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裁判所職員定員法改正案に関する質疑
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委員長 日笠勝之 君 |
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
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千葉景子 君 |
きょうは裁判所定員法の一部を改正する法律案と下級裁判所の管轄区域等の改正の法律案を一括してということでございますので、簡単なというとおかしいですけれども、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の方をまずちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。
今回の改正は、中身は簡単なことでございまして、埼玉県で市町村合併が行われましてさいたま市というのが誕生することによる管轄区域、それから裁判所名等を整理するというものでございます。この下級裁判所の名称につきましては、原則として所在地の市町村名が名称として使われているというふうに私も承知をさせていただいているところです。今回はその原則をちょっと、例外的な形になるのでしょうか、大宮市というのがなくなってしまいましたので、これまで大宮簡裁という名前で、大宮市にある大宮簡裁ということだったんですけれども、さいたま市にはなりますが、そのまま大宮簡裁ということで簡裁名を継承するということのようでございます。
どうなんでしょうか、原則として所在地の市町村名が使われるということではありますけれども、この大宮簡裁のような今回のケースはその例外のようなものなのか、それとも、これは私もちょっと細かくわかりませんけれども、大宮町とか何かそういう所在地があってその名称をつけたという趣旨なのか、それから全国的に見てその所在地名以外が付せられているような例外等があるのか、あるいは合併などによって名称を整理する際にはどんな考え方に基づいて名称が付せられているのか、その辺をちょっと御説明いただければありがたいと思います。
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政府 参考人 房村精一 君 |
ただいま委員から御指摘のありましたように、裁判所の名称を定める場合に、これは法律上特に原則というようなものは定められておりませんが、利用者の便宜を考えまして、原則として所在地の市町村の名称を冠するということとしております。したがいまして、現在、浦和市に置かれております裁判所については、浦和地方裁判所、浦和家庭裁判所あるいは浦和簡易裁判所というような名称が用いられているわけでございます。
しかし、例えば、今回もそうでありますが、市町村の合併によりまして同一の市町村内に二つ以上の裁判所が所在することとなったような場合、こういう場合には、地元自治体とか関係機関の意見も踏まえまして、適当と認められる場合には旧市町村の名称をそのまま使用するという場合もございます。そのような例といたしましては、昭和四十二年に玉島市と児島市が合併をいたしまして倉敷市になりました。このときに、そういう地元の御意見等を伺いまして、名称は玉島簡易裁判所、児島簡易裁判所、そのままで残してございます。そういう例がございます。
今回の大宮簡易裁判所につきましても、地名としての大宮市はさいたま市になりますので、そういう市区町村の名前としての大宮というのはなくなったわけでございますが、地元からの御要望等もございますし、そういう意見を踏まえまして、現在まで親しまれております大宮簡易裁判所の名称をそのまま存続するということといたしました。
また、そのほか、例えば広島の可部簡易裁判所がございますが、これは可部町が広島市に合併をいたしまして安佐北区となりまして、その際にやはり従前の可部の名前をそのまま使っております。そのほか、国民に親しまれているという観点から、例えば八丈島簡易裁判所、これは町名ではなくて、島の名前の方が親しまれているということから島の名前を簡易裁判所の名前に使っていると。
このような、それぞれどのような名称が国民にとって一番わかりやすいかという観点から、常に市町村ということではなくて、最も適当と思われる名称を使用しているという実情にございます。
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千葉景子 君 |
