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情報公開制度成立に向けて質疑 [総務委員会] (1999.3.11)

行政情報公開法案についての質疑(3月11日) 1/3
千葉景子君  先般はこの委員会で趣旨説明のなされる前でございましたので、一般的な質疑ということで全般的な議論を多少させていただきました。その際にもお聞きをさせていただきましたが、きょうはまず文書管理について多少細かくお尋ねをしたいというふうに思います。

 この情報公開制度が十分に機能するためには文書管理、文書がきちっと存在をしているということが必要不可欠な条件でもございますし、いわば情報公開制度と文書管理は表裏一体のものであると言っても過言ではないと思います。

 そこで、まず現在の文書管理の現状についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。

 私も、文書管理についてどうなっておるのかというので多少調べさせていただきました。なかなか公表されている文書管理規程のようなものというのは意外と少ないものでございまして、とりあえずというか、 一応手に入れさせていただきましたところには総務庁のものとか、それから建設省、自治省、農林水産省などの文書管理規程がございます。今、文書管理規程をきちっと持っている省庁あるいは持っていない省庁、実情はどのよ うになってございましょうか。

政府委員
(瀧上信光君)
 各省庁の文書管理規程につきましてでございますが、すべての省庁におきまして訓令の形式で規定をされております。文書管理規程のない省庁はないというふうに考えております。
千葉景子君  なかなかどのような内容なのかというのは私たちも十分にわかりにくいんですけれども、全部の省庁で訓令という形で文書管理規程を持っているということと受けとめさせていただきます。

 その内容ですが、私の手元のその四つを大枠ざっと拝見をした限りでも必ずしも統一されているものではなく、かなりいろいろなバラエティーに富んでいると言ってはおかしいですけれども、そういう状況でございます。その具体的な内容などについてはどのように把握をされ、そしておおよそどんな内容でまとめられているというふうに御承知されていますでしょうか。

政府委員
(瀧上信光君)
 各省庁の文書管理規程の主な内容でございますが、この文書管理規程の対象となります文書の範囲、それから文書管理責任者の配置、それから決裁簿等の管理帳簿の整備、そして決裁、供覧等の手続、それから保存期間、区分の設定、こういったようなものが主な内容となっております。
千葉景子君  私も見ましたら、中には決裁印の大きさとかあるいはどういうものかという図面までついているようなものもあれば、文書の保存期間などでもかなり幅広い、それぞれの省庁による規程になっているように思います。

 今回の法案では、行政文書の管理というのが第三十六条に規定をされております。そういう意味では、やはり情報公開制度のもとでは文書管理というのが大変重要であるということをある意味ではきちっと明らかにしているものというふうに思われます。ただ、これから文書管理を考えますと、現在それぞれ訓令で文書管理が行われているというそれだけで本当に十分なのかどうかという ことを考えますと、私はいささかこれだけでは十分とは思えない。

 例えば、これまでの文書管理、訓令においてどういう趣旨でこの文書管理がなされているかということで目的規程を見てみますと、ほは、この文書管理というのはその省庁の内部での統一的な基準を定めることによって事務の適正かつ能率的な遂行とか事務の効率というような側面を基本にして文書管理がなされているということになります。

 やはり、これから情報公開制度が確立をされ、そして情報は国民がこぞって手にすることができるものだという原則に立って考えますと、文書管理というものも、事務の効率化などを否定するわけではありませんけれども、やはり情報開示をする、それをもって国民に十分に理解をしてもらう、こういう目的というものがこれから明らかにされ、それに沿った文書管理というものがなされる必要があるというふうに思いますけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。

国務大臣
(太田誠一君)
 今回のこの法案が可決、成立をした段階においては、文書管理に関する考え方は変わってくるものと思います。したがって、これが公開されるということを前提にして文書管理が行われるということになりますと、目的に書くかどうかは別として、その内容は変わってくるものと思っております。
千葉景子君  今、この法律が成立すれば文書管理もこの法律の目的に沿って変わってくるものだと。だとすれば、やはりこの際、この文書管理について明確に、どの省庁でも統一できるような、そして開示を求める側も、いざというときにどういう文書があり、どう保存されているのかということがきちっとわかるような形で統一した文書管理システムというようなものが求められてくるのではないかというふうに思います。今のままですと、この役所に行くときにはこういうやり方になっている、これでは文書を求めるというときに大変不都合が起こるのではないでしょうか。そう いう意味では、統一したシステムを法的にきちっと担保しておくことが必要なのではないか。

