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法務行政・司法に関する一般質疑 [法務委員会] (1999.6.8)

法務行政・司法に関する一般質疑 1/2
委員長
(荒木清寛君)
 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

千葉景子君  私は、きょうの質疑につきまして、人権問題を中心にして何点かお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

 ことしはどういう年かということを改めて考えてみたいというふうに思うんですけれども、実は昨年は世界人権宣言五十周年という大変記念すべき年でございました。国連を初め世界各国で世界人権宣言の持つ意義を再確認し、そして来るべき二十一世紀を人権の世紀とするために、各国政府としても人権の保護と、そしてその伸長に向けたたゆまぬ努力を推進していこう、それぞれそういう表明などもあったところでございます。我が国でも、国会でこれに基づいた決議などもされましたし、法務省を中心として人権宣言五十周年を記念するさまざまな行事も施行されたということも承知をさせていただいております。そういう年が明けまして、いよいよ次の五十年、新しい時代に向けて、こういう時期にことしは差しかかっているのだろうというふうに思っております。

 それから、実は国連人権教育の十年、人権教育のための国連十年、これが一九九九年、本年がちょうど中間年ということになるわけでもございます。そういう意味では、この前半の五年間、これを十分に検証しながら、そして人権教育を今後さらに深めていくという意味で後半どのように取り組んでいくか、こういうまた節目にも差しかかっているところであろうというふうに思います。

 また、この委員会でもさまざまこれまで取り上げさせていただいておりますけれども、いわば人権擁護行政、あるいはそれぞれの各国の人権状況につきまして国連の人権機関などもさまざまな取り組みをしております。そして、昨年も、規約人権委員会などで日本の人権状況などにさまざまなコメントあるいは勧告、意見なども表明されました。この内容、大変盛りだくさんでございますけれども、関連する問題につきましては、この委員会でもしばしば取り上げられているところでもございます。

 こういういろいろな節目あるいは国際社会の動き、こういう中で、いわば我が国もこれからもう問もなくやってこようというニ十一世紀に向けて真の意味で人権の保障される、いわば世界でもリーダー国としてこれから進んでいく、こういうことが求められようかと思います。改めて法務大臣に、人権問題を管轄する責任者として、このような節目に立ち至り、そして国際的なさまざまな動向なども踏まえてどのような認識をお持ちでおられるのか。そして、その上に立ってこれからの人権擁護行政、こういうことについてどのような心構え、あるいは方向性を持って取り組まれていこうとされるのか。この際、改めてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 人権の尊重が日本国憲法の柱であり、民主政治の基本であるということは十分承知しております。

 ただいま委員が世界人権宣言五十周年、五十周年を迎えた我が国の去年またことしの意義についてお話がございましたけれども、世界人権宣言や国際人権規約等によっても人権の尊重が強くうたわれているということも承知いたしております。

 法務省といたしましては、日本国憲法や世界人権宣言の精神にのっとりましてこれまで人権擁護行政の推進に努めてまいりましたが、今後ともすべての人々の人権が尊重される平和で豊かな社会の実現を目指し、人権擁護行政の推進により一層努めてまいりたい、このように考えております。

千葉景子君  ぜひ基本的な姿勢を鮮明にしていただきまして具体的なさまざまな取り組みをしていただきたいというふうに思いますが、そういう意味で、何点か人権にかかわる問題についてこれからお尋ねをしたいというふうに思います。

 まず、ちょうどこういう状況の中ですが、実は人権擁護推進法に基づきまして人権擁護推進審議会が今議論を進めておられるというふうに聞いておりますが、つい先般、五月二十五日でしょうか、この夏にも答申が出されるやに開いておりますが、そのたたき台ともなる素案をまとめられたというふうに聞いております。報道などがされているところでございますが、まずその素案、たたき台というんでしょうか、この内容、それから今後このたたき台、素案に基づいてどのような段取りがとられるのか、それについてちょっと御説明をいただきたいというふうに思います。

政府委員
(横山匡輝君)
 御指摘の答申素案は、本年五月二十五日に開催されました人権擁護推進審議会に提出され、現在これに基づきその内容について検討中であると承知しております。

