ちば景子バナー
お問い合わせ事務所案内
民主党本部へ
検索
プロフィール政策活動記録プチトマトその他情報
  ホーム  >  活動記録  >  国会活動  >  議事録  >  2002年度  >  2002年2月13日全文

  児童虐待防止法の改正についての質疑 共生社会に関する調査会
2002.02.13

発言者 児童虐待防止法の改正についての質疑
千葉景子
今日はお三人の参考人に、大変貴重な御意見ありがとうございます。

宮本参考人のお話も念頭に置かせていただきながら、まず最初ですので、吉田参考人と森田参考人にちょっとお話を伺わせていただきたいと思います。

先ほど吉田参考人の方からも、丸投げ通告とか突撃調査とか、そういうお言葉がありました。それから、森田参考人の方からも、現場の皆さんが本当に燃え尽きてしまいそうな状況もあるというお話がございました。私、考えるに、この児童虐待防止法、ようやく児童虐待に対してみんなで目を向け取り組んでいかなきゃいけないと、緒に就いたといいましょうか、そういうところへ何とかたどり着いてきたということなんだろうというふうに思うんです。がために、森田参考人がおっしゃったように、この法律に明確ななかなかビジョンがない、あるいは、一体だれが何をすべきなのか、何に対して何をすべきなのかと、こういうことがそれぞれの制度や法律の中で何かきちっと整理まだされないままに、みんなが何かしなくてはいけないということで頑張っている状況なんじゃないかなというふうに思うんですね。

そういう意味で、ちょっと先ほど時間がなくてお触れになられませんでしたけれども、森田参考人に、これからの改正の視点というところで、第三点目のところに、これから実りあるものへ積み重ねていく意味では、まず子どもの権利と、それから子どものところへ着目してこの子どもの監護権の制限を取り組む、それから親へのケア、そしてその後で家族を再統合する、そういうプロセスを指摘をされているんですけれども、ちょっとそこをもう少しお話をいただければというふうに思います。

それから、吉田参考人も、最初に法的な整合性の問題とかあるいは、何でしたでしょうか、私もあれしましたけれども、やっぱり司法の介入とか、非常に基準の明確化、あるいは片方では子ども、片方では親の権利の制限のようなものがありますから、どうやって、だれがどういうふうにすればいいのか。そこを皆さんが安心して取り組めるようにするための法整備というようなことが必要なんだろうと思いますけれども、その辺りのちょっと、どういうふうに今後改正作業などの際に視点を持ったらいいのか、聞かせていただければ有り難いというふうに思います。

参考人
森田ゆり
法律として今回の児童虐待防止法は割と、早期発見、通告、そして緊急介入ということをかなり中心にしているんですね。それももちろん重要ですけれども、私は、一番重要なのは予防だと思っているんですね。だから、予防の視点は絶対忘れないでいきたいし、今ある法律にはもっともっと予防という、最も経済的に安上がりで、そして最も実りのある、先ほど宮本さんもおっしゃられましたけれども、それを取り入れていくという視点は一つ決して忘れたくないなと思うんです。その意味で、今の法律、もうちょっと予防を強く打ち出していく必要があると思っているんです。

ただ、同時に、虐待、非常に深刻な虐待が起きている、それは緊急介入だけではもう対応できない、その後どうしていくのかという、そこの御質問だったわけですね。

今の現状は、もし、嫌々子どもを施設に預けるという状態になったとして、嫌々オーケーをした、あるいは、児童福祉法の二十八条ですね、それで措置になったと。でも、そのとき、親の方は一体いつ返してもらえるのかしら、何をすれば返してもらえるのかということが一切ないわけですよ。それがすごく大きな問題を引き起こしていると思います。

例えば、尼崎で起きた事件も、そういうシステムがあったら、もう少しあの親の対応というのは違っていただろうと。自分は何をすればいつかは子どもと一緒に住めるのか、あるいは、もうあきらめちゃうのがいいのか、おばあちゃんにずっと育ててもらうのがいいのかとか。そして、一体いつという、それがすごく必要なので、この三つの、まず親に対して、何しろしばらくの間、国がというか、実際には国じゃないですね、地方自治体になりますね、地方自治体がお子さんのケアをしますと。しっかり面倒見ますから、その間あなたはあなたのケアをしてくださいと。それは、してくださいと言うだけじゃなくて、先ほど宮本さんのお話にあったように、自分からしようとする人はもうそれだけで十分回復している人ですから、強制していく必要がありますよね。