わかりましたというか、利用者にとってもなじみやすい、わかりやすい、あるいは地元の自治体等の意見なども踏まえて、原則は所在地の市町村名ではあるけれども、柔軟な名称のつけ方になっておると、こういうふうに理解をすればよろしいのでしょうか。今回の大宮もそういうことであろうかというふうに思います。そう承知をさせていただきまして、この法案について対応してまいりたいというふうに思っております。
さて、今回もこの裁判所職員定員法の一部を改正する法律案が提案をされました。
この定員法の改正というのは毎年恒例のように行われておりまして、多分この委員会の会議録などを繰っていただきますと、その都度、一体定員とは何ぞやとか、あるいは裁判所にとってどの程度の職員の規模あるいは裁判官の規模、こういうものが適切なんだろうかとか、あるいは今非常に裁判官も手持ち事件も多く、極めて忙しい環境の中で仕事をしておると。これはひいては利用者にとっても時間がかかる、あるいは本当にじっくり聞いてもらっているんだろうかという、そういう懸念にもつながる。こういう中で、裁判所の規模のあり方、そういうものを少し将来像を描いて、そして定員というものをきちっと定めたらどうかというような論議もたしか毎年のように行われてきたような気がいたします。
私もそういう意味では司法のあるべきこれからの姿みたいなものが大変重要だというふうに思いますが、そういう中で、今、司法制度改革、これは司法制度改革審議会のもとでも積極的な論議がされておりますし、それからさまざまな分野でも司法に向けての意見が提起をされている、こういう状況でございます。
今こういう環境のもとにある中で、今回の定員法というのはどういう意味を持っているんだろうかということをちょっと考えてみたいわけです。
司法制度改革審議会の中間報告の中でも、人的基盤の充実あるいは法曹の質と量の拡充、そしてとりわけ裁判所、検察庁の人的体制の充実が指摘をされておりますし、その中で「裁判官、検察官の増員の必要性については異論がないところと言える。」、こういうことも指摘をされております。私もそのとおりではないかというふうに思っておりますし、先ほど言いましたように、これまでもこのような議論がたび重ねて行われてきていた。また、法曹が社会のニーズに的確に対応することの実効性を確保するためには、関係職員についても適正な増加を図っていくことの必要性がやはり指摘をされております。
そして、今、国家公務員の総数については、行政改革等の考え方も念頭に置きながらむしろ削減をすることが求められている時代ではありますけれども、この司法制度改革は、行政改革のある意味ではスリム化をする、そのかわり自由競争やあるいは事後チェック、こういうものの観点からむしろその行政改革の基本理念とも合うものであるということから、この充実については他の行政分野とは異なる取り扱いをすべきだと。片方ではある意味では合理化を図っていくけれども、司法の分野はそれとは違って、むしろこれからは大きく充実をさせていくことが必要だということがこの司法制度改革審議会の中間報告でも明確に指摘をされているということでございます。
こういう論議が進んでいる中で、今回のこの定員法の改正というのは、そういう大きな流れというものを意識して、あるいは念頭に置いてなされているものなのかどうか、そこをお聞きしたいと思うんです。判事として三十、職員が九という純増でございます。これが本当に今のこういう時代の流れの中で理解し得るものなのか、私もちょっと疑問に思いますし、そういう意味で、本来は司法制度改革の先頭にみずから立つべき、そういう姿勢が必要なのではないかというふうに思うんです。
どうでしょうか、こういう今の司法制度改革、それから司法制度改革審議会などでのさまざまな指摘、こういうことが今回の定員法と関係があるのかないのか、あるいは念頭に本当にあるのか、意識されているのか、その辺、どのように私どもは受けとめたらよろしいんでしょうか。その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
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最高 裁判所 長官 代理者 中山隆夫 君 |
お答えいたします。
裁判所としましても司法制度改革審の中間報告や審議経過には大きな関心を持っているところであり、司法制度改革審議会では今も委員御指摘のような問題意識からさまざまな議論がなされているところでございますが、最終意見がこの夏にも出て、新しい裁判所の人的体制あるいは裁判官制度の枠組みというものが定まってくれば、それを担っていくための必要な人員の確保に努めなければいけないのはこれは当然のことだろうと思います。
