| 千葉景子君 |
時間が限られておりますので、次の問題に移らせていただきます。
周辺事態法での地方公共団体あるいは民間の協力、この課題について何点かお尋ねしたいというふうに思うんです。
よくわからないんですけれども、日本の安全保障というような問題について、国が基本的にはそれに対して責任を負っているというのは当然であろうというふうに思います。それにプラスして地方公共団体が日本の安全保障という問題に法的な責任を負うということは、これまでの制度、法体系といいますか、そういう中ではほとんど考えられないことでございます。私がわかる範囲では、自衛隊法で協力要請といいますか、地方公共団体が協力するということが一つございます。そのくらいかなということです。あとは、自主的にいろいろな面で協力をしているということはあろうかというふうに思うんですけれども、今回のこの法案では、ある意味では安全保障について地方公共団体も応分の法的な責任を一緒に負えということを意味しているのではないかというふうに思えるんです。これまでの議論の中でも、義務ではない、あくまでも協力を要請する、拒否もできる、しかし正当な理由がないとできない、あるいは協力はしていただけるものと思うと。いわば安全保障を地方公共団体も国と一緒になって責任を負うていく、どうもこういう構造に思えて仕方がないわけです。その割にはどういう責任を果たすのかというところが明確になっていない。
幾つかの例は示されました。しかし、それに対して本当にどれだけ責任があるのか、本当に断り切れるのか、こういう問題もございます。地方公共団体や民間への協力を求めること、これは一体どの程度重い責任を負わせようというのか。それとも、本当に協力してもらえばいいんです、もし難しければお断りいただいて結構です、こういう考え方なのか、国と地方公共団体がこの安全保障あるいは周辺の事態ということに対してどうお互い責任を分かち合っていくとお考えなのか、その辺の基本をちょっとお尋ねしたいと思います。
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国務大臣 (小渕恵三君) |
地方公共団体や民間の協力につきましては、直接国民の権利を制限し、また新たに義務を生ぜしめるものではないことは申し上げておるところでございまして、現行法令の枠内で可能な協力を求め、または依頼するものでありまして、強制されるものでないこと等から、国会承認にかからしめる必要はないとの判断がなされたものと理解しておりまして、政府としてもそのように考えておるところでございます。
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| 千葉景子君 |
少しそうすると具体的にお聞きをしたいと思いますが、九条の一項では、法令及び基本計画に従い、必要な協力を依頼することができる。ここで言う法令に従うということはどういうことを意味しているのでしょうか。
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国務大臣 (野田毅君) |
この第九条第一項、ここで言います法令、この点については、それぞれ例えば個別に地方公共団体の管理する例えば港湾ということであれば、港湾法なりそういった法令があるわけであります。そういう法律に基づいて適正な管理をしていただく、そういう管理する権限、その権限の行使をしていただくことについて関係行政機関の長から地方公共団体の長に協力の求めを行う、こういう枠組みになっておるわけであります。
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| 千葉景子君 |
これについては、港湾の施設の利用、それから空港、これは例えば港湾法とか航空法、こういうものに基づくということは言えると思います。さらに、建物、設備の安全を確保するための許認可ということになりますと、これは具体的にはどういう法律になりますか。
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国務大臣 (野田毅君) |
例えば消防法であったり、あるいは建築基準法であったり、それぞれの法令に基づく許詔可等の行為があるわけであります。つまり、その権限の行使について協力を求めるということが第九条一項に規定する法令という内容であると考えております。
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| 千葉景子君 |
これは、この質問の中でも皆さんからも指摘をされていたと思いますけれども、やはりこれはきちっと、一体どういう法律でどういう許認可について協力を求められるのかということを具体的に、例えばすべて網羅をして自治体などにも示す、あるいは説明をするということが必要だろうというふうに思うんですね。それはいずれきちっとしていただく。
そして、これはいわば拒否をすること、断るということはできるんですか。
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国務大臣 (野田毅君) |
たびたびこれは申し上げておりますが、この点につきましては、いわゆる一般的な義務規定ということでございまして、この第九条に基づく協力の依頼があった場合、もちろんそれはこの周辺事態という措置の緊要性、それからその自治体の長の持っております権限の公共性、あるいは他に代替手段を求めるということは極めて難しい、そういう環境の中でその権限の行使を求めるわけであります。