 この五月二十五日の審議会におきまして、この答申素案は非公関という扱いにする旨決定されておりますので、その内容については答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

 それから、今後の予定につきましては、答申案が取りまとめられました段階で国民の方々にこれを公表し、国民の方々からの意見を聞いた上で答申を確定し、本年七月末ころを目途に公表する予定であると承知しております。

千葉景子君  確かに非公開ということのようでございますけれども、七月末ころにまとめられる という状況だとすれば、それまでそんなに時間はないわけですね。やはり今後の我が国の人権のあり方あるいはその教育、啓発、こういうものの進め方、こういうものについてどうしていくかという問題でもございますので、非公開で、そして時間もそう長いことないところでまとめられるというのは、私は大変疑間に思うんです。でさればきちっとした問題点を示していただいて、今のお話ですとこれから広く意見も求めるということではございますけれども、せっかくこういう法務委員会などもあり、そういう場でも意見を反映できるような姿勢というものをぜひ持っていただきたい。これは審議会の方の問題であろうかというふうに思いますけれども、審議会のできる限りの公開というのは今要請をされていることでもございます。

 そういう意味では、非公開ということですから、お答えできないというのはそのとおりの答えかもしれませんけれども、私はその点については大変疑間に思います。

 七月末ころということですけれども、それまでに例えばいわゆるパブリックコメントといいましようか、さまざまな意見を聴取するということになろうかというふうに思うんですけれども、それは具体的にはどんな形で、そしてまたどういう分野といいますか、幅広くどういう形で意見を求められるということになるのでしょうか。

政府委員
(横山匡輝君)
 この答申素案というのは答申案を作成する上での全くたたき台でございまして、今これを審議会でいろいろと審議をして、いろいろ必要があれば修正すると思うんですね。今その作業をしている、審議をしている最中でございます。この答申素案につきましては、今のところ、六月十八日に答申案を公表する、そういう予定で今審議が進められているところでございます。

 それで、この公表の方法でございますが、一つは、直接法務省に来ていただいた方に手渡すという方法はありますけれども、それ以外にファクスあるいは電話等の申し込みによって郵送するという扱い、それからまたホームページを開きましてインターネットでアクセスすることもできる、そういうことも考えております。それからまた、国会議員の方々、関係する議員の方々等に対しましてはお届けさせていただくということを考えております。さらにまた、この審議におきまして、いろいろな人権課題に関しましての各種人権団体、人権に関する運動をしています団体等からヒアリングをしております。そういう団体に対しては直接この答申案をお送りする。多様な方法で国民の方々から意見を聞くという方法を考えておるところでございます。

千葉景子君  これはファクス、電話で申し込みを受ける、あるいは法務省へ来てもらったらということでもあるし、ホームページということもありますけれども、逆に言えば、こういうものは例えばきちっと報道機関に乗せて、そしてだれもがすぐにわかるようにするというようなことも当然考えてしかるべきだというふうに思います。

 というのは、今回、そのたたき台ということについて非公開という話ではございますけれども、報道はされているんですね、各新聞などに。これは正式な報道でないんだと言われるのかもしれませんけれども、非公開にしてもそういうものがまとまったということになれば、やっぱり多くの皆さんが関心を持ち、それから報道機関などもそれについてできるだけ早く知らせたいということもあるでしょう。こういう新聞等にやっぱり出てきます。

 逆に言えば、そこに正確な中身が報道されませんと、むしろ誤解を招いたりすることにもなりかねない。そういう意味では、ぜひ内容あるいは審議の状況などをむしろ法務省の側から積極的に伝えていくということが必要ではないかというふうに思います。

 それで、先ほど非公開なのでというお話でしたけれども、新聞報道等で素案の内容が報道されています、正しいのか正しくないのかはあれですけれども。この報道等をかいま見ますと、幾つかやっぱり問題点というものが出てくるような気がいたします。

