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司法制度改革審議会設置法案への質疑 [法務委員会] (1999.5.27)

司法制度改革審議会設置法案への 対総理質疑
千葉景子君  きょうは、総理、この委員会に出席をいただきまして、大変ありがとうございます。

 今、審議をされております司法制度の改革というのは、ある意味では日本の社会にとっても一大事業という大変重いものでもございますので、そういう観点も含めまして、私の方からは二点、総理にお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、今回の司法制度改革審議会設置法案の趣旨説明では、陣内法務大臣は、二十一世紀の我が国社会は、社会の複雑多様化、国際化等に加え規制緩和等の改革により社会が事前規制型から事後チェック型に移行するなどの社会のさまざまな変化に伴い、司法の役割はより一層重要なものになるとの認識のもとで、司法の機能を社会のニーズにこたえ得るよう改革し、その充実強化を図っていくことが不可欠である、こういう御説明をいただきました。

 二十一世紀の社会が自己責任の原則に貫かれた社会へと転換をすることによって司法の需要が増すことは否定できないと思います。特に、経済界からは利用しやすい司法制度を構築することへの要望が出されております。しかし、司法の機能というのは、決して経済界が要望している紛争解決の手段、こういう側面だけではございません。人権の擁護、社会正義の実現、立法、行政に対する監視と抑制という機能も忘れてはならないところであろうと思います。また、二十一世紀を考えますと、国際社会においても人権、環境などの時代とも言われております。そういう意味でも、いわば人権の面でもグローバルスタンダードというものを日本も構築していかなければいけない、こう考えているところでございます。

 そういう意味では、司法制度改革審議会における審議においては、やはり単なる経済合理性と競争原理、こういうことではなくて、司法が国民、とりわけ弱者の自由と権利を守るとりでとして機能すること、こういうことをぜひ積極的に論議していただきたい、こう念願をしているところでございます。

 そして、これは改革審議会に単にゆだねておけばいいということではなく、より一層の司法の充実というのは、冒頭申し上げましたように、私たちも、そして日本の社会がこぞって取り組まねばいけない、こういう課題であろうと思います。この法務委員会でも、立法機関としての責任を果たすべく、小委員会の設置という方向も今検討が進められているという状況でもございます。そういう意味では、立法機関も、そして特に政府としてもぜひこの司法改革という問題に積極的に目を向けていただきたい、こう考えております。

 そういう意味で、この大きな重要な問題につきまして、総理としてはどういう基本的な理念のもとに司法改革が進められるべきか。そして、司法制度改革審議会にどんな理念のもとに改革の論議を進めてもらいたいとお考えなのか。その辺について、改革の理念、考え方、総理としてはどのように御認識をなされているのか、まずその点についてお尋ねをしたいと思います。

国務大臣
(小渕恵三君)
 まず、当院法務委員会におきまして、司法制度改革審議会設置法案並びに修正案につきまして熱心な御審議をいただいて おりますことを感謝申し上げます。

 ただいま千葉先生から基本的理念を問われましたが、司法は国民の権利の実現を図るとともに、国民の基本的人権を擁護し、さらには安全な国民生活を維持するなど、国民生活にとって極めて重要な役割を担うものであります。二十一世紀の我が国社会におきまして、社会の複雑多様化、国際化等が進むに伴いまして司法の役割はより一層重要となっていくものと考えられます。

 このような司法の果たすべき役割を踏まえ、国民がより身近に利用することができ、社会の法的ニーズに的確にこたえることのできる司法制度の改革に取り組んでまいりたい、基本的にこのように考えておる次第でございます。

千葉景子君  さて、このような司法改革に一丸となって取り組むにいたしましては、これまでの司法に関する財政的な面、特に予算はまことに貧弱と言って私は誤りないのではないか、そういう実態ではないかと思います。

 総理、平成十一年度の裁判所予算がどの程度のものか御存じでいらっしゃいましょうか。多分御承知のところであろうと思いますけれども、一般会計予算の総額が八十一兆余に対して裁判所予算は三千百八十四億円、その割合を考えますと〇.四%、こういう率でしかございません。

 そして、これは別に平成十一年度に特段低かったというわけではございませんで、これまでの裁判所予算の変遷を見てみますと、裁判所予算の一般会計予算に占める割合というのは、昭和三十年にはそれでも〇.九%ほどございました。しかし、それ以降だんだん減少の一途でございまして、昭和四十年には〇.八%、四十五年には〇.六%、そして五十五年には〇.四%に落ち込んで、それ以来ずっとこの状況でございます。ここに、これまでの残念ながら我が国の司法の貧弱さあるいは司法の本当に軽さみたいなものが象徴されているのではないかというふうに思います。大きな行政と小さな司法、こういう実態なのではないでしょうか。予算規模で見ますと、小さな司法、よく二割司法などと言われておりますけれども、むしろ〇.四%といいますと四厘司法、こう言っても差し支えない状況でございます。

