち直ろうとするためには、社会内において適切な指導、援助がなされることが必要でございます。また、更生を決意した者に対しましては、人々が温かく見守り、必要な援助の手を差し伸べる、そういうことが必要で、そのような社会を築いていくことが望まれるところであります。

このように、犯罪あるいは非行に及んだ者に対する適切な指導、援助の実施や地域社会に対する働きかけを通じまして明るい社会の実現を図る、そこに更生保護制度の意義があるというように考えております。

千葉景子
更生保護制度の意義、その中で、とりわけ、今回、更生保護事業法を中心にした改正ということになりますが、この更生保護事業、それからその中核を成す更生保護施設、こういうものが担っている役割、これは更生保護制度全体の中でどんな役割を担っているというふうに考えたらよろしいのでしょうか。
政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

おっしゃるように、更生保護施設、更生保護事業といいますのは、今申し上げましたように、更生保護という制度の中で大変重要な意味を持っているというふうに考えております。

といいますのは、やはり更生保護といいますのは、犯罪や非行に陥った者が再犯をしないように、健全な社会人として立ち直るようにということがその制度でございまして、そのためには、いったん刑務所を出た、矯正施設を出た、あるいは仮釈放等になった者が、出たけれども、やはり社会の中で受け入れられない、あるいはいろんな条件が整わなくて直ちに社会に復帰できないということがあるわけですが、その人たちを一時更生保護施設というものに受け入れまして、そこで必要な援助をする、指導をするといったようなことがあって初めて矯正施設から社会への一つの橋渡し、円滑な橋渡しという役割がございまして、そういう意味は大変大きいというふうに考えております。

千葉景子
私もその役割はそのとおりだというふうに思います。元々この更生保護施設というのが、言わば更生保護事業の中で、出所をし、直ちに住まうところがない、あるいは引き受けてもらえるところがすぐにはない、そういうときに基本的には住まいと寝食を提供する、ここが更生保護施設のまず基本のスタートだったようでございます。今はそれだけでは十分ではない、それ以上のいろいろな活動をされておりますけれども、まずは住まいと食べることということが基本にスタートをしたというふうに受け止めています。

ただ、今、お話がございましたように、社会との橋渡しということになりますので、一定の期間食べて寝て、あとは知らぬよということではなくて、そこから出るときにはできる限り自立更生ができるというところへ橋渡しをしていくということなんだろうというふうに思うんですけれども、現行の制度上でそういう役割が十分にやっぱり果たし得ているのか、今の体制で。今後の課題、今の現状の中から見えてくる更生保護制度あるいは施設の課題みたいなものはどんなふうに受け止めておられるでしょうか。多分、そういう認識の下に今回の改正ということにつながるんだろうというふうに思うんですけれども、その点はどんなものでしょうか。

実は、ちょっと先ほど申し上げました、視察をさせていただきまして、それぞれの施設の状況を伺ってきたんですけれども、例えば静修会の足立寮というところは男子が入っている施設でございます。定員が四十人ということで、ほぼ、出入りがありますけれども、おおよそ収容率八〇%台で推移をしているということなんですけれども、退所するときにどんな状況かということを見ましたところ、円満に退所をするという人がおおよそ六割ぐらいはおいでです。ただ、それと反面、無断で退所しちゃうという人も二五、六%おりますし、いろいろここにいてはトラブルになるというので勧告して退所してもらうというのも数人おいでだと、こういう状況でございます。

退所先にはいろいろな、親族とか、あるいは借家を借りるとか、就業先とか社会福祉施設とか、多様なんですけれども、ただ、じゃ退所時のときに本当に自立した生活ができる体制かなと思いますと、やはりなかなか、仕事に就いている方ばかりではなくて、退所のときに無職という人がやっぱり三割ぐらいいらっしゃいますし、分からない、どうなっちゃったか分からないという人が二割ちょっといますから、約半数はなかなかきちっと仕事に就いて出ていく、あるいは方向が決まって出ていくというわけにはいかないと、こんな実情でございました。

すべての施設でそうかどうかというのは分かりませんけれども、もう一方の荒川寮というのは女性でございますけれども、これ男性と女性をこういうところで比較するというのも変ですけれども、どちらかというと女性の方がその間でかなり自立した、何か職に就いたり、あるいは円満にそういう方向を見いだして退所をしていくという方が多いようでございまして、分からないとかそういう人は本当に数としては少ない、こんな状況です。

これ、この一施設だけですべてを量るということにはなりませんけれども、東京の足立、荒川という、こういう地域で努力をされている更生保護施設ですけれども、こんな実情を見ましても、本当に更生保護制度、目的は大変な重要なことですし、それが一〇〇%といいますか、全うされれば、私も本当にこの上ないことだというふうに思いますけれども、なかなかそうはいかないというところに難しさがあるんだろうというふうに思います。

