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消費者契約法・民主党案についての答弁 1/3
木俣佳丈君  各国の比較みたいなものもちょっと今手元にございますが、例えば民主党案ではいわゆる不意打ち条項、これが入っておりまして、今回の政府のものには入っていないわけです。

 やはり何度もこの委員会の席で、衆議院、参議院言われておりますように、契約書を十分に読んでいる人というのは非常に少ない。もちろん統計上で二十何%と新聞社の数字で出ましたけれども、特に説明書のところは読んでおるのかもしれません。それと多分混乱していると思うんです。私は、契約の部分なんというのは到底読んでいると思えないんです。多分アメリカなんかだと特に契約の部分が非常に長くなっていまして、つまり消費者の人がわからぬような物すごい細かい字で御案内のとおり書くようになっておるんです。

 ですから、そういう意味でこの不意打ち条項、特にドイツには規定がございます。これを削除した理由、これを長官と、そしてまた我が党の千葉議員の方に伺いたいと思うんです。

国務大臣
(堺屋太一君)
 まず、ドイツあるいは諸外国の法案に比べまして、今提出させていただいております日本の消費者契約法は契約段階と不当条項と両方を盛り込んでいる、その点が非常にすぐれた体系だと考えております。

 お尋ねの不意打ち条項についてでございますが、従来より、要件が不明確であること、それから契約締結過程に関する規定や不当条項に関する規定などの他の規定が十分に整備されれば、別途不意打ち条項に関する規定を設ける意義が乏しいという指摘があったところでございます。不意打ち条項の法定につきましては、明確な要件とはなりにくく、消費者契約法のような予見可能性の高いルールを規定するのにはなじみにくいと考えております。

 つまり、不意打ち条項の適用が想定される場面でも、本法におきましては誤認類型、これは第四条一項、二項でございます。それから一般条項、これは信義則の十条でございますが、そういったもので相当程度カバーされるということで大丈夫だろうと考えております。

 契約締結に際して法律行為の要素に消費者の錯誤があった場合には、民法の九十五条の錯誤の規定によって意思表示は無効になるということになっております。

 要するに、不意打ち条項というのは一体どこまでが、例えば旅行契約を結んで何かがついていた、それがどこまでがというのが非常に予見可能性が少ない、それをこういった今申し上げたような誤認類型等でカバーできる、極端な場合はカバーできる。そういう意味で、この不意打ち条項を入れますと混乱を起こす場合が多いのではないか、こういう認識で特に規定してなかったということであります。

委員以外の議員
(千葉景子君)
 今、政府案につきまして長官の方からお話がございましたが、やはり一般規定で多分大丈夫だろう、こういうお話でございました。

 この消費者契約法は、私ども民主党案は、基本的に事業者と消費者が知識力とか情報力とかあるいは交渉力において格差がある、こういうところに着目をし、そして今御指摘がございましたように、現実にもやはり消費者にとって十分に契約条項など理解しにくい、こういう実態もあるわけでございます。

 そういうことを考えますと、本来、情報提供義務が本当に十分に尽くされていれば問題はないのかもしれませんけれども、やはりこういう規定を設けて明確にしておくことによりまして消費者の保護を図るということをすべきではないかというふうに考えております。

 そういう意味では、やはり政府案では消費者にとってはみずからの情報力の不足などを補うには少し不足しているのではないか、やはりこの不意打ち条項をはっきり明記して消費者の保護を図っていくべきではないかというふうに考えております。

木俣佳丈君  ありがとうございました。

 つまり、情報提供の義務がちゃんと行われていればいざ知らず、これも結局削除されて入っていないという、努力で終わってしまっているというのに重ねまして、やはり将来にわたっての事項についての予測ということじゃなくて、消費者がパンフレットを見ただけでは思いつかないような、そういったものというのか勧誘というのか、ということについてこの不意打ち条項というのがよくきいてくるんだというふうに我々民主党は考えて入れているということだと思うんです。

