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ただいま議題となりました消費者契約法案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国は、経済、雇用、教育など多方面で急激な変容と緩やかな崩壊に直面しております。このような変化に対応するには、一人一人の自立する個人の確立と横の連帯、すなわち共生に基礎を置き、国民の自由な創造性が発揮されるとともに、個人の自由な選択を可能とする国づくりが必要と考えます。
こうした国づくりに当たっては、喫緊の課題として、経済には可能な限りの自由の確保を、生活には安心と安全が守られる最大限のセーフティーネットの構築をしていく必要があります。
以上申し上げました視点に立って、このたび、国民一人一人が消費者としての自由な選択の幅を広げ、そのリスクをみずから管理するという時代に備えた消費者契約法案を提出させていただきました。それの目指すところは、情報力や交渉力において事業者との間に格差がある消費者を悪徳商法や契約トラブルからガードする透明度の高いルールを設定するとともに、消費者みずから必要な情報を入手し、自分で的確な判断を下すことのできる賢く強い消費者の育成を支援しようとするものであります。
なお、本法案は昨年の第百四十六回国会に提出したものでありまして、今期国会に継続審査となった法案であります。
以下、本法案の概要を御説明申し上げます。
第一は、法案の目的であります。
消費者が事業者と対等な立場において契約を締結することができるよう、消費者契約の効力等に関し必要な事項を定め、消費者契約の締結過程及び内容の適正化を図るとともに、その実効性を確保するための措置を講ずることにより、消費者の利益を確保し、国民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的としております。消費者と事業者との実質的な対等性の確保という本法案の趣旨を可能な限り明示した目的となっております。
第二は、定義であります。
まず、消費者契約を、自然人が主として事業に関連しない目的で事業者と締結する契約と位置づけ、消費者をこの場合における自然人と定義しております。主として事業に関連しない目的であるならば、付随的に事業に関連して使用される場合についても消費者契約に含まれることを条文上明確にしております。なお、労働契約は消費者契約から除外しております。
第三は、消費者契約における契約締結過程の適正化についてであります。
事業者が消費者に対し、重要事項について消費者が理解することができる程度に情報を提供しなかったり不実のことを告げた場合、威迫した場合、消費者の判断力が不足している状況を乱用した場合などについて、消費者は契約を取り消すことができることとしております。取り消し権の時効は、追認が可能になったときから三年、契約締結から十年と定めております。
第四は、消費者契約における契約内容の適正化についてであります。
まず、事業者には、契約内容の明示、契約条項の明確化等の義務を課すことといたしております。また、内容が社会通念上異常であるためその存在を消費者が予測できない事項、すなわち不意打ち条項は無効としております。さらに、事業者が一方的に法律関係の設定または変更を可能にすることなど、いわゆる不当条項も無効としております。
第五は、実効性確保の措置などであります。
内閣総理大臣による不当条項削除等の勧告及び内閣総理大臣への申し出などの規定を盛り込んでおります。さらには、政府に対し、法施行後三年を目途に、消費者団体による差しとめ訴訟などについて検討し、必要な措置を講ずるよう求めております。
以上が本法案の趣旨及び内容の概要でありますが、今期国会に本法案と題名が同じ内閣提出の消費者契約法案がございますので、本法案と内閣提出法案との相違について追加して御説明させていただきます。
まず、内閣提出法案が消費者に情報提供すべき重要事項の範囲を、物品等の質、用途その他の内容及び対価その他の取引条件に限定されているのに対し、本法案は、重要事項として、一般消費者の判断に影響を及ぼすと考えられる事項のほか、消費者の判断に影響を及ぼすことを事業者が知り、または知ることができる事項としており、重要事項の範囲を広くしております。
また、内閣提出法案は、消費者が契約の取り消しができる悪質な行為を不退去または監禁に該当する場合に限定しているのに対し、威迫された場合や困惑させられた場合と、取り消し事由を広くとっております。
さらに、不意打ち条項を無効としていること、取り消し権の行使期間を、契約の追認が可能になったときから、内閣提出法案では六カ月としているのに対して三年とするなど、行使期間の延長を図っていること、内閣総理大臣が不当条項の削除等の勧告を行うことができるなどの実効性確保のための制度を取り入れていることなど、消費者と事業者との間に存在する情報力や交渉力の格差を是正し、実質的に対等な立場で契約が締結できるようにするための内容となっております。
以上が本法案の趣旨及び内容の概要でございます。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。
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