一つの例を申し上げますと、例えば判事補について外部派遣制度というものが検討されておりますけれども、大ざっぱな言い方で、御説明で恐縮でございますが、今判事補は各期百人おります。この各期百人を全員外部派遣するということになりますと、いわば裁判所の戦力はそれだけ低下するということになりますから、百人の増員、さらにそれは増員だけにとどまらず、それを埋める、充員というところができなければできないということになるわけでございまして、最終報告を受けた段階でこういった中長期的な観点に立った人員政策というものを考えていかなければならない、こういうふうに思っているところでございます。
今回の定員法とこの司法制度改革審議会の関係でございますけれども、最終意見の出ていない現段階におきましては、昨今の事件数の増加に対応するために必要な要員の確保という観点から増員をお願いしているものと、こういうふうに御理解いただければと思います。
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千葉景子 君 |
多分、必要性は意識はなさっているようでもございますし、そうだとは思うんですけれども、司法制度改革審議会の結論が出て、さてと、やると言ってもなかなかそれは一気にできることではない。それから、これまでも、先ほど指摘をさせていただきましたけれども、決して裁判所の人数が、職員の人的な基盤がこのままでよろしいと、もっとやっぱり充実せいという話は別に今初めて出てきたわけじゃないんですね。ずっと議論をされてきた。
こういう中で、しかもある意味では追い風、応援団といいますか、社会全体がそういう意味では裁判所の応援団みたいなものですから、そういう状況があるにもかかわらず、考えてみると、これは全然、これまで毎年毎年の改正の仕方と何ら変化がない。本当にこれでいいんだろうか。だから、どうもこの司法制度改革とか裁判所のある意味では充実ということにむしろ裁判所が一番消極的なんじゃないか、後ろ向きなんじゃないかという指摘も私はされるんじゃないかというふうに思うわけです。
そういう意味では、私は、こういう状況の中で例年どおりというのが大変残念なといいますか、何かそういう意欲とか意思があらわれていないというのが本当に残念な気がいたします。ぜひ裁判所が後ろ向きであるという指摘がなされないように、その辺も認識をしておいていただかなければいけないのじゃないかというふうに思います。
こういう状況ではありますけれども、これまでも多少なりとも、裁判官の給源の多様化あるいは多元化、こういうものに対応していこうという取り組みもなかったわけではありません。そういう中で一つございますのが弁護士の任官制度です。これがこれまで取り組みをされてまいりました。
私は、司法が人的にも量的にも充実をしていくとともに、市民に開かれた、そして市民の生活あるいは社会の状況を的確に把握できるような法曹のありようということを考えたときには、よく言われますように、今これは議論にはなっておりますけれども、法曹一元と言われるような考え方も私は一つの大きな視点ではないかというふうに思っております。きょうはその議論をやることはいたしませんけれども、具体的な方策として弁護士の任官制度というふうなものも取り入れられてまいりました。そこで、せっかくこういう制度があるわけですので、ちょっと実情をお尋ねしておきたいというふうに思っております。
弁護士任官、この実情はどんなものでしょうか。これまで申請をされた数、そして採用されて裁判官として職務についている数等、ちょっと実情をまず御報告いただけませんでしょうか。
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最高 裁判所 長官 代理者 金築誠志 君 |
最高裁では従来から、弁護士からも適任者であれば多数裁判官に任官していただきたいというふうに考えておりまして、昭和六十三年の三月に判事採用選考要領というものを策定いたしまして弁護士任官を募りました。その結果、この選考要領に基づきまして判事八名の任官がございました。その後、平成三年十月にはその選考要領を改定いたしまして、任期とか採用条件についても柔軟に対応するということにいたしました結果、この新しい選考要領に基づいては、これまでに判事三十三名、判事補八名、合計四十一名、年間平均にすると四名弱ですが、の任官がございました。
なお、任官者の申請数ということでございますが、これは正式に選考の申し込みをするというものから、そういう正式の申し込みをする前に事前に相談ないし打診をするという段階までいろいろな形態がございます。そういう事前の相談ないし打診というのは、手を挙げやすいようにということで弁護士会側から要請があってできた手続のようですが、と聞いておりますが、こういうものがございまして、そういうものを含めた統計というものはとっておりませんので、ちょっと申請数というお尋ねの件については資料がないわけでございます。
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千葉景子 君 |