 総理、こういう数字をお聞きいただきまして、裁判所予算をどういうふうにお感じになられますでしょうか。そして、今後国民がより利用しやすい司法制度を実現するためには、審議会の議論もこれは重要でございますけれども、やはりまずは私たちあるいは政府としてできること、あるいは取り組むことができる部分、そういうことには積極的に取り組んでいただきたい。裁判官の増員あるいは施設の充実などもすぐにでも着手ができる、そういう問題であろうというふうに思います。そういう意味では、裁判所予算の増額というのはもうどなたが考えても必要不可欠なものではないかと思います。私は、例えば少なくとも年々一%ずつはふやしていこう、これぐらいの具体的な御計画などをお持ちいただくとよろしいんではないかというふうに思います。

 そういう意味で、この司法予算、裁判所予算のあり方、そして今後の予算をやはりしっかり増額して司法の充実に努めていきたい、こんな総理の御決意のようなものがお伺いできれば大変うれしいというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。

国務大臣
(小渕恵三君)
 司法の機能を充実強化し、国民に身近な司法制度を実現するため具体的にいかなる施策をとるべきかについて、利用者である国民各層の声を広く聞く必要があると考え本法案を提出いたしたところでありますが、早急に必要な施策につきまして、審議会の審議状況等を踏まえつつ適宜適切に実施してまいりたいと考えております。

 司法の機能の拡充につきましては、政府としても予算等の面で最大限の配慮をしてきたものであり、今後とも適切に対処してまいりたいと考えておりますが、今、千葉委員御指摘のように、予算額の推移につきましてはお示しをされましたような数字でございます。裁判所あるいはまた法務省が国全体の中で占めてまいりました予算額そのものは、一応額としては数字的には伸びておりますが、委員今御指摘のように、パーセンテージ的にそういう数字になっておることにつきましては承知いたしております。

 そういう中でも、裁判官の増員等につきましてはそれぞれかなり増員をしておる数字は一応見えておりますが、現下、きょうは専門の先生方ばかりでございまして、私も司法全体を掌握しているとは思いませんが、なかなかスピーディーに裁判を裁判所が処理しておらないという一般国民の声も聞こえないではありません。そのよって来る原因がどこにあるかということについては、これからこの審議会等でも十分御検討いただくのだろうと思いますが、予算面といいますか、あるいは人員の面等でそうしたスピーデイーな裁判処理が遅滞をしておるということであるとすれば、これは今後こうした問題を一つ一つ取り除く努力をしていかなきゃならぬということは言うまでもないことだろうと思います。

 よって、そうした問題につきましてもぜひこの審議会におきまして十分な御検討をいただき、その御答申を得ながら、内閣としてなすべきことはいかなるものかという御提言がありますれば、それに対しては最善を尽くして努力をいたしてまいる。今の段階ではそのように御答弁させていただきたいと思います。

司法制度改革審議会設置法案への 対政府質疑 1/3
千葉景子君  総理に対する概括的な質問はさせていただきましたが、この司法制度改革審議会設置につきまして、ほぼ論議も終盤を迎えておろうかというふうに思いますので、残された問題等、法務大臣、そしてまた最高裁事務当局の方にもお尋ねをさせていただきたいと思います。

 先ほど、総理にも基本的な問題、基本的な考え方をお尋ねしたんですけれども、私は、今回の司法制度改革、この論議は、いわば経済界等の動き、これが大きなきっかけになりまして動き出したということにある意味では極めて特徴があろうかというふうに思っております。

 これまでも司法に対してはさまざまな改革の意見あるいは取り組みがなされてまいりました。しかし、政府がこぞって司法制度の改革、こういうものに腰を上げてきたということはございませんでした。経団連等いわば経済界あるいは経済的な要請、こういうものの中で司法改革というのが重い腰を上げ始めたということ、私は、これが本当にいいことなのか、あるいは非常に危倶をする面もあるのか、そんなことを感ずるところでございます。

 すなわち、経済の面でも、従来からの護送船団方式と言われるものから自由な競争、そして自己責任あるいはルールを重んじた社会に転換をしてきた。こういうことの中で、自由競争ルールに基づいて的確に進めて、そして、紛争があれば迅速に処理することが要請されるということは当然のことであろうかというふうに思います。そういう意味で、経済界からも司法の充実や強化、こういうものが要請されてきたということであろうかと思うんです。

 ただ、忘れてならないことは、やはり司法というのは、そもそも経済運営のために、あるいは経済の動きに合わせるために行われるわけではないことはもう十分大臣も御承知のところでございます。経済の場においても、公正なルールや法の支配というものが貫徹されるということは別に否定することではございませんけれども、それだけではない。やはり経済の変動の有無にかかわらず、司法がより一層充実をされ、そしてその役割を果たすこと、これは当然であり、その問題点というのは大変多岐にわたり多くあろうかというふうに思います。これまでにもそういうことが多々指摘をされてまいりました。

 また、経済がこのように自由競争が進むという中では、むしろこれまで以上に経済的な要請ではなく市民にとっての権利保障というのが重大になってくる。弱肉強食という社会になってはならないし、それから経済と市民生活、その間の情報の格差というのも大変大きいものがあるわけですから、規制が緩和されることによってより一層個人の権利、こういうものに注意を払っていくということが必要だというふうに思います。そういう意味では、一人一人の個人の権利、人権が保障されるということは、大きな経済の動き、社会の動きの中でもいわばセーフティーネットという役割を果たすのではないかというふうに思っているところでもございます。