 この法律でも、三十六条によると、これが一つの根拠規定にはなろうかというふうに思いますけれども、その内容についてはほ政令に包括的な委任がされているという状況でもございます。

 やはり、法律の面できちっと裏づけをしておくということが必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

国務大臣
(太田誠一君)
 この政府の案では、三十六条において文書管理に関する基本的な骨格というものを定めているわけでございますが、政令で、政令はつまり内閣全体としてこういう事項について盛り込みなさいということを統一的に決めて、そしてそれを今度は各省段階でそれに基づいてこういうふうにして文書管理をしますという行政文書の管理に関する定め、ルールをそこでつくるわけですね。恐らくこれは訓令になるんだと思いますが、訓令は大臣の命令でございますから、大臣がその省内に対してそういう命令を確定するということでございます。

 そして、それを公開して、公開されれば国民は並べてそれを見ることができるわけでございますから、その過程で当然世論の批判も受けたりするわけでございますから、試行錯誤的に統一的なものに向かっていくだろうというふうに考えているわけでございます。

千葉景子君  今のお話ですと、法律で具体的に内容を担保することがなくとも、政令という中で内閣が一体となってその内容について統一した基準をつくり、そしてそれに従って各省庁が規定をつくっていくということのようでございます。

 その際に、やはりここには具体的には記載がなされておりませんので、政令を内閣で取りまとめられる際には、少なくとも文書の作成、保管、保存についてそれが義務であること、義務規定を明確にすること。それから、系統的にどこの省庁でもそろうような分類のシステム、それを義務化すること。あるいは、管理状況を国民にもわかりや すく、例えば定期的に報告をする。そして、第三者的といいますか、情報の管理について監視できるような機関なり制度、こういうものを盛り込む。こういうことなどを最低限政令できちっと取り決めた上で文書管理を進めていく必要があるかと思いますが、これらの幾つかの課題について、それを盛り込んだ政令をおつくりいただくということを確約はいただけますね。

政府委員
(瀧上信光君)
 ただいまの情報公開法の三十六条の規定に基づきます各省庁の文書管理の定めの共通的な事項を定めます政令、この中に盛り込みます具体的な内容としまして今の段階で考えていることを申し上げますと、この法律では、政令では行政文書の分類、作成、保存及び廃棄に関する基準その他行政文書の管理に関する必要な事項について定めるということになっております。行政文書の分類につきましては、行政文書を体系的に管理し迅速に検索できるようにするため系統的かつ具体的な文書分類を設定すべきこと、それから行政文書の作成、保存に関する責務の明確化、それから行政文書の種類、性質等に応じた基本的な保存期間基準の設定、それから行政文書の廃棄手続、廃棄の記録の明確化、それから管理及びチェックのための体制の整備と明確化、それから行政文書の所在を的確に把握、管理するための台帳等の整備等々を考えておりまして、こういった課題につきまして政府部内で現在実態等を踏まえつついろいろな検討を進めているところでございます。
千葉景子君  おおよそこの法律は施行まで二年ということになっております。私はそれが大変長いというふうに思います。だとすれば、情報の管理についてのシステムというのはもう早急に取りかからなければいけないということになりますが、これについて現状、進捗状況、あるいは今後どのぐらいの期間で政令を定め、そして各省庁がそれに基づく規則を設けることになるのか、その見通し、予定をお聞かせください。
政府委員
(瀧上信光君)
 情報公開法案が成立をいたしましたら、この法律の規定に基づきましてできるだけ速やかに行政文書の管理に関する体制づくりということに努めてまいりたいと考えておりますが、今具体的にいつということはちょっとまだ申し上げられる段階にはございません。今、各省庁の協力を得まして実態等についていろいろと調査をしているといった段階でございます。
行政情報公開法案についての質疑(3月11日) 2/3
千葉景子君  少なくともこれまでもいろいろと行政文書については問題がございました。役所の焼却場から煙が立ったり、そういうようなことがあるような事態もあったわけですから、やはりこれをできるだけ速やかに、スピーデイーに確立をしていただく。二年先だからそれまでに間に合えばいいなどということではなく、きちっと対処をいただきたいと思います。