今お話があった、相談をしたりあるいは打診をしながら正式に任官の手続をとるということなんだと思うんですけれども、そうすると、多分申請をするには申請書とかそういう手続があると思いますが、正式に申請を受けて採用されなかった、そういう数というのはどのくらいあるんですか。あるいは、今言った相談とか打診等で、数はこれは今わからないということですが、どうもこれはだめだとか、さっきおっしゃいました適任者じゃないというようなことでやんわりとお断りになるとか、そういうケースというのは相当あるんですか。
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最高 裁判所 長官 代理者 金築誠志 君 |
事前の打診、相談というやり方ができたこと自体が、ある程度、絶対的になるという強い希望でない場合もありまして、そういう意味で、こういう段階でどうかなと、ちょっと難しいんじゃないでしょうかというお答えをして、それで取り下げられたといいますか、その希望の表明を撤回されたという例は私が実際経験しただけでもある程度の数はございます。
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千葉景子 君 |
どうも何か話がはっきりしないんですけれども、さっき言ったように、そもそも適任者であれば受け入れていくということですが、その採用基準といいますか、適任者であるということの採用基準みたいなものは何か明確に持っておられるんですか。
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最高 裁判所 長官 代理者 金築誠志 君 |
これは裁判官の採用、任用一般でございます。必ずしも弁護士からなられる場合だけではないんですが、裁判官に必要とされる資質、能力というのは非常に幅が広うございます。まずは法律家としての力量、力が相当レベル以上でなければならないという点があると思いますし、それからそのほかでも、お人柄その他から健康というふうなこともございますし、いろいろな観点からこの方なら裁判官として十分活躍していただけるだろう、そういう判断をするわけでございまして、例えば一つ一つ項目を挙げた基準というふうなものは現在つくってはおりませんけれども、そういった能力、人物等を総合して決めるという考え方で判断をしております。
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千葉景子 君 |
どうもそのあたりが裁判所の何かこう閉鎖的といいましょうか、そういうことにつながっているんじゃないか、それからある意味ではそう見られる一面をあらわしているんじゃないかというふうに思うんですね。
というのは、今さまざま議論をされていることは、裁判自体に幅広く市民的な考え方、そして市民の常識、こういうものを盛り込んでいかなければいけないということが指摘をされて、いわゆるキャリアシステムのようなものでいいのかということがむしろ疑問が呈せられているわけですよね。
そういう中で、どうもよくわからない。相談や打診でどうもいかがかというのもあるようですし、それから採用基準というのも何かいま一つ不明確ですし、適任者って、それは法律的な素養といいますか、法律を適用して仕事をするわけですから。ただ、これは弁護士ということになれば、司法試験なりを合格して在野で仕事をしてきたということでもありと。
そういうことを考えますと、弁護士任官につきましても、何か裁判所が使いやすいといいますか、どうもそういう観点で採用を決定しているのではないかと。わかりませんよ。ただ、そうこちらでは疑わざるを得ない、あるいは考えざるを得ないような形態になっている。この辺ももう少し幅広い法曹、法源、あるいは裁判官のすそ野を広げていくような、こういう努力というのは必要なんじゃないかというふうに思うんです。
新聞等の報道などでも、せっかく裁判官に弁護士から任官をしようという希望を持っていたにもかかわらず、なかなかそれがかなわなかったと。何で裁判官として採用されないのか、その理由がいま一つ御本人もわからないんだと。今は弁護士会がやっている、過疎地域などの公設事務所などで仕事をしているなどという報道等もありました。
こういうことを見ると、意欲がある、そして日本の裁判をよりよいものに、市民にとっても身近な利用しやすいものにしていこうと意欲のある在野の法曹も、何かそういうケースなどを見ると、やっぱりどうせだめだという気持ちにもなってしまうし、そして今の議論にも何か水を差すような、そういうことになっているのではないか。裁判所というのはどうも閉鎖的で、自分たちの都合のよい人だけ採用するという御指摘が本当に事実のものとして受けとめざるを得ないようなことにつながってしまう。
