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子どもたちに出来ること


 いま、全国で親(保護者)からはなれて生活している子どもたち(0歳〜18歳)は約3万 6千人。乳児院(0歳〜2歳未満)、児童養護施設(2歳〜18歳、高校卒業まで。高校へ進 学しない場合は、中卒で退所)、そして、少年院(児童自立支援施設)など。
 この子どもたちの多くは、保護能力の欠ける親たちの虐待(身体的、精神的、性的、 ネグレクト(世話の放棄))から保護されて入所した子どもたちです。
 子どもたちに問題があるのではなく、親の側の問題から入所を余儀なくされたと言っ ていいでしょう。
 その結果、子どもたちの多くは、心の傷を負って、施設へ入所してくるのが現状です。

 この現状をふまえて、いま、施設(特に圧倒的に数の多い児童養護施設)の職員たち は、以下のことを要望しています。

1. 子どもを育てる環境をつくり出せない、精神的に不安定な親への支援。(これは児 童相談所などの仕事になると思いますが、地域での助け合いや支援も欠かせないでしょ う) 親が精神的に不安定で入退院を繰り返しているケースは多いのが現実です。

2.親の虐待で、精神的に不安定(心の傷を持っている)な子どもの入所のケースが多く、 その子どもたちのことについて相談する場所がほとんどなく(行政をタライまわしに されることが多い)、病院もそのような子どものケースを扱う専門医が少ない。 (早急な、子どもの心の傷をケアする専門医の養成と児童心理療養施設(重度の被虐待 児の入所施設)の義務化。現在、全国で20ヶ所に満たない)

3. 子どもの心の傷を専門的にケアする施設の設置。現在、児童養護施設は、深い心 の傷を受け、問題行動を繰り返す子どもたち(再現性と呼ぶ。暴力を呼ぶ行為。暴言 や暴力を理由なく繰り返す行為)のケアにふりまわされ、少ない職員(子ども6人に職 員1人の割合)は、どの施設もパニック状態になっている。(現在、国は、1施設に専門 のカウンセラー予算として約80万(年間)をつけているが、どこの施設でも、その予算 で専門のカウンセラーを確保するのは困難なのが現状。

4. 心に深い傷を受けた子どもたちを施設の職員だけではなく、施設外の人たちの支 援が必要。

〈佐世保の事件を受けて〉

学校カウンセラーの設置は、全国的に数的には進んでいるが、問題はまだまだ専門家 が不足している。神奈川は、他見に比してそれなりに配置が進んでいるが、もっと充 実させる必要がある。

学校でのIT予算は増加していて、パソコンの設置は進んでいるが、その利用の仕方や、 バーチャルの世界とのつき合い方本当に教育されているのかが、問題。

週休2日制になって、学校内はますます過密になり、また、土・日の地域でのサポート支 援は不完全。

身体や言葉をつかっての、子供同士のコミュニケーションのとり方を学ぶ機会が少な い。(学校でもいままであった行事が減少。みんなと一緒にとりくむ機会が減ってい る)

学童保育所や児童館などでの異年齢の子ども集団を作っていく。(地方に行けば行くほど、子 どもは孤立している)

いのうえ せつこ
(フリーライター)
いのうえせつこさん写真
著書に「子ども虐待」「女性への暴力」「高齢者虐待」(新評論)等多数

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