 そして、その制度が確立をするまでの間も、滑り込みで早く文書を処分してしまおうなどということがなきよう、その点については最大限の注意を払っていただきたいと思いますが、長官、いかがでしょうか。

国務大臣
(太田誠一君)
 今でも行政機関の中で組織的につくられた文書については、それを勝手に廃葉したりすれば行政処分の対象、懲戒処分の対象になりますし、また場合によっては刑事的な責任も問われることになるのでありますから、この間からあった出来事は今のルールでもあってはいけないことでございまして、私どもはそこはくれぐれも注意をしてまいりたいと存じます。
千葉景子君  それでは、次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 この法案については衆議院の方でもかなり突っ込んだ議論が行われてきたと伺っておりますが、ただ、整備法の方についてはまだまだ残された問題もあるのではないかというふうに思います。

 そこで何点かお聞きをしておきますが、整備法の第七条では、刑事訴訟法に五十三条の二を追加して、刑事訴訟法についてはこの情報公開法を通用除外とするということになりました。そうなりますと、刑事訴訟にかかわってはこの情報公開 法、本法案は適用されないということになり、刑訴のさまざまな規定でしか情報の公開あるいは文書の公開などは手続として運用できないということになりますが、この除外をした理由というのはどういうことでしょうか。総務庁の方にお伺いいたします。

政府委員
(瀧上信光君)
 今回、整備法で情報公開法を刑事訴訟記録に適用しないこととした理由でございますが、情報公開法の適用関係につきましては、関係法律制度との調整ということで、個別の制度でその開示、不開示の要件及び手続について完結的な制度が確立をしているというものは適用除外としているところでございます。

 そして、ただいま御指摘の刑事訴訟記録、訴訟に関する書類につきましては、その性質上多数の事件関係者や訴訟関係者の名誉、深刻なプライバシーにかかわる事項を含み、個人情報等の情報公開法の不開示情報に該当するものが大部分であけまして、こういったものにつきましては刑事司法手続の一環として被疑事件、被告事件に関して作成された書類であって、その適正の確保は司法機関である裁判所によって判断をされるべきものであるということと、そして刑事訴訟法は裁判の公正の確保、訴訟関係人の権利保護等の観点から、訴訟に関する書類を公判の開廷前に公開することを原則禁止する一方、事件の終結後におきましては、一定の場合を除いて、何人にも訴訟記録の閲覧を認めていることでございます。そしてまた、閲覧を拒否された場合の不服申し立てにつきましては、準抗告の手続によるということとされております。

 こういったことから、何人に対しても理由のいかんを問わず開示する請求権を認めるという情報公開法を適用せず、個別の制度で開示、不開示の要件、手続が定まっている完結的な制度として除外をいたしたものでございます。

千葉景子君  別にきちっと完結した制度があるから適用除外だということでございますが、本当に情報公開といいますか、そういう制度として、 それでは刑訴法が完結したきちっとした制度と言えるのかどうか。その点について私はいささか疑問に感ずるところもありますので、法務省も来ていただいておりますので、何点かお聞きをいたします。

 刑訴法では、今お話がございましたように、確かに三十三条一項で終結後は原則公開という規定になっております。しかしながら、刑事確定訴訟記録法、これは確定記録についての法律ですが、この四条二項では逆に確定記録については原則禁止、公開が禁止という内容になっているところでもございます。その結果、例えば不起訴記録のようなものは、知る権利といいますか、その記録が全く保障されないという結果が起こってまいります。