 どういうきっかけでこの司法改革の論議が大きく踏み出されてきたか、これは別としても、審議会の議論がこういう基本的な視点を忘れずに活発に展開されることを私たちも望んでおります。それのみならず、立法府、これも先ほど触れさせていただきましたが、当委員会でも司法改革を専門的に論議をしようということで小委員会を設置するという方向も今進められているところでもございます。政府としても、審議会ができたのでそこにすべてをゆだねるということではなくして、これまで長年にわたっていろいろ指摘されてきた、あるいは今取りかかるべき課題については、やはり怠りなく積極的に取り組んでいくということが必要ではないかというふうに思います。

 特に、先ほどもどなたかが触れておられましたけれども、審議会も二年間という期間でございます。参考人からも多岐にわたる問題指摘もありましたが、二年間で本当にどうやって意見集約ができるのだろうか。社会のこれからのありようを本当に決めていこうというくらいの大仕事ですし、具体的な個々の問題を取り上げれば、これまでも一年、二年かけても解決し得なかったような課題がその中にたくさん盛り込まれる。こういうことになると、審議会も論議を進めていただく、しかしその一方で、国会も、そして政府としても、むしろ競争し合うぐらいの形で司法の改革というものに取り組んでいく、そういう姿勢がやっばり必要だというふうに私は思います。

 そういう意味では、審議会にもきちっとした理念のもとに論議をいただきたいというふうに思いますけれども、さらに、政府、法務省としても、そして最高裁としても改めて司法の充実、より一層の発展に向けた取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 まず、改めてということになって恐縮でございますけれども、これからの司法の充実に向けてどういう姿勢、どういう理念、考え方に基づいてお取り組みをされようとするのか。これは審議会ヘの期待もあろうかというふうに思いますけれども、みずからの姿勢として、どういうお考えのも とにこれから法務行政あるいは司法行政などを進めていかれようとするのか、それぞれ法務大臣、そして最高裁の事務当局にもお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 ただいま委員がお話しなさいましたように、司法というのは国民の権利の実現を図るとともに、国民の基本的人権を擁護し、さらには安全な国民生活を維持するなど、国民生活にとって極めて重要な役割を担っておるわけでございます。

 二十一世紀を目前に控えまして、ただいま社会経済、あらゆる面で複雑多様化し、国際化が進んでおりまして、そういう中で司法の果たすべき役割というのは一層重要になってきております。

 したがいまして、二十一世紀の司法がより国民に身近で利用しやすくするためにいかにあるべきか、その基盤なり整備の問題について早急に審議会で議論を深めていただき、方向を出していただきたい。二年間がどうかという問題はございますけれども、二十一世紀を目前にしておりますだけに、精力的にこれまでも議論されましたように国民の幅広い御意見を集約しながら方向づけをしていただきたい、このように願っておるわけでございます。

 そういうわけでございますけれども、私ども法務省といたしましては、審議会の結論を待って取り組むこともございますけれども、それを待たずに早急に必要な施策につきましては適宜適切に実施してまいりたい、このように考えておるところでございます。

最高裁判所長官代理者
(泉徳治君)
 改めて申し上げるまでもなく、司法制度は、市民の家庭関係や社会生活、経済活動等に伴い発生いたしますさまざまな法的紛争の予防と解決、権利の保護と救済を図るためでございます。したがって、国民生活あるいは社会の実態が変容すればそれに即して司法制度も改善するという努力を常に払っていかなければならないと自覚いたしております。裁判所といたしましても、その本来の使命であります適正、公正、迅速な裁判の実現のためにこれまでも着実な努力を重ね、国民の皆様方の一定の信頼を得てきたものと考えております。このような努力は、審議会の御審議を離れても続けてまいらなければならないと考えているところでございます。

 しかしながら、最近の経済を初めといたします社会情勢の大きな変動によりまして、法的な紛争が量的に増大したのみならず内容的にも複雑多様化しております。これを公正な手続でより迅速に解決してもらいたいという国民のニーズは一段と高まっておるところでございます。また、国際化の進展に伴いまして、裁判の適正、公正、迅速さといった面でもグローバルスタンダードという視点を抜きには語れなくなってきているわけでございます。現在各方面から寄せられております司法制度の改革の議論というものは、まさにこのような要望を反映したものであろうと考えているところでございます。

 二十一世紀を目前にいたしまして、我が国のさまざまな分野におきまして構造的な見直しが進められているところでございますが、このようないわば節目の時期に司法制度全体について総合的な見直し、改善を図るということは、まさに時宣を得たものと考えている次第でございます。

 最高裁判所といたしましては、個々具体的な事件の適正、迅速な処理を通じて、国民の権利を擁護し、法の支配を実現し、そして国際的に見ても遜色のない裁判制度をつくりたい、こういう目的を持っておりまして、そのような理念に立って司法制度改革審議会における審議に協力させていただきたいと考えている次第でございます。