その辺の、今の現行上の問題点とか今後の課題みたいなものをどういうふうに受け止めてこの改正に臨まれたのでしょうか。

政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

委員には施設を直接ごらんいただきましてありがとうございました。

おっしゃるように、元々この更生保護施設といいますのは、ある意味では生活困窮者対策的なものから発足しておりまして、当面、費用がない者については、とにかく住まいとそれから食べ物を与えましょうということからスタートしておりますので、それが長い間来ていたわけです。

しかし、最近の犯罪情勢を見ますと、やはりその犯罪に至る原因として、一つには、なかなか社会適応といいますか人との関係がうまくいかなくて犯罪に及ぶ、あるいは一回社会に出てもやはりまたそれがうまくいかなくて結局、犯罪、非行に陥ってしまうというような傾向が見られます。

そんなことを考えますと、ただ更生保護施設に入れて、そして寝るところを確保する、あるいは食事を与えるというだけではやはり十分ではなくて、そこの更生保護施設において、やはりもう少し社会適応ができるように、被収容者といいますか被保護者のある意味では内面に立ち入った分野まで入っていってきちんと指導していく、援助していくということが必要じゃないかということが今回の法改正の一つであります。

それからもう一つは、先ほど委員もおっしゃいましたように、更生保護施設に入りましてもきちんと自立して社会に戻っていくといいますか出ていく人が、全国的な統計でいいますと七五%ぐらいがいわゆる円満退所といいますか、そういうことになっているわけですけれども、いずれにしましてもすべての人たちが完全に自立できるという状況にはないんですけれども、これはやはり現下の経済情勢、雇用情勢が非常に厳しいということもありますし、それから被保護者が高齢化の人が増えているということもありますし、また元々いろいろ問題を抱えている、先ほども言いましたが、アルコール嗜癖が強いとか、元暴力団関係者、あるいは覚せい剤の常習者だとか、そういった方、そういった人も多うございますので、なかなかすべての人が一〇〇%自立というのはなかなか現実は難しいわけで、しかしだからといってそれでいいということでは決してございませんで、やはりこの更生保護施設というものが社会内処遇の一つの、処遇施設の専門の施設としてきちっと体制を整備して、もっと良い方法を取るようにしようというのが今回の法改正の趣旨であります。

したがいまして、今回の法改正を機に、一層、更生保護施設における処遇内容の充実強化を図りますとともに、この処遇困難者につきまして、なかなか自立ができない者につきましては、例外的な措置になりますけれども、その期間も延長しましょう、その他いろいろ考えていきましょうということでございます。

千葉景子
さて、今のような御趣旨の下に今回の改正案ということになりますが、先ほどももう既に出ておりますけれども、既に現状でもいろいろな、寝るところと食べ物を供与するという以上の活動をいろいろもう展開されているんですね。

これまた足立寮、荒川寮でございますけれども、さっきもちょっと御紹介がありましたように、ここでも酒害ミーティングですね、お酒の害、これのミーティングをされていると。

それから、足立寮というのは男性の寮でございまして、男性の場合に難しいのは、これまで施設の中にいた、それからその前もいろんな事情があってなかなか自分の身の回りの生活をすることができないという人が多いんだそうでございます。だから、ここの施設から一歩社会に出ると自分で御飯すら炊けない、もう結局は、しようがない、何かちょっとつまみものを買ってきてまた酒でも飲んでそれで終わりにしちゃう、こういう生活でまた犯罪に巻き込まれたりするということも多いということで、食事会というのをやっているそうです。何かそういう料理を教えるとか料理を習えみたいなことを言うと、おれはそんなこと人から教わる必要はないと、こういうことになりますので、みんなで食事の会をしましょうというようなことをしながら自分で食事を作る、ちょっとしたものならできるような、こんな会を催したりしていると、こういうこともおっしゃっておりました。

それから、女性の方は、女性と健康というような、薬物などの問題がございますので、女性の健康を考える、こういうプログラムを実施をされておられたり、近くに日曜菜園のような、そういうところで農作業などを通じていろいろな自然に親しむ、また心をいやしていく、こんなこともされているということをお聞きをいたしました。

いろいろと本当に御苦労されて、知恵を巡らせておられるなというふうに思ったんですけれども、ただ、これまではこういう活動、処遇についてきちっとした財政的な裏付けがなかったようでございます。お聞きをいたしましたら、こういうことをやるので三十万の補助をいただいているんだと、なかなかこれでは十分にできないですというふうにおっしゃっていました。

今回の改正によりまして、こういうプログラム、あるいは処遇をやることが財政的にも裏付けられるというふうに思うんですけれども、それまでの間でもこういうふうに努力をされている、こういうことに全く財政的な裏付けがなく、補助が三十万と足し前のような形でやっておられるということ。これはやっぱりもう早急にでも何か対処をする必要もあろうかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがなものでしょうか。