 それで、具体的なお話をちょっとさせていただきますが、先ほどこの不意打ちみたいなもので高齢者というのが長官のお言葉からございました、私も本当にそうだと思うんです。

 高齢化率が非常に高くなって、一七%ですか、もう大変なことになってしまう。しかも、先ほどお話があった介護保険の話で思いつくものが幾つかございますが、その中の一つで有料老人ホームというのがございます。これの問題が非常に大きな問題として、私もさきの経済・産業委員会の中でも述べさせていただいたんですけれども、始まったのが昭和三十年代ではありますけれども、しかし急速に進化したのが五十年代後半でございます。そのころの契約書なんかを見ますと、介護保険なんというのはもちろんございませんでしたので、結局、介護をどうするかということで、要するに入居する入居一時金というのがどんと四千万とか五千万ありまして、その別に介護一時金というのを取っているんですね。平均しますと大体五百万ぐらいだそうでございますが、現在で言えばこれが大体一万人ぐらいにかかっているお金なんですね。

 ところが、最近ようやく介護保険が始まるということでこれを調整しなきゃいけないという問題になったわけですが、返さない業者が大変あるということなんです。これは今の不意打ちの話とはちょっと違うと思うんですね。つまり、法律がなかった、介護保険というものが導入されるなんという予想がなかったわけですから不意打ちとはちょっと違いますけれども、しかしながらやはりこの問題というのは非常に大きな問題だと思います。

 では、そうすると、この消費者契約法の中で、介護を受ける側の御老人、有料老人ホーム、そしてまた介護サービス者、有料老人ホームの中で介護サービスを受ける場合に、だれが事業者でだれが消費者になるんでしょうか。

国務大臣
(堺屋太一君)
 今の例でいきますと、やはり老人ホームといいますか、そういう施設を経営しておられる方が事業者になりますね、それでそこへ入っておられる方が消費者になろう、こういうことになると思いますけれども、この不意打ち条項というのはドイツの法律を調べましても異常性ということを言っているんですね。だから、普通に考えて、物に対して異常だという、これが予見可能性の難しいところでございまして、入れなかったところなんです。

 今の委員の挙げられた、何年も前にとても介護保険が予想されなかったときに結ばれた契約が今こうなって解除したいということになりますと、これはなかなか難しい問題でございますが、社会的な事情変更というものが通用するかどうか、これはこの消費者契約法では予測できない将来のことでございますから、どうにも救いようが難しいので、一般的に社会事情の変更ということを理由に解除手続をとれるかどうかという問題でございます。

 それはちょっと予測不能なことが起こったときに、それが天変地異でございますれば別でございますけれども、そういう介護保険が十年先にできたと、その介護保険ができる十年前に契約を結んでいたのをこれでどうするかというのは、ちょっと今予測して法案に書き込むということは難しいんじゃないかと思いますね。

木俣佳丈君  おっしゃるとおりだと思いますが、しかし、これから先、契約の改定またはそういった費用の調整問題というのが出てくるということですね。平均すると五百万ですから、一万人掛けますと実は五百億になるんですね。大変な額でございまして、これを返さないとなると本当に詐欺なんですね。

 厚生省には随分先日来、これはまさに談合行為である、公正取引委員会が業界団体ぐるみのカルテル行為ということで調査をせよと言っておるんですが、まさに公取というのはほえぬ番犬ですね。結局、どこを見て仕事をしているのか、本当によくわからないんです。

 今回、消費者契約法の中で団体訴権というのがもちろん除外されておりますけれども、そうすると先ほどのように高齢者がもう一回契約を結び直すということになるんですが、しかしながら、やはり介護を必要とするような方や、それを間近にしたような方が十分に理解しながら契約をもう一回結び直すというのは非常に難しいと思うんですが、こういった場合、私は、もっと団体というのか業界としてというか、つまり被介護者たる有料老人ホームの入居者がまとめて契約を有料老人ホーム側とやり直すということがないと難しいと思うんですけれども、どのように考えますか。

国務大臣
(堺屋太一君)
 今御指摘のありました点は、高齢化社会に伴って消費者である高齢者が弱ってくるという、いろいろな能力が衰えてくる、それを補うために先ほど御質問のありました後見の後に保佐とか補助とかいうような制度をつけました。だから、大変高齢になって体力、知力の衰えを感じるようになりますと事前に任意成年後見制度を採用される、そうするとその後見人になった方が今おっしゃったような問題も訴える、解除するとか、そういうこともできるようになってくると考えております。

 また、団体訴権につきましては、これはドイツあたりで認めている例もございますが、団体そのものをどういうぐあいに認定するかという司法制度そのものの問題がございます。したがって、今司法制度改革というのが叫ばれておりますが、そういった大きな流れの中で本法の実施状況も見ながら考えていく必要があるだろうと思っております。

