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ただいまの御質問で、まず一つは、裁判所の関与がどのような形で行われるべきかということだったかと思うんですけれども、これは、子どもと親と国との関係をどのように考えるかということになるかと思います。
基本的にはやっぱり子どもの権利条約の中にありますように子ども最優先ということで、裁判所は常に子どもの利益を図るということを目標に考えなければいけないだろう。それを行うときに、親から例えば子どもを強制的に引き離すというときの親の人権への配慮ももう一方でしなければいけませんけれども、しかし、あくまでも子どもの利益が最優先されなければいけないんだという、これは基本かと思います。
そのためには、どのような判断基準によるべきかということが一つあるかと思います。例えば、今、福祉の分野ではリスクアセスメントですか、そういう介入基準が作られておりますけれども、それと同じように、裁判所の中でも審判例の積み重ねによっておのずとそういう傾向が明らかになってくるのではないかというふうに思われます。
とかく親の権利と子どもの権利ぶつかりますけれども、従来、親権というものに対して配慮が多分になされていた。しかし、これを少し方向を変えて、あくまでも子ども最優先だという方向にこれを持っていくべきだ。その一つの方法が、やはり法律の中に子どもの利益また子どもの権利を明記するという、指針としてそれが大事になるのではないかと思います。
それから、それに関連しまして、どのようにしてそうした親の権利にも配慮し、しかも子どもの利益も実現するかというときの一つのやり方が、先ほど申し上げました裁判所の関与、それから手続的な透明性ということかと思います。児童相談所は大変苦労して子どものケア、また分離を行っておりますけれども、こうした行政権の関与ということが一方に国民の人権の侵害をもたらしかねないということがあるのだとすれば、これは折に触れて裁判所がそこでチェックをする、児童相談所の仕事をスムーズに行わせるというよりは、むしろ人権に対する配慮という点で裁判所がかかわる必要があるだろうというふうに思います。
そして、児童虐待防止法ができたときの十分でなかった点の一つとして、ほかの法との整合性が十分でない、これは一番大きな点は親権の問題かと思います。施設入所しているときの子どもに対する親の権利、これが、家庭裁判所の承認によって入所した場合には面会、通信の制限という規定が設けられましたけれども、じゃ、そのほかの問題についてはどうなのか。例えば、入所中の子どもの重大な医療の問題についてはどうかとか、宗教上、教育上の問題については親権者はどのような立場にあるのかと、この点については全く触れられていない。
ただ、これについては非常に大きな視野に立った議論が必要だろうというふうに思います。親権の問題というのは、もちろん児童虐待のときに大きな問題になりますけれども、それ以外の、例えば離婚後の子どもの親権もありますし、それから別居中の問題、それから婚外子の親権の問題、これらの事柄に共通する問題でありますので、更に突っ込んだ議論が必要だろうと思います。
技術的にどういう形が望ましいのか分かりませんけれども、緊急の課題として、児童虐待の分野に限って親権の何らかの手直しをするということも考えられますけれども、ちょっと今のところ、どこをどうしたらいいのかといういいアイデアはございませんので、申し訳ございません。
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