 この審議会の設置につきましては、法案審議の際に附帯決議などが付されております。これも十分に御存じのところであろうというふうに思うんです。

 その素案の中身から考えますと、どうも幾つか私が指摘させていただくような点で不十分さあるいは問題点を残しているように思うんです。

 例えば、この推進法の審議の際の衆参の附帯決議、これによりますと、参議院の法務委員会での附帯決議ですけれども、「人権尊重の理念に関する教育及び啓発の基本的事項については二年を目途に、人権侵害の場合の被害の救済施策については五年を目途になされる人権擁護推進審議会の答申等については、最大限に尊重し、答申等を踏まえ、法的措置を含め必要な措置を講ずること。」、こういう附帯決議になってございます。

 この容申の内容でもどういう法的措置をきちっととるべきかということなどがどうもいま一つはっきりしていないのではないか、こういう報道等の指摘もございます。五年後ということになりますと、五年後には今度は救済策に伴ってさまざまな法的な措置ということも検討していくことになろうかというふうに思うので、やはり今回の答申の内容、そしてそれを踏まえての法的なきちっとした措置、法律の策定を含めて、こういうことが求められるのではないかと思いますが、どうもその点がいま一つはっきりしていないとの報道がございます。

 それから、人権についての教育や啓蒙ということになりますと、やっばり各省庁の連携、そして国と自治体との連携、あるいは行政機関と民間の連携、ボランテイア、NGO含めて、こういうトータルな協力体制が必要であろうというふうに思います。そうなりますと、それをコーディネートしたりいろいろ連携を図っていくための機関とか設備とか、それに伴うスタッフとか、そういうことが必要になってくる。

 とりわけ、地方自治体などでこういう取り組みをするとなると財政的な問題も出てこようかというふうに思うんですけれども、こういう点について十分な答申案になっているのかどうか、その辺にも多少疑問が残るように指摘をされております。あるいは、都道府県などを単位にした地域の組織づくり、体制づくり、やはり全体で取り組んでいくという意味ではそういうことも必要であろう。こういう問題がどうなっているのか。

 先ほども指摘をいたしましたけれども、国際的な人権諸条約とか、あるいはそれに基づいて人権機関がさまざま表明をする意見、あるいは日本に対するさまざまな問題指摘、こういうところが十分に考慮されて、あるいは認識をされた上で今回の答申案、そのたたき台というものにつながっているのかどうか。このあたりも、多少どうも、私もつぶさに内容がわかりませんけれども、報道等からうかがい知るところによると問題点があるのではないかというふうに思われます。

 このあたりについては、今たたき台は非公開ということで具体的にお答えできないのかとは思いますが、もう近いうちに答申案がまとめられて公表される。それに基づいて法務省としてもさまざまな施策やあるいは取り組みを進めていくことになるわけですから、こういう問題点はどういうふうに扱われているのでしょうか。それで、法務省としてはどう考えておられるのか。いや、こういう問題点はもう審議会で言われなくても当然法務省は考えておることなんだから気にするなということなのか、あるいは審議会でももう少しそれらの点について十分に議論してもらいたいというふうに考えているのか。ちょっとその辺についての御説明をいただきたいと思います。

政府委員
(横山匡輝君)
 最初に、先ほどの答申案の公表の点で、先ほど委員から御指摘されましたマスコミを通じての公表というのを私の方でちょっと落としておりまして、どうも失礼いたしました。マスコミによる公表ということも当然考 えておるところでございます。

 それで、今委員からいろいろお話がございましたが、最初に出ました法的措置の点と、そのほかいろいろ出ておりますけれども、全体としましては、先ほど来御説明しておりますように、人権教育、啓発の基本的なあり方についての答申の方向性については、現在取りまとめの作業中であるので答弁は差し控えさせていただきたいと思っております。

 法的措置の点でございますが、確かに人権擁護施策推進法成立の際の衆議院及び参議院の法務委員会で先ほど委員御指摘のような附帯決議がなされ、「人権擁護推進審議会の答申等については、最大限に尊重し、答申等にのっとり、」、またはこれを踏まえて、「法的措置を含め必要な措置を講ずること。」とされております。附帯決議の内容からも明らかだと思いますけれども、これは政府に対するものでございまして、審議会との関係では、答申に盛り込むべき内容について述べているものではないというふうな理解をしておるところでございます。