 先ほど完結した制度だという話なんですけれども、原則公開をされ、そして先ほど言ったように、司法の手続上の問題あるいは個人のプライバシーの問題などによって一部あるいは例外的に公開が禁止されるというシステムであれば、情報公開制度を適用せずとも、それが一つの完結した制度になっておるということが言えようかと思いますが、刑事記録に関してはある意味では全く逆転現象が起こっているわけでもございます。

 こういう情報公開制度が確立をしようとしている、そしてその調整によって完結した情報公開といいますか、それぞれ知る権利を保障するという制度として刑事記録については存在しているから適用しないんだと、総務庁の方では適用しなかった。

 法務省としては、逆に刑事記録については原則あるいは最大限公開できるような制度を考える必要があるのではないか。現状の法制度で問題はないとお考えですか。

政府委員
(松尾邦弘君)
 先生御指摘のとおり、刑事事件の確定記録等につきましては、民事訴訟法の場合に比べましても確かに開示の制限事由がかなり規定されているわけでございます。

 刑事訴訟法あるいは刑事確定訴訟記録法がこれ を規定しているわけでございますけれども、民事関係その他の類似点としては、関係者の生活の平穏を著しく害することを閲覧の制限事由という点は刑事においても同じでございますが、そのほかに、刑事につきましては、検察庁の事務に支障があるとき、あるいは二番目には公の秩序または善良の風俗を害することとなるおそれがあるとき、さらには犯人の改善及び更生を著しく妨げることになるおそれがあるときというふうなことで閲覧の制限事由を設けております。

 こうした事由を設けている背景でございますけれども、何点かあろうかと思います。

 一つには、刑事事件におきましては、時には強制的な手段を用いまして、多数の事件関係者あるいは訴訟関係人の重大な名誉あるいは深刻なプライバシーにかかわるような証拠あるいは情報が収集されております。さらに、捜査中または公判中の関連事件あるいは将来の刑事事件の捜査等に支障があるような場合も想定されるわけでございます。また、刑事政策的には、犯罪の模倣の防止といいますか再発の防止というような観点も必要とされております。このようなことが背景となりまして、刑事事件の関係ではかなり閲覧の制限事由がふえる、あるいは多くなってくるということでございます。

 現在の情報公開の整備拡充というようなことを考えましても、こうした刑事事件の記録については、そうした要請とも調和を図るという意味では公開を不当に制限している状況にはないと我々は考えております。

千葉景子君  しかし、例えば先ほども申し上げましたように、刑訴法を適用するということで考えますと、不起訴の記録などは公開をされておりません。公開ど求める手だてはないわけですね。

 最近もいろいろなところで問題になったことがございますけれども、例えば不起訴となった交通事故事犯などがございます。そうすると、被害者が自分で一体事故が本当に相手方に責任があったのかどうか、そういうことが全くわからない。そ こで、例えば現場の実況見分調書などを閲覧することによって、自分が被害を受けた事故について納得できる解決策というのでしょうか、それを見出すことができるということになろうかと思いますが、現在では被害者が実況見分調書すら請求できない。ある意味ではその問題についての当事者と言っても過言ではないわけですけれども、そういう事態になっているわけです。

 こういう不都合についてはいろいろ問題にもなっているところですけれども、少なくとも刑事訴訟法あるいは確定訴訟記録法などによって、全部とは申しません、情報公開制度の中でもプライバシーなどの侵害については十分に配慮することになっているわけですから、そういう例外は別として、やはり確定記録あるいは起訴前の記録、そういうものを公開し得るような法整備、法改正をするべきではないかと思いますが、いかがですか。

政府委員
(松尾邦払君)
 裁判になりまして確定しました記録については、先ほど申し述べたところでございます。また、先生御指摘の不起訴記録でございますが、確かにその中には、事故直後の事故現場の状況を再現したといいますか、実況見分調書という非常に重要な証拠資料が含まれていることは間違いございません。現在、そうしたものをどうするかということについていろんな論議がございます。