千葉景子君  確かに、二十一世紀を目前にするこういう大きな時代の変わり目ですから、そういう時期をとらまえて、司法の分野でもやはりこの際改めて抜本的な見直しやあるいはこれからの方向性をこぞって考えていこうということは、そういう意味では私も理解をさせていただきます。ただ、この機会をとらえることはよろしいですけれども、これまで本当にもっともっとやれてきた部分、あるいは余りにも腰が重かった部分があったのではないか、こういう気がいたします。せっかくこういうチャンスを国民の側からも与えられたということでもございますので、そんなことをよくよく頭に置いてぜひ積極的な姿勢をお持ちいただきたいというふうに思います。

 そこで、先ほども総理にお尋ねしましたが、そういうことを考えるにつけ、やはり余りにも貧弱な予算ということを改めて感じます。総理も、とてもこれでいいとかあるいは十分だとはどうも思わなかったのではなかろうかと先ほどの御答弁ぶりから推測をさせていただくわけですけれども、こういう機会に司法の予算というものを運用している側としても積極的にやはり充実させていこう、こういう気構えも必要ではないかというふうに思います。

 この間の審議あるいは参考人等の御意見からも、少なくとも司法がもっと小さくてよろしいなどという意見は皆無なわけでございます。もうちょっと充実、そして容量も含めて大きくせいという意見こそあれ、小さくなってよろしいという意見はないわけでございます。もう繰り返しませんけれども、先ほど総理にもお示しをさせていただいた数字を考えますと、これは本当に残念ながら貧弱そのものと言わざるを得ないというふうに思います。額が多ければいい、金だけ持っていればいいということはございませんけれども、これから改革を進める、あるいは法務省も審議会のあれを待たずしてもやるべきことはやろうということでもございますので、やはり財政措置などについて積極的に物を申していくということが必要ではないかというふうに思います。

 裁判所の方も、どうもこれまで予算については極めて遠慮がちというか、まさに紳士的といえば紳士的なのかもしれませんけれども、どちらかといえば予算は分捕り合戦になるくらいなところ、余りそういう様子もございません。別にそれを悪いというわけではございませんけれども、せっかくこういう機会ですので司法の充実に向けたやっぱり財政面での積極姿勢、こういうものも求められるのではないかというふうに思います。

 法務大臣、これから少し、せっかく応援団がたくさんいるときですから、法務省の予算、それから裁判所も、裁判所に目が向けられる機会というのはなかなか少のうございますので、これもせっかくのチャンスでもありますから、やはり世界にも引けをとらない、そういう意味での予算について積極的な姿勢で臨んでいただく、こういうことをぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 ただいま委員から大変力強いお話を承りましてありがたく存じております。

 司法の機能の充実につきましては、政府といたしましても予算等の面で最大限の配慮をしてきたつもりでございますけれども、これからの司法の重要さにかんがみまして、今後ともさらに適切に対処してまいらなければならないと考えております。そして、そういう場合に、この審議会において国民的な論議が盛り上がり、御理解と御協力がさらに高まりますことを期待し、私たちもそれに向けて努力してまいりたいと思います。

最高裁判所長官代理者
(竹崎博允君)
 裁判所の役割と申しますのは、適正、迅速な裁判の実現ということでございまして、裁判所予算というのは全国の裁判所でこの機能が十分確保されていくということを担保するものでなければならないというように考えております。こういう観点から必要な予算の確保にこれまで努めてきたわけでございまして、こうした裁判所の果たすべき役割につきましては、先ほど総理の御答弁にもございましたように、政府から理解を得てきたものというように考えております。

 ところで、今回、司法制度改革審議会が設置されるに至りました大きな流れと申しますのは、今後の我が国における社会の複雑多様化あるいは国際化等の傾向の中で、司法機能を一層拡充し、国 民の利用しやすい司法を実現する必要があるということであろうと考えております。その具体的な方策につきましては今後の審議会の検討を待つことになるわけでございますが、いずれにいたしましても、そこでは司法機能の充実強化を図るための施策が提案されることになるであろうと考えております。私どもといたしましては、これらの施策を講ずる上で今後必要とされる予算につきましては、これを確保するように努めてまいりたいと考えておるところでございます。

 また、審議会の答申を待つまでもなく、司法予算の増額を図るべきでないかという御指摘でございます。

 予算は、申すまでもなく、具体的な施策の遂行に必要な事柄について確保すべきでございまして、一般的にはどういたしますということは論ぜられないわけでございますが、ただいま申し上げましたような審議会設置に至る経緯を踏まえまして、審議の状況等についても十分配慮し、適正、迅速な裁判を実現していく上で早急に必要とされる施策については必要な予算を確保するよう努めてまいりたい、こう考えております。

司法制度改革審議会設置法案への 対政府質疑 2/3
千葉景子君  今お話がございましたように、金だけあればいいというわけではありません。どういう施策のためにどれだけの予算が必要か、こういうことは当たり前のことでございますが、やるべきことは幾らでもあると言っては語弊がありますけれども、本当に必要なことというのは山積をしているわけです。施策がないところに金だけとってこい、決してこんなことを申し上げるつもりはございませんので、施策の推進とともに財政面での積極姿勢もぜひお持ちいただきたいということでございます。

 さて、審議会の方でもいろいろな御議論が今後あろうかというふうに思いますが、今申し上げましたように、それを待たずしても、そしてそれと並行しても必要なことは積極的に対応し、あるいは取り組みを進めていかなければいけない。