 また、こういう法的措置の問題、それから国と地方自治体との人権教育、啓発を進めるに当たっての連携の問題、あるいは行政側と民間団体との連携の問題等々、これらは審議会の審議の中ではいろいろと議論が出てきているところでございます。したがいまして、今答申案の作成過程でございますが、こういう答申案を作成する過程の中でもこういう議論が出ているということを踏まえて審議会の認識、考え方というのが示されることになるのではないか、このように考えておるところでございます。

法務行政・司法に関する一般質疑 2/2
千葉景子君  御説明の趣旨はよくわかりますが、答申案が出ましてから、むしろ法務省として、それを受ける方がやはりきちっとした法的措置を講ずるなり、それから例えば各省庁の連携や自治体との連携を含めて十分な財政措置、こういうものも必要になってくるだろう。当然のことながら、これはむしろ国に対する決議ということになりますので、この答申案が出ましたときにはぜひその附帯決議の趣旨というものを踏まえて対応していただきたいものだというふうに思いますが、その点について法務省としての御決意のほどというのはいかがでしょうか。
政府委員
(横山匡輝君)
 審議会の答申が出されました際には、私どもこの附帯決議の趣旨を体しましてこの答中を最大限に尊重し、答申等にのっとりまして、あるいは踏まえまして必要な措置を講じてまいる、このように考えております。
千葉景子君  さて、人権問題については、冒頭申し上げましたように、世界人権宣言あるいは人権教育の十年とかそして国際的な日本に対する指摘、こういうことを踏まえていく必要があろうと思います。昨年、国連の規約人権委員会からさまざまな勧告、指摘がされております。先般来、この委員会で外国人に関する問題についてもたび重ねて規約人権委員会の勧告の内容が引用されたところでもございます。

 その中で、きょうは一つ指摘をさせていただきたいんですけれども、いわゆる刑事関係につきまして証拠の開示というものが十分でないということが規約人権委員会の中でも指摘をされたところでございます。これは今回が初めてではございませんで、たび重ねて指摘をされているところでもございます。規約人権委員会では、刑事法によると検察には証拠を開示する義務が存在していない、こういうことに懸念が示されておりまして、弁護側あるいは被告人側がその証拠を十分に検討した上で防御権を行使することができるように、そういうことが求められているところでもございます。

 この問題については、背景として、もう御存じのとおり、再審に係る証拠の開示、狭山事件などを中心にして問題がずっと指摘をされてきたこと、これは法務省の方でも十分御存じのところであろうというふうに思っているところです。証拠の開示がなかなかされないということについては、この間何回か私もお尋ねをして、おおよそ理由としては、プライバシーにかかわるという問題点が一つ、それから将来に対して捜査上支障が出る可能性があるというようなことが挙げられているように思いますけれども、これだけ規約人権委員会などでも指摘をされ、そして事実の解明や被告の防御権などということを考えましても、この証拠の開示という問題について積極的に前向きな姿勢をとられるべきではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。考え方はこの間全く変わっておられないのでしょうか、ちょっとお聞きをいたします。

政府委員
(松尾邦弘君)
 今お尋ねの点につきましては、これまでも法務当局からお答えをしてきたところでございまして、基本的にはその立場は、お答えの内容そのものはなかなか変わり得ない状況でございます。

 委員御指摘のように、証拠の開示につきまして刑事訴訟法の規定がございますが、検察官個々に、事案ごとに被告人の防御上合理的に必要と認められる証拠を通切に開示するということが規定されておりまして、法務当局としましては、弁護人等には公判準備に必要な証拠の開示を受ける機会が十分に保障されているものという考えで従来から来ておるところでございます。

 また、再審請求事件におきましても、再審請求者に対する公判に提出していない記録の開示につきましては、事件の争点との関連性、あるいは今先生御指摘のとおり、関係者のプライバシー等の保護、あるいは将来の捜査における協力の確保等の観点から、その検察官において個々の事案ごとに個別に判断して適切に対処しているものと考えておるところでございます。