 我々としても、できる限りこれを利用できる、あるいは必要性が認められる場合には利用できる方向で考えたいと思いますが、現在のところは裁判所の文書送付嘱託というのがございますが、民事事件になりまして、実況見分調書を送付されたいというような嘱託がある場合には、不起訴記録中に編綴されているものにつきましても応じております。そのほかには弁護士法二十三条の二の照会があった場合、あるいは交通事故紛争処理センターからの依頼があった場合等、公的な担保がある程度あるような場合については、実況見分調書 の開示に応じているということで、できる限り採用しているという現状でございます。

行政情報公開法案についての質疑(3月11日) 3/3
千葉景子君  今お話がありましたように、確かに嘱託などでできる限り対応しているという状況があることは私も承知をいたしております。しかし、それとて完全なる情報開示あるいは情報を得る手続ではございませんので、やっばり私はこの点について今後御検討をいただく必要があると改めて指摘だけはさせていただきたいと思います。

 特に、今回も民事訴訟記録の方は一切除外されていないということになります。先ほど刑事訴訟記録についての特殊性のようなお話もございました。しかし、民事訴訟記録でも同じような問題はあるわけですね。それぞれの私生活やあるいはプライバシーにかかわるというようなことも当然あるわけでございまして、そういうことを考えると、民事訴訟記録については適用の除外はされていない、しかし刑事訴訟記録については適用除外になり、しかもその公開を求める手続については非常に限定されているという状況でもございます。この点については改めて今後私も議論をまたさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ改善に向けて取り組みをしていただきたいというふうに思っております。

 それでは、ちょっと問題が前回に多少戻りますけれども、何かはっきりしないままに知る権利の問題も終わらせていただきました。一、二点だけ改めて、大変恐縮ですけれども、整理をさせていただく気持ちも含めて質問させていただきたいというふうに思っております。

 前回も話をさせていただきましたが、今情報公開条例を持っている都道府県は、四十七都道府県すべて情報公開条例を持っているところでもございます。その中で、最近とみに顕著なことは、その条例の中に、長官はしばらく前までは知らなかったとおっしゃいましたけれども、知る権利、これを明記しているものが大変ふえてまいりました。平成九年の末時点では大阪、京都、沖縄、ここで知る権利を明記した条例がございましたし、 平成十年以降でも愛媛、北海道、秋田、岩手、高知と、やはり知る権利を明記するという方向になりました。そして、現在平成十一年三月時点ですが、それぞれちょうど議会も開催をされ、その中に富城県、埼玉県、東京都など、議会を通じて条例の改正、そして知る権利を明記するという方向性で議論が進められているところもございます。

 今後、よりこのような流れが強くなっていくのではないかというふうに思いますけれども、長官どうでしょう、それぞれ自治体で条例をつくる、そしてまた、そこにどういうものを盛り込むかということはそれぞれの御判断だというようなお話も前回なさっておられましたが、それぞれ自治体が、今多くの市民、国民から求められている知る権利、やはり社会の最も主体は市民、国民であるというそれを踏まえながら、こういう条例を制定しているということについてどう受けとめておられるか。そして、少なくともこういうことについて尊重し、そしてまた謙虚に考えていかれるというお気持ちはございますか。

国務大臣
(太田誠一君)
 この知る権利という言葉は一体いつごろから使われるようになったのかということでございます。

 私は、この間も申しましたようにそう詳しくないのでございますけれども、一九五〇年ごろに日本の新聞協会の一つの運動の標語として知る権利という言葉が初めて使われたというふうにもお聞きをいたしております。それはまた、当時のGHQと言っていいのかわかりませんけれども、占領下にあった状態でございましたから、そのような運動をすべしということで働きかけもあったのではないかと想像をいたしております。

 アメリカにおいては、同様に新聞協会においてそのような言葉が使われたと、ライト・ツー・ノウと言うんですかね、そういう言葉を使われたというふうにもお聞きをいたしております。すなわち、新聞週間のときの一つの運動の標語として使われたのが初めてだというふうにお聞きをいたしているわけでございます。違っていたら後でまた御訂正をいただきたいと思います。