 そういう中で、二十一世紀、これも審議会の大きなテーマであろうかというふうに思いますが、やはり国際社会の中でも大きな問題というのは人権の問題、人権の充実ということが挙げられようというふうに思います。人権と環境の時代とも言われるくらいでもございまして、そういう意味では、これからの司法のあり方、司法の場で人権を保障し、そしてそれをさらに深化させていくためのさまざまな努力をしていくということも大きなテーマであろうというふうに私は思います。

 先般、この委員会でも外国人登録法などの議論をさせていただきました。これからの開かれた国際社会、そういう中で日本はどうあるべきかという議論もありましたし、それから規約人権委員会での日本に対するさまざまな意見、こういうものに対しても私たちがどう受けとめていくか、こういう議論もさせていただきました。

 やはりこれから人権の国際的な保護、伸長のためにさまざまな努力を日本もしていくということが必要であろうというふうに思います。そして、国際的な人権の水準、国内でも私たちがそれにできるだけ沿う社会を率先してつくっていく、あるいは国際的な取り組みに日本がリーダーシップを発揮していく、こういう面では司法というものがそれの後ろ盾になっていくということが言えようかというふうに思います。

 また、とりわけアジア諸国との中でも、例えば日本がアジアの中で人権意識の啓蒙に努めていくとか、それからヨーロッパなどでもございますが、人権保障のためのシステム、機構、こういうものなどを日本が提唱するなどして進めていく、こんなことも今後求められていくことではないかというふうに思います。

 二十一世紀の司法ということを考えるに当たって、国際化、国際的な対応、こういうことをどうお考えになっておられるか、そしてまた具体的にどんな取り組みをされようとしているのか、法務大臣にお尋ねをしたいと思います。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 お尋ねの点で、法務省は従来から、刑事面では法務省所管の国連アジア極東犯罪防止研修所におきまして、既に三十七年間にわたりましてアジア太平洋諸国の刑事関係実務家を対象とした研修を実施しております。さらに、入国管理や矯正関係に関しましても法務省において国際研修を実施しているところでございます。また、平成六年度からは、刑事分野のみならず、民・商事の分野等における法制度の整備に関しましても、外務省及び国際協力事業団等関係諸機関との綿密な連援協力のもとで、アジア太平洋諸国に対する法制度整備のための支援を行っておるところでございます。

 これらはいずれも人権擁護というものをベースに踏まえながら行っているというふうに考えているところでございまして、今後とも、人権保障を含め法整備支援体制を一層強化するなどいたしまして、できる限リアジア太平洋諸国の法的インフラ整備に貢献してまいりたい、このように考えております。

千葉景子君  努力をされておられることについては私も承知をさせていただいておりますが、ただ、これまでの国際的な社会から眺めている日本というのは、どうも閉鎖的であり、そして人権条約はさまざま締結いたしておりますけれども、なかなかそれに沿った国内的な対応がされていないのではないかといろいろな指摘もされてきたところでもございます。

 そういう意味では、今大臣がおっしゃられましたような努力は当然のことながら、国際的な人権というものにさらに目を向けていただき、そして国際的なさまざまな指摘などにも謙虚に耳を傾けながら、むしろ日本は世界の人権リーダー国だというぐらいに努力をいただくことが二十一世紀ヘ向けたまず大きな第一歩ではないかというふうに思います。これは私の希望ということでお聞きとめいただきたいというふうに思います。

 さて、今回の改革の中でどこからも指摘をされておりますのが司法の量と質の拡大です。これはどなたも否定されるものではなく、指摘をされているところでございます。

 これは、審議会などで今後どういう形で容量の拡大などをしていこうかという議論を進めていかれるでしょうけれども、これはある日突然ばんとふやすことができる問題ではありません。これまでもそうかもしれませんけれども、きょうからでもより一層、質、量をできるだけ前進させていくような努力を不断に続けていく、こういうことが必要であろうというふうに思います。

 そういう意味で、裁判官の任用について改めていろいろな抜本的な改革が必要となってくるのではないかと思いますが、その中で、質そして量、こういうものを考えたときに避けては語れないのが法曹一元という問題であろうというふうに思います。これも本当に長年語られ、そして議論されてまいりました。決して今度の審議会で初めて議論が始まり、そこで突然びっくりするような結論が出るという問題ではなく、私はこれまでの議論の積み重ねの上に立って語られる問題であろうというふうに思います。

 この法曹一元、私はこれを今度の大きな改革のテーマに据えて、そしてその方向性を出していくべきものではないかというふうに考えておりますが、大臣はこの法曹一元という問題について、どのように御認識され、そしてこれからの進展あるいは推進方についてどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 法曹一元制度につきましては、司法制度の改革に関する各界の提言中にもこの制度につき言及するものが少なくなく、司法制度のあり方についての一つの考え方として広く国民の意見を踏まえて議論される必要があると考えております。昭和三十七年に設置されました臨時司法制度調査会におきましてもこの問題が議論されたわけでございますけれども、今度の審議会においても重要な審議のテーマの一つだと思っております。
千葉景子君  先ほどから話にも出ておりますように、逆に考えれば二十一世紀の司法は、多様化、そしてさまざまな専門性あるいは情報化、国際 化、こういう中でやはり裁判官などが幅広い社会的な経験やあるいは見識を持ち、そして適切な公正な判断をしていくということが極めて私は必要なことであろうというふうに思います。