どうでしょうか、こういうせっかくある弁護士任官制度のようなもの、これからの司法制度改革審議会の結論とか、あるいは司法制度改革の最終的な取りまとめ等はこれから出るとしても、せっかくあるこういう制度をより積極的に活用していく、そういう意欲のある人を大いに裁判所としても受け入れて、そして市民にとっても納得のいくわかりやすい裁判というものをつくっていこうという姿勢をやっぱり持つべきではないかと思いますが、いかがですか。
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最高 裁判所 長官 代理者 金築誠志 君 |
弁護士から任官していただく意義というのは、委員が御指摘のように、いろいろな経験を持った方が裁判官になって裁判官の多様性が確保される、そういうところにあるわけでございまして、その点は御指摘のとおりだと思います。
ただ、お話の中にありましたように、法律家としての能力というものがやっぱり大事だということもございまして、現実に弁護士からなられた方の中で、その後裁判官として仕事を続けていかれる上でなかなか難渋といいますか、判決とか、それからその前提として事件についての決断をしていくとか、そういう点で非常に苦労されている方が多いということもまた事実でございます。
そういう点につきましては、今回、司法制度改革審議会に提案いたしました弁護士任官の推進策として、例えば専門的分野、知的財産権であるとか、家庭裁判所の事件であるとか、そういう専門的分野で経験、知識が深い方がそういう分野で活躍していただくためになっていただくとか、あるいは弁護士任官者の研修を充実するとか、あるいは弁護士任官者を部総括した部で最初やっていただくとか、そういう方策も提案しておりまして、そういう形をとれば、今申し上げましたようなところも少しは任官しやすさが出てくるんじゃないかというふうに考えております。
それから、もう一つの手続の点でわかりにくいと。何分、今までは最高裁判所に与えられた下級審の裁判官の任命のための指名の権限を行使する、それを決めるときに、最高裁の中の手続になっておりまして、外から見えにくいという御批判がありましたので、そういう点は直していくことが必要じゃないか、裁判官に対する信頼というものを高めるためにはその任命手続についてそういう透明性を高めるということがやはり必要だということで、これも司法制度改革審議会の方へ、裁判官指名諮問委員会を設置して採用とか再任とかをかける、これはもちろん弁護士からおなりいただくときでもそういう諮問委員会にかけまして透明な手続で決めていく、諮問をして意見をいただいて決めていく、こういうことを考えておりますので、その点も御指摘の点については改善を図っていきたいと考えている次第でございます。
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千葉景子 君 |
後ほどお尋ねをいたしますけれども、これからは国民の司法参加、本当に一般の市民が裁判手続にも関与をして適切な判断を出していこうということまでもが論じられ、あるいは具体化をほぼしようとしているもう状況でございますね。そういう意味では、少なくとも現在すそ野としては、司法の中でも幅広くというこの制度というのは本当にもう少し透明化を図り、そしてできるだけ任官しやすい、あるいは意欲をそがぬようなそういうことを積極的に考えていただきたいというふうに思います。
さて、裁判所の充実という意味では、今回この定員法の中でも職員の問題もございます。これは冒頭言いましたから、本当にいかにもという、一体何のための増員なんだろう、どういう意味があるのかなという、本当に率直に言ってそう思うんですね。
その中の例をちょっと挙げさせていただくんですけれども、例えば家庭裁判所の調査官、これは今、家裁というものの機能というのがある意味では非常にまた求められ始めております。成年後見の問題などもありますし、少年法の問題あるいは女性をめぐるいろいろな問題等も含めて、やっぱり家裁の機能の充実というのは私は一つの大きなテーマではないかというふうに思っているんです。
そのときにその家裁調査官というのがどうなっているのかというと、せっかくの機会ですので、これも実情をまずお聞きしたいと思うんですが、今、家裁の調査官というのは総数でどのくらいいるのか。それから、全国の家裁の数でそれを割ればいいんですけれども、おおよそ各家裁で配属になっている人数というのはどの程度になるものでしょうか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
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最高 裁判所 長官 代理者 金築誠志 君 |