消費者契約法・民主党案についての答弁 2/3
木俣佳丈君  民法を改正されて後見人を選定してということなんですけれども、そんな簡単に後見人は見つかるんでしょうか。つまり、少子化の中で二人の親が一人の子供を産む時代でございます。ですから、どんどん先へ行けば行くほど人口ピラミッドが先細りする中で、要するに本当に善良な後見人を選べるかどうか、これは法律議論ではないので感想なんでございますけれども、これはそう簡単な問題ではないだろうというふうに思うんです。後見人が選べないならば、ではどこへ御老人が訴えてどのように対応してもらえるのかなというふうに思うんです。

 というのは、私がこの問題を取り上げてから連日電話やファクス、そしてまた手紙、こういったものが全国から寄せられてまいります。もちろん消費者団体の方々のところへも御相談に行っているというお話も私は伺っておりまして、わかっておるわけでございます。

 では、再度長官に伺いたいんですが、この消費者契約法ができて、高齢者の方が困っちゃうな、何とか助けてほしいと言った場合に、どこへ行ってどのように対応してもらえるのか、ちょっと具体的に言っていただけますか。

国務大臣
(堺屋太一君)
 今の後見人が選べるかどうか、私も子供がおりませんので、そう言われると身につまされる思いがいたしますけれども、やはり身内だけではなしに弁護士さんであるとかあるいはボランティアの方であるとか、そういった社会的な支えが必要になってくるだろうと思います。

 具体的に消費者契約に絡むことで問題が起こったらどこへ行けばいいのかということでございますが、やはりそれは一つは消費生活センターを中心といたします国、自治体のつくっている機関、もう一つは弁護士会やボランティアの方々で構成されている団体。私は、個人的な見解として言いますと、こういった消費者契約を援助するような、法律家を中心としたボランティア団体あるいは消費者団体というものが消費生活センターのような公的機関とタイアップする形で拡大していってほしいと考えております。

 特に、高齢者の方々に対して説明するのは大変難しいことでございまして、わかりやすく簡単にすると不正確になるという問題がございます。そういう面でいろんな方法をとりたい。例えば、やはりビジュアルなビデオにして一つ一つゲームで解説するというような方法がとれればいいと思っております。

 ぜひ消費者団体の方々にも事業者の方々にもそういう協力をお願いして、そんなものがつくれないかなと考えている次第でございます。

木俣佳丈君  今のお答えを聞きながら、千葉議員はどのようにお感じでしょうか。
委員以外の議員
(千葉景子君)
 どのように感ずるかということでございますけれども、先ほど差しとめ訴訟などのお話がございました。

 消費者と事業者とのさまざまな格差を考えますと、やはり消費者が一人一人で被害について救済を求めていくというのは大変困難なことではないかというふうに考えております。確かに相談に行くというようなこともできるわけでございますけれども、やはり消費者を救済する、特に今御高齢の皆さんのお話がございましたけれども、こういうことを考えるときには、相談に行けば、そこで被害に遭う皆さんを防止する意味でも団体としての訴訟が行える、そして不当なことについて差しとめを求められるということになりますれば、一人一人が立ち向かっていかなくても被害を未然に食いとめるということができるのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、差しとめ訴訟、団体訴権などの点については私たちも十分に必要性を感じているところではございますけれども、今ちょうど司法制度の改革なども進められているときでもあり、やはりそれらの議論と相まって今後検討されていくべきものというふうに考えております。そういう意味では、この法律もやはりこれからの動きに伴って適切に見直しなども図られていくことが必要なのではないかというふうに思っています。

 また、当面、差しとめ訴訟などをこの法律に基づいて行うことができないということで、民主党案では、それならば未然の防止などを図るために、次善の策というふうに申し上げてもよろしいかと思いますが、内閣総理大臣の不当条項の削除等の勧告、こういう規定を設けさせていただきました。こういうことを通じて総理大臣が、やはりこれは被害がかなり広範に及びそうだというようなことが判明をすれば、これを未然に防止する、そういう勧告などをすることができるようにこの法案に盛り込ませていただいているところでございます。

 やはり多くの被害者が出てから大変だということになりませんように、この民主党案をぜひ皆さんにも御理解いただきたいというふうに思っているところです。

木俣佳丈君  本当にすばらしい御答弁をありがとうございました。本当に、今の政府のこのままではなかなかそういった被害者がどれだけ救済できるのかなというのがちょっと明確に私はならないような気がいたしますね。