 そういう意味では、法曹一元、法曹資格を弁護士として持ち、そしてその経験を踏まえて裁判官として任用されていくという考え方は、私は非常に時宜を得た、そしてこれからにふさわしい考え方ではないかというふうに思っています。決してこれまでの裁判官がそういうものを持ち合わせていないとか、あるいは非常に判断がおかしかったということを別に申し上げたいわけではないけれども、さらに社会がそういうものを必要としてくる、こういうことではないかというふうに思います。今後この委員会あるいは審議会などでも議論が進んでいこうかというふうに思いますけれども、ぜひそんな視点を大臣にもお持ちいただきまして、議論を積極的にサポートしていただきたいものだというふうに思います。

 この制度といいますか考え方、これも一気にできることではございません。できるだけこういう幅広い人材を、そしてできるだけ数もふやしていこうということになりますと、当面すぐにでも取りかかれる幾つかのことがあるのではないかというふうに思います。

 私も当委員会で何回か指摘させていただいたことがあろうかというふうに思いますけれども、例えば非常勤の裁判官制度。今、弁護士からの任官というものも制度としてとられております。しかし、なかなかやはり一気に任官をするというところまでには至りにくい。だとすれば、非常動で経験豊かな人が裁判官として一定の役割を担うということなどは、柔軟にできることではないかというふうに私は思います。

 それから、場合によっては、これは私も物の本などで読ませていただいたりしましたが、アメリカなどでも、一定の年齢でどうしても定年というものがございます。ただ、日本も非常に寿命が長くなりまして、定年時というのはまだまだ実務者としても大変お元気で豊かな見識をお持ちだという時期でもございます。定年という問題をすぐに変えるわけにはいかないとすれば、定年後の裁判官を一定の部分、一定の事件とか一定の職務についていただいてその経験などを生かしていただく、そして裁判のスピードアップにもつなげていくことも可能ではないかというふうに幾つかの私の乏しいあれから考えているところでございます。こういういろんな工夫などもやって、これは議論をまつまでもなく、だれもが別に否定をしたり、あるいはけしからぬと言う問題ではないというふうに思います。

 その点、こういういろいろな司法のすそ野を広げていく、できるだけ裁判の容量をふやしていく手だて、こういうものについていかがお考えでしょうか。

政府委員
(房村精一君)
 ただいま委員から御指摘のありました非常勤裁判官の制度あるいは定年後の裁判官の活用というものも、その具体的な内容が必ずしも明確でない点もあってお答えしにくい点もございますが、裁判官につきましては、国民の権利を左右する、あるいは場合によれば生命すら左右するという非常に重要な職責を担っておりますので、その職貴の重要性にかんがみまして憲法上も身分保障その他詳細な規定が設けられております。そういう裁判官の役を果たす者について従来の制度と異なる新しい制度の導入を検討するということになりますと、これは非常に慎重な検討が必要になるのではないかというぐあいに考えております。
司法制度改革審議会設置法案への 対政府質疑 3/3
千葉景子君  やはり裁判官というのがそれだけ独立性を保障され、そして身分も保障されて、それだからこそ公正で適切な役割を果たし得る、こういう仕組みになっていることは当然でございます。ただ、むしろ今求められていることは、そういうことは当然のこととして、できるだけすそ野を広げ、そして市民とのすき間も減らし、スピーディーに裁判を進めていくということでもございますので、その原則を壊すことなくいろいろな知恵を働かせるということは、私はできるだろうし、そしてそれがやはり政府あるいは法務省としての役目ではないかというふうに思うんです。審議会などでも議論があろうかと思いますけれども、ぜひそんなことにもいろいろな知恵を働かせていただきたい。ただ待っていて結論が出てからやるということではない課題であろうというふうに思います。

 それから、これも多くの参考人などからも御意見がございました。やはり司法への市民参加、これが大変重要な課題だということも指摘されてきたところです。ちょっとこれは半分からかい加減もあるのかもしれませんけれども、逆に裁判官の市民社会へのもっと参加ということが必要なんじゃないか、あるいは市民的な自由、こういうものももっときちっと保障することで市民との距離を結めていく、そして市民の生活にのっとった生活感のある裁判というものを進めるべきであるという御意見すらあったところでもございます。

 そういう意味で、司法への市民参加という問題は、これも多分審議会でも大きな議論、問題点になるのではないかというふうに思います。

 その大きなポイントは、陪審あるいは参審と言われるような形で司法に市民が参加をする形、こういうものが当然頭に浮かんでくるところでございます。これについては、これからこの委員会などでもむしろ時間をとって議論すべきことであろうというふうに思いますので、きょうここですぐにお答えを出していただこうということは私も求めるわけではございませんけれども、やはり市民が裁判に参加をする道というのもそろそろ準備を始めてもよいのではないかというふうに思います。

 私は、この議論が煮詰まって、例えば審議会などでも陪審というものを、これは新規に入れるということではなくてある意味では制度的には復活させるということかというふうに思いますけれども、そういう議論が進んできた、そうなって、さあ、いざとなってどんとスタートしよう、これも大変なことでございます。なかなか市民にとっても経験をしていないことでございます。