 そうすると、そういう一つの運動の標語として使われたものが、直ちに法律に盛り込まれるべきかどうかということの判断は、すぐれて立法に携わる者の判断で決められるべきことと思うのであります。憲法との関係も再三、委員の方からお話がございますけれども、仮に知る権利という言葉が憲法に明記されていたとしても、それを法律の中に取り入れるかどうかという判断はまた違っておりまして、今も私、随分いろんな中央省庁の改革に関係して法律を見直そうと、憲法と対照しながら見るということもやっておりますけれども、憲法の言葉がそのまま法律に使われているということは必ずしも一般的ではないわけでございます。

 また、憲法の解釈上、知る権利ということが、今のおっしゃられるようなところで憲法の解釈をしていくと、日本語の解釈として自然に知る権利という言葉に結びつくようなものであるのかどうかということについても、また考え方が私は必ずしもそういうふうに直ちには結びつかないというふうに思うわけでございます。

 したがいまして、地方自治体において、これは要するに地方と国はお互いに独立で対等であるというふうな考え方でずっときておりますので、我々も地方の自治体の条例について意見を言えないのと同時に、地方自治体がどうだからこちら側がどうすべきだということも、またお互い独立しておるわけでございますから、ないのではないかというふうに考えているところでございます。

千葉景子君  もう時間がなくなりますので、最後にさせていただきます。

 今情報公開制度をつくる、本当は私はやはり立法機関のある意味では責任であろうというふうに思います。行政に対して大変緊張感を持った法律ということになるわけですから、そういう意味では立法機関として明確にこの法律がどういう趣旨を持ち、どういう目的を持った立法であるかということを明確にしておく責任というものもあるのではないかというふうに思います。

 長官のさまざまなお考えや御答弁などをお聞きいたしておりますと、この法律は国民主権、そして国の説明義務、こういうものを明らかにし、そしてそれを具体化しているんだというお話でもございました。私は、そうなりますと、まさにそれこそが知る権利というものに裏づけられた制度であると言って全くおかしくないというふうに思います。

 そういう意味では、これから国民にとって利用しやすい、そして本当に国民の立場に立った国民主権、そしてその実現を図る制度としてこの情報公開制度を私たちがスタートさせるのであるとすれば、やはり立法機関としても、これは裁判所がどうだとかあるいは自治体がどうだということではなくて、国の意思として国民の知る権利を明確にここではっきりさせますよ、それを具体的に保障する立法をしますよということを自信を持って明記しておくべきではないか。それが今後のさまざまな運用やあるいはこの適用に当たっても大変大きな基盤になっていくものというふうに思います。

 そういう意味で、再度この点について大臣としてのお考え、そして立法機関としてもしそういう意思を持っているとすればそういうものを尊重されるお考えはあるかどうかお聞きして、終わりにしたいと思います。

国務大臣
(太田誠一君)
 この情報公開法がこのようにして日の目を見るというか、生まれるに至った経緯というものの中で、従来から知る権利という言葉でもって象徴されるようなお気持ちでずっと先生を初め多くの方々が運動しておられたことは大いに敬意を表さなければならないと思います。

 しかし、日の目を見るに至ったのは、必ずしも長くそういう御認識で続けておられた方々ばかりではなくて、この時代の流れの中で、時代の変化によっていよいよそういう国民主権というのはそこまで含むんだ、行政情報の開示まで含むんだというふうに発想の転換をされた方が随分おられて、特に自由民主党の場合はそういうところがあるわけでございますが、自民党の中で随分考え方がこの十年間で変わってきたわけでございます。その結果としてその情報公開法が出てきた、生まれるということに至ったわけでありますから、国民の中にもあるいは国民の代表の中にもさまざまな考え方があってそこで合意された今日の内容であるということでございますから、その言葉になじまないという方々も賛成者の中に随分おられるわけであるということ、私はぜひそこは、何といいますか、考え方の違う者がお互いに考え方が違うということを認め合って、その上で折り合っていくというのが真の民主主義であろうかと思うわけでございます。

 ただし、この間からおっしゃっている知る権利ということが意味することは我々も大切だと思っておりますので、ぜひこの法律でもってそのような考え方が行政機関の中で広く浸透していくように努力をしてまいりたいと思います。

千葉景子君  終わります。



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