政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

今、先生がおっしゃいました足立寮における食事会といいますか、そういったものにつきましても大体一回当たり二万円ぐらいの材料費が掛かるんだというふうに聞いているんですが、その財政的な裏付けというのは実は国の方からは特に出ているわけではございませんで、同じ更生保護法人で助成事業を行う団体から出ているというのが実情でございます。

しかしながら、それも、それはともかくといたしまして、先ほど申し上げましたように、更生保護施設における処遇内容を充実強化するためには、やはりそういったことができる専門的な技法を身に付ける、職員が、ことが必要だろうということになります。まず、職員の充実、質的にも量的にも整備を図ることがまず根幹であるというふうに考えています。

そういうことがございまして、平成十四年度予算におきましては、財政当局の御理解を得まして、各更生保護施設に補導職員を一名増配置するということが認められました。これによりまして三千六百万円の増額がございます。まず、そういったことからスタートをしていって、中で職員の研修等も行いましていろんな意味での社会適応力を付けるような、そういう処遇をしていこうというふうに考えております。

千葉景子
是非、非常にやっぱりささやかな額でございますよね。やっぱりこれから、犯罪が増加をしている、あるいは過剰収容がもうあちらこちらであって、できるだけそういうものを減らし安心できる地域社会をということであれば、本当に国としてやっぱりそれにかなりの財政負担をしても私は社会的コストとしておかしくないというふうに思います、そういう意味でも。是非充実をした体制整備を図っていただきたいというふうに思います。

次に、今回の改正のやはり一つに、先ほどもございましたけれども、少年院の退院者を受け入れるという改正が盛り込まれました。ちょうど時あたかもと言うと変なんですけれども、改正少年法が施行されまして一年ということで、その状況がちょっとこの間報道などもされておりました。

実情を、最高裁の方でしょうか、この施行一年、この間の法律の適用状況等、実情をまず御説明いただきたいと思います。

最高裁判所
長官代理者
安倍嘉人
御説明申し上げます。

今回の少年法改正が施行されて一年たったわけでございますが、この改正法の骨子は三つございまして、一つは処分の見直しの問題があります。二番目は事実認定の手続の一層の適正化を図るといった点がございまして、さらに三番目に被害者に対する対応がございました。

その関係を順次御説明申し上げていきたいと思いますが、まず処分の見直しの関係でございますけれども、いわゆる原則検送という類型を設けたわけでございまして、二十条二項の規定によりまして、故意の犯罪行為によって被害者を死亡に至らせた罪の事件において、十六歳以上、犯行が十六歳以上の少年についての事件、原則検送をすると、こういった規定が設けられたわけでございますが、この対象となる事件はこれまで、施行から二月の末日までの調査の結果でございますけれども、合計で五十九件ございました。このうち検察官送致となった事件は四十二件でございまして、比率にいたしまして七一%になろうかと思います。その余の十七件につきましては、二十条二項ただし書を適用いたしまして、少年院送致等の保護処分になった事案でございます。

若干内訳を申し上げますと、検送事件の内訳は、殺人事件につきまして九件中六件が検送になっております。傷害致死につきましては四十二件中二十八件が検送でございます。さらに、強盗致死は八件すべてが検送でございました。

以上が処分の見直しの部分でございますが、さらにこの関係では十四歳以上についても刑事処分ができるようになったわけでございますけれども、現在のところその適用事例はないというふうに承知しているところでございます。

次に、事実認定手続の適正化の関係でございますけれども、検察官関与の道が開かれたわけでございますが、この決定がされた事例は二十五件でございました。さらに、合議体による審理の道も開かれたわけでございますが、この審理が行われた事案は二十一件でございました。さらに、観護措置期間につきまして、従来の四週間が限度であったものを、これを超えて八週間まで収容ができるとなったわけでございますけれども、その特別更新がされた事案は四十件でございました。

最後になりましたが、被害者への配慮の関係でございますけれども、三つの手当てがされたわけでございますが、まず閲覧、謄写の関係でございますが、申出があった方について認められた人員は四百五十三名でございまして、認められなかった人員は八名でございました。処分結果の通知でございますけれども、申出があって通知された人員は四百七十一名でございまして、通知されなかった人員は八名でございました。最後に、意見聴取の道が開かれたわけでございますが、この申出がされて聴取した人員は百三十六名でございまして、聴取されなかった人員は三名でございます。今申し上げた中の認められなかった事案でございますけれども、これは申出資格のない方からの申出の事案など、形式的な要件を欠く事案などでございました。