 この介護の問題につきましてはまた再来週、独禁法の改正を含めてその場でやらせていただきたいと思っております。

   〔委員長退席、理事馳浩君着席〕

 最近、インターネット取引ということで松本参考人からもありました、現在既に全世界の一%ぐらいの取引がインターネット取引にならんとしているという話だったかと思いますけれども。

 私も毎日メールが来、そしてまた私の現在着ているこのシャツそしてまたネクタイ、これは実はアメリカから輸入しております。これは個人輸入でございまして、つまり柄がでかくて日本にないということでございまして、これはインチではかって要するに取引を、取引というか個人でクレジットカード番号を書いてやるわけでございますね。非常に助かるなということなんです。

 あるとき、この取引をやっている中で、私の妻が、これはどういうお金ですかとクレジットカード会社から来る請求を見ながら二つ指しまして、これはどういうところの何を買っているのと、こう聞いてきたんですね。私は、ちょっとそれを見ながら、何か変なあれだったら嫌だなと思いながら、いやそれはと言っても、これは全然何か暗号のような感じで、相手側の事業主ですね、まさにこの法案で言う、それが身元が全く判明しないような、そういうものでございまして、毎月千八百円と千三百円ぐらいですか、私記憶しておりますけれども、ドル建てで換算され円で払われている、こんなような取引でございまして、そのときに、これはとにかく毎月毎月来るものですから取り消しを促したい、したいということで問い合わせをいろいろしてみました。

 この場合、長官に伺いたいのは、だれが事業者でだれが消費者、消費者は私ですね、になるのか、ちょっと伺えますか。

国務大臣
(堺屋太一君)
 ただいまのお話だけでは請求相手がわかりませんけれども、請求している人は事業者に違いないんですね、毎月来ているわけですから。消費者間の取引でございますと反復しませんから、毎月来ているというのは請求しておられる方だと思うんですが、それが暗号でわからないということになりますと、その暗号人と言う以外に答えようがございません。
木俣佳丈君  いろいろ苦労しまして、要するに向こうへ、もちろんメールが来ますので何となくこれだなというのはわかるわけですね。ところが、そこへ問い合わせても、とにかくアイ・スー・ツー・ユー、要はこれは訴訟を起こすぞと、もしこれを削除しなければ、こういうのを送っても送ってもだめなんですよ。

 それで、私も、どうしようか、まずプロバイダーに電話をしてみました。ところが、プロバイダーは一切関知できないということでございまして、結局何のことかといえば、クレジットカード会社に電話して、それで追跡調査し、その身元に言ってもらって、それで契約を破棄してもらったと。翌月からはその請求がまさに来なくなったわけなんですね。

 ですから、今、先ほども申しましたようにインターネットを通しての取引というものが非常にふえているというふうになっている中で、これは海外に出ていってしまうと非常に難しくなるものが多くなると思うんですね。

 そういった意味で、電子商取引、新しい法案がまた審議されようとしておると伺っておりますけれども、この消費者契約法というのが有効に働くかどうか、長官。そしてまた、その答えも踏まえながら千葉議員に伺いたいと思います。

国務大臣
(堺屋太一君)
 インターネットの取引に対する苦情は、絶対数はそれほどでもありませんが伸びは非常なものでございまして、平成七年には五件だったものが十一年には七百十件、PIO―NETに出ております。したがって、これからますますそういう問題がふえてくると思いますし、特に国際化に伴いまして、国境を越えたときに大変便利で迅速に選べるという便利さはあるんですが、その一方では、代金は払ったけれども商品が届かないとか、あるいは契約をしたつもりがないのにいつの間にか結ばれているとかいうような問題が起こってくるだろうと思います。

 しかしながら、インターネットであるから消費者契約法が特に違うわけではございませんで、インターネット取引におきましても事業者が消費者と結んだ契約の締結について全く同じように適用されます。

   〔理事馳浩君退席、委員長着席〕

 この際、消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げるなど、この法律の四条一項、二項に規定するような行為がございますれば、これは契約を取り消すことができます。

 また、インターネット上の取引については、不特定多数にホームページとか何かでこういうものを何ぼで売ると出しているときには、これだけでは勧誘行為に該当いたしません。

 不特定多数に対するホームページだけではなしに、これがメールで送られてくるということになりまして、その回答の中で重要事項について事実と異なることを告げた場合には、これは契約の取り消しになるということでございます。要するに、インターネットというものを通じても、あるいは書面、郵便であろうと対面であろうと、そこは全く変わらないわけです。