 これは私もどうやったらいいものかというのをすぐに思いつかないんですけれども、例えば法務省が、あるいは裁判所などと協力し合いながら司法への市民参加、陪審などの模擬的な法廷、そういうものを開いて、多くの市民の皆さんにも、実際こういうものですよ、こういう法廷になります、どうでしょうかと、むしろ率直に問いかけてみる。そして、市民も一回体験をしてみて、なるほど、これは自分たちも責任を持って司法にかかわれるし、そんなにびくびくしないで大丈夫なことだというようなことも経験をする。

 やっぱりいざとなったときにどんといっても大変ですから、こういうことも含めてむしろ審議会の議論を進める上でのいろんな情報、条件を整えていくということも役割ではないかというふうに思います。

 そういう意味で、陪審や参審ということをぜひもっと身近な問題としてとらえていく必要があるだろうというふうに思います。検察審査会という制度がございまして、私も何回かいろいろな機会に話を聞かせていただきましたが、大変市民が責任を持って、そして積極的にその役割を果たしているという、これは裁判ではありませんけれども、こういう経験もあるわけです、私たちの社会には。

 今、司法がどうも市民から遠い、そしていろいろな問題について裁判所の中だけでどうも物事が進められているということに対する違和感、こういうものがあるわけですから、ぜひこういう陪審、参審、市民参加ということについて積極的な何か条件整備とか、あるいは多くの国民が考え得る土壌というものを今こそつくるべきではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。少し大臣としてのお考え方などをお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣
(陣内孝雄君)
司法をより国民に身近なものにしていくという観点から、委員御指摘の 陪審・参審制度の導入というのは一つのあり方だと思っております。

 この陪審、参審という言葉については国民の方々もよく御存じと思いますが、その内容等につきましては、今委員がお話になりましたように、中身については必ずしも十分な理解が行き届いているとは思わないと思います。きょうあたりも某新聞は大きく取り上げておりますけれども、やはりこの制度を実行していく上には国民の責務というものあるいは義務というものを本当に果たしていっていただけるのかどうかとか、裁判制度に対する国民の考え方がどういうものなのか、長い我が国の裁判制度になじんでおる国民として陪審・参審制についてどういう考え方をお持ちなのか、いろいろ考えてみると難しい問題があろうかと思います。

 また、裁判所の施設整備の問題もあわせてやっぱり必要になってくると思いますので、そういったものをそれぞれわかりやすい形で国民の皆様に理解していただく中で、こういう制度が国民の大方の考え方としてどういうふうに認識していただけるのか、こういうものを見きわめていく必要があろうかと思っております。

 いずれにしましても、今度の審議会で取り上げる大きなテーマとなると思いますので、その審議の実が上がるようにいろいろな工夫が必要かと思っております。

千葉景子君  おっしゃるとおりだと思います。何も情報がなくて、あるいは経験とかそういうのがなくて、国民がどう思っているか、意識といってもこれはなかなかわからない。知らないものは、いや、やっばりという消極的な姿勢になりかねない。こういうことでもございますので、そういう情報とかあるいは実情などをわかりやすく提供して、そして審議会の議論などにもそれを生かしていくということなどにぜひ努力をいただきたい、こういうふうに私は考えているところです。

 それから、ちょっと私、先ほど予算のところでもう一点お尋ねするつもりでおりまして忘れましたので、ここでお聞きいたします。

 予算をできるだけ充実させていくという中で、法律扶助の制度がございます。これは今、日弁連なども主体的に取り組みまして、そして財政的にもこの間大分厚い補助などを出していただくようになってまいりました。しかし、これはやはり国民が裁判を受ける、そういう権利を実質的に保障していくという意味では大変重要なポイントであろうというふうに思います。そういう意味では、これをできれば法的にきちっと位置づけ、整備をして、そして国民に対するサポート、法的サービスが十分にできるような体制を整えるということが必要ではないかというふうに思いますが、この点についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。

 それから、その中で被疑者の弁護とかについても、これから公的にという議論などもございます。ただ、被疑者の方もそうなんですけれども、もう一つ、少年の付添人、こういうところにもやはり十分なサポートが必要であろうというふうに思うんです。

 この間、いろいろな問題がありまして、どうしてもやはり少年事件に付添人なくして本当の意味での少年の問題というのは解決し得ないという状況もあり、この法律扶助という中で付添人などにも十分な扶助なりができるようなことを積極的にしていく必要があろうというふうに思いますが、これらを含めて、市民の実質的な裁判を受ける権利、こういうものの充実という面で大臣のお考え方をお聞きしておきたいというふうに思います。

国務大臣
(陣内孝雄君)
 法律扶助制度につきましては、これはもう御案内のように、憲法二十二条に定める裁判を受ける権利を実質的に保障するという理念のもとに充実が図られてきた重要な制度であると認識しております。そして、委員御指摘のとおり、この制度の一層の充実強化を図っていくということは、司法を国民に身近で使いやすくするという観点から、我が国の司法制度にとって喫緊の重要課題であると認識しております。この制度につきましては、法律扶助制度研究会が平成十年三月に取りまとめました研究成果などを踏まえながら、関係機関とも協議し、法制度を含めてその一層の充実発展に努めてまいりたい、このように考えております。