以上でございます。

千葉景子
この一年ということでなかなか評価をするというのも難しいところがあろうかというふうに思うんですけれども、この改正をされまして一年のこの実情を今聞いて、大臣、いかがなものでしょうか。この改正少年法、やっぱりこれは効果があったという御感想でしょうか、あるいはその今の内容も適切になかなか行われているというふうにお感じでしょうか。率直な御所見を伺えればというふうに思います。
国務大臣
森山眞弓
少年法が改正されましてから、おっしゃいますとおり、まだ一年でございます。改正しました後の実情については、今るる説明がございましたけれども、それを踏まえて何らかの評価をするというのはちょっとまだ早いのではないかというふうに思います。

しかし、法務・検察当局といたしましても、改正少年法の趣旨を踏まえまして、それぞれの事案に応じまして関係機関との連携を密にしながら、少年犯罪の防止と少年の健全な育成に努力をしているところでございまして、今後ともなお一層そのような方向で進めていきたいというふうに考えております。

千葉景子
さて、こういう少年法の改正などもなされましたり、今回も少年の立ち直りといいましょうか、そういうことも念頭に置きながらこの更生保護施設への受入れということが認められるようになろうというわけでございます。なかなか少年の場合に難しい問題がたくさんあるだろうなというふうに思います。大人の場合でも先ほどの実情のように、なかなか社会復帰をするといっても、自立更生といっても難しい。それに更にプラスして少年の場合に、やっぱり更なるこれからの成長あるいは心のケア、様々な要因があるだろうというふうに思うんです。

そういう意味では、ただ、今の更生保護施設に受入れができますよと、こういうことをやっただけでは十分ではないわけで、先ほどもお話ありましたけれども、やっぱり専門的な人的な陣容とか、それからそれに伴う財政的な措置とか、そういうものがもう不可欠だろうというふうに思うんですね。

それから、今の施設は、例えば先ほどは男性の寮と女性の寮という、そういう形の施設でございました。例えば非常に、成人だけ入れているとか、青少年がいろんな年代がいるとか、女性と男性が一緒というか同じ施設でも両方受け入れているとか、それぞれだとか、そういう施設のいろいろな特徴もあろうかというふうに思います。こんな施設の在り方も含めて、この少年院退所者を受け入れるということはかなりの大きな負担といいますか、責任ということになってくるんだろうと思いますので、その辺の手当てあるいはサポートする体制、こういうものについてはどんなふうになさっていかれるおつもりでしょうか。

政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

今、委員がおっしゃいましたように、少年の処遇というのは大変難しいというふうに言われております。端的に言って、職員のお話を伺いますと、分かりやすい言葉で言えば手間が掛かるというふうに言われているわけです。それは、やはり少年特有のいろんな心の問題があったり、それから、まだ規律といいますか、そういうものになかなか付いていけないような年代であるとか、いろんな要因があると思うんですが、そんなわけで現在も大変苦労していることは事実でございますけれども、これから少年院の満期満齢退院者もこの法改正によりまして更生保護施設で受け入れるようになりますと、またそういった対象者が増えてくるわけです。

私どもとしましては、このようないろんな、少年はやっぱりそれぞれいろんな問題を抱えつつも、やはりその立ち直りを期してそういうところに入ってくるわけでございますので、私どもといたしましても、それぞれに最も適した処遇は何かと、それに対するプログラムはどんなものを組んだらいいかということにつきましては、一層検討いたしまして適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

千葉景子
今度の改正は、それぞれ本当に今の社会情勢等も踏まえて必要なことであり、その目的自体は私もよく理解をいたしますが、やっぱりそれに伴うものがきちっとしませんと本当にこの実を上げないだろうというふうに思います。

そういう意味で、是非サポートできる、そしてそれを実のあるものにするための措置をきちっと取っていただきたい。本当に現状ではそれぞれの施設職員の皆さんあるいは地域の皆さんが身を粉にして、ここの施設も多分御一家だと思うんですね、御一家が総出でこの施設を切り盛りし、そして職員の人含めて寝食をともにしてやっておられるという状況でございます。それに新しいまた処遇などが更に加わってくれば相当なやっぱり負担であるし、と思いますので、そういう善意も無駄にしないよう、この改正の更生保護の実も上がるような本当に体制を取っていただきたいというふうに思います。

それの更にもう一つ難しい問題は、今度、保護期間が延長されると。この背景には、やっぱり高齢化といいますか、そういうこともあろうというふうに聞いております。

ちょうど私も視察をさせていただきましたそれぞれの施設にも、昼間でございましたけれども、今日は仕事が休みで出掛けていっておらないということで部屋に残っておられる方もいらっしゃいました。ちょっと年配の、本当に、かわいらしいと言うと何か言い方がちょっと良くないですけれども、ちょっとおばあちゃまとか、それからかなり御年配の男性の方とかいらっしゃいまして、なかなかこれ、急に今度は仕事といっても、今高齢者の仕事がある時代ではありませんし、さらにハンディを背負って仕事というわけにもいかないし、じゃ親元というもう年齢ではありませんし、今後どういうふうに生活を立てていかれるか、大変なんだろうなというふうに推測をいたしました。こういう高齢化が進むという問題も一つ大きな課題だというふうに思います。