 問題は、消費者契約法の限りではなくして、インターネット自体が持っております秘匿性といいますか追及の難しさという問題は、別にEメール、Eコマースの問題として研究する必要があろうかと思います。

消費者契約法・民主党案についての答弁 3/3
委員以外の議員
(千葉景子君)
 今、長官の方から御答弁がございましたけれども、基本的にはやはり同様であろうというふうに思います。電子商取引、インターネット取引だからといって特別に消費者契約法が適用されたりされなかったりということではないというふうに思うんです。

 先ほどありましたように、相手方がよくわからないというようなことは、例えば通信販売とかあるいは電話勧誘による販売とか、こういうことでも生じていることでありますので、電子商取引についてもある意味では同様の性格のものだろうというふうに考えております。だからといって消費者契約法が意味がないんだということではないわけでございますが、電子商取引には別途その性格に着目したさまざまな環境整備というものが逆に必要になってくるんだろうというふうに思っています。

 ただ、民主党案と政府案の違いを指摘させていただきますと、契約締結過程あるいは契約内容などにおきまして民主党案の方が若干救済の幅を広げております。そういう意味では、電子商取引などにおきましても、例えば困惑などの場合、民主党案の方が多少幅広く救済をする余地があるのではないかというふうに思いますけれども、基本的な構造としては政府案あるいは民主党案も同じものであろうというふうに考えております。

木俣佳丈君  今、民主党案の御説明がありましたように、堺屋長官が言われますように、労働契約以外のものをすべて網羅する法案としては、やはり契約をそれだけ網羅するのならば、幅広い範囲をカバーしなければそれはちょっとおかしいのではないかなというような私は気持ちさえするわけでございます。

 あと、ネット販売につきまして、これは相手が見えないだけに訪問販売とかいうものとは大分質を異にしているというのが、一つ情報がありまして、これは通産省が調べた調査です。返品が可能かどうかなど訪問販売法に規定された表示義務を守っていない業者が全体の二九・五%に上っている。ただ、前回調査、これは一年前、九九年五月時点で六八・一もあったんです。要は、それからすれば三割ぐらいは改善しているんですが、依然二九・五%も表示のところで守っていない業者がある。これが実はインターネット販売の今の大問題なんです。

 ですから、そういう意味で、もちろん適用はされるとは思うんですが、これは非常に気をつけないと、同じような考え方では当然ながら網羅できない、やり切れないというところがあるのではないかなと思うんです。

 ちなみに、私がこのシャツ、ネクタイを買っていると言った、業者名は挙げませんけれども、これは本当にすばらしい業者なんです。例えば私は腕が長いものですから、短いとすぐに返品に応じてくれる。しかも、その返品の船代も削ってくれるんです。

 ですから、やはり善良な業者というのがどこまで伸びていくかということが非常に大事だと思いますので、そういう意味で余り守備範囲を狭くとってしまうとこれはよくないであろう、そんなことを思った次第でございます。

 次に、ネット販売という話、もう時間がございませんので、PL法が施行されてからもう間もなく四年、五年、平成七年七月一日から施行されております。これに基づく訴訟の数というのが非常に少ないわけでございまして、参考人の方々にも伺いました。今まで、平成十一年九月三十日時点で十七件しかない、しかも消費者が勝訴しているのがたったの一件である、こういう現状がございます。

 これは何も法律が有効に機能しているかどうかというのがそれだけで判断できるとはもちろん言えませんけれども、しかしこのPL法ができる前の議論とこの後の訴訟の件数等々を見た場合に、私はこのPL法というのが日本になじんでいないのではないかというような気がするんです。つまり、本来であればプロダクトライアビリティー、製造物責任というものがもっと指摘されるようなものはいっぱいあると思うんです。ところが、もう面倒くさくて訴訟にならないというような事態が私は起きていると思うんです。

 ですから、今回の消費者契約法についても本当に有効に働くかどうかというのは、これまた四年、五年たって考えなければいけないと思うんですけれども、このあたりどのように比較しながら考えておられるか、民主党の千葉議員から御答弁をお願い申し上げます。

委員以外の議員
(千葉景子君)
 ありがとうございます。

 私もPL法の制定のときにも大変関心を持たせていただきまして、よりよいものをということを求めてきた一人でございます。PL法ができたときには大変私もうれしく思った一人です。