 先生の今御指摘のあります狭山事件につきましても、現在、事件を担当する検察官と弁護人との間で個別にまだ協議が断続的ではございますが続いている状況というふうに理解をしているところでございます。

千葉景子君  考えるに、 一般的な問題としてプライバシーにかかわる、それから将来の捜査に影響があるということは全く私も否定するものではございません。

 ただ、狭山事件なりの再審問題を考えますと、捜査から経過をする年月を考えると、プライバシーと申しましても、例えば関係者はもうかなり御高齢になり、あるいはお亡くなりになったりしているケースもございます。それからさまざまな報道あるいはこれまでの事実の解明などによってプライバシーという問題もかなり緩和されているのではないか。

 それから、将来にわたる捜査に対する影響というのは、これはもう捜査というのは終了し、そして再審の段階でいわば本当に最終段階ということを考えれば、将来の捜査への支障ということはまず余り理由にはならないのではないかというふうに思います。

 こういう非常に長きにわたるこれまでの経過を考えたときには、やはりこの際きちっと必要なる証拠を開示して、そして事実の解明というものに検察としてもやっぱり協力をしていく必要があるのではないか、こういう気持ちがしているところです。

 それでもいろいろ問題があるということであれば、例えば一般に公表しなくても、裁判所で裁判官が証拠を見て、これはプライバシーやあるいは捜査に支障がない、何らかのそういう判断を第三者的に加えることもできるだろう。インカメラ方式のような形で第三者としての裁判所がそういう判断をする、こういう手続も工夫をすればできないことではない。

 こういうことなどを考えますと、この間の長さにわたる多くの皆さんの努力、こういうものに報いていく、あるいはきちっと対処していくという意味で、やはり大臣としても一つの決断を。これは検察ということになりますので直接口を出しにくいということもあるかとも思います。それは私も十分承知の上ではございますけれども、やはり大臣としても、こういう問題について一つの大きな解決の糸口あるいはそういう環境づくり、こう いうものに決断をいただく時期ではなかろうかというふうに思いますが、いかがですか。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 狭山事件につきましては、現在東京高等裁判所で再審請求が係属中でございます。公判に提出していない記録の開示につきましては、事件を担当する検察官と弁護人側との間で個別に協議をしている、このように承知いたしておりますので、法務大臣の立場としてはお答えする立場じゃないんじゃないか、このように考えます。
千葉景子君  大臣のお立場、検察に対する大臣という意味ではお答えしにくいということはわかりますが、きょう私も何点か指摘をさせていただきました。刑事局長も大臣もその思うところは十分に御理解をいただけたのではないかなという気もいたします。そういう意味では、ぜひ検察側と弁護団なりとの協議の場でよりよき方向性が出ますように、指示をしろとはなかなか一言いにくいですけれども、そういうものを十分に側面からサポートいただくようなお心で対応していただきたいものだというふうに思っております。

 私の時間が多少過ぎておりますけれども、もう一点だけお尋ねをしておきたいというふうに思います。

 それは、やはりこの規約人権委員会で指摘をされているところでございますし、それからこのところの省庁再編の問題、そういう中で法務省の人権擁護局の存置などもいろいろ議論をされてまいりました。存続の方向にはなっておるようでございますけれども、この人権擁護にかかわる管轄場所ですね。法務省で本当に努力をいただくということは私も当然のことであろうというふうに思っております。全国に人権擁護委員の皆さんがいろいろな形で取り組みをされておられるということも十分承知をしているところでもございまして、むしろより一層人権擁護について、先ほど大臣の最初の御発言もございましたけれども、積極的に取り組んでいただくということは前提の上でもございます。ただ、それにしても、やはり日本の場合に、人権擁護についてあるいはその救済などについてこれまた審議会がさらに検討をする問題ではあろうかというふうに思いますけれども、いわゆる政府あるいは各機関から独立をするような形で第三者的に救済を図るというような機関が存在をしないということについて、国際機関からもやはり懸念や指摘がされているところでございます。