そこで、私ちょっと、私自身は拝見できなかったんですけれども、何かテレビの報道番組か何かで、広島刑務所の尾道の支所でしょうか、何かそこが、非常に高齢者の施設内の処遇として何か特徴のある処遇といいますか、施設として取り上げられたというふうにちょっと聞いたものですから。これからこの更生保護施設、社会内の処遇ばかりではなくて、施設内の処遇の方も高齢化という問題で大変いろいろと課題が山積をしているんじゃないかというふうに思いますので、ちょっとその尾道の実情といいますか、特殊な例なのかどうか説明をいただきまして、刑務所等における高齢化への対応策といいますか、そんなことを少し御説明いただければと思います。

政府参考人
鶴田六郎
御指摘の尾道刑務支所ですが、これは中国地方で確定した受刑者のうち年齢がおおむね六十歳以上で老衰現象が相当程度認められる者等を囚禁しているところでございますが、これらの高齢受刑者の処遇、まあ我々、私どもでPzという分類級で区分される受刑者になるわけですが、例えば作業については、これは課す必要があるわけですけれども、その場合、軽作業にするとか、あるいは食事につきましても、なかなかうまくかめない受刑者ですので、軟食、刻み食とか、あるいは場合によっては病気の者もおりますので減塩食等を給与したり、また毛布や下着類の貸与数も増やしたり、また作業・生活空間を同じ階等に集中させて階段の上り下りの必要がないというような工夫を凝らしたり、また工場、入浴場等には適宜手すり等を設置するなどの配慮をした処遇を行っているというところでございます。

そのほかのところはどうなんだということになりますけれども、やはり尾道は伝統的にこういう、昭和六十年に高齢受刑者、この場合、六十歳以上ということになりますが、その囚禁施設という、行ってきたという伝統があるわけですが、そのほかの地域におきましては、こういった高齢受刑者を特定の施設には囚禁してはおりません。原則としまして、一般の受刑者と同様に、犯罪内容あるいは犯罪性の深度、人格、特性等の個々の受刑者の持つ問題性に応じた処遇を行っているところですが、このうち、特に老衰現象が相当程度認められる者に対しましては、やはり必要かつ可能な範囲で、例えば養護工場で就業させるといったようなことで、その特性に配慮した処遇を行っている。

これが実情ということで、やはり考え方といたしましては、いろいろ、一般的には高齢受刑者の場合、身体的疾患や運動機能の全般的な低下ということが認められますし、なかなか一般の受刑者と一緒に集団で処遇することは難しいという面もございますので、基本的にはそういった身体的な機能を維持し、個々の受刑者の心身に応じていろいろな配慮が求められておりますので、それに対応していくことが大事ではないかというふうに考えております。

千葉景子
伝統的にここ尾道が、そういう高齢の方を多少囚禁をするという特徴があるということで面白い、面白いというか、非常に特殊なんだなというふうに思います。

ただ、きっとメリット、デメリットのようなものがあるんだろうと思うんですね。その報道のときも、居心地がいいと言うと変ですけれども、そういうある意味で高齢者にあるいは身体的状況に応じた処遇が十分になされているということもあって、また出所してから、何かなかなか仕事にも就けない、あるいは受入先もない、そういう中で再びまたこの尾道に戻ってくると言うと変ですけれども、そういうケースもあるやにも言われていたということで、本当に何か悩ましい問題だというふうに思います。

さらに、ただそうはいっても、逆に今度は普通の施設で一人一人に年齢に応じて、あるいは食べ物が食べにくい人には、その人には軟食をという、こういうやり方もなかなかこれ大変ですよね、きめ細やかにやるとなると。それぞれメリットやデメリットがあるんじゃないかというふうに思うんですが。

ただ、私はやっぱり高齢者が増えてくるということで考えなければいけないのは、更生保護施設でもできるだけ少し延長して社会に出るまで時間を掛けると、これも必要です。でも、じゃ六か月を一年にしたからといって解決できる問題かというと、なかなかそうもいかないだろう。そうすると、やはり最終的には、福祉、あるいは地域の受入れ体制とか、やっぱり地方と自治体との連携とか、そういうことなども総合して考えませんと、高齢受刑者とか、あるいはその皆さんの社会復帰、あるいは今後の生活、また再び犯罪を犯さざるを得ないようなことにしてしまうのではなくて、犯罪を減らしていくということにするためにはやっぱり連携した施策というものが必要ではないかというふうに思うんです。