 ただ、PL法自体も、いろいろな議論の末にどうもいろいろな意見の中ほどをとって制定されたという嫌いがございました。そういう意味では、基本的によって立つ視点がやはりいささかはっきりしていなかったということが言えるのではないかというふうに思うんです。

 今回のこの消費者契約法につきましても、この間の議論を見ておりますと、事業者の皆さんの御意見、そして消費者側の意見、そういうものを両方取り入れて何とか中庸の中どころでおさめようというところに政府案などはどうも苦心をなさっているというようにも見受けられるわけですけれども、やはりこの法律の本来目的とすべきところが、消費者を保護する、そして透明なルールをつくっていくということであるとすれば、先ほど申し上げましたような団体訴権、これがどうしても今現在難しければ、それにかわるべき何らかできるだけ早急に救済をすることのできるような措置、こういうことも含めて、それから幅広く救済できるような条項をきちっと盛り込んでおくということをしておきませんと、どうもまたPL法のようにどっちつかずということになりかねないのではないかという若干私は懸念をさせていただいております。

 そういう意味では、民主党案、大変自負しているところは、やはり消費者の立場に立って、使い勝手がよい、そしていざというときにこの法案を使って、消費者団体の皆さんもあるいは消費生活センターなどで解決に当たる皆さんもこれを背景にして問題の解決に当たりやすい、こういう法案として取りまとめさせていただいたところでございます。

 そういう意味では、PL法のときの轍をまた踏まないという意味でも視点を明確にし、そして消費者にとっても有効に活用できるような法案としてぜひ今回は成立をいただきたいものだというふうに考えているところでございます。

国務大臣
(堺屋太一君)
 PL法につきましてはかなりいろいろと認識が違う方が多いようでございまして、確かに裁判の件は過去四年間で二十件ほどでございます、非常に少ないんでございますが。これはできる前に、アメリカみたいに訴訟社会になるんじゃないかというような心配があったんですけれども、現実には非常に少ない。これは望ましいことでございまして、裁判がふえるよりは少ない方がいいだろうと思うんです。

 その一番の原因は、製造業者の方がこの法律が施行されましてから、非常に安全に対して注意をしているというのが多いわけでございます。調査によりますと、この法律ができましてから製造物責任に対する安全保証体制を変えたという企業が大体七割ぐらい存在するわけです。それから、見直しをしたというところが八五%ぐらいございます。実際、ちょっとしたそういう危険のないもの、例えば書物でございましてもDVDのディスクでございましても、製造するときに大変時間をかけて繰り返しやって、その上に少しでも危険のあるものはもう避けた方がいいというので、新製品が余り出ないような状況すら起こっております。

 そういう意味で、日本のPL法がどういう効果を上げたかという点につきましてはかなり議論が分かれております。少なくとも、各企業がこれによって安全に注意をして訴訟に巻き込まれないようにしているという、これは大変大きな効果があったんじゃないかという気がしております。

 それと同じようにこの消費者契約法も、これが施行されますと、そういう取り消しのようなことにならないように事業者の方に対する警告、あるいは事業者が注意する、用心する、そういうような効果が非常に大きいと思うんです。これが余り強くなりますと、少しでも危険のある新しい商法はやめておこうとか、あるいは説明義務が余りに過剰になって中小企業の店頭に影響を与えるとか、さまざまなことがございます。

 やはり経済の活力と新しい商法の開発、そして消費者の安全保護、そういったことを考えながら、消費者のためにもなれば事業者のためにもなり、そして日本経済全体がプラスサムになるような仕掛けをつくっていかなきゃいけない、そういう観点で現在の法案を出させていただいておるところでございます。

木俣佳丈君  ありがとうございました。

 ただ、やはり機能していないということだと私は結論づけたいと思うんです、PL法について。参考人の方々においでいただいたときも申し上げたんですけれども、やはり日本の経済力をつけたのは、消費者の厳しい目をとにかく気にしながら企業がやってきたことに尽きるということを私はロシアの方々にもとうとうと述べたことがございます。

 ですから、そういう意味でも消費者に重心を置いた法案にならなければ私はだめだと思っておりまして、これから行政府のいろいろ改革がございますけれども、これは内閣府の方に行くわけですか、この担当というのが、そこでしっかり注目して監視していただきますようにお願いしながら、やはり民主党案がいいなということを最後につけ加えながら、少し考慮をしていただきたいということをお願いしながら、質問を終わります。

 ありがとうございました。


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