そういうことを前提としての協力の求めではありますが、基本的に正当な理由がある場合には拒否することができるということはたびたび申し上げておるわけでございまして、これに対する強制的な措置、制裁的な措置ということは本法律では規定をいたしておりません。
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| 千葉景子君 |
正当な理由というのは、別にその法令に書いてあるわけじゃないんですね。物理的に設備がもういっぱいで使う余地がないというようなこともこれまでも例に挙げられました。
その正当な理由というか、断れる理由というのは、だれが判断をするんですか。自治体の側で、これは難しい、法律にのっとっても断らざるを得ない事情だということになれば、これは拒否をできるということになるんですか。それとも、政府の側が、いや、これは正当な理由でない、むしろ協力を受諸せいという権限を持つんでしょうか。そこはどうですか。
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国務大臣 (野田毅君) |
正当な理由があるか否かというのは、個別具体の事例に即して考えなければならぬと思いますが、この法案第九条第一項に基づく協力の求めを受けたということを前提としつつ、その権限について定められた根拠となる個別法令に照らして判断がなされることになると考えております。
では、その正当な理由があるか否かの判断をだれがするか、こういうことでありますが、その法令に基づき、地方公共団体の長がまず第一義的には判断をすることになると考えられます。その判断が正当であるか否かということにつきましては、その法令に基づいて客観的に判断がなされるべきものであるというふうに考えます。
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| 千葉景子君 |
最終的にはだれが決着をつけるのかちょっとはっきりしないんですが、二項で、「関係行政機関の長は、法令及び基本計画に従い、国以外の者に」、これは民間などもかかわるわけ
ですけれども、「協力を依頼することができる。」、ここで法令に従いというのは、どういうことになるわけですか。
例えば民間に物資の移送などを依頼する、協力を求めるということになるんですけれども、法令に従い、基本計画に従うことは当然だと思いますが、法令に従いというのはどういう法令を考えているのでしょうか。
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政府委員 (伊藤康成君) |
九条二項につきましては、今、先生御指摘のとおりで、国以外の者ということで広く民間の方、もちろん地方公共団体も入るわけでございますが、そういう方々に協力を依頼するということでございます。
この場合の法令と申しますのは、その内容によっていろいろあろうと思いますが、それぞれ、例えば安全関係の法令ですとか、あるいは給水などでは水道法とかそういうものがあるわけでございまして、そういった法令の規定を遵守しながらお願いする、こういうことでございます。
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| 千葉景子君 |
そうすると、この法令というのは、協力義務といいますか、それを根拠づける法令ではなくて、その行為を行うときに遵守すべき法令という意味ですか。
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政府委員 (伊藤康成君) |
九条二項は、これまでたびたび御説明申し上げておりますが、基本的に義務とかそういうものではございませんで、あくまで依頼ということでございます。
したがいまして、正当な理由とかそういうことではございませんで、受けるか受けないかはいわば相手方の自由と、こういうことになるわけでございますので、したがいまして、その法令も当然のことながら義務規定その他のことを念頭に置いているわけではございません。
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| 千葉景子君 |
協力をするために行う行為が法令に従って行われるなんというのは当たり前のことだというふうに思うんですね。わざわざ法令に従って協力を依頼することができるという文言になっているわけですから、どうもこの辺もわかりにくい。
この自治体の問題というのは、先ほど言ったように、それだけの責任を負担する、あるいは民間もそれに協力をして安全保障という問題に一翼を担っていくというような問題ですから、やっぱりここを明確にすること、それから、十分にどういうことに対して責任を負い、どこまで義務があるんだというようなことをもっと明確にする必要がある、説明をする必要がある。それがないことには、どうもそこには不信感とそしてまたそれじゃちょっと納得し得ないという声が出てくるのも当たり前だというふうに思います。
時間が残されてはいるんですけれども、本会議の時間ということでございますので、残った問題、また機会がございましたらお尋ねをさせていただくことにして、私の質問はこれで終わらせていただきます。(拍手)
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