大臣、どうでしょうか。高齢化が進むという中で、施設内の処遇、あるいは更生保護施設等の更生保護での役割、そしてさらには福祉とかあるいは地域社会、自治体、こういうものの総合的な対応というのが取られても必要欠くべからざる状況なんじゃないかと思うんですが、その辺について大臣としてはどんなふうにお考えでしょうか。今後どんな取組方をしたらいいというふうにお感じになられますでしょうか。

副大臣
横内正明
私から御答弁申し上げます。

委員の御指摘のように、高齢の受刑者数が非常に増加をしてきているという状況でございまして、行刑施設の収容者の中で六十歳以上の者の割合というのが、十年前は五・三%ぐらいだったんですけれども、最近年では九・三%というように、かなりのスピードでその高齢者の比率が増加をしてきているという状況でございます。したがいまして、行刑施設から出た後の保護観察につきましても、御指摘がありましたように、福祉施設を所管する地方公共団体との連携というのが大変に大事なことになってきているのではないかというふうに考えております。

具体的には、やはり保護観察の際に生活保護のあっせんをするとか、あるいは老人ホームを始めとする社会福祉施設への入居をあっせんするとか、そういうようなことは現にやっているわけでございますけれども、そういうことも含めて、そういう福祉との円滑な連携ということは今後こういう保護観察に当たって非常に大事な課題になってくるのではないかと。そういう点に十分配慮して今後進めていきたいというふうに考えております。

千葉景子
本当に福祉施設も、更生保護を図ろう、自立更生を図ろうという皆さんのみならず、通常のケースでもなかなか十分とはいかず、皆さんが施設の利用をしたいということでいろいろ待っておられるような状況もある中ですから、これ本当に、受刑者が出てこられて社会復帰しよう、特に高齢の方が行きどころもないという状況というのは本当にこれから一つの大きな課題かなと。是非十分なる今後の対策をきちっと取っていけるようにしていただきたいというふうに思います。

今回、もう一つ、改正でこれ以外の規制緩和が行われることになりまして、更生保護事業の、継続事業は別として、届出制ということで事業を行えるということになりました。

これは、私もできるだけ参入しやすいというのはいいことだというふうに思います。ただ、利益を求めるというような事業であれば規制緩和をして大いにそこに参入をして頑張ろうという方も増えるんだろうというふうに思うんですけれども、事こういう事業でございますから、この規制緩和によって本当にどんな部分が充実をしたり、あるいは活発になっていくのかなと。余り思い当たらないんですよね、実際に。これまでも、例えばその施設なりも、ほとんどが委託費とか助成金で賄われていて、一般的な寄附等はなかなか受けられないというのが実情のようでございます。

そうなりますと、これ規制緩和をしていろんな事業もできるとはいえ、なかなかこういうところにわざわざ本当に参入をいただいて貢献していただくという、本当にできるのかなという、規制緩和することが悪いわけじゃないんですよ。大いにそういう受皿を作って入っていただければそれはいいんですけれども、どういうことが予想され、予測といいますか、期待できるのかなという感じがいたしまして、その辺はどんな認識をお持ちなんでしょうか。

政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

規制緩和を行うこととした趣旨は、平成十一年三月の閣議決定の規制緩和推進三か年計画ということがございまして、許認可等につきましてはより緩やかな規制への移行を推進するという方針がございましたので、まずはそれに従ったということであります。

委員おっしゃるように、これによって新規参入が促進されるかどうかということになりますと、現実問題としては、事業の特殊性にかんがみまして正直言ってなかなか難しいと、これは認めざるを得ないと思います。これが呼び水になってもらえばという、これは期待でございますけれども。

それはそれとして、もう一つは、これによりましてこの連絡助成事業者の事務の簡素化といいますか、そういった面の実効性はあるんじゃないかと。それによっていささかなりとも活性化に役立てればという思いがございます。

千葉景子
さて、こういう実情でございますので、やっぱりある程度私は更生、自立更生というのはやっぱり社会の力というのが大変大きいと思いますし、そういう中で本来は行われるべきものだというふうに思うんですね。施設での処遇が終わり、あとは社会の中で本当にみんなで支えながら自立を図っていくと。さはいいながら、やっぱりそこに官の力といいましょうか、国なりのリーダーシップあるいは財政的な支援、そういうものがやっぱり現実にはないことには、もうとてもとても民間の力に頼るだけではうまくいかない。これだけ犯罪が増えたり収容者が定員オーバーになって社会的な問題にもなっていくとすれば、やっぱりここは国が相当な力を出していかなければいけない部分だろうというふうに思います。