お答えいたします。
現時点で家庭裁判所調査官は全国で千五百二十八人でございます。各家庭裁判所の本庁及び主な支部に配置されているわけでございますが、御承知のように各庁の事件数の動向というものは必ずしも一様でございません。したがって、例を申し上げますと、最も規模の大きい東京家裁本庁では約百二十人、規模の小さい庁では七人程度というのが実情でございます。
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千葉景子 君 |
今回は、それに対して、どうもこの定員法というのもわかりにくい法律ですけれども、五人の増員という形になるわけですね。総数として、そして配属が小さいところでは七名という、本当にこの数で幅が広がっているさまざまな事件に十分に対応し切れるか、あるいは緻密な、十分な調査に対応できているのかという心配もありますけれども、それを基礎にしながら考えると、五人の増員というのは一体どういう意味があるのか。
それは減らすわけじゃなくてプラスするんですから、プラスするだけまだましといえばそれまでなんですけれども、五人というのは、全体の千五百二十八人を考えて五人、各家裁の数を考えてみたって、それは本当にどういうことなのかなと率直に言って思うんですが、この五人の意味というのは何ですか。
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最高 裁判所 長官 代理者 金築誠志 君 |
五人は五人なのでございますが、少しく長期的な傾向というものをちょっと御説明させていただいた方が御理解いただけるかと思います。
家裁の事件動向につきましては、大きく見まして家事事件は増加傾向にありますが、他方で少年事件というものは少子化の影響もありまして大きな減少傾向にございます。少年事件には一般保護事件と交通関係事件がございますが、その一般保護事件だけについて見ましても、ピーク時の昭和五十八年と比較して、現在は十万件、約三割が減少しているという状況でございます。さらにここに交通関係事件を加えますと、大きな減少傾向にございます。そういったことから、この間、裁判所におきましては、所の人員の範囲内で事務の分担等を見直す、具体的には少年から家事へのシフト、そういったことを基本に据えて事件の対応をしてまいりました。
そこで、裁判所としては一応の適正な事件処理ができてきたわけでございますが、今御指摘のように成年後見という新たな制度が発足し、そういう中で家事事件の増加傾向は依然として継続してきており、また少年事件も内容的に複雑困難なものがふえてきつつあります。そこで、昨年度、家裁調査官の五人の増員をお願いし、ことしもまた五人の増員をお願いしたわけでございますが、これをお認めいただければ、これまでの既存の人員と合わせて適正な事件処理ができるというふうに考えているところでございます。
以上です。
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千葉景子 君 |
私はよくわかりません。
というのは、少年事件は多少減少傾向にあるけれども、複雑化、非常に重いものがふえています。それから、家事事件は増加傾向で、そういう中で五人ふえることによって適切な対応ができるという、どうもそこの意味が、聞いておられる皆さんもわかるのかなと思うんですけれども、確かに先ほど言ったように、徐々にふやしていくということが決して私は悪いとは言っているわけじゃないんですね。ただ、やっぱりこれまでの裁判のありようとか、それから求められている質とか、そういうことを考えますと、これまでよりふえたからじゃなくて、むしろこれまでの質を倍にもある意味では機能強化をしなければいけない、そういう中で本当に五人という増員で事足りる話なのか、こういうことを私は言いたいわけですね。
だから、それはふやすことを別に否定はしませんけれども、先ほどから言っているように、裁判全体の機能強化とかあるいは充実ということを考えたときに、何かこんなに遠慮がちにせずに、家裁の機能を充実するという意味で思い切った増員をするとか、そういうことを私は裁判所の側から国会などに大いにアピールしたり提起をしたらよろしいと思うんですよ。どうもそういう姿が見えない、そういうところに私はどうも消極的な姿勢が見え隠れするように思えて仕方がないわけです。
今このような司法改革、司法制度改革審議会の方で積極的な御議論が継続をされておりますけれども、きょうは改革審の事務局長にもおいでいただきました。ありがとうございます。
ちょうど三月十三日は国民の司法参加ということをテーマに御議論がなされたというふうに伺っております。当然、今言われております裁判員制度などの検討がなされたかと思うんですけれども、この三月十三日の国民の司法参加のテーマに基づく審議状況など概略をちょっと御紹介いただけませんでしょうか。