 確かに法務省が人権擁護の機関であり、そして、法務省がそれについてちっともやってない、だめだから法務省から独立せいと言うつもりは決してないんですけれども、やはりそれぞれの行政機関というものの指揮命令あるいはその管轄というものを受けず、行政機関にもきちっとした目を凝らし、そしてさまざまな国内の人権擁護、救済を図っていく機関の必要性というものがあるのではないか。この国際的な指摘というのも私はうなずける部分ではなかろうかというふうに思っております。

 人権擁護機関の体制、現状を私も調べさせていただいているところでございますが、これはこれとして、こういう独立した機関というものを検討していく、これは審議会なりで御議論いただくということと同時並行でやっていかぬということは別にないわけでして、こういう問題について法務省としてはどのように考えておられるのでしょうか。

政府委員
(横山匡輝君)
 人権救済制度のあり方につきましては、今の委員のお話の中にも出ておりましたけれども、人権擁護推進審議会におきまして、法務大臣からの諮問に基づき本年九月以降本格的に調査審議がされる予定であると承知しております。

 委員御指摘のとおり、昨年、規約人権委員会からは人権侵害の申し立てに対する調査のための独立した機関を設置すべきとの指摘を受けておりまして、人権救済を行う機関につきましては一定の独立性が必要との考え方もあるところであります。

 法務省としましては、審議会での調査審議の結果も踏まえて慎重に検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

千葉景子君  こういう問題は、もちろん審議会にもいろいろな知恵を働かせていただく。しかし、それを待つまでもなく法務省の方も積極的に議論をして、むしろ早過ぎて悪いということは全然ないわけです。

 今、いろいろな分野で独立した救済機関のような議論はされているというふうに思います。例えば、つい先般成立いたしました男女共同参画社会基本法、こういう中で男女共同参画に対する、さまざまな救済についても、いわばオンブズパーソンなり独立した救済機関、審議機関のようなものが必要なのではないかという議論もされ、あるいは子供の問題でも独立して子供の人権などをきちっと救済できるような機関の設置が必要ではないか、こういう問題などもあり、あるいはいわば雇用の場では同じように独立した審議機関という一定のそういう方向があるわけです。そういう意味では、さまざまな場で人権というものを考えたときには、それを救済し、そして本当に公平公正な立場で独立した判断ができる、こういうものが、これは今始まったことではなくて既にずっと求められてきているわけです。

 そういう意味では、審議会がことしの答申を出したら今度は次のに取りかかって、そこで答申がされるのでそれを待ちながらということではなくて、審議会にもいい意見を出していただく。でも、それに先立って議論を始めて、そして審議会の議論ともあわせて、できるだけこういうものにスピーディーに対応していくということが必要ではないかというふうに思います。

 どうでしょう、大臣。こういう問題について待ちの姿勢ではなくて、決して審議会をおろそかにしようという意味ではありませんけれども、法務省としてもこういう議論を積極的に展開して、審議会と本当に協力しながらいい結論を出していく、こういう姿勢をお持ちいただいたらよろしいのではないかというふうに思いますが、大臣、その辺について御意見を伺わせていただきます。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 人権擁護施策の重要性につきましては、るる委員御指摘のとおりでございます。

 ただいま審議をいただいております中央省庁等の改革の中でも、人権啓発につきましては法務省が所掌するということで進めることになっております。

 問題は、人権擁護施策となりますと、おっしゃるようにいろんな行政分野にまたがるわけでございますが、まず啓発という分野を私どもは担当しながら、今各省庁でしっかりとそれぞれの施策が円滑に連携をとりながら進んでいくような、そういう中心にならなければならないということは常に審議会の結論を待つまでもなく考え、取り組んでいく必要があると思います。

 私どもは、人権擁護に関しましては、組織的にも、またこれまでの経験的にもしっかりとしたものを持っておりますので、そういうもので人権擁護施策全般が推進できるような立場を築いていきたい、このように考えております。

千葉景子君  終わります。



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