それにしては、先ほどもちょっと触れましたけれども、財政というのは非常に貧弱だものでございまして、例えば施設整備などは、これもほとんど自前の費用とか、あるいは、ちょうどこの寮の玄関にもプレートが張ってありました。多分あれは自転車振興会等の助成を受けているというプレートでございましたし、そういうものに頼っていると。もうかなり老朽化をしている施設でもございました。そんなことを考えたり、それから委託費も、これも、お聞きいたしましたところ、頭割りなんですね、その収容されている人の。しかも、日割計算でいく、その施設に寄附をされるということでございますので、こういうところですから収容者が満杯であれば一番計算上は予算が措置がされると。何か非常に寂しい話で、そういうところの人が減ると収入も減ってしまうと。ただ、職員などは継続して雇用しているわけですから、日割りでまさか職員の費用を払うわけではない。いろいろそういう意味ではなかなか大変な財政事情だというふうにお聞きもいたしました。そういう意味で、この施設整備のための財政とかこの委託費の予算とか、さっきもう予算書も拝見しておりますし、これだけ今度中身を充実させるために増やしたというお話も伺いましたけれども、いかにせん、ちょっと非常にささやかなものだなという感じがいたします。

この辺のやっぱり財政の少しアップといいますか、厚みをこれから持たせていくという必要があろうというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。

政府参考人
横田尤孝
この更生保護施設の収入源といいますのは、国からの委託費が大部分といいますか、おおむね八割程度は国からの委託費に頼っているということであります。しかし、まだ一〇〇には足りないわけですけれども、それ以外は寄附金を仰ぎますとか、あるいは財産収入といいますか、そういったものによって補っているということであります。そういうことでございますので、これもまた今、委員御指摘のとおり、保護実績が少ないとやはりその分委託費も少ないということで、経営に苦慮しているという実情があるということは私どももよく認識しているところでございます。

こういった点も踏まえまして、私どもといたしましては、更に収容実績を上げるように、どういう方法がいいかということについても更に検討を重ねてまいりたいと思いますし、またこの更生保護委託費の在り方につきましても、いろんな面から更に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

千葉景子
今回のこの改正によりまして一歩門戸を開いていこうということでございますが、この更生保護については、この更生保護事業のみならず、他の部分でも更に充実をさせていく必要があるのではないかというふうに思います。

この更生保護施設なども、かなりの方が保護司をされながらこの更生保護施設の施設長なども務めておられる、あるいはこういう施設の理事等を兼任をされていると、こういう実情もございます。国会の中にも、議員として、保護司をされながら努力をされておられる方がかなりおいでだというふうにも伺いました。

この保護司制度も本当にボランティアで大変な活動だというふうに思いますが、更に充実強化をしていく、あるいは多様な人材とか、それからやっぱり多少なりとも財政的な支援といいますか、現在もあるんですけれども、少しそういうものをしていただいて、いろんな多様な方が保護司として活動できる体制も必要なんじゃないかなというふうに思います。

どうしても今ですと、退職をなさった皆さんがやっぱりボランティア精神でと、こういうことも多いですし、今ちょうど働き盛りとなりますとなかなかこういう活動に就くということが難しい、こんなこともあります。

いろいろな知恵を働かせていただいて、特に少年などがこれから社会内処遇というふうなことを必要とされてまいりますと、やっぱり余り極端に年齢が離れていて何か話も通じないということになりますと保護司さんの方も大変困りますし、少年の方も、結局は話通じないから何も相談もしないと、こんなことにもなりかねません。

そういう意味では、現在やっておられる皆さんの本当に献身な努力と、更に充実強化、厚みを持たせたこの保護司制度なども検討していく課題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

政府参考人
横田尤孝
お答えいたします。

保護司の年齢といいますのが年々高齢化する傾向がございます。今年の一月一日現在でいいますと、六十歳以上の方が全体の六八・六%、約七割が六十歳以上の方でございます。平均年齢が六十三・三歳でございます。

高齢であるからどうかということは必ずしも言えないわけで、高齢である方はやはりそれまでの豊かな社会経験をお持ちですし、また語るべき言葉を持っているということもあるわけで、それはそれでそういう保護司さんにいろいろまた御協力いただかなければならないわけですけれども、一方におきまして、今、委員おっしゃるように、少年との年代差といいますかギャップですね、この保護観察事件の約七割というのは少年事件なんです、実は。したがいまして、そういった点で年齢差による意識とか感覚のギャップがあって、それで円滑なそれができないのではないかという御指摘があることは、それは事実でございます。

いずれにいたしましても、その保護観察事件が年々、事件そのもの、あるいは対象者もだんだん難しくなってきていることは事実でございますので、そういった変化に対応できるように、更にいろいろな活動力のある、行動力あります、あるいはそのような対応の十分できる方を更に幅広く保護司さんになっていただくようにいろんなところに働き掛けて努力していきたいというように考えております。