こういうプログラムを受けていってください。じゃ、それはだれがモニターするのか。そして、何か月後にどこに出ていって、今私はこれだけ回復しました、これだけちゃんと毎回毎回プログラムに出ましたということを証明していくのか、どうやって自分の努力を認めていってもらうのか。それを、虐待している親にケア受講命令を出すと。そしてさらに、じゃ、それをモニターしていって、一年半とか二年とか、カリフォルニアなんかでしたら一年半、十五か月なんですけれども、その間に少なくとも二回ヒアリングをして、そして、日本で言ったら、児童相談所のケースワーカーみたいな人がモニターをずっとしていって、それを裁判所が判断していくと。そのときに、同時に、どういう状況になって、どれだけのことをすれば子どもとまた一緒に住めますよという基準がはっきりしている必要があります。

だから、やっぱりどうしてもこの三つが必要になると思うんです。この三つを児童相談所がやっていくというのは、それは余りにも大きな仕事を児童相談所に任せている。これはやっぱり裁判所がやっていくしかないだろうというふうに思います。

そういうシステムがないことには、今、児相の人たちが懸命になって本当にアイデアを一生懸命考えるわけです。あの手この手ですよ。今回はあの手でやった、今回はこの手でやったという、そういう感じで苦労をしているわけですね。その苦労が積み重なっていかないと、そういう苦労はすべて土台があった上でどんどんどんどん積み重なっていって、それで二十年後にはいいやり方をどんどん広げていけると、そういうふうになっていってほしいなというふうに思います。

参考人
吉田恒雄
ただいまの御質問で、まず一つは、裁判所の関与がどのような形で行われるべきかということだったかと思うんですけれども、これは、子どもと親と国との関係をどのように考えるかということになるかと思います。

基本的にはやっぱり子どもの権利条約の中にありますように子ども最優先ということで、裁判所は常に子どもの利益を図るということを目標に考えなければいけないだろう。それを行うときに、親から例えば子どもを強制的に引き離すというときの親の人権への配慮ももう一方でしなければいけませんけれども、しかし、あくまでも子どもの利益が最優先されなければいけないんだという、これは基本かと思います。

そのためには、どのような判断基準によるべきかということが一つあるかと思います。例えば、今、福祉の分野ではリスクアセスメントですか、そういう介入基準が作られておりますけれども、それと同じように、裁判所の中でも審判例の積み重ねによっておのずとそういう傾向が明らかになってくるのではないかというふうに思われます。

とかく親の権利と子どもの権利ぶつかりますけれども、従来、親権というものに対して配慮が多分になされていた。しかし、これを少し方向を変えて、あくまでも子ども最優先だという方向にこれを持っていくべきだ。その一つの方法が、やはり法律の中に子どもの利益また子どもの権利を明記するという、指針としてそれが大事になるのではないかと思います。

それから、それに関連しまして、どのようにしてそうした親の権利にも配慮し、しかも子どもの利益も実現するかというときの一つのやり方が、先ほど申し上げました裁判所の関与、それから手続的な透明性ということかと思います。児童相談所は大変苦労して子どものケア、また分離を行っておりますけれども、こうした行政権の関与ということが一方に国民の人権の侵害をもたらしかねないということがあるのだとすれば、これは折に触れて裁判所がそこでチェックをする、児童相談所の仕事をスムーズに行わせるというよりは、むしろ人権に対する配慮という点で裁判所がかかわる必要があるだろうというふうに思います。

そして、児童虐待防止法ができたときの十分でなかった点の一つとして、ほかの法との整合性が十分でない、これは一番大きな点は親権の問題かと思います。施設入所しているときの子どもに対する親の権利、これが、家庭裁判所の承認によって入所した場合には面会、通信の制限という規定が設けられましたけれども、じゃ、そのほかの問題についてはどうなのか。例えば、入所中の子どもの重大な医療の問題についてはどうかとか、宗教上、教育上の問題については親権者はどのような立場にあるのかと、この点については全く触れられていない。

ただ、これについては非常に大きな視野に立った議論が必要だろうというふうに思います。親権の問題というのは、もちろん児童虐待のときに大きな問題になりますけれども、それ以外の、例えば離婚後の子どもの親権もありますし、それから別居中の問題、それから婚外子の親権の問題、これらの事柄に共通する問題でありますので、更に突っ込んだ議論が必要だろうと思います。

技術的にどういう形が望ましいのか分かりませんけれども、緊急の課題として、児童虐待の分野に限って親権の何らかの手直しをするということも考えられますけれども、ちょっと今のところ、どこをどうしたらいいのかといういいアイデアはございませんので、申し訳ございません。


Copyright(C) Keiko Chiba, All rights reserved.