 また、少年事件における付添人の扶助についてでございますけれども、この問題につきましては、今国会に提出しております少年法等の一部を改正する法律案におきまして、少年保護事件において審判に検察官が関与する場合に、少年には、弁護士である付添人がないときは弁護士である国選付添人を付すこととしております。それ以外の付添人に対する国庫金支弁に関しましては、少年審判における国選付添人制度のあり方などとともに付添人制度全体の中での検討が必要である、そのような問題であると考えておるわけでございます。

 なお、もう一点、被疑者に対する公的弁護制度の問題でございますが、被疑者段階の弁護に関する国庫金支弁の問題に関しましては、法務省としても種々の角度から研究を続けているところでございますが、これについては、捜査手続への影響など刑事司法手続全体の構造との関連、適正な被疑者弁護活動のあり方、国の財政負担との関係、国民の理解、弁護士偏在など、さまざまな角度から検討が必要とされる問題である、このように考えております。

千葉景子君  時間がもうそれほどありませんので、私も、今司法に求められている、そして審議会でも当然いろいろ議論されているであろう問題、多分重なり合って多方面で議論されていく課題であろうというように思います。きょう御指摘をさせていただいた、あるいは大臣の御意見をお聞きしたのはほんの一部でございまして、考えてみると、これだけいろいろな課題、そしてそれをトータルとしてこれからの司法どうあるべしと、私も二年間で本当に十分な議論を尽くせるのかなという感じがするわけです。

 ただ、そういう意味で、私が言いたいのは、審議会では、例えば先ほど言ったこれからの裁判官の任用のあり方、法曹一元とかあるいは司法への市民参加、陪審とか参審、こういう大きな柱でどんと議論をいただいて、そしてそれに付随をするわけではありませんが、本当に日常、日に日に改革をしていかなければいけない幾つかのこと、今指摘させていただいたことも含めて、この委員会、あるいは法務省、最高裁、そういうところでこぞって、論議をまつまでもなくどんどん進めていく。こういうくらいのことがないと、審議会の方も、どっとお店は開いちゃいましたけれどもということになりかねない。そして、個々の問題は審議会を待ってからといってテンポが遅くなっていく、こういうことにもなりかねませんので、ぜひそんな懸念のなきように、大臣にもそういうリーダーシツプを発揮していただきたいというふうに思っているところです。

 そこで、もう最後になろうかというように思いますが、この法案で、もう皆さんからも、事務局の任命について遺憾なきようにする、あるいは情報の開示などをしっかりとするようにという話もございました。私もそのとおりであろうというふうに思います。この委員会との関係なども御指摘がありました。

 そこで、私は、こういうことはできないだろうかと。多分お答えはできないだろうというふうに思いますので、御感想ぐらいお聞かせいただけたらというふうに思うんです。

 委員を両院の同意のもとに任命するということになるわけです。先ほど大森委員の方からも、女性の割合をきちっとせいということもあり、私も本当にそのとおりであろうというふうに思います。この委員会と相反目する問題ではありませんし、十分な連携を図りながら議論していくという意味で、その任命について、私たちも責任を持って同意させていただくということになるわけですので、こういう皆さんに委員をしていただきたいということがありましたらば、例えばこの委員会で意見の陳述をいただくとかお考えを御表明いた だいて、なるほどこういう皆さんに審議会で一生懸命議論していただくんだということなどを私たちも十分知った上で責任を持って議論をゆだねていくというようなこともできたらなというふうに思います。委員の皆さんに質疑に応じていただくということはなかなか難しい面があろうかと思いますけれども、こんなお考えの方だ、こういう幅広い御見識のもとに議論をしていただくんだということなどが私たちにもわかると大変うれしいなというふうに思います。

 そんな意味で、ぜひそんな機会をつくることができたらなと思いますが、大臣、お答えというわけにはいかないかもしれません、これはこちらの委員会の問題、国会の問題でもありますので。ちょっと御所見、御所感などがございましたらお聞かせをいただければというふうに思います。

政府委員
(房村精一君)
 委員の同意をお願いする立場からということでちょっと発言をさせていただきます。

 基本的に私どもとしては、この審議会の委員として国民的見地に立って審議をしていただくにふさわしい方を選考いたしまして御同意をお願いするということになりますが、その御同意をいただくに当たって、国会でどういう形で行うかということについて、お願いをする私どもの立場から御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたい、こう思っております。

千葉景子君  大臣、何か御感想がありましたら。
国務大臣
(陣内孝雄君)
 先ほど総理も、ふさわしい方を、皆様方に御理解いただける方を選ぶということをおっしゃっておりました。そういうものを国会の同意の中でひとつまたお決めいただければありがたいと思っております。
千葉景子君  それは私どもでまた考えさせていただくことにいたしましても、本当に幅広いいろいろな角度から、そしてそれを受けとめて運用していくのはやはり司法関係者ということになりますので、そんなことも多角的に考えていただきまして、ぜひ適切な委員を任命いただきたいものだという希望を申し添えておきたいというふうに思います。

 時間が多少ございますけれども、私の方からはきょうはこの程度にさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。



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