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政府 参考人 樋渡利秋 君 |
国民の司法参加に関します司法制度改革審議会における審議状況につきましては、司法の国民的基盤を強化する見地から、司法制度全体の中で国民の司法参加を拡充していくことが必要であるとの中間報告を昨年十一月に公表いたしました後、刑事訴訟手続への新たな参加制度につきまして本年一月に二回の審議を行った上、先ほど御指摘のありました去る三月十三日の審議におきまして、この参加制度の骨子について基本的に了解が得られたところでございます。
この骨子としましては、今までに了承を得られたと思われますところは、一つが、対象事件は刑事訴訟事件のうち法定刑の重い重大犯罪とすること、二つは、参加する国民を仮に裁判員としておりますが、その裁判員は裁判官とともに評議に基づき有罪・無罪の決定及び刑の量定を行うこと、三つは、裁判員は選挙人名簿から無作為抽出した者を母体として具体的事件ごとに選任されることというようなことなどでございます。
裁判員の具体的な数につきましては、さまざまな意見が出されましたが、評決方法とも関連する面がありまして、現段階の取りまとめとしましては、裁判員の主体的、実質的関与を確保するという要請と評議の実効性を確保するという要請とを踏まえ、適正な数を定めることというふうにされたところでございます。
今後も、本年六月に予定しております当審議会の最終意見の内閣への提出に向けまして、この制度をも含めまして鋭意審議が続けられるものと存じます。
以上でございます。
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千葉景子 君 |
時間がもうありませんので、余り論ずることができないんですけれども、裁判員制度、この導入の方向についてはおおよそ方向性が出たということでございます。その員数等については、これからその適切な数をということになっていこうかというふうに思いますけれども、私は、この裁判員制度が導入されるに当たる経過、それからその趣旨から考えますと、やはり市民が自律性を持って裁判に対するさまざまな検討を加え判断を下されるという趣旨を生かすためには、数は裁判官の数より倍以上の数を裁判員として採用といいますか、裁判員とするべきではないかというふうに思います。やっぱりそれがあって初めて、裁判官に誘導とかあるいはされずに市民が自分の考えに基づいて自律的な評価を下せる、そういう数になるのではないかというふうに思いますが、これについてはまた今後の検討に私もいろいろな形で参加をさせていただきたいというふうに思っております。
もう最後になりますが、きょう限られた時間でしたので十分に議論できませんでしたけれども、どうもこの司法の改革については、この定員法だけではかれるわけではありませんけれども、その当事者たる司法といいますか、裁判所あるいは検察、法務省の側が最も消極的といいますか、何か自分の城を守ろう守ろうというようなことがあるんではないかという感じがいたします。そういう指摘もなされていないわけではないわけですね。
こういう状況を踏まえながら、そして今の司法改革に向けた社会全体の機運、こういうことを考えたときに、大臣、どうでしょう、司法に携わる法務省、あるいは裁判所はちょっと管轄とはいきませんけれども、むしろ先頭に立つ、積極的にみずからの門戸を、胸を開いていく、それからこれまでの慣例にとらわれない問題提起をみずからもしていく、こういうような姿勢が私はやっぱり必要なんではないかなというふうに思いますが、その点について大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
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国務大臣 高村正彦 君 |
委員御指摘のとおりだと私は思っております。
法務、検察におきましては、私を初めちょっと慎み深過ぎる人が多いので、なかなか今まで十分なことができませんでしたが、応援をいただきましたし、これから司法制度改革審議会の最終答申、これは大きな追い風になると思いますので、それをまつまでもなく、また世間全体で追い風が吹いているというのも委員御指摘のとおりだと思いますので、その方向で私としても努力させていただきたい、こういう気持ちでおります。
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千葉景子 君 |
終わります。
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