千葉景子
いろいろお聞きをいたしてまいりました。本当にこれはいろいろな各分野で取り組んでいかないと、更生保護、そして犯罪の防止、再犯の防止というふうなことはやっぱりやり切れないなというふうに思います。地域の皆さんの御協力も必要ですし、自治体等の協力なくしてもなし得ない。それから、国もかなりのリーダーシップを取っていかないと、こういう、何というのでしょうね、非常に社会にとってもある意味でマイナーな部分ですから、なかなかだれかが音頭を取るというような問題でもない、こういうことになります。

そういう意味では、今後、やっぱりこういう社会を、安全な安心できる社会、そして更生できる社会を作るための何かトータルな法律とか、あるいはそしてそれをコーディネートできるような専門家を育てたり、あるいは今処遇に従事をしている皆さんがまた新しい技術を身に付けたり研修をしたり、そういうことをしたりするような何かセンター機能のようなものをどこかに置くとか、何かその法整備、あるいはセンター機能、そして社会全体がそこを中心にしてこの更生保護という目標にそれぞれの立場でかかわっていくと、こんなようなことも必要になるのかなという感じもしております。これは十分に私も練らせていただいたことではありませんけれども、そんな方向性も見ていかなきゃいけないのかなと思ったりいたします。

どうでしょうか、大臣、そんな意味で、今後の更生保護制度の在り方、あるいはほかとの連携等も含めて、今後の考え方、何かございましたらお聞かせをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

国務大臣
森山眞弓
委員が、大変、現場までお出掛けいただいて問題を十分調査していただいた上で、非常に詳細な質問をしていただきましてありがとうございました。心から敬意を表する次第でございます。

更生保護の問題だけではなくて、犯罪の防止、そして安心して暮らせる社会の構築ということが最終的には目的でございますので、そう考えますと、非常に幅の広い、いろいろなところの連携が必要だというふうに思います。

家庭の教育とかあるいは学校の対応とかいうことまで広げますと本当に社会全体の大きな問題だと思いますし、更生保護という一業務に限定いたしましても、国家公務員の法務省のしかるべきお役人がどんなに誠心誠意努力いたしましてもそれだけでは十分ではない。やっぱり、ある一人の人間が復帰して社会に自立していけるようにするために、その本人の状況を十分把握して、その人に応じた対応をしていかなければいけないというのが更生保護の基本ではないかと思いますので、もちろん国も一生懸命できることをやりますけれども、その体制の中で、一人一人に目を届かせて、心を込めて更生保護のお手伝いをしてくださるという民間のボランティアの活躍、活動というものに期待するところも大変大きいわけでございます。

国のサイドからいいましても、法務省だけではできないことであり、職業のあっせんをしております厚生労働省とか、あるいは勉強しようと思えば職業訓練なりあるいは学校教育なりにもかかわりがございますし、非常に幅の広い様々な方々の御協力をいただいて、更生保護ということに限定すればそれは法務省の仕事ではございましょうけれども、中心となって周りの方々の御協力を得ながら、総合的に一歩でも二歩でも前進するよう努力していきたいというふうに思います。

委員長
高野博師
午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午後零時二分休憩

午後一時開会

委員長
高野博師
ただいまから法務委員会を再開いたします。

休憩前に引き続き、更生保護事業法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。

質疑のある方は順次御発言願います。

<途中省略>
委員長
高野博師
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。

更生保護事業法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕
委員長
高野博師
全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

この際、千葉景子君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。

千葉景子
私は、ただいま可決されました更生保護事業法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

   更生保護事業法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点につき格段の努力をすべきである。

一 犯罪者等の自立更生を図るためには、社会全体の理解と協力が不可欠であることにかんがみ、更生保護に係る法体系について、更生保護基本法の検討を含め、国民に分かりやすい制度となるよう関係法律の整備・統合に努めるとともに、更生保護施設の運営について、その広報・啓発活動を行うなど、地域に開かれた更生保護施設の実現に向けて必要な施策の推進に努めること。

二 更生保護について国の果たすべき責任がより重要性を増していることにかんがみ、更生保護法人の経営基盤の強化を図るため、委託費及び施設整備費等国の財政措置の在り方について検討を加えるとともに、更生保護施設と保護観察実施機関や民間協力団体との連携を一層密にして、犯罪者等の更生と社会復帰のための処遇機能を強化すること。

三 更生保護施設の職員体制の整備を図るため、職員の配置の充実に引き続き努めるとともに、処遇に特段の配慮や専門性を必要とする者の増加に対処するため、生活技能訓練等の専門的処遇の普及・定着のための職員の研修の実施等に努めること。

四 更生保護事業が、地域社会の安全及び住民福祉の向上に寄与することにかんがみ、より地方公共団体の必要な協力を得ることができるよう努めること。

  右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

委員長
高野博師
ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。

本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕
委員長
高野博師
全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。

国務大臣
森山眞弓
ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
委員長
高野博師
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
高野博師
御異議ないと認め、さよう決定いたします。

本日はこれにて散会いたします。

午後三時散会


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